【北アルプス】奥穂高岳、穂高岳山荘泊で見る絶景の朝焼け登山

奥穂高岳から見る朝焼けの槍ヶ岳

2020年8月28日、北アルプス南部は穂高連峰「奥穂高岳」に登ってきました。言わずと知れた百名山で国内第三位の標高である3,190mの岩の殿堂ともいえるすさまじい迫力を誇る山であります。
北アルプスといえばまずは穂高岳と槍ヶ岳だよね~みたいな感じで登山を始めたころは「早く行きたいなぁ」と思っていた山なのですが、当ブログでは全然縁がなく結局登山5年目にして初めての奥穂高岳となりました。

百名山というか奥穂高岳とかはもういろいろな情報誌やサイトで擦り切れるほど紹介されてますし、山岳写真家といえばここみたいな場所でもあるので、写真も世の中には大量に出回っているでしょう?
というわけで、今回は僕の視線で突っ込み多めで思い出記事を描いていきたいと思います。

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素晴らしい山だった、景色の刺激も強炭酸。
僕は穏やかで牧歌的な山か、シベリア的荒野が広がる世界観が好きなのですが、奥穂高はたいへん刺激的でございました。

目次

奥穂高岳登山の概要

奥穂高岳といえば例年夏から秋にかけてSNSでは見ないことはないアルプスの名山ですが、まず最初に言うと「上高地から登るか、新穂高から登るか」っていう話があるのかなと。当ブログ的には駐車場的観点と登山道的な目線から見て上高地がいいと思います。
白出沢は歩いてみたいけどやっぱり新穂高の駐車場争奪戦がもう嫌です……。
上高地側から歩く場合は横尾までの平行移動3時間がとにかく退屈で、ここを何とかしてほしいと思う人も多いと思うんだけど、駐車場争奪戦よりはましだと思うのが良いかと思います。
上高地から横尾まで有料のEVタクシーとか出してくれないかな……、無理か。

というわけで今回は上高地から横尾を通過して涸沢からザイテングラートを登って奥穂高岳に向かいます。
初日は山荘まで、二日目の早朝に登頂しそのまま重太郎新道で下山します。

アクセス
上高地に到着すればいいということでバス、車アクセスは豊富です。2020年時点ではガソリンの値段もまだそこまで高騰してなかったので……、今回の記事では車アクセスしてますが~~お勧めしません。
首都圏から上高地ってやっぱり自走はキツイ、バスがやっぱりいいと思う。
※バス会社はアルピコのさわやか信州号と毎日の毎日アルペン号から好きな方を選ぶのが良いです。

コースタイム一日目
上高地6:20→徳沢8:10→横尾9:10→本谷橋10:20→涸沢12:10-12:30→穂高岳山荘15:15
合計登山時間 8時間55分
コースタイム二日目
穂高岳山荘3:45→山頂4:45-6:00→紀美子平8:35→前穂高岳9:15→紀美子平10:30→岳沢12:55→上高地15:35
合計登山時間 11時間50分
夏場は涸沢に昼頃到着した時点で稜線にはガスがかかるはず、なので初日は展望なくてもいいと割り切っていいと僕は思います。晴れは二日目でいいやっていう。

上高地から横尾へ歩き続ける朝

早朝の諏訪湖SA

2020年8月28日、午前4時30分諏訪湖SA。
おはようございます、Redsugarでございます。早朝の諏訪湖SAですが……やはり眠い。
自走で浦和から中央道経由で上高地に向けて車を走らせているのですが、深夜のドライブはやはり身体が辛い。
車でのアクセスとなると国道158号線の下道に入る前の最後の休憩スポット、ここでご飯を食べたり仮眠をとるようにしておきたいところです。

上高地へ向かうバス車内

その後、諏訪湖SAから国道158号線をひた走り「沢渡」までやってきました。上高地の入り口といえば「さわんど」です、こちらの駐車場に車を停めてバスで上高地に向かいます。金曜日の早朝だけどやっぱりバスは混んでるんだよね。

