2018年10月8日、紅葉の浅間山を歩いてきました。
浅間山の最高到達点は前掛山となり、今回は無事念願の前掛山まで登ることが出来ました。
紅葉の浅間山は関東周辺の紅葉登山の地としては「異世界のような景色が見れる」場所として登山ならではの紅葉を楽しむのにお勧めしたい場所です。
紅葉といえば木々に覆われた山が真っ赤に、真っ黄色になっているような姿を想像する方が多いと思いますが、浅間山の紅葉はその独特な山容の特徴を存分に生かした日本らしからぬ紅葉となります。
今回は浅間山の異世界のような紅葉を思う存分撮影しながら登山を楽しんできましたので
紅葉時期の浅間山登山の参考にしていただけますと幸いです。
紅葉の浅間山登山
浅間山といえば注意したいのは火山情報、活発な活動をしている火山なので規制レベル次第では前掛山に行けないことも。
浅間山で検索をすると気象庁などのサイトで規制情報に関しての情報を入手することが可能なので、事前に規制情報を調べてから歩くようにしてください。
さて、紅葉の浅間山の見どころは火山性の大地に広がるカラマツ紅葉でしょう。
外輪から見るこのカラマツ紅葉は火山でしか見ることが出来ない景色、火山の中でも活発な活動を繰り返す浅間山だからこそ見れる景色です。
前掛山まで行けなくとも外輪から見るだけでも素晴らしい景色なので
写真撮影のために浅間山を訪れるのも良いかと思います。
また、登山口から1時間登れば絶景ポイントにたどり着けるので、ファミリーハイキングなどにも非常に良い場所です。
無雪期の浅間山登山に関して
夜明け前、ガスに包まれるトーミの頭
おはようございます、Redsugarです。
暗闇です、真っ暗闇で何も見えません、シカの声すら聞こえない黒斑山山中皆さんこの記事をどこでご覧になられてるでしょうか?布団の中?温かいお部屋?
ヘッドライトしか頼りがないこの状況、とにかく寒い、歩くしかないので黙々と歩いていますが木々のさざ波の音が風の強さを如実に感じさせてくれます、早く太陽出ないかしら……。
2018年10月8日、午前4時20分、車坂峠登山口。
話はさかのぼって深夜、なぜこんな時間から、なぜ夜明け前に黒斑山を登っているのかを説明しよう!!
普通に紅葉登山するだけなら早朝出発は必要ない、必要ないが朝焼け紅葉浅間山が見たいというRedsugarの希望により
同行者のみやっちさんに無理を言って早朝からの出発となったのだ!!
というわけで、明け方の上里SAでネギラーメンを食べ浅間山へ……。
終電で集合して浅間山に向かうとかなり早い時間に到着するのはわかっていたので、そのまま登ってしまおうという計画。
駐車場に着いたとき、空を見上げると流れゆく雲の向こうに星空が見えた、これが二人の期待感を煽り早すぎる出発へと結びつくのだが、この判断がこの先の絶望を招くとは二人はまだ知らなかったのだった。
全然晴れてるじゃん!これなら朝焼けも完璧っしょ!
午前5時30分、絶望の鞘ヶ峰。
なぜだ……なぜこんなことになってしまったんだ……。
暗闇の中登り続けた先に待ち受けていたのは真っ白な世界でした。
雲、流れていたじゃないか……、SCWでも雲ない予報だったのに……!!
これはどうすっかなと困り顔の我々、とりあえずトーミの頭に向かうことにしました。
トーミの頭で日の出を待つことにしましたが、日の出なんて見えるわけないじゃん。
三脚を立てて浅間山が見えるであろう方向にカメラを向けたところで何も見えません。
時折染まった空が見えるだけ、いと悲しきかないと悲しきかな。
みやっちさんはめちゃくちゃ寒そうな感じで、無理を言って同行してもらったことに罪悪感で憤死しそうです。
このままではアナーニ事件で有名なローマ教皇ボニファティウス8世のようになってしまう。
あ、もう撮影はいいんでとりあえず前掛山目指してみません?
