2020年8月1日、北アルプス西部にある百名山「薬師岳」を歩いてきました。標高2,926mで全国の薬師岳の中では最高峰となる山です。
北アルプス西部といえば薬師岳、雲ノ平、黒部五郎岳あたりが想像されます、今回はそのすべてにつながる折立登山口から太郎平を経由して登頂、翌日黒部五郎岳を登って折立へ戻るという割とメジャーなピストン登山です。
折立から登ると最短で薬師岳にたどり着くことができ、太郎平から先は手軽に壮大な景色を楽しめちゃうのです。
北アルプスといえば立山連峰、後立山連峰、槍穂高連峰、常念山脈といくつかのエリアにざっくりと分類できますが、今回歩く2座はそれらと比較して山々が込み入っておらず、独立した巨大な山として特徴があります。
太郎平からつながる北アルプス西部の山並みは穏やかで美しい……優雅な稜線と巨大なカールが見所。
さて、いい所はここまでにして不便なところも上げてみましょう。
登山口の折立は東京からアクセスすると「北アルプスでは最も遠い部類の登山口」となり、自走で行くなんて正直何度もやりたくない場所です。今回は自走してみたけど……正直お勧めは出来ないので出来れば夜行バスをお勧めしたい。
そして、もし薬師岳や黒部五郎岳を歩くのであれば、今回の記事のような太郎平からピストンではなく縦走で考えると幸せになれそうです。
今回の山行はコンディションに恵まれ北アルプスの青空を思う存分堪能することが出来ました、山の雰囲気だけでも参考になれば幸いです。

薬師岳は立山から入山して折立に抜けるとかはとっても楽しそう。黒部五郎は新穂高温泉から歩いて折立まで行くっていうのがいいんじゃないかなと、ピストンした後に改めて思いました。
今回の登山の概要
二日目の黒部五郎岳の記録はこちら


折立、関東から遠い遠い登山口






2020年8月1日午前3時、赤城高原SA。
おはようございます、Redsugarです。深夜に浦和を出発し一路折立を目指して車を走らせています。
今日の目的地は折立登山口から薬師岳……、折立登山口までは片道450㎞近い距離があります……山形に行くよりも100㎞くらい遠い。
しかも高速道路は東北道ではなく高低差がすさまじい上信越道経由で北陸道、まず登山口に到着するまでが厳しい旅となりそうです。



ここでご飯をしっかり食べておかないと、登山口まで体力が持たん。
まさか折立登山口までの走行距離が「東京→山形」の350㎞を越えて「東京→花巻」に迫る450㎞レベルとは……。
次回以降は絶対に公共交通機関で行く。


午前6時10分、有磯海。
赤城高原SAから3時間後、ようやく有磯海SAに到着しました……。長野あたりで記憶が遠くなり運転を同行してくれたみやっちさんに交代したのですが、本当にここまで来るのが遠すぎてヤバかった。
ちなみにここまで400㎞近い距離を走っているため、燃費10㎞前後のガソリン車の場合は富山で一回給油しておきましょう。
こういう登山ばっかりやってると航続可能距離が1,000㎞前後となる低燃費なハイブリッド車が欲しくなります。
走破力が高いSUVよりも、走破力はそこそこに航続距離が長い車が登山には向いてると思う。



車で富山まで一日で来るのはやっぱりおかしい、しかもほとんど深夜走ってたし。途中で寝たし。


午前7時55分、折立駐車場。
有峰林道の通行可能時間は午前6時~午後8時です、当然人気の折立登山口ということで午前6時前は車列ができてます。
ガソリンを気にしながら林道を抜けて折立登山口に到着し、出発準備をする頃には午前8時近くになっていました……。



登山口に置いてある車を見るとやっぱり地元周辺のナンバーが多い、確かに関東ナンバーもあるけど……やっぱり北陸エリアの人が多いよ。






午前8時10分、薬師岳登山開始。
はい!プレイボール!!!
赤城高原SAから5時間後、折立登山口より薬師岳に向けて登山開始です。
運転で既に体力がかなり消費されている気がするが頑張ろう……。今日は同行者としてみやっちさんがやってきてくれました。彼が途中で運転を交代してくれなかったら折立にこれなかったと思う。


折立から太郎平は想像よりも距離があります、といってもすでに体力がない状態から始まっているので余計にそう感じるのかも。


スタート地点の標高は1,350m地点で薬師岳の山頂は2,900m後半なので、その差は1,600m近く……遠いです。
太郎平周辺は道が横に長いタイプなんで歩いた印象は「なんだこの長い登山道は」



今回の薬師岳、黒部五郎岳は両方とも「なんだこの長い登山道」はという状況が頻発します。


太郎平へ向けて標高を上げていく、樹林帯は比較的早く終わり森林限界的な景色が見えてくると眼下には有峰ダムが見える。
有峰林道を走っているときの記憶なんてほぼないけど、秘境のダムと呼ばれる有峰ダムの近くを走っていたらしい。