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2020年は未だコロナ過真っ只中だったけど、夏山シーズン中はみんな工夫して日程分散とかを駆使して登っていた

朝の大正池

上高地へとバスが進んでいくと早朝の薄暗い空の下に穂高岳がくっきりと見えてきました。梓川や大正池は朝霧が幻想的な感じに。

午前6時40分、上高地河童橋スタート。
2015年から本格登山を始めたRedsugarですが、上高地にちゃんと降り立って登山をするのはこれが初めてです。
下山で上高地に降りることはあっても、上高地から登るっていうことをこれまでしたことが無かったことに改めて気が付き衝撃……、アルプスの中でも最もメジャーともいえるこのエリアをずーっと後回しにしていたんだよね。

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みんなが良く写真をSNSにアップしている河童橋をリアルで見れて新鮮。

早朝の上高地

普段いったいどこを歩いていたんだろうと思い返せば関東近郊/東北上信越が多い当ブログ。北アルプスのド定番が最後の最後になってしまった。世間一般的に大トロとして扱われる景色がどんなもんか、今回はしっかりと吟味していきたいと思います。

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そういえば地味に蝶ヶ岳って歩いたことが無い、常念岳は縦走や単体で歩いたりしているんだけど……。

上高地から横尾へ向けて

さて、上高地からは横尾を目指して歩きます。平行移動で3時間近くかかるので横尾地獄とかよく聞くんだけど、どんなもんなんでしょうね。

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端的に言うと横尾まで6000円くらいのタクシーがあればそれに乗りたい。横尾まではそんな感想を得ています。

明神岳方面を見上げる

見上げれば穂高へ連なる岩尾根が天に連なる……。

午前7時30分、明神館。
河童橋を出発して明神館までは早朝ということもあり気嵐のような朝靄に彩られた森を抜けていきます。静かな森の空気を味わって歩くこの時間は良い……。

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いい気分で歩けるのはこの辺くらいまでではないだろうか。

上高地から見上げる明神

明神館から先は明神岳をぐるりと回りこむように、梓川沿いに横尾を目指す。

横尾へ向かって歩く

徐々に標高を上げているとは思えないくらい平坦な道を延々歩く。

午前8時10分、徳沢。
徳沢周辺は山深く、差し込む光に彩られた森はもちろん美しいし梓川も上流に差し掛かりつつも川底は細やかできれいな見た目、自然園地とでもいうような穏やかな自然が広がっている。キャンプ場も盛況だったんだけど、特に寄ることもなく通過。

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既に仏の心で歩いている。

横尾到着

午前9時10分、横尾。
徳沢のみちくさカフェでソフトクリームを食べることなく横尾へ到着。ここが横尾地獄の終着点ということになり、ここから先が本格的な登山道が始まります。ここまでは林道歩き3時間だったわけです、長い。

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2020年時点ではD850を2台に三脚もLs-324cという中型……、ザック重量は20キロを軽く越えていたため横尾に歩くだけでも大変でした。

涸沢からザイテングラートで穂高岳山荘へ

横尾大橋

横尾大橋を渡れば涸沢へ向かう登山道です。ここからようやく登山開始といっていい。

横尾から奥穂高へ

ついに奥穂高岳に登るのかぁ~と感慨深いものがある。涸沢も写真では見ていても歩いたことはないんだよね。

横尾から見る明神方面

正午に向けて徐々に空には雲が……、夏山名物「晴天は午前10時まで」が今日も発動したらしい。

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初日はガスるのわかってるから別に良いんだけどさ。

横尾から奥穂高へ

横尾から先は正真正銘の登山道、人通りも多いということでしっかりしているけどやっぱり石が多いよね。
柏原新道や折立に比べると足元は石ばっかりだ。

屏風岩に連なる巨大な岩の壁を眺めながら本谷橋へ。数年後、地質写真家の竹下光士さんにお会いした時に「昔氷河は横尾付近まで連なっていた」というお話を聞いて驚いたんだけど、この辺の崖も今見ると削られた後って感じなんだろうか。

