2015年5月30日、棒ノ嶺に行ってきました。
今年は暑く、新緑シーズンが終りを迎えるのが早いそうです、
夏のように暑い5月最終日、渓流の山棒ノ嶺はお手軽かつ満足度が高い山でした。
新緑と渓流、そして足元を潤す水と眼前に広がる大小さまざまな滝。
苔に包まれた幽玄な山の中は静かな空気で満ち溢れていました。
さらに飯能市内で僕を待ち受けていたのはヤマノススメで彩られたバスと観光地。
そんなヤマノススメと幽玄なる渓流の旅、始まりです。
白い糸を引くように流れ落ちる清流、
水中に築かれたといっても過言ではないその道は清涼な空気に満ち溢れていた。
足元を流れる水から新月の夜空のような清涼で瑞々しい空気が吹き上げてくる。
大きく息を吸えばまるで細胞の一つ一つが息を吹き返したかのような感覚に襲われる。
低山とはいえこの棒ノ嶺に溢れる空気は南アルプスの清涼な空気と同じそれを持っていた。
岩を覆い尽くすような苔とイワタバコ、谷間を潤す石清水。
新緑の時期、棒ノ嶺は何処よりも澄んだ空気が流れていた。
今回の山はとても美しい苔と石清水が出現します。
前回の高原山以降、僕だけ仏罰があたったのか風邪を引いてしまいました、なぜだ…?
大仏様の周りでは一番大人しかった自信があるのですが、解せません。
そんなわけで39度の高熱でうなされたこの週ですが、
どうしても登山がしたかったのでおとなしめの山に登る事にしました。
ターゲットは棒ノ嶺、紅葉の時季を狙っていた山でしたが、
新緑の時期でも楽しいだろうという事で決行です。
棒ノ嶺までは電車とバスを乗り継いで向かいます。
いつも通り早朝に起き、西武池袋線で飯能駅に向かいます。
コースタイムは5時間かからないような山なので省略します、
お勧めは始発で登って、正午付近にさわらびの湯に入る事です。
早朝にもかかわらず人で溢れる西武池袋線。
1時間ほど眠りこけていると飯能駅に到着です、バスに乗り換えさわらびの湯を目指します。
早朝だというのにこの人だかり、皆棒ノ嶺に行くんだろうか?
あるいは大持小持武甲山なんだろうか、個人的には武甲に行くなら大持小持から行きたい。
そして登場するラッピングバス
スゴイ、車内のあらゆる所に女の子が居る、ちょっと乗ってて恥ずかしい。
ヤマノススメ見た事無いんだけど、見たくなくなってきた…。
40分近くバスにゆられてさわらびの湯に到着です。
バス停のすぐそこには「殴り杖」という攻撃力の高そうな杖がありました。
さわらびの湯から登山口に行くにはまずダムに向かって歩きます。
蛇苺がなっている、このへん大群生していました。
ダムに到着です。
早朝だと風もないので湖面が奇麗です。
水鏡も非常に奇麗。
ダムを反対側に渡りきり、登山口を目指します。
風一つないのが心配になってきました、今日暑いんちゃうか。
登山口に到着です、軽めの準備体操を済ませたらアタック開始。
朝な事もあり日陰の斜面はこんな感じです。
午前8時20分、プレイボール!
早朝のいい所は朝露で木々に艶がある所か。
場所によってはパンツの裾が悲惨な事になるんだろうけど。
登山客も多く安心して登れます。
奥多摩エリアに近い事は近いけど、また雰囲気が全然違う山ですね。
苔と新緑の織りなすコントラストが非常に美しいです。
そして清流が左に姿を現し始める。
滝の横を通って登って行きます、場所によっては川の中に足を突っ込んで登ります。
このいやしで溢れた空間は一体なんなんだろう、棒ノ嶺すげー楽しい。
滝を撮っているだけで幸せな気持ちになれます
しばらく歩くと巨大な岩の間を抜けて行く場所に遭遇、写真左側を抜けて行きます。
そしてこの岩場を歩いて上へと登って行きます、ここは最高に楽しかったです。
4センチくらいの深さの川を歩いて登って行くのですが、川の中を歩くのが本当に楽しい。
上には手すりがついた急登が用意されていました、靴が濡れているので慎重に登ります。
両側の壁は不思議な模様、自然の驚異を感じる。
こんな岩場をアスレチックして登って行きます。
苔を見ていると癒されます、癒されますが咳がゲホゲホ出る…。
こんな感じで足下が水でひたひたになっている所を登って行きます。
午前中の陽は気持ちがいいものです。
しばらく歩くと沢とはお別れになります。
岩茸石方面の分岐表示で沢とはお別れになります、ここから先は尾根から山頂を目指します。
分岐表示のすぐ側に休憩所があります、皆さんここで一息ついていました。
軽い水分補給をしたら登山再開です。
ちなみにこの日はめちゃ暑かったので、サーモスに氷を入れて水を随時注ぐ。
という方法で帰りまで冷たい水を飲み続けました。
休憩所から岩茸石までは緩やかな登りが続きます。
割と整備されている、おかげで歩き易いです。
道ばたには可愛い花も咲いていました、初めて見る類いの花。
もはや新緑シーズンの定番写真、葉脈がいかに奇麗に撮れるかが勝負である。
岩茸石前の指導標は現在位置の部分が無くなっていました、クマかな?
