【上信越】四阿山、静寂広がる冬景色を楽しむ雪山登山

四阿山見出し

2020年3月7日、信州は上田にある日本百名山「四阿山」を歩いてきました、標高は2,354m。
当ブログでは冬にばっかり歩いてて夏に歩きたいけど中々機会が無く、根子岳との周回も適っていない場所です。見出しを見ていただければわかりますが……今回も積雪期です!!!

四阿山って雪山登山としてはとっても優しいし歩きやすい山なんですよね、牧場から延々登るだけだし、山頂付近には雪をたっぷりと纏った針葉樹もたくさん見れるし。黒斑山とかを歩いた後にまた雪山歩きたいなーとおもったときの味変的な雪山としていくと楽しめるんじゃないかなと思います。

四阿山の特徴でもある眺望の良さなんですが、雪の壁と化したアルプス山脈や南側に異様な存在感を放つ浅間山の一連の山々がとりわけ美しいです。
登山時間もそんなに長くないので雪山をこれからどんどん登っていきたい方向けに、北八ヶ岳や黒斑山の次に歩いてみる場所として考えていただくのがよさそうだなーと思いました。

目次

四阿山雪山登山概要

概要
冬の四阿山は自治体のガイドサイトとかはありません、雪山だからしょうがないんだけども。
ただここはかなり登山者が多いこともあり、ヤマレコ/YAMAPに大量のレポートが上がっているので、シーズンになれば大体自分が真似したい道がアップされるはずです。
僕はあずまや温泉の駐車場を出発して牧場を横切って山頂を目指しました、大体夏と同じ道を通っています。

アクセス
冬季の四阿山は車でしかアクセスができません、「あずまや温泉の登山者用駐車場」を利用しての登山となります。

コースタイム
菅平牧場5:50→八合目7:30→山頂8:30→菅平牧場10:50
合計登山時間 5時間00分
のんびりと歩いて5時間程度です、本当に登って降りてを繰り返すだけです。

夜明けの菅平牧場には静寂が広がる

山頂を見上げる登山百景

2020年3月7日午前8時20分、四阿山山頂前。
山頂前からおはようございます、Redsugarです。今回は2度目となる冬の四阿山……、夏には一度も登ったことないのになぜか冬のリトライとなりました。
というのも画面手前の登山百景さんと奥のみやっちさんとどこに行こうかと話していて、三人が合流しやすい地点かつ久々に歩いてみたい山がここしかなかったという消極的な理由となりました。

redsugar

だってよー、黒斑山とかみんな結構歩いてて詰まんないっていうんだもんよー。

というわけでやってきた四阿山ですが、20年度は積雪はそんなに多くない年だったこともあり雪は控えめ、山頂付近に小さな樹氷ができている程度で、他は積雪も少なく歩きやすい登山となりました。

午前5時50分、菅平登山口付近。
早朝の横川SA、上信越道に行くときは上里か横川で必ずご飯を食べている気がする……。ここでご飯を食べておくとそのあとのPAでトイレに行きやすいんだよねぇ~という豆知識。
あずまや温泉の駐車場で登山百景さんと合流し、登山準備を整えて登山道へと躍り出ました。

redsugar

写真では明るく見えるけど、感度を相当上げて撮影しています。日の出前なのでかなり暗かったよ。(この時期の日出は6時以降)

早朝の菅平

日の出前のブルーアワーとでも言いましょうか、静寂が広がる青い景色の中を進みます。というか菅平牧場に差し掛かり目の前はだだっ広い雪原……なんだけど一部土が露出するくらい今年は雪が少ないです。

遠方に見える浅間山

後ろを振り返ると日の出を迎える空に浅間山北面が見えます、浅間山はちゃんと雪を纏っているようだ。

遠方に見える北アルプス

菅平の牧場から遠巻きに見える北アルプスの稜線は真っ白です、手前のスキー場は菅平パインビークかな。早朝の一瞬だけ訪れるブルーアワーはすべてが乳白色になる……といいたいのだが手前の枯れ木が邪魔で仕方がない。

先を歩く二人の登山者

今日は登山百景さんとみやっちさんと歩いていく予定なんだけど、歩く速度に定評のある二人なので案の定おいていかれる、この後もずっと二人の背中を眺めながら歩くことになってしまいます……。ハイカーとしては二人とも早いんだよなぁ。

redsugar

写真を撮ることの比重が多い僕からすると二人の速度は本当に早い、ストップアンドゴーで追いつくんだけどインターバル走みたいになることがあります。

乳白色の空に浮かぶ北アルプス

牧場から見える北アルプス、白馬方面だろうか……乳白色の景色に浮かぶ真っ白な稜線はそれはそれは美しいものでした。できれば手前の地面の土が見えなければよかったんだけれど。
でもま、写真的にはいい感じのラインというか前景ができてよかったね、ということで!