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さすがに素人目には氷河で削られたのか風化なのかはわからないが、ロマンのある話だ。

本谷橋

午前10時20分、本谷橋。
横尾から涸沢に向かう途中の代表的な休憩スポットといえばこちらの本谷橋。橋を渡った先で多くの登山者がザックを降ろして休憩中。冷たい川の水で顔を洗える最後のチャンスともいえる。

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手拭いを濡らしてすぐさま顔、首、胸を洗い流したよね。もう最高に気分が良かった。

涸沢へ

本谷橋からは涸沢に向けて石段の道を登っていきます、この道なんだけど膝にダメージが来るぅ~っていう人もいるんじゃないだろうか。いかに段差が少なく低負荷で登れる足運びが出来るか、そんな遊びをしながらゆっくりと涸沢へ。

遠く見える涸沢

遠くに涸沢の小屋が見えてきました、遠いわっ!

午後12時10分、涸沢。
上高地を出発して6時間……半日ほどで涸沢に到着しました。荷物を降ろしてここいらで大休憩。
Redsugarでは食事は背負うのではなく買ったほうが楽だろうスタイルを採用しているので、ラーメンを注文し汁一滴余すことなく奇麗に食べきったうえで行動食の柿ピーを摂取しておきました。

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ここでラーメン二郎レベルの栄養を摂取したい。

涸沢から奥穂高へ

涸沢でラーメンを美味しくいただいたら、奥穂高岳への入り口であるザイテングラートへ向かいます。

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涸沢カールをぐるりと回りこむような感じでザイテングラートのとりつきに行きますよ

涸沢ってすごい迫力があるなぁ……、ごろごろと転がっている岩や石ころを見ていると融雪期の雪崩の動画とかを思い出す。

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涸沢小屋に迫る勢いの雪崩がこの翌年発生したんだよね。

涸沢からザイテングラートへとりつくのですが、道中は足元が石を組み合わせた道でして……非常に膝には悪いというか歩きにくい道が続きます。ハイマツ帯からザイテングラートへ入っていくとペイントが各所に施されている。
よくザイテングラートって危ないんですかと聞いてる質問を見たけど、登った感じ普通の岩場の登山道っていう感じで、とりわけ危険という雰囲気はなかった。

ザイテングラートから涸沢を見る

振り返ると常念岳などはもう雲に飲まれてしまったらしく、曇り空の下の涸沢が目の前に広がる。

ガスの向こうの奥穂高

黙々と標高を上げていくとガスの中に消えていた稜線上の石峰がうっすらと見える。

涸沢谷

超広角で撮影してみるとザイテングラート周辺はこんな感じ、上から見る涸沢カールにはスッと一本奇麗な弧を描いた登山道が敷かれていますね。

ザイテングラートの岩路

丁寧にマーキングが施された岩場を登っていく、実際に歩いてみると結構明瞭に道ができているので歩きにくいことはなかった。

ザイテングラートの足場

上部には手作りの小さな橋というか足場も、ああいうのが一番怖い。

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人工物って怖いよな……、壊れるかもしんないじゃん。

ガスの向こうの登山者

上部にたどり着くと完全にガスの中に。先行する登山者の姿も朧げになってしまいました。

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いつ雨が降るか時間の問題……、夕立どれくらい降るのかなぁ。

午後3時15分、穂高岳山荘。
登山開始から約9時間ほどで穂高岳山荘に到着しました。雨が降っていたのか少し小屋周辺は濡れている個所も……。
本日は小屋泊ということで予約を入れていたので、小屋前で汗を拭いてチェックイン。
今回は小屋泊装備なんだけど撮影機材で装備重量が20キロ越えていた関係もあり涸沢前後が一番きつかった……。
ザイテングラートからは曇っていたから、ひたすら上るだけで楽だったんだけど。

