【奥武蔵】横瀬二子山、芦ヶ久保の氷柱と雪の里山ハイキング

二子山から眺める武甲山

2022年2月27日、奥武蔵は芦ヶ久保にある横瀬二子山をハイキングしてきました。
標高は882mとなる里山なんですけども、麓にある「道の駅芦ヶ久保」のすぐそこで「氷柱祭り」をやっているのが特徴的。
奥武蔵エリアというか関東の特徴は冬でも雪がとても少ない事、そのおかげで秋から春にかけては低山ハイキングの最盛期ということになります。僕も関東でハイカーをやっていますが夏よりもそれ以外の季節のほうが山に登っているという状況。

奥武蔵は晩秋から春にかけて意外に見所が沢山あります、2月といえばロウバイやセツブンソウといった花も見れるんですけども、今回は冬らしい氷柱を楽しみに行くことにしました。
休日の里山ハイキングと芦ヶ久保の氷柱観光、冬のちょっとした気分転換の一日です。

目次

横瀬二子山氷柱登山の概要

■アクセス
奥武蔵は基本的に電車で向かうのが便利。
【電車】池袋→飯能→芦ヶ久保
西武池袋線と西武秩父線を利用すれば池袋から片道730円でのアクセスとなります。

■コースタイム
芦ヶ久保駅8時40分→横瀬二子山登山口8時55分→二子山山頂10:15→武甲山眺望スポット10:40ー11:05→芦ヶ久保駅12時40分→漂流祭り12:50-13:30→芦ヶ久保駅13:50
合計登山時間 5時間10分(ちょっとした冬のハイキングとしてはお勧めな登り応え)

芦ヶ久保駅から二子山へ

早朝の北朝霞駅

2022月2月27日午前7時5分、秋津駅。
おはようございます、Redsugarでございます。
冬場の埼玉といえば奥武蔵ハイキング、奥武蔵へと向かうときは秋津へと向かい、そのあと飯能から芦ヶ久保を目指します。
冬の良い所は夏みたいに午前2時に起きて車を運転しなくていい所、これに慣れると夏山自走がだんだんできなくなる……。

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この時期の晴れた土日の早朝ホームには必ず登山者が並んでいる……。

朝日が差し込んでくるホームで電車を待ちます、冬場の遅い日の出、肌寒い空気に包まれる中BOSSをいただく。
仕事に行くときは絶対に飲まないが、冬の電車登山の際は飲んでしまうよね~。

登山へ向かう電車内

朝日が差し込み真っ白な明るい光に照らされる社内の雰囲気は最高です。冬場登山で最初にテンションが上がるのは、この登山口へ向かう電車の中といってもいい。電車に揺られてちょっと知らないところに行くような、そんな気持ちになる。

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夏は深夜の車の中でのラジオ、秋から冬はこの電車の中での朝日

芦ヶ久保駅

芦ヶ久保駅に到着すると新築のトイレ前で登山者の方々が登山準備を進めている。この芦ヶ久保ですが南北に登山スポットがありますので、この後みんな散り散りになっていきます。北の丸山方面へセツブンソウを見に行くとか、南の二子山へ登るとか。

芦ヶ久保駅の氷柱受付

今回は横瀬二子山を登った後に芦ヶ久保の氷柱を楽しむことにします。氷柱チケット売り場を眺めながら僕は横瀬二子山登山口へ。

横手山への入り口

少女が勢いよくかけていくトンネルの向こう側が二子山登山道となります。
トンネルを抜けるとそこは……的な景色はありません、ちなみにこの少女すぐに両親に呼ばれて引き返していきました。

石清水が凍る渋い登山道を登る

横手山登山道

二子山登山道の前半はこんな感じで、奥武蔵的にはよくある杉と岩の道を歩いていきます、渋い。
画面右手には小さいながら渓流がさらさら流れていて、時期的にもつららが出来ていたり。

凍り付いた石清水

石清水が固まり岩の隙間のつららがたたずむような渓谷沿いをゆっくりと歩いていくのが二子山の始まり。

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渋い、渋すぎるッ!!

