2023年4月1日、埼玉県はときがわ町から小川町へと抜けるハイキングコースの一角「仙元山」を歩いてきました。武蔵嵐山駅からほどなく広がる菜の花畑と桜並木を抜け、嵐山渓谷を楽しみたどり着くのが標高299mの仙元山となります。
桜が開花したら花見と登山を絡めたい、登山ブログRedsugarは先人の教えに倣い旬な時期に歩くことを目指していますが、今回紹介する仙元山登山コースは春という季節が持つ栄養分を心行くまで摂取できる優良コースです。
先ず何よりも花の規模がすげぇ!菜の花畑の先にずらーッと続く桜並木を歩いて嵐山渓谷へと向かう、スタートから最高に気持ちがいいのです。
そこから先は嵐山渓谷を楽しみ、仙元山を越えて小川町へと下山しますが……小川町が最高なんだよね。
11月くらいから始まる低山シーズン、奥武蔵において酒飲み登山者は小川町の素晴らしさがわかるはず。
小さな町ながら日本酒の酒蔵を有し、クラフトビールのお店、ワインと豚料理を楽しめるトンナリー、満足度抜群の温泉と下山後の楽しみのすべてが詰まったあの埼玉の小川町を目指して歩くこのコース、楽しくないわけがない!!
というわけでサクラシーズンに超おすすめ、桜で花見&美味しいお酒を楽しむ都幾川仙元山ハイキング行ってみましょう!
小川町は飯がうまいッ!!!酒がうまいッ!!!風呂が良いッ!!!奥武蔵や東秩父はご当地スポットを探すと楽しぃぞぉ~!
仙元山花見ハイキングの概要
菜の花畑と桜並木を求めて武蔵嵐山へ
2023年4月1日午前6時20分、朝霞台駅。
おはようございますRedsugarでございます。早朝の北朝霞から乗り換えでやってきました朝霞台、差し込む光がまぶしぃー……本日は武蔵嵐山駅から花を楽しむ春のハイキング、下山後は酒池肉林の小川町で今から心が躍ります。
冬から春にかけての奥武蔵はポテンシャルが高い、調べれば色々な名ルートが眠っているんだぜ?
朝霞台駅でボケーッと電車を待っていたのですが、高架の壁を見てみるとなんか補修用のマーキングでしょうか、いろいろ書いてある……。そんなものをも眺めたり、朝日が差し込む線路を味わっているうちに電車が到着、武蔵嵐山へと向かいましょう。
午前7時30分、武蔵嵐山。
電車内で気絶するように寝ていたらしい、時計をセットしたところまでは覚えているのですが……気が付いたら武蔵嵐山でした。あぶねー……寝過ごすところだったわ。
武蔵嵐山ですが、すっごい長閑な街が広がっていました。
駅前に目を向けるとすでに桜が満開、素晴らしい……今日は間違いなく旬な一日といえるでしょう。
桜街道は満開、菜の花畑も素晴らしいビタミンカラーに彩られているに違いありません。
カーブミラーを見つけたらとりあえず一枚とっておくかっていう気持ちになりますよねー、え??ならない??
冬から春にかけてはRedsugarはオフモードということで……赤くないんだなこれが。
武蔵嵐山駅を出発し都幾川方面へと向かいます、大きな橋が見えてきたら菜の花畑と桜並木がある桜祭り会場はすぐそこです。
早朝ということもあり川の水面は水鏡のように静か……空を映す鏡のよ……あのおっさん何やってんだ??
散歩のおじさんだろうか、川沿いをうろうろしながらどこかに消えてしまった。
午前8時00分、嵐山桜祭り会場。
都幾川とおっさんを見送って数分後、橋を渡るとすぐさま現れるのはこの景色です。うん、スタートから最高ですわぁ……、遠くまで続く桜並木の道を歩いて新緑の仙元山を目指すわけですが、これは気持ちよさそうだ!