小屋内で一時の休憩。こういうと悪い気しかしないんだけど、コロナ以後は山小屋も感染対策でベッドが一人一つ使えるようになったりと利用者目線ではめちゃくちゃ快適になったと思う……。料金が倍になってもこれなら使ってしまうなと。

小屋では特製レモネードなどを頂きながら夕食までの時間をウトウトしながら過ごしました。

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SNS上で知っている方が同時にテント場にいたらしく、その方と後ほど涸沢岳に登ってみましょうなどと話をしながら夕食タイムへ。

穂高岳山荘の夕食

穂高岳山荘の夕食は鮭でした、いつも通り白米を3回くらいお代わりして夕食終了!

見上げる穂高の山

外に出てみると穂高岳の岩肌が霧の中から顔をのぞかせています、ゴジラみたいでかっこいいなぁ。

涸沢岳へ登る

食後に涸沢岳へと昇りゆくことにしました、ご同行させていただいたフォトグラファーの方がどんどん登っていく。
やっぱり登りなれてると早いんだなぁと感心、こちらは上高地から登ってきた関係で体力が……。

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涸沢岳への登りは思ってたよりもきつくはなく、足場も安定してるし岩山っていうほど岩な感じはしませんでした。
ただ急なので、膝から下に来るな……。

涸沢岳から穂高岳山荘方面を振り向くとガスを纏った岩の山肌が……、HRギーガーを想像させるような硬質かつ独特の光沢を秘めたきめ細やかなディテールの岩山が目の前に広がってる。

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確かにこれは凄い景色だ、そもそも極地として仕上がっている。

霧の奥穂高岳

迫力満点の穂高岳の山肌を這うガスを眺めてながら日没を待ちます。

涸沢の夕日

フォトグラファーの方と色々話をしながら山頂で寝そべってたんですけども、太陽が沈み切る前に戻ろうかということになり、薄暗い涸沢岳から山小屋へと戻り寝床へと潜り込みました。
記憶がないくらい秒速で寝たらしい、それくらい疲れてたんだなぁ……。

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涸沢だけの山頂は意外に温かくぬるい風が吹いていたのが印象的、真夏の湿った空気に覆われた一日だった。

穂高岳山頂で朝焼けの絶景を撮影する

朝の星空

朝の穂高岳から見える景色を撮影するぞ!と意気込んで目を覚まし、小屋の外に出てみたらお星さまが奇麗でした。
準備が完了するまでカメラを外に放置して星を撮影、スバルが奇麗に映ってるなぁ……。

早朝の穂高岳山荘

午前3時45分、穂高岳山荘。
真夜中といってもいい早朝、穂高岳で朝焼けを見ようという登山者たちはすでに準備を整えていました。
穂高岳山荘から山頂までは片道1時間程度の時間がかかります、しかもナイトハイクなわけですから準備は入念に。

小屋を出発してルート案内に従って穂高岳を登っていくんだけど、職人芸的なルート案内が素晴らしく顔を上げると矢印が随所に。おかげで危うきことは一度もなく穂高岳山頂へ向けて歩いていくことができました。

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早朝から激しすぎる運動というか、荷物全部担いできたから空身で登ってくる方々にどんどん後を抜かされていった。でもこれが結果的に良かったのです、道を間違える事が全くなかったので。

夜明けの地平線

地平の向こうから太陽が昇ってきたのか空が明るくなってきました。

夜明けの槍ヶ岳方面

午前4時45分、撮影開始。
穂高岳山頂に到着しましたが、山頂に到着したことなんてどうでもいいんだ撮影だ!!!
ということで山頂から少し前穂高側に歩いた平たい場所に陣取って三脚を立てて撮影を開始しました。

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うおー!雲が流れていく穂高かっけぇ~~!!

