2022年4月23日、埼玉県は奥武蔵エリアにある大霧山から堂平山へハイキングをしに行ってきました。
大霧山と堂平山といえば、頭文字Dで有名な定峰峠がある場所なのでぇ~、今回は定峰峠にもちろん立ち寄ります。
4月の登山は花粉が非常に厳しいのですが、自分は街にいるよりも山にいる方が花粉の症状が出にくいこともあって、春先は積極的に休日は山に入りたいと思う派です。
この大霧山から堂平山ですが、簡単そうに見えて内容が濃くて結構疲れます。大体5時間くらいの登山なんですけどいくつかの山を経由して歩くので終わってみると結構どっぷりつかれました、という感じになるかも。
今回は大霧山から入山して定峰峠を越えて堂平山へ向かいます、堂平山からは白石車庫へと降りて埼玉有数の酒の産地である小川町に降り立ち、酒蔵でお酒を購入して帰りますよ!
春の新緑、奥武蔵のんびりハイキングの始まりです!
春の大霧山ハイキングの概要
イーグルバスで向かう大霧山
2022年4月23日午前7時00分、東武東上線坂戸駅。
おはようございます、Redsugarです。
本日は埼玉県は川越の少し西側坂戸駅から始まります、目的地は小川町からイーグルバスで走った先の「橋場バス停」です。
4月は登山オフシーズンと呼ばれますが、関東にいると春の花盛りの時期ということで4月も積極的に遊べてしまうのでつい登山回数が増えてしまいますね。
ゴールデンウィークも近いし、この時期の休み周辺はピリピリしちゃうぜ。
関東って年中登山客が多いんだなというのが、この小川町行の電車の車内からもわかります。低山ハイクの真っ盛りはむしろ冬から春ッ!!関東は奥武蔵の休日は都内から多くの登山客が冬のハイキングを楽しみにやってくるのだ!!!
小川町駅に降りると駅前で「おはようございます!おはようございます!」と声をかけてくれる男性の方がいらっしゃいました、埼玉南部や都内ではまず見ない光景で不思議。小川町は駅前にローソンがあるので補給はこちらで可能。
山奥の白石車庫へ向かうバスを待っていると続々とハイカーが集まってきます。
登山客しか並んでいないバスに乗って今日の登山は始まります。
午前8時45分、橋場バス停。
教の登山口にほど近い橋場バス停で降りるとまず「鬼うどん」のチラシが目に入ります。嘘です、最初に目に入るのは公衆トイレなはずです、一応トイレあります。中は確認してないけど……。
鬼うどんっていいなぁ、帰りに食べれるかな……?
橋場バス停からはまず西側を目指して集落を抜けていくことになります。
山村集落と山道を交互に抜けていくんですけど、集落と集落の間の杉林が本気を出している。奥武蔵って歩いてみると「よくこんなところに居があるな」と思う所が多い。標高は低いけど立派な山の中。
道路わきの指導票を見つけて山道に入る、道路に出るを繰り返します。橋場バス停からは粥仁田峠と大霧山方面の案内が出ているから、基本それに従って歩けばOK。
橋場バス停から集落を抜けて大霧山へ
奥武蔵は基本樹林帯の山、大霧山への道中は周辺の山々の新緑を眺めながら登ります。
鬱蒼と茂る森、とてもじゃないけど冬と春じゃないと歩ける気がしません。
夏にこんなところに来たら溶ける。
粟和田林道記念碑付近で車道に合流、ここからは二車線ある道路を歩いて次の登山道を目指します。
粥新田峠までこんな感じの立派な道路を登っていく。道中は新緑がお奇麗。
粥新田峠周辺の民家ですが趣がある。昔のドラえもんに登場したのび太君の家のようなカラーリングといいますか、ノスタルジーを刺激してくれる見た目をいいと感じてしまう。
指導標に従って路地へと進む、古い民家のわきを通って登山口へ。この辺も雰囲気が良くて、民家の庭先はきれいに整頓されて花がたくさん咲いている、きっと家のご婦人が丁寧に世話をしているんだろうなと想像がはかどる。
小さな工場裏と思われる場所には自然が炉やドラム缶を覆いつくしていく光景、生活と山が一体化してる場所だなぁ。
民家周辺からは大霧山中腹の放牧場と思わしき緑の草原地帯が見えます。
午前9時25分、粥仁田峠入り口。
民家からほどなくしてハイキングコースの入口へ、粥新田峠と書かれている表示に従い砂利道に足を踏み出す。
新緑期の奥武蔵ですが、大体杉林なので道中はこんな感じで暗くて木漏れ日がちょこちょこ差し込んでる。
少し上ると広葉落葉樹の明るい森に出るので、そこまで我慢して歩く。
大霧山を目指すハイカーが先へと進んでいきます、コケやシダに恵まれた奥武蔵の里山歩きですが、大霧山までのこの道は水の潤いを感じるような土の質感があって気持ちが良かったですね。
なんかあんまり乾燥している雰囲気がないし、岩々は湿ってたりして雰囲気良かったんだよなぁ
大霧山の登山口へとやってくると粥新田峠の立派な地蔵菩薩が現れます。
その昔は奥武蔵の巡礼とか牛馬が往来した主要道だったらしい。近代では秩父の絹織物を運ぶ絹の道だったとか。
午前9時45分、大霧山登山口。
地蔵菩薩の目の前にある大霧山登山口から入山します。山頂まではコースタイムで40分ほどなのでそんなにきつくはない。
注意点はツキノワグマ、この辺本当にツキノワグマがいるから熊鈴あったほうがいい。
大霧山までの尾根道は明るい新緑の道が続く、この景色を見るとやっぱり紅葉時期か新緑時期だよなと……。
雪の少ない関東の人にとってこの新緑が映える奥武蔵はありがたい。新緑ハイキングを積極的に楽しめるからね。
標高を上げるとさっきまで歩いてた集落を見下ろせる地点に到着、本当に山の中に森と一体化したみたいな村が広がってる。
大霧山は粥新田峠からはひたすら尾根歩きになるので、陽光降り注ぐ新緑の上り坂を延々上がっていく。
山頂前の少し急な登りの先に大霧山があるんだけど、すごい簡単にたどり着けるから拍子抜けしてしまった。
午前10時15分、大霧山山頂。
眺望広がる大霧山山頂に……あれ、思ったよりも景色が見えない??
