2019年1月3日、山梨県は見延町にある天子山地に属する毛無山に行ってきました、標高は1,964mと2,000に迫る山となります。
さて師走に訪れた御坂黒岳、近年の12月後半の関東周辺はまだ雪が少ないんですよね……、長野県で言うと八ヶ岳もまだ地面が出ているような状態で雪山を楽しむのには雪がないという状況。
まだまだ冬のハイキングが楽しめるということで、以前から興味があったこの2,000m近い富士展望の山に登ってみたいと考えていました。
さかのぼること竜ヶ岳、そう……あのダイアモンド富士を見るための竜ヶ岳がこの毛無山を認知した最初の山でした。
竜ヶ岳自体はダイアモンド富士を見る場所として有名ですが、あの山から延々と南に続く稜線の先にある高峰、それが毛無山なのです。
朝霧高原を従え、麓には富士展望のキャンプ場としてよく聞くふもとっぱらキャンプ場がある「レジャーに恵まれた山」ともいえる毛無山、間違いなく富士山の展望が良いであろうこの山であれば冬枯れしたこの時期であっても楽しく登ることが出来るだろうと思い向かった先、そこで待っていたのは富士山の巨大な裾野を一望する眺望でした。
真冬の毛無山登山について
毛無山は標高が2,000m近い山です、冬場となれば「たまに雪が降ります」のでヤマレコやヤマップを利用して直前のコンディションを確認したほうが良いです。僕が歩いた際は積雪はなかったのですが、稜線が2,000m級の気温でかなり寒かったので防寒具は必須となります。
天子山地はかなり関東エリアでもかなり南部にあることと、冬型の気圧配置の場合晴れる日が多いことから雪は少ない傾向がありますが、標高が高いのでチェーンスパイクなどの準備は行ったほうが良いです。
ちなみに冬枯れした毛無山は富士山以外見るものがなかったです。
いや、本当に富士山以外ないんだよ……
毛無山登山の概要
ふもとっぱらから毛無山へ
2019年1月3日午前8時55分、毛無山登山者用駐車場。
おはようございます、Redsugarでございます。本日は富士山展望の山毛無山に登るために遥々朝霧高原近くまでやってきました、中央自動車道から南にある山はやっぱりアクセスが遠いですね。
毛無山は登山者向けの駐車場がふもとっぱらキャンプ場の近くにあるのですが、そこから登山口まで少し歩きます、駐車場を降りるとだだっ広い平原の向こうに富士山がドドーンと立っている光景、このキャンプ場の景色は確かに良い。
登山口までは丁寧な案内板があります。
キャンパーの朝ごはんの香りがすごい良い……
案内板に従って進んでいくと林道に突入します、実はこの林道の中にも駐車場があって、多くの登山者はこちらの駐車場から登山開始していました。
登山口は枯れ沢のようなところを数回渡った先にあります。
午前9時30分、毛無山登山口。
荒れ果てた感じの登山口ですね……、入り口は細いのですが進めば普通の登山道になります。
ここから今日の富士展望の毛無山登山が始まります。
富士山の景色が良い登山道を登る
毛無山の登山道は外輪版男体山とでもいう感じでしょうか、冬枯れしている森が広がっていますが全体的に広葉樹が多いです、登山道自体はアップダウンが一切なくただひたすら登る、登り詰めるという男らしい道になっています。
御坂黒岳の時も思ったんだけど、このあたりの山ってスペクタクルがない。
登山道自体ははっきりしているけども雪が積もったら一瞬で分からなくなるくらいの濃さ、そのため道中の木々にペイントが施されています。
レスキューポイントが用意されていることから怪我が多いのかもしれない、トラロープが張られた岩場が数か所ありそこは注意かな。
毛無山の特徴は一合目から山頂まで小刻みにアナウンスが行われることでしょう、8合目あたりで嫌になる標識です。
落ち葉が積み重なった登山道は若干見づらいところもあって、登山ルートはこちらと丁寧に案内が行われています。
全体的に岩が多く、一歩一歩の段差が高いのが毛無山で抱いた感想でした。
下山後登山時間が短いのに足がなんかちょっとだるくなっていたのは、この段差がちょっと高い登山道の影響だと思います。
ジグザグに斜面を登っていきます、トラロープが張られた箇所は結構急。
前述のとおり足元の石のサイズが大きいから段差が高くて歩くのがきつい、息が上がりそう。
冬枯れの森なんで目を凝らしてもいい景色はそうそう転がってません、季節感があるのはコケに覆われた枯れ木とか。
そんなスペクタクルのない森を登ってゆくとやがて富士山の大展望が姿を現します。
こんにちわ!
富士山かっこいい(思考停止)
富士山の大展望よりも心惹かれたのは駿河湾方面の景色、伊豆半島の方向を向くときれいな海が見えました。
さらに天子山地南部に連なる山々も、この辺はマニアックな山っぽい……。
西に行けば見延山や七面山があるエリアですが、奥に南アルプス南部が控えているんですよね……。
午前11時30分、富士山展望台。
毛無山随一のビュースポット、富士山展望台にやってきました。
ここは山頂よりも富士山がよく見えるところかなと思います、突き出した岩場の先端から先には遮るものがないので富士山とそのすそ野がきれいに見えます。
自撮りをするにもここはおすすめのポイントでしょう。
富士山を見るならここで決まり!
