2019年6月26日、長野県と群馬県の境にある烏帽子火山群の一角「湯ノ丸山」を歩いてきました。
標高は2,101mで6月下旬に咲くレンゲツツジが有名な山です。
ここの特徴はスタート地点の地蔵峠から徒歩約1時間で山頂にたどり着けるところ、つまり写真を撮る人にしてみれば早朝に地蔵峠を出発すれば、雲海の稜線撮影を狙える穴場的なスポットだったりします。
今回は早朝の雲海、そしてレンゲツツジを楽しんだ後お隣池の平湿原を周回するという湯ノ丸高原丸ごとお楽しみツアーといった形で休日を過ごしていきたいと思います。
この湯ノ丸山、周囲には上質な温泉がゴロゴロしていますし下山してみれば蕎麦屋を筆頭に現地のグルメがひしめき合う屈指の登山観光スポットなのです。
梅雨時の6月、ポンッと開いた梅雨の晴れ間などに関東からはほど近いこの湯ノ丸山は最適な山の一つ。
楽しみ方の一例としてご覧いただけますと幸いです。
梅雨時の湯ノ丸山は雲海を狙えるスポット
浅間山から稜線で続く湯ノ丸山ですが、西側には四阿山がありますよね。
地図を見ていただけるとわかりやすいのですが、嬬恋村や草津といった町は山にぐるりと囲まれた盆地のような形になっています、梅雨時はここに雲がたまるだろうと思い狙っていたのですが、今回見事に朝の雲海を楽しむことが出来ました。
地蔵峠からゲレンデを登り1時間ほどで到着する山頂ですが、登山道はとても歩きやすく整備されていて危険個所もありません、景色としては浅間山、八ヶ岳、アルプスの山々を一望できるスポットで開けた景色を楽しむには良い所です。
湯ノ丸山登山の概要
雲海の景色を目指して
2019年6月26日午前4時20分、湯ノ丸山山頂直下。
おはようございます、ほぼ寝てないで湯ノ丸山にやってきましたRedsguarです。
今回は朝焼けを撮影しに深夜の地蔵峠に到着したのですが……、同行者全員で必死に歩いた結果重量級装備の私が一番つらいという状況に。
頑張って登ってきたのですが日の出が始まってしまいました、山頂はもう目の前なので急いで登りましょう!
午前4時20分、湯ノ丸山山頂付近。
雲海が見れるかもしれないね、と車の中で話していたのですがちゃんと雲海が目の前に広がっている。
浅間山周辺は立地的に雲海が見やすい状況だとは思うのですが、本当に見れた……。
雲の向こうから太陽が上がってきます、そして空に一筋の飛行機雲……これは……!!
感動的過ぎる景色で鼻血が出そう!!!
地蔵峠から1時間、湯ノ丸山山頂で迎える夜明けはご覧のような状況でした。
この日は運よく雲海が出現し、角型フィルターを利用した雲の撮影とかも楽しめる状況。
湯ノ丸山はアルプス、八ヶ岳、奥秩父、群馬県方面の山を見渡せる展望台のような立地なのですが、この日の朝は各地の山々が雲から顔をのぞかせている、これは絶景。
山頂は広く休憩するにもいい場所です、この日は風もなく景色も良かった……!そしてこれは絶景、絶景といって差し支えない。
ここからはしばらく湯ノ丸山から見るサンライズの写真を紹介させてください。
雲海を捉えた場合の湯ノ丸山の日の出はとても感動的なのです、まるで水平線のように広がる雲の奥から登る太陽は素晴らしい。
山頂に一本だけポツンと生えたこの木がまたいい雰囲気を演出してくれますね……。
流れる雲が地蔵峠方面を滝雲となり流れていきます、湯ノ丸山も時折流れるガスに包まれる瞬間が、ガスが舞う山頂もまた趣があって居心地が良い!
山頂で朝日を見るために用意されたんじゃないかと思うくらい、良い所に生えてるね君。
山頂を通り抜けるガスが落ち着き、地蔵峠方面を流れる濁流のような雲海だけが残されました、眼下100mほどを洪水のように雲が流れていきます。
この雲海の景色自体なかなか見れたものではないのですが、早朝出発でこれを見れるというのは湯ノ丸山凄い……!
雲海広がる湯ノ丸山の朝焼け
湯ノ丸山の目の前に桟敷山と小桟敷山という2つの山があるのですが、雲海が山々を越える様が凄まじい。
山を乗り越える雲を眺めながら3人で思い思い撮影を行います。
ガスが濃い中で日が差すということはもちろんブロッケンも、ちゃんと数人分のブロッケンを見ることが出来ました。
雲の流れによる感動的な朝焼けをひとしきり確認する中で、空気の影響かアルプスがとても大きく、近くに見えることに気が付きました。
一直線に並ぶアルプスがまた素晴らしい……!
雲海作用で360度どこを見ても絶景になるのがこの山の良い所!
