2020年2月29日、群馬県は水上にある雪山の定番「上州武尊山」を歩いてきました。標高2,158mながら稜線はなだらかで冬シーズンは多くの雪山登山者でにぎわう山です。
僕は以前もこの雪の武尊山を歩いているのですが、久々に歩きたいなぁ~という気持ちに駆られ訪れることとなりました。
上州武尊山といえばですね、歩いた人はみなその稜線の美しさを特徴してあげることでしょう。
夏山シーズンは稜線に上がるまでは中々見るものが無くて困ったなぁという山だったのですが、冬シーズンは一味違います。
なんたって川場スキー場からそのまま稜線に入れてしまうからね。
というわけで今回は川場スキー場から登る、冬の定番上州武尊を歩く登山記録です。
なんか記憶が確かならD850を二台に加えてPENTAX K-1を持って歩いていたような……?3台カメラ持ってたような??
景色をいろんなカメラで記録する、そんな登山の始まりです。
上州武尊山冬山登山概要
川場スキー場ですでに楽しい武尊山
2020年2月29日午前10時40分、上州武尊山山頂
白銀の上州武尊山、冬といえば上州武尊山というくらい昨今は雪山のメジャーでレジャーなスポット。
そんな山頂に立っておりますRedsugarです。皆さんは毎年どこの雪山に行きますか?
僕はアルプスに行きたいなと毎年思いながら妻と子供との約束もあってあきらめて群馬と東北の雪山に行くことが多いです。
そんな中でこの上州武尊山、手軽&気楽に雪山の稜線を楽しめることと登りやすいことから多くの雪山登山客で毎度溢れております。
今回は定番の川場スキー場から雪の稜線を楽しんでいきたいと思います。
午前7時00分、川場スキー場駐車場。
おはようございます、川場スキー場の駐車場で凍えているRedsugarです……。上州武尊山は一般登山客はスキー場から登る山、ということで川場スキー場にやってきましたが営業時間前の7時に到着しました。川場スキー場の開園は7時30分ですがリフト運航時刻は8時……ということで殆どのスキー客と登山客が駐車場に入るもののアイドリングしながら皆さん車内で寝ています。
僕もあまりに寒いので毛布にくるまってウトウトとしていたら……7時40分になってた。
寝過ごした~~!!!!
なんということでしょう、ウトウトしてたら30分以上も時間が経っていました、キングクリムゾン……。慌てて登山靴を履いてザックを背負いスキー場の受付へと向かいます。初めての人もいると思うから説明すると、上州武尊山は川場スキー場の一番上のリフト降り場から登山が始まります。なのでリフト券往復が必要なんだけど、このリフト券を購入するためにはまず登山届の記入をします、同時にココヘリも500円でついてくるからそれも承諾して発信器を受け取ってください。
それらの準備が出来たら桜川エクスプレスに乗って登山口へGO!!
リフトを乗る→降りて次のリフトへ乗る→降りて……を繰り返して上州武尊山を登っていきます。この時点ではアイゼンつけれないのでスキー場の端っこを歩くといいです、真ん中歩くとスキー客と激突する人もいるから。
リフトに乗ってどんどんどんどん上州武尊へと近づいていきます、夏場の武尊神社からのアクセスを考えると滅茶苦茶楽で笑ってしまいます。文明の利器っていいなぁ……。
リフトからボケーっとあたりの山々を見回す、20年は雪少な目でした。
どんどん登っていくリフト、本日は風もなく気温も暖かいため防風シールドを降ろさなくてもよかったです。
奇麗なシュプールが描かれたゲレンデ、目の前に断崖絶壁が見えるけど、登山者はあの上を通っていくんだよ。
午前8時30分、リフトトップ。
よっこらしょと降り立ったリフト山頂駅、ここが本日の出発点となります。この写真を撮っている僕の真後ろに髑髏マークで登山口と書かれた看板があります、そこが入り口です。この時は「何この登ると死にそうな登山口案内」と思った。
剣ヶ峰という展望台
登山口を登るとさっそく見える断崖絶壁、登山道は大きく左側斜面へと迂回してあの上を通過していきます。上州武尊山はこの位置からだと見えないからまずはあの上へと登りましょう。
写真を撮っている間に登山客が続々と登っていく、人気の山なんで晴れた土日は大体トレースがあるのはありがたい。
僕のような撮影メインのエンジョイハイカー的には非常に助かる展開です、先頭は疲れるし写真なんてとる余裕ないし。
ちょっと急なところもあるけど、とり付いてみるとそんなに難しくはない、みんなに続いて登っていこう。
一番急なところは結構な斜度があるけど、午前の間は日陰であることから雪がしまっててステップ作りながら登ることは容易い。
稜線へと上がるとまず見えるのは剣ヶ峰、もっこりと天空を指すあの頂が剣ヶ峰だ!!!