そう、この大霧山山頂はあんまり眺望がよくない。西側に秩父の街と武甲山が見えるけど他は木々が邪魔しているのだ。
U字になった木々の合間から削り取られた武甲山と麓の街が大霧山からの眺め。
登山開始してすぐの大霧山、だが心配するな……ここから堂平山までが本当に長いんだ。
頭文字Dの聖地定峰峠を目指す
ちょっと早すぎるしなんか拍子抜けしたなぁ……。
ぼやきながら大霧山の山頂を出発して堂平山へ向かうのですが、ここから先が長いんだなマジで。というわけで大霧山から尾根沿いに定峰峠を目指すんだけど、途中笠山と堂平山が見える。完全な対面に見えるということはぐるりと回りこむという感じ、これが本当に長く感じてしまうのよ。
定峰峠への案内はばっちりで、手書きの看板が手厚く各所に設置されてる。看板多すぎて逆に迷うのでは?と思うくらいに。
基本奥武蔵の山は森と木漏れ日を楽しむ山なので、差し込む光がきれいだなーってときに写真を撮って遊びながら進む。
こういう林道整備用の杭に光が当たってやたら奇麗に見える瞬間が低山ではよくある、なんかこういうの見ると春山だわ……と思える体になってしまったんだ。
ところどころ山つつじも咲き始めていました、標高低いから山つつじが咲くのも速い。
定峰峠を目指して尾根道を登ったり下ったり、道中堂平山が見える眺望地点に到着するのですが本当に真向かいに堂平山が見えて笑ってしまった。
このスケールを超巨大にすると、三伏峠から見る塩見岳などになる。この手のぐるりと回りこんで山頂に行く系は緩やかでも心が折れることがあるよね。
一旦定峰峠におります。大霧山じゃなくて定峰峠がこのハイキングの休憩スポットになるので、休憩はここまでしないほうがいい。
午前11時20分、定峰峠。
車とバイクが行きかう音が頻繁に聞こえるなと思ったらそれは定峰峠からです。頭文字Dの埼玉編の聖地定峰峠へやってきました!埼玉エリアの初戦のコースだっけここ?峰の茶屋さんがちょうど営業しているので、そちらで軽食をいただきながら休憩するのがおすすめ。
店内に入ると聖地巡礼の方向けか、頭文字Dは全巻置いてあるしグッズも……。
ハイカーの僕は先を急ぐので味噌田楽を頂きました、小腹を満たすのにはちょうど良し。
この先も長いのでここでがっつり食べちゃうと結構つらいんだよね。
定峰峠を出発したら尾根沿いの登山道へ復帰して白石峠を目指すんだけど……ここがまじでつらい。最初の登りが階段設置の急な登りで、定峰峠で気が緩んでいたのもあるけど相当脚に来た。緑はきれいなんだけどさ……。
一気に尾根まで上がりすぎだって!ここまでこんな急な坂なかったじゃん!!
標高を上げたと思ったらすぐに緩急アップダウンへと移行してせっかく稼いだ標高を少しずつ捨てて白石峠へと下がっていく、車道と並行して登山道が伸びているということもあって……正直車道歩けばよかったとすら思う道であった。
途中の杉林の回廊がきれいだったから許すけど……、定峰峠と白石峠の間は要注意やで。
堂平山から笠山へ、白石車庫で鬼うどんを食べる
堂平山の標識が出てきたら、ついに比企三山の残る二つ堂平山、笠山が近づいてきたということです。なんか残り2キロとか書いてあるけど、気のせいでしょう。
この看板が出てきてからが長い、2キロは伊達じゃない。本当に細かいアップダウンが多くて時間に対して疲れがすごい。
前述のとおり細かいアップダウンが本当に多いのよここ。登って降りてを繰り返して、そして電波塔が見えてくる、この電波塔を過ぎると堂平山山頂の天文台が近づいてきます。
午後12時45分、堂平山。
天文台と巨大な電波塔が見えてきたら堂平山山頂です。ここは全方位360度の眺望が特徴的。
そしてここまで見ることが出来なかったつつじの花が至る所で咲き誇る姿を楽しめます。
山頂では売店が運営されてます、春のハイカー向けというわけ……なのかな?夏の土日もやっているのだろうか?