疲れたからしばらく休もう、誰が言い出したか湯ノ丸山の景色がとてもよかったこともありしばらく休憩することに。
四阿山方面の眺めていたら再び山頂を流れる雲が襲います、斜光が差す中で薄い雲がかかると幻想的な世界が広がる。
雲海を照らす太陽、日差しが差し込むと一気に気温が上がります。
太陽の光の恩恵がいかに素晴らしいかを実感する……!
3人各々朝焼けの山頂で思い思いの時間を過ごします、同行してくれた下山部さんはタイムラプスの撮影を開始。
僕は山頂から各方面の景色を写真に収めていきます……正直ここでコーヒーを沸かしていたら至福の時間を過ごせたことでしょう。
雲海と奥秩父の向こうに見える富士山、朝の空気の影響で心なしか大きく見える。
泳げそうなくらい見事な雲海を前にして眠気も覚めてしまった……。
手ごろな山でそんなに景色には期待をしていなかったのですが、ここまでの雲海模様を見せられては絶景の山と表現せざるを得ない。
富士山が見えるって素晴らしいだろ?
悔しいが認めざるをえない……ッ!!
美しすぎる夜明け、レンゲツツジを見るだけの山と思っていて申し訳ございませんでしたッ!!
山頂で1時間ほど休んだのち、ちょっと北峰まで行ってから下山することにしました。
今下山してもレンゲツツジがある場所は雲の中だろうしね。
午前5時30分、湯ノ丸山北峰。
北峰は山頂から10分ほど、牧草地のように穏やかな稜線の先にあります。
山頂には登ってくださいと言わんばかりの整った岩、ここは記念撮影をしたほうがいいだろうということで一人ずつ岩の上に立ち写真を撮影。
この北峰の岩は湯ノ丸山本体以上に景色が良く、景色のいい高山に来ましたと言わんばかりの写真が撮れます。
地蔵峠を流れていた雲が急速に薄まりレンゲツツジが咲くエリアがあらわになります。
ここから浅間山を見ると結構遠いな……。
北峰から見る湯ノ丸山、画面右の丸い丘のような場所が湯ノ丸山の山頂です、北峰から本当にすぐでしょ?
北峰からは四阿山方面というか、角間渓谷沿いの山々などが見える。
目の前の山々は大体標高1,600mくらい、渓谷沿いの景色は良さそう、上田市のページみると紅葉時期はお勧めらしい。
何でも猿飛佐助の修行の地といわれてるんだとか。
このエリアは時期的にも真田丸激推しでした、真田一族ではやはりパパ幸こと昌幸が好きですね。
真田は信長の野望とかでは「例の一族」と呼ばれるほどパラメーターが高い武将が多いのです。
午前6時、湯ノ丸山山頂。
湯ノ丸山山頂に戻ってくるころには雲海は消え屏風のようなアルプスと眼下の街が奇麗に広がっていました。
輝くレンゲツツジと新緑
まだ午前6時、普段であれば登山を開始するくらいの時間ですが下山しますッ!!
全員気が緩んだのか急激な眠気に襲われながら無言で下山を開始。
午前のきらびやかな光に山桜の花も美しい透明感を纏う。
もう7月に入ろうっていうのに山桜っぽいものが見れるなんて……。
地蔵峠までの中間地点からレンゲツツジが咲き始めます。
午前6時45分、レンゲツツジ群生地。
「僕ちょっと寝るので、レンゲツツジ見てきてください」と今日の運転手である下山部さんが横になったので、僕とみやっちさんでレンゲツツジの群生地を見て回ってみます。
ちょっとした広場というか、「畑」みたいになっているレンゲツツジ群生地。
所々登山道がえぐれているところなどもありますが、網の目みたいになった道の脇にレンゲツツジが咲いています。
栽培してるのかっていうくらい咲いてる、畑なんでしょ此処?
朝日を浴びて輝くレンゲツツジ、この日はタイミングがばっちりで花は咲きたてで一番美しい状態だったと思います。
しおれてるような花はないし、元気な花ばかり……地面がオレンジの花に包まれているというくらいレンゲツツジが咲き乱れる。
山頂側、道はないんだけどレンゲツツジが森の奥までぽつぽつと続いている。
群生地はこんな感じで、下山部さんが起きるまでしばらく散策していました。
その後群生地はカラマツ林へと続いていきます、このカラマツ林とレンゲツツジの群生も良くて……。
新緑のカラマツ、白樺、レンゲツツジという新緑時期絶対きれいな木々が3つもそろっているのです、これは海鮮丼で言うと中トロ、エビ、鯛といった絶対に外さないメニューが3色のった高級丼みたいなものですよ!
ちなみにRedsguarは北海道出身者ですがイクラ、サーモン、ウニは食べれないので丼には乗せません、鯛、鮪、海老、カニ、イカこそ至高。
午前8時00分、ゲレンデ。
レンゲツツジ畑を思う存分楽しんでから地蔵峠に帰ってきたら……、牛がいる!!
どうやらここは牧場になっていたらしく、午前中は牛が放し飼いになっていたみたいですね。
朝焼けから雲海を見て、レンゲツツジの次は高原牧場の牧歌的な景色とは……旅情と風情のバーゲンセールか!?