指導標の側にはこんな感じに岩茸石がにょきっと生えてるのですぐわかるんですけどね。
とりあえず登らなければ話が始まらないという事で登ります。
裏側から登れるのですが、思ったよりも簡単に登れます、瞬殺です。
リモコンで撮影しようと頑張ったのですが、リモコンの範囲外だったので無理でした。
側にいたおじちゃんにシャッターを押してもらう始末。
岩茸石を過ぎたら棒の峰へ、時間にして30分ほど歩けば山頂に到着してしまいます。
もう暑い、北海道の山とかも歩けるんじゃないかっていうくらい暑い…。
そしておかげで熱があるように汗が出てくる。
陣馬山並みの人通りがある棒の峰行き登山道をトボトボ登って行きます。
風邪気味なのでいつもの速度の半分くらいのゆっくり登山。
穏やかな登りが続きますが、下りを考えるとなかなかいやーな感じ。
岩茸石から30分ほど歩くと棒の峰指導標に到着です、この指導標までくれば山頂はすぐ。
午前10時34分、sakemaro山頂到着。
山頂にはまだあまり人が居ないようでした、それでも普段行く山より人が多いのだけど。
流石人気の山という所か 、棒ノ嶺は初心者入門の山としていろんな本にも載っています。
展望は奥武蔵方面、近くの双眼鏡を持った老夫婦には尾瀬方面が見えていたとの事。
僕の視力の落ちた目には見えるわけがありません。
とりあえずご飯を食べたいのですが、ベンチが全て使用中。
開いてる唯一のベンチは太陽光によりめちゃ熱という悲劇、
しょうがないので日陰の切り株で飯を食べる事にしました、
人がご飯食べてる間にカメムシが飛んできたり散々な目に遭いましたが、まぁ許す。
とりあえず山頂に着いたのでコーラを飲みます、風邪で疲れた体にはコーラです。
砂糖とカロリーをガッツリ取らなくては下山に体が耐えられません。
しかし広いなこの山頂。
埼玉県の置く山頂碑は立派な物が多いらしいです、
とりあえず僕も例の如くぶら下がったりしてみましたが、びくともしませんでした。
いい景色だな…。
そぉいッ!
この棒ノ嶺という旅において、ようやくまともな跳躍と言える跳躍力を身につけた気がする。
毎回ジャンプしているおかげでジャンプ芸人の方々に着々と近づいているのを実感。
前回の高原山で見せた失態は次回はもう見せないぞ!