春の堂平山山頂はハイカーでにぎわってまして、山頂ではハイキングで訪れた人々が思い思いの時間を過ごしていました。
僕はさっきまで登っていた大霧山方面を眺める撮影などをして、次の目的地である笠山へ向かいます。
堂平山から笠山へ、パラグライダーか何かの離陸上でのんびりとした時間を過ごす方々のわきを抜けて、小さなつつじの木々が目立つ牧歌的斜面を駆け降りて林道へ入っていく。
車道から登山道へ入り、指導標に従って進み続けるとすぐに笠山へ到着します。
午後1時30分、笠山。
堂平山山頂から45分ほど、林道わきから登山道へと移りそれなりに歩いた先なのですぐとは言えませんが……鞍部一つ越えたところに比企三山最後の一座である笠山があります。ここはすごい地味な山頂で、今日歩いた山の中では一番インパクトが薄かった……。眺望もほぼない。
笠山のやばい所は白石車庫への下山ポイントのわかりにくさにある。林道へ戻り登山道を探すのだが全然見つからない。
GPSを頼りにうろうろしてみるとガードレールの隙間から道が伸びているのがわかるんだけど……ガードレールに薄く、本当に薄く白石車庫へ向かうという案内が……手書きで書かれている。
こんなのわかるかッ!!!
ここから先は一気に白石車庫を目指して下山する。途中経塚バス停への分岐などがあるが、基本一直線に白石車庫。
山中の供養塔等興味深いものは多いのだが、白石車庫のバス本数は少ないので足早に下山していく。
白石車庫手前の山村集落の登山口へと降りると小川に面した水場に出る。あんまり冷たくはないけど奥武蔵の天然水を楽しめる貴重な場所になる、冬と春ならここで水を飲むのはありだと思うね。
新緑がまぶしい山村集落を下って白石車庫へ向かいましょう。
午後2時20分、白石車庫。
結構がっつり歩いたよね?ボリューム満点だったな……としみじみ考えながら時刻表を見ると……うどんを食べるにはまだ余裕がある状況だったので、ここから少し離れた場所にある鬼うどんを食べに行くことにしました。
手打ち定峰峠の鬼うどんということですが、この店は春に訪れると地産の山菜が出てくるのがすごい!
酒が飲みたいなということでメニューを見ていたら……気が付いたら日本酒や大量の漬物が目の前に置かれている状況。
さらには「お兄さんスカンポたべる?」と聞かれたので速攻で「はい」と答える始末。
スカンポっていうのはイタドリの新芽なんですけど、これ北海道では昔お金がない百姓が食べてたんだよって両親に教えられました。イタドリの若芽の皮をむいて食べるんだけど、すごい酸っぱい、塩つけて食べると若いスモモを食べてるみたいで美味しいけど……好みは分かれると思う。
まさか奥武蔵でイタドリをごちそうになるとは思わなかったんだ、あんなの食べるの北海道と東北だけだと思ってた。
鬼うどん自体はめちゃくちゃ美味しいので白石車庫へやってきたら、少し足を延ばして是非食べてみてほしい。
この店は走り屋の聖地でもあるらしく、うどんを食べている最中三菱ランサーエボリューションに乗った走り屋たちがやってきたりとにぎやかな場所だった。
午後3時10分、白石車庫バス乗車。
令和の時代にランサーエボリューションXよりも前のタイプの車を大量に見れてしまった……。スカンポも食べたしうどんもおいしかったし、何も不満がございません。今日一日なんかすごいたくさん歩いた気がするけど、それもいい感じに忘れられるくらい鬼うどんは良い居心地でした。
下山後は小川町に到着するのですが、小川町は埼玉県北部でも「酒の街」として栄えている場所です。数か所ある酒蔵でも駅から最も近い武蔵鶴酒造で新酒を購入して帰宅することに。
風呂に入るのを今回はあきらめていたんだけども、小川町駅の反対側にすごくいい温泉があります。
仙元山を登った時に、温泉側に下山する関係で入浴しましたが、小川町に来るなら絶対に入ったほうがいい温泉でした。その名前を花和楽の湯といいます。
小川町からの帰りの電車はがらーんと空いていて、武蔵野線に乗り換えるまで快適な電車の旅が楽しめましたとさ。
奥武蔵はときがわ町と小川町を楽しむことが出来た今回の大霧山、堂平山、笠山縦走、短い時間の中でたくさんの変化が訪れるため、本当に満足度が高いものになりました。すごい地味な山歩きだけど、食がしっかりしているからおすすめできます。
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