そのあともスキー場とその奥に見える北アルプスを眺めながら登っていきます。北アルプスと一緒に高妻山とかその辺の山々も姿を現してくれたり。

登山百景氏とみやっちさん

太陽が天高く登ってきてくれたのはいいのですが、残念ながら高曇りというか霞がひどくて光が拡散している朝。それはそれで光が柔らかくて目の前の二人が優しく浮かび上がる。
ちなみに前の二人の速度は全く優しくない、加減してほしい。

四阿山、ひたすら上り続ける山

四阿山はここから先ひたすら上り続けることとなります、もう一直線。まるで男体山です、ここから先は白樺の樹林帯を越えて針葉樹林帯に入ります。山頂まではまだまだ先です。

四阿山を登る登山百景
redsugar

ちょっと、加減しろっていった直後に登っていかないで!!

登山百景

普通に歩いてるだけなんだけどな……

雪に埋もれた旗

温泉ののぼりですかね?雪に埋もれていました。

四阿山の木々と浅間山

裸になった冬枯れの白樺林を歩きながら高度を稼いでいくと、浅間山のすそ野が見えるようになってきます。四阿山から一番よく見える山である浅間山ですが、明け方は乳白色の空の向こうで霞んでいるため柔らかな印象を携えていました。裾野のカーブは富士山を思わせてくれる。

四阿山の上に広がる青空

四阿山の空は広く、眼下に広がるのどかな景色は時間のスケールが東京よりも全然のんびりとしていそうな景色。ここから見る景色は時間が止まっているようです。

北アルプス稜線

スキー場の向こう側に見えていた北アルプスですが、いつの間にか肉眼で見えるサイズが小さくなってしまいました。これ湯の丸山でもあったんだよなぁ……。ズームを伸ばして穂高岳方面を見てみると……大キレットしかわかんねぇ。

redsugar

この距離から特徴的な何かを見つけろと言われると大キレットくらいしかキャッチーなものがない

裾野を見下ろす

四阿山は志賀高原の南端側の山で地味な山として扱われてますが、長閑な景色というか刺激的ではない景色が広がるいい山だと思うんですよね。山岳大観的な刺激が強い景色じゃなくて、より空の広さを感じさせる空気感が漂う場所だと思います。

根子岳方面

根子岳でしょうか、歩いたことないんだよなぁあっち……、見上げると森林限界的な場所が見える。

四阿山八合目

午前7時30分、四阿山八合目。
牧場を出発し延々と登山百景さんとみやっちさんの背中を追いかけて八合目までやってきました。
冬でもこの岩が露出したままというんだから今年の雪は本当に少ない……、地面も風雨で固まってしまっているし、登山道は多くの登山者によって踏み固められカチカチです。

八合目から見下ろした景色

四阿山は森林限界は越えない山なんだけど、山頂部分に向かうにつれて植生が針葉樹に変化していきます。8合目付近は木々もまばらで眺望もよいので振り返れば遠く南アルプスや八ヶ岳を眺める好展望。空が広い。

空を見上げる登山百景

景色を楽しんでいたんだけど声をかけられて後ろを振り向くとどんどん登っていく人たち、だから早いって。
四阿山はただひたすら上り続ける男らしい山です、そういう部分では男体山に通ずるところがあります。男体山ほどの標高差はないが救いですけども。

四阿山を登る人々

標高を上げるにつれて積雪も増えては来ているんだけど、やっぱり木々は青々としている。そして道も踏み固められていて地面がしっかりとしている……。

露出した石と浅間山遠景

日当たりのいい場所はご覧のように石が結構露出しています、場所によってはアイゼンが痛みそうだ……。
奥に見える浅間山や湯ノ丸山といった山々を眺めながら森林限界の様相を呈した山肌を登っていきます。