陽が差し込んできた横手山の谷底

徐々に日が昇ってくると渓谷の底にも日差しが届くようになり、常緑樹や丸みを帯びた岩が時折挨拶するように目の前に現れるようになります。

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日差しがあたり、自然の顔が見えるようになる。
すると目が合うような瞬間がやってくる。

横手山を登る人々

この日は数人の登山者が横瀬二子山を目指して同じコースを歩いていました、みんな下山後に氷柱を見るという魂胆だったらしい。そして話を聞くと全員「周回ルートで行ける」と思っていたのだ。

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横瀬二子山は氷柱期間中は周回が出来ないというのを全員が知らなかったという悲劇。

雪道の登山道

沢沿いの道は途中からガリガリになった雪道になる、場所によってはチェーンスパイクが欲しくなるような足元。
幸いにしてザラメっぽい雪質だから足元をよく見ればグリップするところがわかる。

登山指導標

武川岳方面につながっているということはそちらに向かって大持小持と行けば武甲山にも行けてしまいます、行かないけど。

頭をもたげたススキ

ススキも枯れ果ててご覧のようにバキッと折れて頭を垂れている、冬山シーズンの2月……子供が生まれる前は唐松岳とかに行っていたが、今は中々そういうわけにもいかないのよねー。

標高を上げていくとロープが出現、横瀬二子山の山頂直下は足元ねばねば粘土質な山道になるんですけども、冬場だと氷結登山道に豹変していました。チェーンスパイクを装着していれば心配はない、大丈夫。

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ここの斜度は中々なもので、なめてかかると痛い目を見ます。

浅間神社コース下山不可能

ロープの急斜面を越えると衝撃的な看板が出てきました、氷柱期間は浅間神社コースへの下山が出来ない……!!
つまり、二子山山頂に着いたら戻れということです、僕と同じタイミングで登っていた登山者は全員「えー!」という感じ。
何が嫌って直前のロープ急斜面を降りるのかよーっていう所でしょう。

横手山山頂

午前10時35分、横瀬二子山山頂到着。
芦ヶ久保駅まで直通で降りることが出来るコースを利用することが出来ない……!そして山頂の展望は全くない!!
良い事なんて一つもない、そんな風に思う方もいるかもしれませんが、横瀬二子山には武甲山展望スポットというものがあります、今回のお目当てはそこです。

武甲山の眺めと芦ヶ久保の氷柱

横手山から見える武甲山

午前10時45分、武甲山眺望スポット。
山頂から少し歩くと武甲山の眺望スポットへとやってくることが出来ます。武甲山北面の削り取られた山肌を眺めることが出来るスポットなのですが、ここから眺める武甲山は中々壮絶。

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食料自給率や資源の話をされるたびに日本は資源がないと言われるが、この武甲山で生産されるような石灰は日本での自給率が100%となっている。セメントの原料となる石灰は100%国産なのだ。特にこの武甲山で生産されたセメントは、姿形を変えて東京のビルを形作っている。丸の内や新宿のビルを見るたびに、変わり果てた武甲山の形をそこに見ることが出来る。と畠山直哉が言っていた。

武甲山で生産される石灰とそこから生まれるセメント、知識を得ることでそれはまた別の見え方をする景色です。
登山だけだとかわいそうだな、とか、削られた自然に対しての同情のようなものが浮かぶのですが。
自分たちが生きる都市や家に、この武甲山や奥多摩の石灰由縁のセメントが使われているとしたら?変換された自然の中に僕らは生きていると考えるとちょっと不思議な感じになりますよね。

遠い両神山を眺める

山頂からは武甲山だけではなく、秩父のゴジラともいえる両神山も見えました。
凄い鎖だらけな山だった覚えがあるんだけど、またあのコース歩いてみたいんだよなぁ。

雪道を下山する

山頂で武甲山と両神山の眺望を楽しんだら下山です、ロープが張り巡らされた急峻な山頂直下を越えた後は足元がバキバキになった中腹を歩いて降ります。チェーンスパイクが無かったらそらもう悲惨な感じですわ。

杉林を下山する

二子山自体そんなに登山時間が長いわけではないので、下山は早いです。

足元が凍った登山道

沢筋の蛇行路は万年日陰といってもいいような場所で、日陰の中の道はザラメが何度も氷結したような氷に覆われていました。チェーンスパイクがあれば大丈夫かな、アイゼンはいらないレベルです。

杉の植林地帯

沢沿いの道から杉の植林地帯に出ると一気に雰囲気が暗くなる、トリックアートみたいな杉の植林地帯は今にも花粉を噴出しそう。

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2月からは花粉症の薬を飲んだ後じゃないと登山できない

午後12時45分、下山完了。
芦ヶ久保駅へ下山したら次は芦ヶ久保の氷柱です、ちょうど谷底にも日が差し込むようになっていて、氷柱鑑賞には良い時間帯になっていました。たどり着いてみたら……凄い氷柱の景色が広がっていた。