埼玉県は菜の花畑と桜のスポットが多いと感じてはいたが、武蔵嵐山のここは人も少なく見ごたえも十分。穴場だと思いますね……!
菜の花畑の眺めを楽しんだ後は満開の桜並木の下を歩いて木曽義仲産湯の地である鎌形八幡を目指します。
ソメイヨシノが満開のタイミングは非常に短い。タイミングを逃さず最適な時期に歩くというのはフルタイムで働いていると中々骨が折れる作業です。だけど今回は見事に満開の時期に歩けました、やったね。
桜はとてもきれいだけど香りが少ないのが残念、白梅くらい香りがよければいいのに。
菜の花畑を過ぎると埼玉あるあるな「畑と桜」の景色が広がります、ド田舎な景色が良いですねぇ。
午前8時40分、嵐山桜祭り会場出発。
桜まつり会場を端から端まで練り歩き、途中スピリチュアルなお言葉を頂き桜の木肌に触れてパワーを分け合う的なイベントも楽しみ鎌形八幡へ向かうことにします。確かに自然が強いなって感じる山や場所ってあるんだけど、ここの桜並木もモノによってはご縁があるんだとか。
東北の山奥のブナ将軍とかは触りたくなる気持ちになるけど、ああいうのかなぁと一人納得し桜に触れてみる。
ちょっとスピってるくらいなのは嫌いじゃない、自然の中では森の息吹を感じると素で言える位スピってたほうが気持ちいいと思うんだ(真顔
桜並木を歩ききり都幾川を渡ると鎌形八幡はもうすぐ。川沿いに見える景色はなんか……さいたまらしい中途半端な田舎っぽさに満ち溢れていた。
午前8時55分、鎌形八幡。
都幾川を渡ると大きな神社が現れますが、それがこの鎌形八幡宮です。鎌倉時代に活躍した木曽義仲が生まれた場所でもあるんですね。源頼朝を主軸に歴史を習うと義仲は京都から平家を追い出すものの、今日との統治に失敗し義経に討たれてしまうという、敵役みたいに描かれてしまう不憫な武将です。
鎌倉殿の13人では前半の山場を盛り上げてくれたいい武将でした。登山をしていると実は源義仲にちなんだ場所はいくつか出てきますね。中央アルプスの義仲の力水とかね。
ででん、木曽義仲産湯の清水!!
立派な石柱のそばには岩から引き入れた清水がちょろちょろと流れておりました。あんまりきれいには思えなかったので口にはしなかったけど……。
鎌形八幡宮からは嵐山渓谷を目指しますが、この道中はふるさと歩道と呼ばれるような道になっていてお地蔵さんを観察しながら歩くととても楽しい道になっています。特に写真三枚目のくよづかのべったら地蔵は面白いです。
正面から拝むと円満慈悲のお姿ですが、横から見るとただの平たい青石にしか見えないのでべったら地蔵なんだとか。
べったら地蔵を拝んだらすぐに嵐山渓谷へと突入する林道へ入っていくのですが……、町中なのに結構雰囲気のいい林道があるもんだなぁと感心しました。キャンプ場へつながっている道なんですが、雰囲気だけは立派な山奥です。
あたりを見回しても深山の雰囲気が漂っていて、嵐山渓谷は単体でも楽しめる場所なんだなぁと。
嵐山渓谷、風光明媚な里山を歩く
午前10時20分、嵐山渓谷。
林道を歩き続け、森の中に作られた小さなキャンプ場を抜けると静かに流れる川沿いに到着します。ここが噂の嵐山渓谷というわけですが、確かに雰囲気は最高だ……。小学生の子供を連れたお父さんがテントを設営していたけど、ここでキャンプは楽しいだろうなとおもう。
しばらくは川沿いの遊歩道を歩き、飛び石を越えて対岸へと渡ります。アスレチックな感じで楽しいよ。
嵐山渓谷のど真ん中へと向かって行くと道の整備具合も素晴らしくなってきて、どちらかというと公園という雰囲気が強くなってきました。写真二枚目の展望休憩所があるあたりは森の中の公園っていう感じ。
嵐山町の名前はこの嵐山渓谷にちなんでいるのか。その昔、川にかけられた橋の雰囲気が京都の嵐山に似ていたから武蔵嵐山と名付けられたという。
ここで嵐山渓谷を練り歩いてみようということで、遊歩道を一番奥まで行ってみることにしました。