富士山のビュースポットを過ぎ去ると9合目に到着し、毛無山の稜線へと出ます。
ここで北アルプス展望台というビュースポットが現れるのですが……、北アルプスというよりも南アルプスがよく見える展望台です。
展望台に出てみると見えるのは南アルプスの山々、それも北部じゃなくて結構南部の。
白くなった山々は赤石山脈の主脈の山々でしょうか、正直この位置から見てもどれがどの山か判別が難しい。
北アルプスは雲に隠れて見えませんでした。
というか毛無山からだと遠すぎるような……?
毛無山山頂は広く穏やかな地
北アルプス展望台から先に進むとすぐに山頂に出ます、この日毛無山の稜線は積雪はしていなかったものの「凍結」していました。
この稜線風強いし結構寒い!!(晴れてるけど0度を下回っているのは間違いない)
登りの途中は体があったまっているので少しくらい寒くても大丈夫なんですが、さすがに寒すぎるので上着を羽織りました。
午後12時5分、毛無山山頂到着。
稜線にたどり着いてモノの数分で山頂に到着しました、山頂のしるしの向こう側には富士山がいい感じに見えます。
いいですね、これぞ富士周辺の山っていう感じの景色です。
あと……、この切り株4つが連なったタイプのやつ静岡県の山でよく見たような気が?
毛無山の山頂はむき出しの地面が大きく広がった様子をしています、僕が来たときは石が窯の形に組み立てられて焚火の跡があったりしました。
西側からかなり強めの風が吹きつけているのですが、東側斜面に少し移動すると風が弱まるため、登山者はそちら側で各々休憩しています。
山頂からの富士山の展望は中々、富士山展望台に比べると周囲に背の高い気が多いため視界が開けた雰囲気はありません。
ちなみに静岡県側の展望は期待できず、富士山方面を見る山という感じです。
毛無山山頂からは富士山、そして朝霧高原方面の眺望ですね。
ふもとっぱらキャンプ場のテントがミニチュアみたいにきれいに見える……。
富士山西南側のすそ野の景色を見渡して思うのは「こっち側って結構農地として開拓されてるんだな」ということ。
山頂を見回して一通り景色を撮影したので下山のターンに移ります。
帰りの段階になって改めて景色を見回しても完璧な冬枯れ、木の実の一つでも残ってないかなと思ったのですが……。
この山は景色とかではなく、自身の身体と向き合うような内省的な目的をもって上ったほうがいいのかもと思わされます。
午後1時20分、レスキューポイント通過。
さて、登りは男体山のように男らしいということでしたが、下りはその斜度をそのまま降りていきます。
これが結構怖いし疲れるんだな!
本当にこの山一直線に標高を上げていくので、下りのほうが大変でした、段差が急なので膝を大事にしている人は注意してほしいです。
斜度は急なのですがその分下山も早いです、あっという間にレスキューポイントを通過して登山口へと降りてしまいます。
登りレスキューポイントから山頂まで2時間でしたが、下りは1時間以下……急なので、するする下れますけどその分危ない。
登山口付近まで下りてくると日が傾き、杉林に西日が差し込む時間帯になっていました。
年始直後、一日の中で日が出ているのはわずかです。
日が傾き急速に気温が低下するので、午後3時前には下山をしていたい時期ですね。
季節にもよるけど午後3時くらいに下山しておかないと樹林は真っ暗になるので怖いです。
下山後は上九の湯へ
急速に傾いていく太陽、往路では太陽が差し込んでいた水路も復路ではご覧のように山の陰に。
もちろん結構気温も低下してきているので、防寒具なしに歩くのは厳しいくらいの寒さです。
関東って雪とかないのに底から寒くなるような、乾燥した風が吹くんですよね……。
北海道出身の僕もこの関東の底冷えする感じは好きじゃない。
午後2時10分、ふもとっぱらキャンプ場。
山頂にいたのが正午くらいだったので、登山口まで本当に2時間くらいで帰ってきてしまいました。
帰ってくる頃にはキャンプ場は大賑わい、子供たちが走り回り大人が火を起こし晩御飯の準備をしています、いいなぁ。
子供が大きくなったらこういうキャンプ場で大きなテント、SUV、BBQ……と妄想は膨らみます。
なんか僕の家は登山用テント2つくらい張って、登山用具でご飯作ってそうな気がするけど……。
下山後、底冷えした体を温めるために選んだのは上九の湯、そうかこの一帯は上九一色村かと温泉の名前を見て気が付きました、すごいのんびりとした里なんですね。
温泉は山梨県らしい長時間入っていってねという湯加減、湯船でちょっと気持ちよくなりました。
湯上りに甘酒サービスがあったんですけど……、僕運転するから飲めないんだよなぁ……、残念。
牛乳も売り切れていてとても残念な気持ちで、サイダーを飲みながら恨めしそうに甘酒を眺めていました。
この日は食に恵まれなかった、悲しい。
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