2023年3月20日、山梨県は都留にあるミツマタの名所「都留アルプス」を歩いてきました。ご当地アルプスと呼ばれるものの一つで、都留市駅から東桂駅までの区間に横たわる里山を歩く春のおすすめコース、最高峰は都留アルプス山の713mとなります。
3月はミツマタやカタクリのシーズンですが、今回はミツマタの山にやってきました。さらに都留市ということで富士山も観れるんじゃないかということで期待に胸を膨らませて訪れましたが、富士山を含めた不思議な景色を楽しむことが出来ました。特にピーヤとかね!
また、コース自体も中々歩きごたえがあり、冬から春にかけての里山歩きの中では十分満足できる長さがあります。
大月から富士急に乗り換えた先はちょっと遠いところまで来たなと思わせてくれる景色が広がっていました。
3月後半、ミツマタを求めて歩く山梨は都留市のハイキングコースです。
合言葉は……ピーヤです。
街に寄り添った都留アルプス、水力発電ダム、富士山、ピーヤ、ミツマタと不思議な景色が楽しめます。
都留アルプス日帰りハイキングの概要
ご当地の名所を巡る都留アルプス
2023年3月20日午前7時55分、大月駅から都留市駅へ。
おはようございます、Redsugarでございます。花粉症がひでぇ!!3月でございばずッ!!!あぁーー、花がつらい、春先の外出はおろか生きていることがつらくなる花粉症。戦後の森林政策を進めた役人が恨めしい!杉なんて全部切っちまえ!という気持ちが噴出する3月です。皆さん元気でしょうか?
本日は山梨県は都留市にある都留アルプスへ向かいます、目的はミツマタの群生です。
午前8時15分、都留市駅。
大月から富士山方面に向かい富士急に乗った瞬間あふれ出る地方っぽさって……いいよね。大雄山線に乗ったときのような、歴史の面影を残す街の空気がこの辺にはあるんじゃないかということと、絶妙な田舎らしさに溢れているのがすごく良いですよね。
都留市の駅ってもっと立派だと思っていたんだけど、すごく地味やね……。
都留市駅の小さなホームを後にして都留アルプス登山を開始します。都留アルプスは駅を出たら即登山スタートなコースになっています。
駅を出たら細い道が入り組んだ市街地を抜けて都留アルプス登山口がある「ひまわり幼稚園」横の路地を目指してハイキング開始です。
道端を見ると側溝や用水路らしきところには随分と奇麗な水が流れています。九鬼山を歩いた時も山中湖から水を引いた水路を見たけど、この辺も富士山由来の清水が湧いているのか奇麗な水が豊富なのかなぁ~。
町を流れる水が美しいっていうのはすごいうらやましいことだよね。埼玉南部とかドブ川なんだよなぁ……。
午前8時40分、ひまわり幼稚園登山口。
都留アルプスの都留市駅側の登山口は幼稚園脇の林道を歩いた先にあります。なので、幼稚園が目印なんだけど……幼稚園脇を歩いて登るなんて初めての経験だわ……。
幼稚園のすぐそばから始まる、急斜面に作られたコンクリづくりの道を登り始めます。どうやら谷村の水力発電施設の整備用に作られた道みたいです。登山道のすぐそこには巨大な水力発電用のパイプが走っています、巨大建築好きな人にはたまらない景色かも??