9合目付近から見下ろした景色

八合目以降で後ろを振り向けば遠くに八ヶ岳が、あたり一面風が強いことと日当たりがいいことで足元の状態は悪いんだけど景色を楽しみながら登っていく。

四阿山九合目

一旦山頂に着いたかなと思うような景色が現れますが、四阿山の山頂はもうちょっと奥にあります。

四阿山山頂、遠望する志賀高原の山々

先行する宮っちさん

山頂に向けてラストスパート、標高も2,200mを越えたくらいの位置でようやく木々も雪を纏い始め、まだ枝先には朝の氷がまとわりついた状態になってきました。

登山パーティー

なんか後ろから大きな声で会話が聞こえるんだけど、怒っているような……?
振り返るとパーティーがすごい勢いで登ってきているんだけど、地元の山岳会/山クラブの方々だったようです。一番若いお兄ちゃんがお爺ちゃんに結構怒鳴られてていったい何が……?

redsugar

ああいうの見ると、そういう組織に入るのはちょっと気が引けるよなぁ……。

浅間山

標高も上がり浅間山が大分きれいに見えるようになりましたね。

浅間山を見やるみやっちさん

浅間山の景色を楽しみながら先へと進んでいくみやっちさん。その周囲にはバックカントリーの方々のつけたスキーの跡が刻まれています、途中の岩石地帯を上手く通過していくんだろうなぁ……。

浅間山山頂を目指す

目の前にようやく山頂が見えてきました、画面右奥に見える尖った三角形が山頂です。手前には白く雪化粧した木々が、山頂手前でようやく冬本番の景色になりました。

ここまで来たら大分積雪量も増えて地面が露出した地点もさすがになくなりました、木々の間を抜けて山頂を目指します。曇っていたりガスだと同じ景色が広がる場所でもあるのでご注意を。

四阿山山頂

山頂目前、ここからいったん下って登り返したら山頂です。これまでの緩やかな登りではわからなかったけども、北斜面は結構急峻で危ないんだよね……。

山頂を目指す人々

四阿山山頂へと向かいましょう、いったん鞍部へと下るこの部分、北側に少し雪庇が発達するようです。

山頂手前から振り返る

登り返しを振り返るとこんな感じ、山頂付近はさすがにモフモフの雪に覆われていました。乾燥していて心地のいい雪で安心しましたよ……。

redsugar

内地の日本海側みたいな重い雪じゃなくて、ちゃんと乾燥した雪で良かった……。

遥か彼方の浅間山

山頂手前になっちゃうと浅間山も少し遠い、広角で見ると浅間山の連山はこんな感じになっています。
標高的には2,000mを越える山々なはずなんだけど、浅間山だけが奇麗に雪化粧していて不思議ですね。

四阿山山頂

午前8時30分、四阿山山頂。
何度も振り返りながら山頂まで登ってきました、依然と同じく今回も冬に来てしまったが……。
3人で荷物を降ろして少し休憩することにしました。僕はここでD850からK-1にカメラを換装するのですが……カメラをいくつ山に持っていけば気が収まるのか、この時期は頭がおかしかった。

四阿山ナイフリッジ

以前来たときにナイフな感じになっていた稜線、今年も細ーく雪が積もっていました。位置的には谷川とか向こう側を見ているんだけど霞が強くて見えません。

四阿山から見た志賀高原方面

奥に白い山が見えるのがわかりますでしょうか、地図で確認したらあれは岩菅山らしい。さすがに北にあるだけあってかなり雪が積もっているみたいだ。ちなみにその一つ手前が横手山、あんまり積雪しているようにはここからでは見えない。
四阿山から見る北側の山々は鬱蒼とした木々で覆いつくされている、その中でひときわ輝いて見えるのが岩菅というのが少し地味で面白い。

redsugar

群馬県との県境となる鉱山エリアもこの目線の先にあるはず……だけどよくわからないな。

山頂からの景色を北/南と楽しんでいるうちに他二名が下山準備を完了させていました……、もうちょっと遊んでたいけど僕も帰らなくてはなりません。最後に西側に目をやると根子岳方面は奇麗な雪の斜面が……あれは楽しそうな斜面だわ。
その奥には北アルプス北部が緩やかに日本海に向けて標高を下げて行っているのがわかります。