独りでカメラの前で何回もジャンプしているのはさすがに恥ずかしい。
最後はシャッターを押してもらう始末、ロンリー登山のセルフショットは恥との闘いである。
度重なるジャンプで昼飯分のカロリーを使い切り疲れたので下山します。
下山時に尾根沿いを戻るか、ピストンで沢沿いを戻るかを考えたのですが。
沢沿いがとても気持ちよかったのでピストンする事にしました。
下りは急ぐと危ないのでゆっくり歩きます。
とんでもない速度で下りを下って行く方が居ますが、滑らないので感心します。
歩き方を真似しても滑るんだよな…。
まずは休憩所まで一気に戻りました。
山頂でグダグダしていたこともあり、お昼近い時刻ですが
下からは続々と登山者が登ってきていました。
僕は山頂を楽しんだので水を楽しみながら下るだけです。
水がきれいな山に居ると畦ヶ丸を思い出します、あそこは夏に行っても楽しいと思う。
糞暑いと思うけど。
南アルプスの日向山などはもっと水が奇麗なんでしょう。
水がきれいな山は歩くのが本当に楽しい。
棒ノ嶺は雰囲気は最高ですが、水がそこまで冷たくないのが残念。
場所によってはめちゃくちゃ雰囲気がいいです、この沢登りパートが本当に核心部。
正午付近になって日差しが強くなってくると夏山の雰囲気がどんどん強くなります。
子連れの方も沢山登ってきていました。
鎖場は下りで使うと思ったより怖かったです、靴底が濡れているので滑ります。
写真で見るとジュラシックパーク的な雰囲気を感じる。
岩ばかりの沢を後に、登山口を目指して歩きます、既に頭は温泉に行く事で一杯です。
棒ノ嶺が一番楽しいと言われるのは紅葉と聞きますが、
古代的な雰囲気を出す新緑の時期もまたいい物です。
午後になって風が少し出てきたので歩き易かった事を覚えています。
低山なので6月以降は蒸し暑くなりそうです…。
こんな穏やかな川の中を歩いて行けるのは非常に幸せである。
3時間程度で登れてしまう為、この沢登り部分がすぐ終わってしまうのが悔やまれる。
ちなみに水はあんまり冷たくありませんでした…、残念。
水を心行くまで楽しんだので、風呂へと急ぎます。
この道を歩いていると道のど真ん中で素早く動く何かを確認。
下を見るとイモリがいました、たまに見かけると可愛い。
そんなこんなで登山口に無事戻ってきました、風邪の具合も少し良くなってきた状態。
やはり午後になると少し雲が掛かる、いつでも早朝出発は正義である。
山を駆け下りて麓にあるさわらびの湯を目指します。
というわけで本日の湯に到着です、一応入る前にバス亭でバス時刻の確認をお勧めします。
何がお望みって、そんなの金と暇と若さに決まってんだろう!!
と欲にまみれた感情をぶつけてみます。
カブトムシの幼虫が売られていました、
リアル野生カブトムシをこの歳になって見た事が無いので非常に気になります。
(僕の住んでいた道東にカブトムシは存在しなかった)
さわらびの湯は一言で言って最高でした。
もうこれ以上言う事がありません、土曜日の正午付近に入る露天風呂は最高である。
しかも、今日の目標は既に終えているわけです、これほど素晴らしい事はありません。
ので、500mlのビールを飲みながら休憩所でしばらくぼーっとしてしまいました。
変わった特産物が沢山ありました、変な味のコーラが気になります。
そしてこのさわらびの湯にも大量のヤマノススメグッズが…。
果たしてオタク達はこんな所まで来てグッズを買うのだろうか?
しかもさわらびの湯専用のPOPまで用意されている…。
風呂でリフレッシュも出来たので、帰路につく事にします。
さらばさわらびの湯、次来るときは紅葉か秩父夜祭の時になる事であろう…。
風呂に入ったおかげで気分が非常に良い、最高にハイな状態でバスを待ちます。
写真はハイジの如く駐車場に駆け出す僕の図、どうか白い目で見ないでほしい。
帰りもやはりヤマノススメラッピングバスが到着、
可愛いキャラクターの声で飯能市内の観光情報を教えてもらいつつ帰路につきました。
ヤマノススメに始まりヤマノススメで終わる旅になってしまうとは…。
興味がわいたのでそのうち見てみようとは思います。
病み上がりは大人しくしていろよ、という突っ込みがありそうですが。
病み上がりの僕でも楽しく登山出来ました、沢沿いを歩くのは本当に満足度が高いです。
新緑の時期は苔が合わさって幽玄な雰囲気があるのでとてもお勧めです。
もし棒ノ嶺に行くのであれば、始発を利用して午前の早い段階での登山をお勧めします。
午前の山の雰囲気もいいですし、正午付近には露天風呂に入れるという事で
一日が最高に贅沢になる事は間違いないでしょう。
棒ノ嶺の地図はこちら
- 作者: 昭文社地図編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2018/02/27
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コメント
コメント一覧 (2件)
こんばんは。
FBの登山グレープの投稿を見て、こちらに飛んできました!
写真がきれいで俄然いきたくなり、
昨日、一人で沢デビュー。
とても楽しめました!
温泉も!
アップ、楽しみにしてますね。
棒ノ嶺はとても楽しいですよね、ここの真価は下山後の温泉にあると言ってはいいのではないでしょうか、昼間の温泉最高です。
次の登山記事も是非お楽しみ頂ければと思います、ありがとうございました!