たまーに「ぴちょーん、ぴちょーん」と水っぽい反響音が聞こえてくる巨大なパイプを眺めるために作られたような九十九折の道を登り続ける。
急坂といって差し支えない谷村発電施設脇の登山道を登っていくと視界が開けます。眼下の都留市駅周辺の街を一望……、山梨東部の山間の町を思う存分眺めることが出来るぜ。
午前9時5分、富士見展望台。
発電施設脇の道を登り続けると現れるのが富士山展望台と呼ばれるポイントで、西側に広がる都留の街の向こうに真っ白に冬化粧した富士山の姿というナイスな景色を楽しむことが出来ます。ちょうど真っ白になった部分だけが見える富士山の存在感は異常、都留アルプスに来るならこれは絶対に外せない景色です。
肉眼で見ていてもすごいシュールな景色、都留アルプスは眺望の観点からも冬から春にかけてがお勧めな山だね。
富士山の眺望を眺めた後はコースに復帰するのですが、目の前に現れるのが水力発電用の貯水池です。
発電用貯水池ってめちゃくちゃ怖いよね。
ちゃぷちゃぷと音を立てながら揺らめく水面には渦が出来ては消えて……、毎回こういうの見ると落ちたらどうなっちゃうんだろうという怖い想像が走っちゃって嫌。
午前9時20分、烽火台跡。
富士山展望台と発電用の貯水池を後にしたらしばらくは雑木林交じりの尾根道を歩いて烽火台というポイントへ。書いて名のごとく戦国時代などに利用された戦略上の拠点らしいのですが、今となってはアンテナ施設になっていました。
この辺りを収めていたのは小山田氏なんだが、真田丸に出てきた小山田信茂(演:温水洋一)の顔が頭の中に浮かんできます。
見晴らしがいいっていうことは電波のとおりもいいってことだもんなぁ
烽火台から先は再びなんてことはない杉林と雑木林の登山道を下ったり登ったり。時折登山道から都留の町並みを見下ろすことが出来るのですが、上から見ると結構すごい場所に街が出来ているんだなと感心します。この街道をまっすぐ進むと富士山の麓へ行くってわけね。
この地を納めていたのは小山田氏だと思うけど、この眺めのはるか向こうには今川が居たんだねぇ……。烽火台は本当にいい位置にあったというわけだ。
都留アルプスですが、ポイントポイントを結ぶのはご覧のような何の変哲もない低山あるあるな道です。雰囲気としては奥武蔵が一番近い。アップダウンは少ないので快適に森の中を歩き抜けれます、休日の運動にはちょうどいい。
水道橋「ピーヤ」を越えてミツマタへ
午前10時10分、鍛冶屋坂水路橋、通称ピーヤ。
烽火台から1時間ほど森の中の道を歩き続けると現れるのが歴史的な建築物でもある水道橋です。ピーヤの愛称で親しまれるこちらですが、最初に見た水力発電所へとつながっているみたい。その水は遠く山中湖から引き入れているのだとか。山中湖って標高1,000m近い場所だから、今歩いているところより全然高い所にあるもんね。
こちらの水道橋は九鬼山の麓にあった落合水路橋と同じく大正時代の建築らしいです、頑丈ねぇ~
ピーヤの近くには大室神社という小さな神社があります、境内を歩いてみるけどピーヤが主役……だよな。
水道橋に差し込む木漏れ日が不思議な形をしていたので一枚パシャリ。このアーチの真下で手をたたけば鳴き竜が聞こえます。
水道場沿いにある登山道を進みます、都留アルプス山中を走る水路がかっこよくて、これを眺めながら歩くのが結構楽しいのよ。
山中に走る石造りの鍛冶屋坂水路橋、本当に長大な建築。横じゃ伝わらないと思うので縦にしてみましょう。
縦にしてみるとすっごく長く見えると思いますが、現物は本当に巨大で見ていて満足感がある建築物になっています。富士山に次いで満足感がある眺めでした。
水道橋ピーヤを過ぎれば再び雑木林の登山道、送電線設備が出てきて鉄塔の下を歩いたり、低木のトンネルを抜ける等をして次の展望スポットを目指します。
都留アルプスは見所が多いがゆえにストップ&ゴー!な感じが強い、ポイントを結ぶ登山道の個性は無いので、本当に歩くだけっていう感じ。
ピーヤを越えて次に現れるのが友愛の森、桜千本植林地帯といった開けた場所になります。伐採された山肌には植林が進んでいるのですが、まだまだ低木故に眺めは非常によろしいです。山間に走る富士急沿いの街を思う存分堪能できます。あとは鉄塔とか……。
後半は鉄塔ばっかりだなぁという感じですが、肝心のミツマタは後半に出現します。主役の登場を心待ちに、カラッとした空気の都留アルプスの尾根道を再び登りましょうね。
最高峰である都留アルプス山が近づいてきました、小さなアップダウンが塵積になってきてちょっと足が疲れてきたような……。枯葉が程よくウッドチップのような感触の道を延々歩き続ける……。
午前11時15分、都留アルプス山。
都留アルプスの最高峰都留アルプス山に到着しましたが、その山頂は杉林の中にひっそりとたたずむ地味なものでした。標高が一番高い所にそのまんまな名前を付けたっぽい……?
都留アルプスから先には地元の子供たちが作ってくれたかわいらしい看板が登場、ミツマタ群生地までの道のりを教えてくれます、癒し~~!