氷柱を見る人々

芦ヶ久保の氷柱を眺める観光客の方々はすごい数、人気スポットなんだな……。家族連れで楽しむ方々もたくさん。

芦ヶ久保の氷柱遠景

芦ヶ久保の氷柱のメインスポットは登山道出口の近くにある斜面です。斜面一面に氷柱が形成されていました。

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あそこが一番の見どころ、芦ヶ久保の氷柱の観光客はあそこを見て甘酒を飲んで帰る。

丸い氷柱群

芦ヶ久保の氷柱は人工的に作られたものですが、見事なもので周辺の木々はすべて氷のお化けに変身しています。
滴る水滴が氷に変化するという関係で、崩れ落ちる巨神兵みたいな感じのディテールになっていますが、それが所狭しと林立する様は圧巻。冬の休日観光ということで足を延ばしに来るのもいいんじゃないかな。

氷柱と観光客

少し丘を登り芦ヶ久保の氷柱と観光客の対比が見られるところへ、上から見るとそのスケールがわかるでしょうかね。
結構この氷柱規模が大きいのです、秩父は三十槌の氷柱と芦ヶ久保の氷柱と二つありますが、芦ヶ久保のものはアクセスもいいし満足度も高いのが良い所。

芦ヶ久保の氷柱を見終わったその終点にはご丁寧に甘酒屋紅茶が……、これは飲まないわけにはいかないだろう。

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暖かい甘酒を飲みながら屋外に置かれた薪ストーブの前で暖をとり、氷柱を眺める。なんていう贅沢なんだ、これだけでこの氷柱観光に来てよかったと思える。

その後は道の駅芦ヶ久保へ戻り、いちごソフトクリームと肉巻きを食べてお昼ご飯としました。
芦ヶ久保駅といえばすぐ近くで秩父名物焼き肉ホルモンも食べれるのですが、毎回道の駅で済ませてしまう。

お土産の秩父蕎麦

道の駅で秩父の地ビールと秩父そばを購入することにしました。秩父の蕎麦はベージュ色でつなぎが山芋っぽい。
鼠色の蕎麦に比べると粘りを感じるベージュ系の蕎麦だが味は果たして……?

芦ヶ久保からの帰り道

お土産も購入し、昼下がりの芦ヶ久保駅から埼玉の家を目指して15時台の電車に乗ることが出来ました。
冬場の近郊ハイキングはこの手軽さがいいなと思う、ちょっとした観光イベント付きっていう所もとてもいい。
関東にいるならこういう観光付きのハイキングはいろんな所に眠っているので、発見していくのが楽しいです。

さて、帰りに芦ヶ久保の道の駅で購入した秩父ビールをその日のうちに明けて飲んでみたのですが……、これはフルーティーというよりはスパイシー、辛口に感じるビールでスーパードライよりもドライというか、アタックの強い喉越し。ガツンとくるこの感じは好き、クラフトビールショップに行けば必ずあると思える定番の味に感じます、安定感!

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その後、二口目、三口目と飲んでいて気が付いたけど、このビール後味が凄い軽いというかすっきりしている……、最初の印象である苦みや香りを振り返らない軽いところがフルーティーなんだろうか、最初のインパクトに押されて気がつかなかったけど、花に抜ける香りや反芻する後味がまったくもって清涼、軽い。
そうか、オーストラリアで飲んだビールのように軽やかなのに軽いんだ!という感想を持ちました。

小麦粉も使われているスタンダードなそば。少し摩擦が強い感じで秩父の他のそばと同じく食感が強かったです。
あと意外にそばの香りが強い、もっとあっさりしているかなと思ったんだけど、結構しっかりとした味で美味しかったです。

もっともっちりとした食感だと思っていたら、そんなことは一切なくサラッとした味わいの秩父のお蕎麦。
観光ついでに普段のお蕎麦とは違う地元のお蕎麦を買って楽しんでみるのはとっても楽しいですよ。

横手山から見える武甲山

横瀬二子山は芦ヶ久保の氷柱シーズンに歩くのが楽しい。
標高が低い奥武蔵のシーズンは晩秋から春の涼しい時期、夏になると低山は歩けたもんじゃありません。
でも冬場は逆に歩きやすい。見所が少ない所を補うために麓の観光地や、春の花や冬の名物を組み合わせると満足いく休日を楽しむことが出来るようになるでしょう。
山頂は展望が無いのですが、展望地から見ることが出来るこの武甲山の眺め、これは考えさせられるものがありました。ここで作られたセメントの中で暮らしている首都圏、リバーシブルな都市と自然が垣間見える山行でした。

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