遊歩道を一番奥まで歩いてみると……、満開の桜が二本。萌黄色に染まった新緑の木々の中にポンッと桜が現れるのですが、いい雰囲気でした。あの桜の奥から川へ降りつつ、周回する形で元の場所へ戻れます。
嵐山渓谷でアスレチックからの桜を楽しんだ後は仙元山を目指すことになります。ここから先はちょっと迷いそうな道が続く、写真のような登山道を抜けて車道に出るまでは迷うことはないと思う。
だが!!車道に出てから小倉城跡に向かうところはちょっとわかりにくい!!困ったらGPSを使ってね!!
小倉城址って……どっから入るのだ??萌黄色の山肌と草原が広がる農道らしき道をさまよいながら小倉城跡への入り口を探します。
農道をきょろきょろしながら歩いていたらありました、道標が。これを見つけるまで道路わきから2本くらい森の中へと入っていく道があって、どれが正規のルートかわからなかったのでこの辺は注意ですね。
仙元山、小倉城跡と見晴らしの丘公園を楽しむ
午後12時00分、小倉城跡。
小倉城跡までの道のりは圧倒的杉林が続く、標高も低く山というよりは近所の雑木林っていう雰囲気の中を歩きます。
山頂までは素直につまらない道のりと言える。山頂である小倉城跡は国指定史跡となっている山城の後です。
登山目当てだとつまらないんですけどー、ここは城マニアにはかなりたまらない場所ではないでしょうか?
山城を構成していた建造物や敵に備えて作られた竪堀を間近で見られる場所です、好きな人はたまらんだろうな。
この時期に歩いているとガサガサと登山道わきで動くものをよく見るかも、トカゲが活発になり始める時期でして。
足元を見ると喧嘩しているカナチョロが二匹……、かわいいもんよ。
午後12時40分、物見山。
小倉城跡からは仙元山まで杉林の低山を抜けていきます。基本展望なし、杉林っていう感じの道なので見どころは無し。ここまで来たら後は見晴らしの丘公園へ向かうだけっていう感じか。
物見山を越えると大日山と書かれた看板がある地点が次のチェックポイント。これを越えると仙元山はもうすぐ。
しかしこの山中、小倉城跡を越えてから結構な長さがあった……。本格的な山歩き区間なんだけど、前半の桜と嵐山渓谷でかなり満足しているので歩いていて単純にスペクタクルが足りないという気分になってしまった。
大日山から先も杉林が続く、踏み鳴らされた道なのでトレイルランの要領で走ったりしながら仙元山を目指します。
午後1時30分、仙元山。
物見山から50分、結構歩いてようやく仙元山山頂に到着しました。いやー、この杉林の山中は本当に長かったと思います。山頂では仙元山だけを登りに来たパーティーで賑わっておりました。
見晴らしの丘からそのまま登ってこれるので、気軽なハイキングにはおすすめな山なんでしょうね。
武蔵嵐山からくるコースは気軽じゃなくてかなりガッツリな登山、足が若いうちじゃないと厳しいかも。
仙元山山頂からは一部の景色が良い、パラグライダーか何かをするために切り開いてあるのだろうか?新緑と杉林がパッチワークみたいになった目の前の山中のような場所を抜けてここまで来たんだな……。
仙元山の山頂から見晴らしのお釜では再び登山道ですが、VIPな整備具合で快適下山を楽しめました。
午後1時50分、見晴らしの丘。
山頂から見晴らしの丘へと向かう途中、ガラガラガラーという音と楽しい声が聞こえたんですけど、降りてきてその正体がわかりました。とても大きな滑り台が用意されていてそれを遊ぶ子供たちの声でした。
見晴らしの丘も花が素晴らしく、満開のツツジと桜と花見には事欠かない。残念ながらカタクリの群生は時期が終わっていましたが、桜、ツツジ、カタクリ、菜の花すべてのタイミングが合わされば最高の花見コースとなったことでしょう。
見晴らしの丘からは再び登山道めいた道を経由して小川町へ。今日一日で1年分の桜を見れた気がする……。
小川町、酒蔵を目指せ!酒がうまいぞこの町は!