晴れるかもしれないし……
撮影なんてやめです、ということで二人で草滑りを利用して火山館に向かうことにしました。
この時はもうなんていうか、ガスってごめんねという気持ちでいっぱいです。
火山館に向かうために草滑りに突入しましたが、「とても急、すごく急」な道です。
草滑りは濡れてたりちょっと凍ってたりすると、すってんころりんとそのまま百メートルくらいは転がっていけそうな、そういう斜度を持つコースです。
そりゃそうですよね、あの急な見た目の浅間外輪の崖をほぼ直線で降りていくので……。
時折見喘げた時に青空が見えますが、下を見れば霧と笹の世界です。
写真を撮るのにはいいコンディションだけど登山のコンディションとしては嫌ですね。
草滑りはとても急な道なのですぐに降りることが出来ます。
笹とカラマツに覆われた道を一旦火山館へ、この辺は笹狩りがされているので道がしっかりしています。
午前7時15分、浅間山火山館。
命の泉がある火山館へやってきました、多くの登山者がここで休憩をしていてびっくり。
火山館側のルートから登ってきたんでしょうかね。
休憩所ということでトイレなり軽食を食べて軽く休みます、朝が早かったためほぼ寝てないしこのガスのコンディションで歩いていたのですごく疲れてしまいました……。
この後晴れることを祈って登るしかありません、ありませんが心苦しい心境でした。
浅間山で休憩をするとなるとこの火山館が良い拠点になります、水場とトイレがあるので
コースのどこかに入れておくとだいぶ楽になりますよ。
火山館を出発してとりあえず前掛山に向かうことにしました。
カラマツの森を抜けいざ賽の河原分岐へ。
曇天の空の元、いざ前掛山へ
午前7時30分、湯の平分岐。
火山館から歩くこと数分で湯の平分岐です、草滑りから降りてきたときはこのT字路を火山館へ向かいました。
今度は賽の河原方面へと向かいます。
浅間山はこのような案内標識が豊富であることも特徴の一つでしょうか、活動的な火山なので案内板が多いです。
湯の平から賽の河原に向けて20分ほど歩くと賽の河原分岐が現れ、そこから先は前掛山へと向かう登山道となります。
さあ浅間山はここからが本番です、前掛山のあの火山灰で覆われた山肌にしがみつくように自生する細いカラマツが一斉に黄色くなり山肌を彩ります、その景色の中を登ってゆくのです。
既にその景色が見れるはずですが、あいにくのガスです!!
晴れてればいい景色なんだけどなぁ……
カラマツの黄色い林の中をみなさん黙々と登っていきます。
浅間山は前掛山と黒斑山の間がべこんっと抉れているのですが、その谷間を雲が流れていきます。
なので少し標高を上げるだけでなんか景色が異世界的に……。
徐々に標高を上げていくとカラマツがどんどん小さくなっていきます。
これ以上は育つことが出来ないという森林限界が如実にわかる。
ある程度標高を上げたその瞬間、神がほほ笑みます。
晴れ間が……、晴れ間が現れた!!
前掛山の荒涼とした斜面から黒斑山方面を見渡せば雲が見る見るうちに晴れていくではありませんか。
そしてあらわになる広大な景色、これは感動的な瞬間です。
そして僕は一人「晴れそうで良かった……」と安堵していました、みやっちさんと登っている山で曇ったことないからさ。
晴れてよかったじゃろ
誰だお前
太陽が輝く前掛山を登ります。
前掛山は超巨大な阿寒富士といった感じです、いや阿寒富士が小さい浅間山なのか。
火山特有のずぶずぶの地面は踏み固められ歩きやすくなっているのでご安心を。
ただ、小石が多いのでハーフパンツ派の方々は靴の中に小石が入るリスクが高いことに気を付けてください。
個人的にはパンツはロングのほうが良いかなと思いました。
景色的には、何もないので黙々と登るだけです。
前掛山は賽の河原分岐から1時間ほどで稜線に到着します、ただひたすら前掛山へ向かって真っ黒な山肌を歩くだけ。
山頂稜線はご覧のような荒涼とした景色が広がります。
ガスがかなり濃く、浅間山火口方面は残念ながら見えませんでした。
午前9時10分、浅間山(前掛山)山頂。
浅間山の山頂周辺には避難用のシェルターがありますが、本噴火の際にはあんまり頼りにはならなさそう……。
稜線はあの世と見まごうような景色でした、ガスにまかれた一直線の稜線はまるで地獄への道。
たどり着いた先の前掛山山頂ですが、あいにくガスが濃く浅間山の火口方面は見えませんでした。
山頂へと続々と向かう登山者たち、さながら巡礼者のようです……。
前掛山山頂ですが、独立峰だからかめちゃくちゃ風が強かったです。
朝から寒い思いをし続けてきたのでもうこりごりだよぉ……、ということでJバンドに向かうことにします。
みやっちさんと晴れなかったことを残念がりながら下山する中で、神はやってくれました……。
下山してから晴れやがった……。
見る見るうちに晴れてゆく浅間山、そして輝きを取り戻すカラマツ、目の前に絶景が広がっていきます。
ほほほ、晴れたじゃろ?