朝の穂高と槍ヶ岳

何枚写真を撮影したかというとこの山頂だけで500枚位同じような写真が並んでいたんですけど……。
暫くこの夏の穂高岳山頂から眺める北穂高、槍ヶ岳方面をお楽しみください。

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ちなみに滝雲として山頂付近を流れる雲が楽しめたのは日の出前位の時間でした、日の出と同時にこの雲はだんだん薄れてしまった。

朝の穂高と槍ヶ岳

日の出前の紫色の空が印象的な時間帯、穂高岳が顔を見せる。なるほど南岳とかは雲に隠れている……こんなこともあるのか。

朝の穂高と槍ヶ岳

北穂高岳と穂高岳をつなぐ稜線部分を雲が流れていく、笠雲のような形に膨らんだ雲が印象的。

朝の穂高と槍ヶ岳

西側から流れていく雲が穂高岳の稜線上を覆いつくす、こういうこともあるから山頂にはいたほうがいいんだなぁ……。

穂高岳山頂の人々

ちなみに日の出前時点での山頂はこのような感じ。岩山に人々が張り付いているような……。
昨日の夕方とは打って変わって、化繊ダウンくらいは着てないと寒いという状況でした。

ジャンダルム方面

南側に目を向けるとジャンダルムが見える。はるか下に焼岳が見えるけど雲の下になってしまっているようだ……。

夜明けの前穂高岳

前穂高方面、こちらは朝日の時間だと逆光で陰になることから真っ黒なシルエットの山が目の前にぬぼーっと座っているような状況。釣り尾根を穂高岳側から見ると険しそうにしか見えない……。

いや、実際歩いてもきついんだってそこ、今からお前歩くけどさ。覚悟しとけよ。

夜明けの焼岳、乗鞍岳

上高地方面を見返すと焼岳、乗鞍岳、御嶽がくっきりと見える。乗鞍岳が朝日に照らされているのか赤く染まり始めていた。

朝の涸沢と槍ヶ岳

午前5時10分、ご来光。
太陽が登り常念山脈を越えて穂高連峰に光を届けてくれる状態に、ここでようやく景色は劇的な変化を迎えました。
朝焼けの穂高連峰の刺激的な絶景が目の前に広がります。ついに正体表したな。

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これは刺激が強い、めちゃくちゃ味が濃くておいしい料理のようだ……。

裏銀座方面

裏銀座方面も雲が晴れ三俣蓮華や双六といった山々が姿を現し始める……。

朝の北アルプス
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絶景の槍ヶ岳、姿を現す。これは刺激が強すぎるな。

夜明けのジャンダルム

「奥穂高岳を目指す登山者たちが見たい朝焼けの景色」というものがあればこれかな?っていうくらい美しい朝焼けを見事に引き当てることができました、これには感無量でございます。

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ジャンダルムの頭に登山者がいる……、これにはびっくり。

朝の涸沢谷

涸沢にも光が差し込んでいきます、下にいる人々も最高の朝焼けを楽しんでいるんじゃないだろうか。

槍ヶ岳遠望

陽が登り雲が徐々に抜けていく、露になる槍ヶ岳方面の遠望が非常にかっこいい。

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これを撮影するために奥穂高岳山頂に暗い中登ったんじゃね?と思うような光景が目の前で刻一刻と移り変わる。

涸沢谷と槍ヶ岳

北穂高岳の存在感が強いなぁ……、あちらにも泊まりに行きたいですね。

穂高連峰

朝焼けは終わり朝がやってきました、雲は抜けきって岩の大山脈が露になりましたね。

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穂高岳から北穂高に向かって歩くって、これ何処歩けばいいんだよ……。

上高地方面

上高地方面の山々もすっかり朝の景色。

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ここから見ると御嶽山って北アルプスの仲間にしか見えねぇ……。

影穂高

陰奥穂高とジャンダルムを眺めながら下山準備を開始します。なんたって下山は重太郎新道なので、足に疲労が蓄積して後半速度が落ちるのはわかってるんだ……。

笠ヶ岳

笠ヶ岳もその優雅な山体をあらわにしました、翌年歩くことになるけどこちらも大変いい山です。

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双六から笠ヶ岳に向かうルートがとっても景色が奇麗なのでお勧めです。笠新道は……修行かな。