下山後は駅に向かう道中にあるおがわ温泉花和楽の湯へ向かいます。こちらの温泉ですが「超お勧め」な温泉です、ちょっとお高いけどその価値は十二分にあります。小川町に下山するなら絶対寄っていったほうがいいよ!
温泉は露天風呂がとにかく最高、時間を忘れて入っていられる。くつろげる旅館のような落ち着いた造りの風呂でじっくりと汗を流した後は牛乳なのですが、群馬県のパスチャライズコーヒー牛乳というすっごい美味しいやつが飲めます。あまりに居心地がいい花和楽の湯、ひな壇展示場の奥にある食事処で気が付けばざるうどんとビールを頼んでいた……。
居心地が良すぎる、なんだこの温泉はッ!!!
キンキンに冷えた一番搾り、つるりとしたのど越しのざるうどんをビールで流し込む……気分がうなぎ登りだね。
風呂に入りに来たはずが、気が付けば軽食からの飲酒で最高に心がホットになりました、ありがとう。
小川町に来たら花和楽の湯、覚えたね?
花和楽の湯の後も小川町の楽しみは続きます。町のど真ん中にある小川町の酒蔵「晴雲酒造」にて今日の日本酒を買って帰るのです。ここも歴史を感じさせる建物を楽しめますし、何より店の中が最高です。
SNSフォローで6種類すべて試飲できる……だとッ!!
マジかよ!?と思わず声が出てしまった、酒蔵ではよくあるんですけど、今日ここで出会えるなんて。速攻フォローを完了し酒を手に入れるRedsugar。絶対に飲んでおいたほうがいいよなぁッ!!!
一言でいうと最高、最高でーーーす。晴雲のお酒美味しいです……。この小川町の酒蔵は3か所すべて飲める機会があったんだけどどれも美味しいです。正直言うと一番好きなのは帝松なんだけど、この晴雲は流通も広く日常的に手に入れることが出来るので愛飲しております。
こちらでは純米酒「おがわの自然酒」を購入、日常的に飲める純米酒を持ち帰るのがやっぱり良い。
晴雲酒造さんでお酒をゲットした後も快進撃は続きます、小川町といえばなんだッ!?そう、麦雑穀工房のビールだな!!!日本酒をゲットした後はビールでフィニッシュだ!!ということで駅前からほど近いこちらのブルワリーにやってきました。
麦雑穀工房さんは名前のごとく店内でビールを醸造しているマイクロブルワリー。店内には……登山者めっちゃいる!!地元のカップルと登山者がひしめき合うカオスな空間が広がっていました。
ビールの品ぞろえも多いし、軽食も大変おいしいこちらのお店、下山したら頼むから一度訪れてみてくれ!!後悔はしないはずだ!!うまいぞ!!
地酒を程よく浴びて最高に気分がハイになった状態で帰路に就くことが出来たのでした……めでたしめでたし。
麦雑穀工房を後にした僕は気分よくほろ酔い……にはあまりならず。おいしい思いが出来たなぁという満足感を胸に朝霞台目指して帰ったのでした。
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