夏に見たやつに比べるとだいぶ形状が違う……。これじゃあもっこり山だよ。
剣ヶ峰への登りは見ているだけでも爽快感があります、天空の階段を上るように一直線に伸びた道を進んでいく……美しいぜ冬の剣ヶ峰。
もっこり山じゃな……。
もっこりしてるね……。
午前9時20分、剣ヶ峰より。
剣ヶ峰山頂まで登れば上州武尊山の裾野へと降りるいくつもの稜線が見下ろせる。さらに北には谷川や平標山とかの上越国境の山々が真っ白になっている姿とかが拝めます。どんなに雪が少ない時期でもやっぱりあの辺の山々は真っ白で良いです。
ブーメランみたいにカーブした剣ヶ峰の尾根筋。
剣ヶ峰から先を見ると巨大な雪のお化けみたいな沖武尊、上州武尊山本体が見えます。なんだこの恐ろしい化け物みたいな見た目は。冬の月山のように恐ろしい見た目をしている……。
一番怖い見た目の冬山は個人的には月山、生き物みたいな見た目してて単純に気味が悪い……、出羽三山であの世扱いされているのが見た目で分かる。好きな山だけど雪景色の時期は一抹の不安を覚える見た目をしている。
剣ヶ峰から歩いてきたほうを振り返る、稜線にだけたんまりと雪がたまっているんだな。
上州武尊山は稜線は真っ白でふかふかの雪に覆われている山でありながら歩きやすいこともあり雪山登山では初期に訪れる人が多いのかもしれない。岩場もないしピッケルを使ってガシガシ行くようなところもなく、延々と雪上を歩くような感じの道が続く。
上州武尊山は稜線にあり
稜線のアップダウンはそこまで激しくはない、山頂まで普通に歩けば2時間もかからない。ただ撮影しながらだったので僕はそれなりに時間を食ってしまったけども。良い景色が拝める山だなとは思う。
剣ヶ峰から見る沖武尊は要塞のような雰囲気がしていいよ、良い所。
剣ヶ峰から降りる所はちょっと怖いかもしれない、ちょっとした石段みたいになっているから。夏場もここは急なんだけど冬は雪がしっかりついた岩場になる。落ちたら痛い事間違いなしなので慎重に降ろう。
降りたらあとは大雪原を延々と歩くだけです、バフバフと音を立てて雪の上をはしゃぐこともできる広場もあります。
雪を纏った針葉樹がとってもきれいな上州武尊山、この景色には心が躍る。
剣ヶ峰を振り返るとこんな形状をしていたんです、剣ヶ峰っていう名前の通り突き出た頭が特徴的。これがもっともーっと飛び出ると槍になるんでしょうかね。
先に歩いて行った人たちはもう山頂に到着しているらしい、寝過ごしたばっかりに後発になってしまったんだけどトレースはしっかりとついていてありがたい。沖武尊山頂までは登り二回、下り一回ってところですね。
最後の登りが結構きついんだよねぇ~。この写真を撮影している付近は楽しい所だし景色もいいので色々写真撮ったりしてくださいな。
穏やかな稜線エリア、この辺りは晴れていれば歩くのが本当に気持ちのいい所でしょう。サクサクと音を立てて雪を蹴って歩くのが楽しい。
さて目の前の沖武尊、空には雲がちらほらしてきたからとっとと登らないと曇りそうです。
冬場の晴れっていうのは大体移動性高気圧によってもたらされるものなので、午前中天気が良くても正午付近から山には雲がかかり始めて午後は天気が崩れていく……みたいなことが多いです。
真上にドーンと高気圧が一日中のっかってるみたいな奇跡の天候の時は絶対に逃せないっていうことですね。
日本海側は冬型の気圧配置の場合晴れることがまれです、谷川はまだ比較的晴れやすいのですが西吾妻山や蔵王といった樹氷の名所になるとシーズン中に一日中晴れる日は2日あればいいくらい。
なので行くと決めたら天気予報を毎日チェックし続けなくてはなりません。
さらに晴れるとなればすぐに行けるようなフットワークも求められるので、会社員の場合は仕事の責任も重くなりにくい若手のうちに行くのがお勧めです。
剣ヶ峰から降って降って最低鞍部まで降ってきた、見上げると剣ヶ峰が遠い……帰りはあそこまで登り返さなくてはなりません、上州武尊山の唯一の欠点はこのピストンコースでのアップダウン。一般登山者が歩ける冬山は大体ピストンになるんだけど毎回これはしんどい。
兎ちゃんの足跡が稜線へと消えてゆく、こういうシンプルな景色は大好きなのでよだれが出そうでした。よだれ凍っちゃうな。
さて沖武尊への最後の登りへと差し掛かりました、ここから先は登り一直線でただひたすら上ります。