だから誰だよお前……神!!
前掛山から賽の河原分岐付近まで戻ってきてみれば、ご覧のような良い景色が広がっていました。
もう一回登る?と一瞬迷いましたが、二人とも「いや……、いいかな……」という感じだったので先に進みます。
下から見てもこの景色なので、上から見たらさぞかしきれいだったのでしょう。
青空と絶景広がるJバンド
前掛山を後にした僕らは浅間山外輪を目指すことにしました。
今回は草滑り往復ではなく、周回コースということで帰りは外輪をぐるりと回って駐車場へ帰ります。
なので次の目的地は写真に写っている稜線です。
画面右端のピーク、仙人岳から蛇骨山でしょうかね、そういった外輪の山々を通過していくことになるのですが
これが絶景を量産するスポットでした。
賽の河原分岐からは賽の河原/Jバンド方面へと向けて歩きます。
賽の河原はこれまでと打って変わって荒涼とした大地が広がるちょっと怖い場所です。
あたりを見回すと前掛山の登山道や、Jバンド方面の荒々しい岩肌と、植物の息吹を感じない景色が広がります。
とりわけ背の低いやせ細ったカラマツがぽつぽつと点在する賽の河原。
Jバンド中腹くらいから見ると2枚目のような特異な景色となります。
午前11時25分、Jバンド直下。
晴れ間がのぞく浅間山鞍部の景色はこのJバンド周辺が一番感じ取れる場所です。
眼下に広がる賽の河原と、一直線に伸びる人工的な登山道、そしてカラマツ……。
画面左側を覆いつくす前掛山の存在感が作り出す異様な景色です。
Jバンド自体は無雪期であれば楽しく登れる登山道です、岩が多く急で、鎖とか沢山あるのかなと思いましたが特になく。
余り急でもないのですんなりと登れてしまい拍子抜けしてしまいました。
Jバンドの道中はこのような景色が広がります、岩々は火山っぽい感じで、花崗岩とかではなくいかにも溶岩という雰囲気がしています。
Jバンドは本当に一瞬で登り切れてしまい、外輪の稜線へ。
外輪の稜線では雲が湧き上がってきています、景色が晴れと曇りに二分された山らしい景色。
浅間山本体方面は晴れ、外輪の一番端にあるのは鋸岳というピークになります。
ここからの景色も良いので、Jバンドを登り切ったら鋸岳に行ってみることをお勧めします。
鋸岳のピークから見る景色、ここから外輪は浅間山と湯の平を見つめ続けるコースとなります。
既にカラマツ紅葉と浅間山の存在感で絶景が完成されているので、あとはどこで写真撮るかくらい……。
鋸岳は休憩にはちょうどいい場所なので、ここでご飯を食べてもよさそうでした。
鋸岳から撮影したパノラマはご覧のような感じです。
浅間山の山頂はやっぱりガスに包まれてしまいましたが、湯の平や外輪は晴れています。
この浅間山と外輪をつなげる湯の平の鞍部、リアルで見るとその規模感が本当に大きくて驚きます。
火山って本当にいいものですね。
紅葉の絶景続く浅間外輪を歩く
浅間外輪はそれ単体で絵になるスポットが多い場所です、鋸岳からは登りとなるのですが
その稜線でかっこいいなと思えるようなところが沢山あるんです。
また、稜線から見る浅間山方面の景色も格別。
こんな感じで山肌だけを切り取ったりしても面白いです。
よくこんなところに道を通したなっていう感じ
外輪を歩くうちについに前掛山に蓋をしていた雲が取れ始めました。
そしてようやく紅葉と浅間山の景色が完成……!