だが、ミツマタ群生地までの道のりは無慈悲な杉林に覆われているのだった!!!というわけで奥武蔵と何ら変わりない無個性な杉林を30分ほど歩いてミツマタ群生地に向かいます……。
輝くミツマタの群生地から東桂駅へ
まだかなぁ、まだか??と思いながら杉林を歩いてようやく出現したミツマタ群生地。鉄塔の下に広がる台地状の一帯にミツマタが密集して生えてるみたいです、登って確認してみます。
午前11時45分、ミツマタ群生地。
群生地に登ってみると香ってくるミツマタのいい匂い……、目の前には黄金色に輝くボンボンのような花が一面にぶぁーッと広がっていました。規模は小さいけどこの密集具合は素晴らしい!
斜面にかけて群生するミツマタの間を縫うように道が出来てますので、少し中に入ってミツマタを楽しむことにしましょう。香を焚いた様ないい香りに包まれストレスがふわわ~っと霧散していくようです。
この香りに包まれている間だけは優しい気持ちになれる気がする!
時期的にちょうど満開といったベストタイミングで訪れることが出来ました。光の粒が空を舞うようで大変美しい景色です。
素晴らしいです、ミツマタを見に来るときは望遠系のレンズを持ってくるととても楽しめるかと思います。この日はたまたま持っていたNikkor Z 85mmf/1.8を利用してミツマタを心行くまで楽しみました。
ミツマタをぼかすのたのしぃー。
群生の密度が素晴らしいのでカメラを持ってきていれば結構楽しめるのではないでしょうか?ミツマタの甘い香りを心行くまで堪能したら東桂駅へと下山です。
午後12時25分、ミツマタ群生地出発。
素晴らしい群生でした。発電所やらピーヤやら細かい見どころでテンションを上げつつ最後にちゃんとミツマタでフィニッシュ出来た感じがします。3月という里山ハイキング時期にはぴったりなコースだと思うね。
ここから東桂駅まではまだ少し歩きます、ミツマタ群生地からほどなく現れる楽山球場から下山することもできますが、ここまで来たら最後まで歩き抜きましょう。
ミツマタ群生地からほどなくして楽山球場脇のトイレにたどり着きました。ここからやまびこ競技場へ降りて十日市場駅に下山するという方法もありますが……今日は東桂駅に行くのでスルーします。
ミツマタ群生地から下山までは大体1時間です。途中目印になる写真二枚目の鉄塔までが30分くらい、そこから住吉神社まで30分といったところでしょうか。その過程は登山道と植林地帯のミックスによってできています。
暖かくなると草ボーボーで歩くのきつそうだなぁ……っていう感じの道を進んでいきましょう。
ここはねぇ、本当にミツマタの時期が一番お勧めだと思う。標高低いからね。道が歩きやすいのは冬枯れの時期だよここ。
午後1時30分、住吉神社。
鉄塔を越えると蒼龍峡という名前だけ見るととてもかっこいい川沿いの広場に到着します。周囲は少し道がわかりにくい、川まで行くとコースから外れちゃうのでお気をつけて。蒼龍峡の水はそんなにキレイではないかなー、少し大きめの川なので仕方がない。
そこから竹林を越えて住吉神社まで来たら、お疲れ様です都留アルプス下山でございます。
意外に長かった……結構がっつり歩いた気がするよ俺。
午後2時00分、東桂駅。
下山後は東桂駅から大月に戻るのですが……、道中にはガストとすき家くらいしかございません。食事に関してはかなり厳しいのが東桂駅周辺、都留アルプス南下ルートの弱点なのです!!
せっかく電車で来ている登山、せめて何か飲みたいと思っても飲食店はおろかコンビニもないのでお手上げです。
仕方がない、大月で酒でも買って帰るかぁ。
ちょうど富士急の電車が来たことだし、大月に戻って駅の売店でお酒買って帰ろうという気持ちになってしまったRedsugar。大月駅構内で笹一の日本酒と甲州ハイボールを購入、駅のホームで電車を待ちながらのんびりとした時間を過ごして帰路につきましたとさ。
残念ながらご飯を食べる時間は無かった、家族からの連絡が来たから。時間があれば大月駅前の街中華でレバニラ炒めと生ビールで乾杯したかったな。お勧めは正華かうづき、街中華を食べるっていう気持ちで入って楽しんでね。
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