もう真っ白な稜線をひたすら上るだけなので目が痛い……、サングラスなしでは目が焼けちゃうのでお気をつけて。
冬山登山では日焼け止め、サングラスかゴーグル、バラクラバが必要です。とにかく光が強く夏場よりも全然紫外線がつらいです。眼鏡の場合はゴーグルが少し高くついちゃうけど頑張って装備を揃えたほうが良いです。
冬の沖武尊へようこそ
午前10時50分、上州武尊山山頂。
上州武尊山山頂に到着しました、山頂はめちゃくちゃ人がいるので大体踏み固められています。20年は積雪量も少なく山頂の看板は全部見えてました。積雪が多い年は上半分しか見えないとかもあります。
山頂でのんびりと登ってくる方々やあたりの山々を見回します。今日はカメラ3台持ってたんですよね……D850を二台にK-1を一台、この記事を書いているタイミングではそういうカメラ機材を持って登ることはしていないのですが、思い返すだけで重量に寒気がしてくる……。
あたりを見回すと至仏山が一番特徴的に見えたかな、あとは谷川方面、遠近感が無くて地平線に沿って一直線に並んだ雪山がとても奇麗です。
重量が重いほうがつらくて景色をまともに見れなくなるから、あんまりカメラばっかり沢山持って登ってもな……という気持ち。
こちらは沖武尊から西側です、目の前のスキー場はホワイトワールド尾瀬岩鞍ですね……尾瀬ですよ尾瀬!!
上州武尊山は谷川も近いんだけど尾瀬が凄い近い、至仏山がお隣に見える。
続々と登ってくる登山者の方々、遠景に見える白い山と画面中央付近の岸壁を携えた山が谷川岳です。画面右上が朝日岳とか馬蹄形の白毛門方面って言えばいいのかな?
谷川岳の一ノ倉沢はこの位置から見てもそれっぽく見えるからすごいな……。
午前11時50分、下山開始。
なんか奥さんと電話してたりしたら1時間くらい時間が経過してました、恐ろしい。
上州武尊山から下山することにしましょう、まだまだ登ってくる人いるので山頂混雑しちゃいそうだしね。だんだん雲も登ってきているので、これは雪原に雲の影と光がリズムよく落ちた景色が楽しめるかもしれません。
下山していたらちょうどいいタイミングで雲がかかり始めました。
冬山って晴れてると白一色でのっぺりとしているんだけどこうして適度に雲が影を落としてくれると途端にドラマティックになりますね。こういう景色の一期一会を楽しみながら歩けると幸せでなりません。
気温も上がり足元のサクサク度合いも全くなくなりベタベタとした重い雪がまとわりつき始める時間帯、一瞬影が山全体を覆いつくします……剣ヶ峰だけが偶然輝いていたり……こういう景色も良し。
アイゼンの裏側に団子みたいになった雪がまとわりついてしまう時間帯、足が少し重い……。
剣ヶ峰まで戻ってくるころには雲は流れ再び元の晴天へ、空には若干高層の雲がかかりつつあるけどまだまだ多くの登山者が上州武尊山へと登っていくようでした。一日中晴れるなら確かに朝一で来なくてもいいのか……。
子供が居たり、30代後半以降で朝がつらくなった場合は無理して深夜に出発するよりも朝6時くらいに家を出て8時のリフトを目指してもいいのかもしれない……。
でもあれか……スキー客で関越道すごい混雑するからやっぱり車なら深夜に移動するのが一番かな。
山頂駅にたどり着いたらポケットの中で若干汗で湿ったリフト券を取り出し係員さんに提示します。アイゼンを外すと足が軽い軽い……リフトにドスンと尻もちをついたらあとは川場スキー場を降っていくだけです。お疲れ様でした。
レストランにたどり着く頃には日も上がって雪もべちゃんと重くなってました、あとすんごいスノーボーダーで沢山。
リアルが充実している感じが凄い、ロマンスの神様が居そうな空間だった。
川場スキー場にたどり着く頃には雪もだいぶ解けてしまっていた20年冬の上州武尊山、スキー場でコーラを楽しんでいたら携帯に連絡が……そこには妻の名が書かれていました。
「うーん、これはすぐに帰らないとまずい……」ということで今回は旅のご飯などはなく一直線に帰ります!!!
上州武尊山を登って降りただけでご飯などを楽しむ余裕が無くて本当に残念だけど、稜線は楽しかったからオッケーとしましょう。
次回くるときは公共交通機関アクセスで帰りに沼田の酒を浴びるほど飲んで帰りたいと思いました。
コメント