旅情は続く、池の平湿原とコマクサ
午前8時50分、雲上の丘。
あまりに早すぎる下山、本来であればまだ登山を開始するくらい……当然どこの温泉もまだやってないし飯屋も開いてない。
レストハウスすらやってない、ということでそのまま池の平湿原でも行くことにしました。
地蔵峠から池の平湿原の入り口まで移動して登山再開!池の平湿原へは雲上の丘を経由する反時計回りで向かいます。
今回の登山で学んだのは湯ノ丸山と池の平湿原はセットで歩くとちょうどいいということ、湯ノ丸山で早朝の景色を楽しんだ後、午前のうちに池の平湿原に来るのはかなりお勧めです!
カラマツの新緑が最高に奇麗です、この辺は杉じゃなくて唐松林なので秋口の紅葉も大変きれいなんでしょうね。
池の平湿原へと向かう遊歩道は軽いハイキングなんだけど、景色は抜群にいい。
時折現れる展望スポットからは湯ノ丸山や烏帽子岳の景色はもちろん麓の山々や八ヶ岳が奇麗に見える。
午前9時10分、電波塔前。
余りにも景色がいい電波塔前、眠気に再び襲われる我々3人は水を飲みながら景色をただただ見つめる。
この後さらにコマクサの群生地がやってくるし、その後湿原……。フルコース以上の見どころにもはやお腹が破裂しそう。
コマクサ群生地から湿原へと入る手前、池の平湿原を見下ろす場所があります。
池の平湿原は上から見下ろすと円形であることがわかります、外周沿いに敷かれた木道を一周して帰るコースですね。
午前9時10分~9時40分、コマクサ群生地。
本当にコマクサが咲いてる……。
池の平湿原の本当に手前にコマクサ群生地がありました、開けた崖の上なのですがコマクサがあたりにぽつぽつと咲いています。浅間山周辺は所により高山植物の群生地があると地図で見ていたけど、本当にこのエリア手軽にいい景色を楽しめすぎちゃう。
登山慣れてなくてもハイキングで楽しめる道が多いし、ファミリーハイクでもここは絶対に抑えておきたい場所になりました。
午前10時10分、池の平湿原。
コマクサ群生地で休憩後、池の平湿原へやってきました。
上から見たときはそんなに大きくないかなと思った湿原ですが、降りてきてみてびっくり、とても広い……!
正午に向かって空には雲が湧き上がってきていますが、湿原の池塘が水鏡となって空を写しています。
今日何度目の良い景色なんでしょう、池の平湿原……最高かよ!
季節的には6月下旬はまだ湿原は茶色が主体で花も少ないのですが、それでも場所によっては小さなお花が咲いていたり。
早朝から良い景色を何パターンも堪能していたので、この木道と白い雲の長閑な景色で満足できてしまいます。
3人で気になる山の話などをしながらぐるりと湿原を周回し地蔵峠へと戻ります。
人と登山しに行くと大体山の話しかしないというのが登山者あるあるかもしれない。
鹿沢温泉と小諸のグルメ
午前11時10分、地蔵峠。
1時間ほど池の平湿原を楽しんだ後、地蔵峠に戻ってきました。
レストハウスも営業していて、喜んで下山のソフトクリームを堪能……高原で食べる生ソフトの味は最高ッ!!!
湯ノ丸高原のソフトクリームは本当においしいので是非食べてみてください。
看板みるとわかるけどいろいろな味がある、でもやっぱりバニラが一番です。各所でバニラ食べてれば味の違いが判るようになるかもしれないし。
下山後の温泉は湯ノ丸高原から少し北に進んだ場所にある鹿沢温泉に決めました。
これが大正解で、秘境の湯というにふさわしい店構えの奥には源泉好きには堪らなそうな湯舟が広がっています。
秘境の雰囲気を持った温泉が大好きな僕にとってはこの温泉は本当に記憶に残る、いい温泉でした。
湯ノ丸高原に来たら絶対にこの鹿沢温泉に行ってほしい!
風呂を上がってもまだ正午付近、絶景、秘湯……そして地元のご飯とパーフェクト登山を完成できるぞッ!!!
3人でパーフェクト登山を完了させるためにご飯どころを探すのですが、暑いしあっさりとした蕎麦食べたいよねーということで小諸市にある「カフェ 凱」にやってきました。
アットホームな外観の店に入るとおしゃれな内装、メニューは有機栽培系の野菜を利用した健康的な……、いや量もちゃんとあるんですよこのお店、何よりも漬けダレが美味しくてですね、一心不乱に食べてたら物の数分で食べきってしまいました。
カフェということでカップルで立ち寄るのもいいです、ここの蕎麦は僕は本当においしいと思いました。
蕎麦を食したのち、下山部さんの運転で埼玉へと戻る我々……眠気を必死に冷ますためにコーヒーとエナジードリンクをキメて3人で必死に帰宅するのでした。ちなみに乗せていただきました車がスバルのとてもいい車で、最新の車の自動運転機能や乗り心地に感動してしまいました、車の進歩ってすごいわ。
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