下山、真田の温泉とつけ麺「めんめん」

四阿山を下山する

午前9時10分、四阿山下山開始。
結構長い時間山頂にいたのですが、そろそろ下山しましょうかという雰囲気になってきたので降りることにしました。カメラを3台持ち換えて遊んだりしていたけど、やっぱりカメラは1つで十分だな!

redsugar

重石を背負い続けていたんだ俺は。

四阿山の下山ですが、前回もそうだったんですけども驚異的な速度で下山が進みます。雪山の下山は早いという人がいます……、僕は場所によると思うのですが四阿山は僕の中ではめちゃくちゃ早く下山できる山でした。

風景を楽しみながら下山してはいるんだけど、雪は本当に膝への負荷がかなり軽減されるのでずんずん下山が出来てしまうんですね…、これが恐ろしい。

白樺帯

あっという間に牧場上部の白樺林まで降りてきてしまいました、下山を開始してから50分くらいかな……。
登りの半分以下の時間で下山しています、降りるのが本当に早すぎていろいろともったいない気持ちになる。

redsugar

というかこれでも途中撮影のために足を止めてもらったりして、ゆっくり降りてきていました。早い人ならどれくらいで下山できてしまうんだろうか。

下山

牧場を越えてあずまや温泉の駐車場へと向かいます、もうここまで来たら3人で雑談を楽しみながら下山する余裕がある。

登山の矢印

午前10時50分、菅平牧場登山口付近。
途中牧場でかなり遊んでしまったので駐車場には少し遅れて到着したんですが……、11時前に下山が完了していました。標高2,000mを越える百名山なのに12時前に下山が完了するなんて驚きです。
いかに四阿山の冬は歩きやすいかということですよ。

午前11時40分、ふれあいさなだ。
四阿山を下山した我々は温泉を求めて真田健康ランドへやってきた、上田は真田の地だからわかるんだけど何でもかんでも真田つけすぎじゃないかと思いながらもあまりかいてもない汗を流し明治のコーヒー牛乳を味わいました。長野なのに……なぜ八ヶ岳乳牛じゃないんだとケチをつけたくなったけどこの辺は真田の地だからな。諏訪の地からは離れているから仕方がないんだろう。

めんめん
redsugar

お勧めのラーメンとかあるんですか?

登山百景

めんめんです

redsugar

え、は??? めんめん??(何言ってんだこの人)

登山百景/悲

めんめんです

めんめんって何のことを言っているのか一瞬全く分からなかったのですが、めんめんというラーメン屋でした。
つけ麺専門とは珍しい、つけ麺の流行といえば東京なんだけど長野にもついにその波が来たのか。

めんめん

下山後なんで何でもおいしい、元も子もないことを言いそうになりましたが美味しいつけ麺でした。
というかとても食べなれてるつけ麺らしいつけ麺の味……、盛りも多めにしておいたので大量の炭水化物を摂取することが出来たと思います。
というか奮発して全部盛りを発注しておけばよかったなと後悔しました、写真で思い出すと卵とか全部つけてよかったんだここは。

redsugar

20年はまだ食に対しての興味が浅い、もっと食に興味をもっていかないと!!!

というわけで四阿山をスッと登りササッと下山しつけ麺を流し込んだ我々、登山百景さんは2人の子育てのストレスを多少発散できたようで、明日もまた山に登りたいような顔をしながらつけ麺屋を後にするのでした……。
それを見送った後、宮っちさんと僕も東京への帰路につくのですが、つけ麺の炭水化物効果でえらい眠かったです。

9合目付近から見下ろした景色

冬の四阿山は登りやすくて降りやすい、積雪の多い年に是非また登ってみたい。
四阿山は登りやすくていい山です、冬の時期は本当に手軽に歩けます。埼玉からは少し遠いんだけど、長野とか群馬に住んでいる人なら天気がいい日に気軽に登りに行けそうな感じがあって僕は好きです。近くにあるならこれくらい牧歌的な山がいい、それくらい「普通」が詰まった百名山だと思います。
百名山の中では地味な方って言われるけど、雄大で激しい誰もが見て感嘆する景色は確かにありません、でも居心地のいい「普通さ」がここにはあるなと思うので、そういうのを優しく伝えれるようになりたいもんです。

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