これは最高な景色、出来れば最初からこうであってほしかった。なぜ朝早くガスの中登ったんだ、晴れと曇り、どうして差が付いたのか、慢心、環境の違(略
ガスが吹き上げる浅間外輪、ガスは嫌なんだけどこのガスと晴れがせめぎ合い晴れがちょっと強い時って登山特有の臨場感あふれる景色だと思います、竜の巣の向こうにラピュタが見える、みたいな……。
外輪山ですらこの雄大な景色、浅間山ってどれだけ楽しめるんだと感嘆してしまいますね。
午後12時25分、仙人岳山頂。
外輪山では鋸岳の次に現れるピークがこの仙人岳です、トーミの頭側からだと黒斑山、蛇骨山、仙人岳、鋸岳となります。
この仙人岳から蛇骨山あたりが人も少なく景色も良いスイートスポットかなと思います。
仙人岳から蛇骨山への登り道の山体が崩壊しかけた登山道は白砂の地面が非常に美しい。
午後12時50分、蛇骨山山頂。
仙人岳と蛇骨山は隣り合っているピークなので30分もかからないです、蛇骨山からの景色だと画面左側に外輪山の稜線が連なり浅間山が一部隠れてしまうこともあります。
なので、浅間山、湯の平の開けた景色を見るなら蛇骨山から先の仙人岳方面がお勧めですよ。
この稜線は気持ちがいいです、行けば絶対に楽しくなれる。
外輪黒斑山より下山開始
蛇骨山を越えるとシラビソなどが生い茂る常緑樹の樹林帯を抜けて黒斑山へと向かいます。
この辺は浅間外輪ではおなじみの景色、苔と針葉樹が美しい静かな登山道が続きます。
黒斑山方面まで来ると浅間山(前掛山)を正面から見据えるような状態になります。
草滑りと湯の平越しの浅間山ということになり、浅間山を一望するというにふさわしい景色が広がります。
晩秋の季節であれば、前掛山に雪がかぶさり、その下に紅葉と常緑樹という3段紅葉が完成するらしいです。
風景写真家の方であれば心が躍るような景色が広がりそうですね。
午後1時20分、黒斑山山頂より浅間山を撮影する。
黒斑山の山頂は人であふれていたので撮影するのも気が引けたので、浅間山重点的に撮影することに。
もう外輪山の最後なので登山も終わりです、名残惜しいなぁと思いながら浅間山を見ているとモクモクと雲が湧き上がる。
雲が前掛山のすそ野である湯の平から賽の河原にかけて大きな影を落としていました。
こういう巨大な景色を楽しめるのは登山……の中でも浅間山の良い所かなと思います。
特徴的な独立峰とこの裾野のおかげでスケール感がほかの山とは全然違うのです。
雲の向こうの浅間山にあばよとあいさつを交わして、トーミの頭から車坂峠へと下山することに。
午後2時30分
車坂峠までの下山は高速です、一直線に降りていくだけなので早い人なら30分くらいで降りれるんじゃないでしょうか。
我々も1時間かからずに下山してしまいました。
下山後の温泉はどこに行こうか?
浅間山周辺は温泉に恵まれているのでいろいろな選択肢があるのですが、今回は「あぐりの湯こもろ」さんにすることとしました、こちら浅間山を正面に構えた景色、さっきまで歩いていた山を眺める温泉は気分が良いです。
風呂上がりの牛乳が八ヶ岳乳業というのも得点が高いです、長野エリアだと八ヶ岳乳業があると嬉しい。
食事もそのまま温泉でいただくことが出来るので、風呂食事をスピーディーに済ませて帰路に就くことが出来ます。
本当は観光的に名店の味を楽しみたいところではあるのですが、家で家族を待たしているので我慢です。
その地方の味を持って帰る、ということで言えば乾麺のそばなどを買うのはお勧めです。
乾燥蕎麦って土地それぞれで味が違うし、生モノじゃないから長持ちするし、日本全土いたるところでその土地のそばがあるからはまると楽しいです。
冬の記事はこちら
コメント
コメント一覧 (2件)
待ってました⤴️⤴️
しかも立て続けに2つも!いつもROM専ですが、嬉しさの勢いでコメントしちゃいました✨
写真も、文章も、山情報もあってしかも
綺麗で、面白く、分りやすい。完璧でいつも楽しませて貰ってます❗
けど、家族持ちでこの内容は相当大変ですよね。
感情の徒然が好きです✨今回も楽しく読ませてもらいました(*´∀`)♪
浅間山は冬のガトーショコラが有名ですけど、自分は落葉松の黄色と茶色の地肌の
秋が好きです。
また日記をゆるりと待ってます。栃木から応援してます❗
mt.moon様
コメントありがとうございます、とてもうれしいです!
更新も登山も家族と生活しながら頑張っていますが、コメントが本当に励みになっています。
記事の方楽しんでいただけるとよかったなぁと安堵いたします。
浅間山はガトーショコラと秋の季節に歩かせていただきましたが、僕も秋のシーズンがとても好きになりました。
前掛山までの道中も楽しいし、何より景色の色付きが素晴らしいと思っています。
ここはまた秋のシーズンに歩きたいと思います!
これからも記事をご覧になっていただけますと幸いです<(_ _)>