下山は重太郎新道で岳沢へ

午前6時5分、山頂出発。
早朝撮影に夢中になっていたので山頂を参拝していませんでした。
このタイミングでようやく山頂に登ったりダッフィーを撮影するなど、登山らしい山頂の楽しみ方を実践できたと思う。

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多くの方々は穂高岳山荘へと戻る中、僕は岳沢へ下山。全然同じルート歩く人がいなくてびっくり。

ジャンダルム

ジャンダルムも山頂がにぎわっているようです、この岩山も見納め。

早速涸沢方面からあがってきた雲がまとわりつく釣り尾根、山頂を出発し前穂高の分岐点である紀美子平を目指して下山開始。
登山道中にはところどころお地蔵さんが添えらていたりしました、そういう事故多いからなんでしょうね。

ガスの中に浮かび上がる前穂高に慄きながら進みます、奥穂高岳の山頂が随分と遠くなってしまった。
道中の足場はあんまりよくない、下山で使うのはやめたほうがいいなと思った。今後は重太郎新道は登りで使おう……。

恐怖の釣り尾根

続々と下から登ってくる方々とすれ違いながら前穂高へと下る。この釣り尾根結構足場が怖いところが多くて、下りでは本当に使いたくなかった。

前穂高岳方面

遠めに見るとどこ歩いてんだよっていう場所が連続する穂高岳。

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あいつ何処に立ってんだよ……。

眼下に涸沢が奇麗に見えてきました、写真で見るととても近いように思える。

前穂高岳へ

釣り尾根の下りできつかったのはこの辺、紀美子平から穂高岳側に少し歩いた場所。
崖沿いに細い道をトラバースしていくんだけど、上を見ると今にも小石が落ちてきそうで……、気持ちよく歩けない。

崖沿いの道

こんな感じの道を通過していくんだけどスリル満点です。実際は足場はしっかりしてるし道幅ももう少し広いんだけどさ……。石ころが落ちてきそうでたまんない。

午前8時35分、紀美子平。
奥穂高岳と前穂高岳の分岐点となる紀美子平に到着しました。名前の由来はいろんなところで読むことができますが、一応コピペ気味に説明を書いておきましょう。
重太郎新道の開拓者である今田重太郎さんが1951年、登山道開拓作業中に娘の紀美子を遊ばせていたから……とのこと。

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遊べるほど広くないし上から石も落ちてくるこんな場所にいた紀美子すげぇな

前穂高から奥穂高を見る

紀美子平から前穂高岳まで登っていくのは中々難儀、奥穂高を登るよりも全然「岩山」を登っているような感じでした。

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ここ落石が平然と発生しやすい場所でもあるので、気を付けて登っていかないと危ない

午前9時15分、前穂高岳。
雲が黙々と湧き上がる中でようやく前穂高岳に登ってきました、釣り尾根の下りで神経をすり減らしていたこともあって、その後に前穂高岳を登るのはかなりキツかった。
ガスが多いので奥穂高の景色を奇麗に見るってことは出来なかったけど……、涸沢方面は奇麗に見下ろすことができました。

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前穂高岳から涸沢を見下ろすと登山道が一本奇麗にス――っと引かれてるのがよくわかる。
これ面白い景色だわ。

午前11時25分、岳沢パノラマ。
前穂高岳から紀美子平に降りてきたらガスが登ってきてしまいました、もう真っ白。
それと、紀美子平から降っていくところが足元つるつるでマジで歩きにくかった……。しばらく歩き続けると岳沢パノラマに到着、かなーり下に岳沢小屋が見える。

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ここから岳沢迄の下りも非常に辛かった……、ほぼ垂直みたいな下りの鎖場や梯子が連続するしさー。

午後12時55分、岳沢小屋。
岳沢パノラマから岳沢小屋までの最後のスパルタ登山道を下って小屋にたどり着きました、垂直に近い鎖場や梯子で足が疲れた……。
岳沢でザックを降ろしてみると「水がない」ということに気が付きました、ここは奮発しようということでジュースを数本身体に投入。

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滅茶苦茶うまいCCレモンとオランジーナだった、美味しくジュースを飲むなら炎天下の運動だと思う。

岳沢小屋から先は普通の登山道、安心して歩ける緩やかな道となるのでゆっくり下山できる……。

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見上げると稜線がすべてガスに包まれていた、夏って恐ろしい……。

風穴

奥穂高岳から神経すり減らして下山してきたということで岳沢からの下りはゾンビめいた感じ、風穴クーラーも冷たい風は吹いていたけど……すでに楽しむ体力はなかった。

岳沢から上高地に降り立つと岳沢湿原に出ます、正午を越えたというのに水面と気温の差で霧が出ているのに衝撃を受けました。そんなに温度差があるのかよ!

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岳沢で水を汲まなかったので、岳沢湿原の湧水を汲み上げてボトルへ投入。バスターミナルまでこの「岳沢湿原の水」を飲み続けることになってしまった。

上高地の灌木

岳沢湿原からバスターミナルまでが長かった……。8月29日も炎天下ということで重太郎新道は二重の意味で辛かったのですが、後半は間違いなく熱中症気味なダメージが身体に残っていた。

午後3時35分、上高地。
重太郎新道の下りと気温でボコボコにされましたがようやく上高地に到着、土曜日ということで観光客が殆どの上高地に降り立つ汗まみれの登山者……という状況。汚くてすまん……と思いながらソフトクリームを頬張り奥穂高岳を眺める。

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上高地から見上げる奥穂高岳は晴れてるように見えるんだけど、岳沢まで行くと雲っているようにしか見えないんだよなぁ……。
あー、ソフトクリームんまぁー。

湖畔の湯

上高地からさわんどへ向かうバスには余裕で乗車することができました。上高地下山って夕方遅くなるとバスタイムアウトがあるから怖い。
上高地周辺で登山をすると風呂と飯に困るのですが、風呂は定番の湖畔の湯に行くことに。

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駐車場からすぐそこにある湖畔の湯、とにかく早く汗を流したいと思ったらここです。

湖畔の湯を上がったらすでに夕方で夕食を食べることができず……、松本まで出てきて「そば茶屋 松花」さんで山賊焼き&そばを頂くことになりました。上高地周辺でご飯食べるって中々難しいと毎回感じる。

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上高地から帰る時にお勧めのごはん屋さんとかがあればどなたか教えてください。

奥穂高岳登山で見たかった朝焼けの景色を堪能することができたし、上高地ベースで登山を楽しむというのもできた良い登山でした。ただまぁ、上高地から東京までの運転ではいつもの渋滞にお世話になり、帰るころには深夜になってしまうのでした。

早朝の穂高と槍

奥穂高岳定番の景色である朝焼けの穂高連峰と槍ヶ岳
初日に穂高岳山荘迄上がるっていうのは体力に自信のある方にはお勧めですが、体力に不安があったり荷物が思い方は横尾で前泊してからのほうがいいかもしれません。
夏場のアルプスに登り山頂でご来光を眺めるという定番の景色を見ることができましたが、やっぱりすさまじい迫力の景色だなと思います、一度は見ておいて損はない。
とても刺激が強く、中毒になる人が生まれるのもわかる劇的な朝焼けでした。

でも重太郎新道の下りは大変だった……ので次回以降は重太郎で登って涸沢から降りたいと思います。
次はもっと道中楽しみながら、朝焼けをのんびりと楽しみたいなぁ。
人生最高の山は続く。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは。
    山頂からの展望はやっぱり素晴らしいですね。
    朝焼けの槍ヶ岳、美しいとしか言いようがないですね!
    重太郎新道の下りもお疲れさまでした。

    • みんながいいという通り、とっても良い景色でした。
      また登りたいなーという反面、重太郎新道は嫌だなーと思ったり笑

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