登山してると秘境のダムとかを結構見れます、秘境の温泉にも入れます、お勧めの趣味です。


森林限界的な地点からは道がよく整備された状況になります、だんだん歩きやすくなる。


午前9時35分、積雪量ポール。
出発から1時間ほどで豪雪地帯ならではの景色、積雪量ポールへとやってきました。
雪がどんだけ積もっているのかなーっていうのを測るポールらしい。
雪国の人だと車道の左右に紅白模様の細いポールが立っていたりすると思うけど、これはその巨大版みたいなもん。


歩き続けていると太郎平が見えてきました……、まだまだ先は長い。


粛々と登山道を進み続ける、積雪量ポールが1,900m地点。そこから一旦樹林めいたところを越えて階段エリアへと入っていく。


針葉樹林帯の向こうに草原とヘリコプターが見える……。タイミング的に折立登山道の整備を行っていたらしく、麓から資材がどんどん運ばれています。


出来立てほやほやの登山道を登りますが、後半に現れるこの階段は非常につらい。


午前10時45分、五光岩周辺。
五光岩案内地点周辺地点でちょうどヘリが資材を積んで上がってきました、思わずカメラを構える皆さん。
やっぱりヘリを間近で見れちゃうっていうタイミングは写真撮っちゃうよね。


階段地点を越えるとご覧のような穏やかな道が始まります、ここまで来たら太郎平小屋はもう少しです!


木道が現れ始めると視界の向こうに太郎平小屋が現れました、薬師岳と黒部五郎岳をピストンする場合の起点となる太郎平小屋です。



収容人数が多く、キャンプ場も完備している太郎平小屋。インターネット予約もあってとても使いやすい小屋です。
太郎平小屋、北アルプス西部の楽園




午前11時50分、太郎平小屋。
北アルプス西部の拠点となる太郎平小屋に到着しました。到着してみると名前の通りあたりは草原地帯が広がる気持ちのいい景色が広がっています。小屋周辺では薬師岳から帰ってきた人々などが談笑中、何だかんだで折立登山口から4時間近くかかって到着してしまった我々は昼飯を食べた後にゆっくり薬師岳を登ることにしました。



この日の天候は午後遅くになるにつれて快晴、翌日は朝から快晴というパターンです。そのため午後遅くなってもいいやという調子で登ってきましたが、太郎平に到着した時点では薬師岳は雲の中に隠れていました。


太郎平は絵心ある小屋番さんがいるのか、各所にかわいらしいイラストが添えられていました。


コロナ感染症以降山小屋ではすし詰め宿泊を見ることがなくなりました。太郎平も完全予約制になっている影響で室内をかなり贅沢に使用できるようになっている状況。正直宿泊料金高くなってもこの快適さに慣れちゃうと戻れなくなりそう。



以前は汗まみれ&いびきのすごいおじさんの隣で寝るとか普通にあったんだけど、そういうのが全くなくなったのはすごい助かる。山小屋が熟睡できる環境になったと思う。


太郎ラーメンを運んでくれるのは中華風の看板娘らしい。


太郎平に宿泊用の装備を置いて、登山用の装備だけを抜き出して薬師岳アタックの準備を進める。
こういう時は防寒着、水、応急キット、三脚あたりの装備だけがザックに入ってる感じです。
晴れてるじゃーんと思って山頂側見てたけど、稜線は徐々にガスに包まれていった。


午後12時35分、太郎平休憩終了。
太郎ラーメンじゃなくてカレー食べちゃった……。太郎平ではラーメンをお勧めされてたんだけど、茹でる時間が無くて速攻出てくるカレーがいいんじゃない?ということで二人でカレーを平らげることにしました。
登山に行く際、高速道路のサービスエリアなどでもカレーはやはり鉄板です、だって一番早く出てくるんだもの。






太郎平を出発し薬師岳に向かいます。まだここから登りで3時間近く……降りてくるころには夕方になっていることかと思います。でも今日は夕方に近いほうが晴れるので、最悪19時にヘッデンつけて戻ってきてもいい。


これから薬師岳に挑もうという私ですが、何とも牧歌的な格好です。このシーズンはドラウトゼファーを着用していた、いくら何でもダサすぎるなと思い直し、翌年からファイントラックを着るのはやめてしまった思い出。


太郎平周辺は池塘も広がる高層湿原地帯、上信越エリアの景色が好きな僕にとっては中々居心地のいい景色が広がります。
黒部五郎方面には穏やかな稜線が続いていくし、薬師岳方面もキャンプ場付近までは非常に気持ちのいい木道が広がっていますよ。


午後1時10分、太郎平キャンプ場。
太郎平のキャンプ場だけど小屋からは少し離れたところに設置されています。太郎平は台地の上だから風とかが強いっていう問題があるんだろうけど、この薬師峠は樹林帯だからテントを張るにはちょうどいいっていう感じなのかな。
水も豊富だしトイレもあるのでテント泊にはいい場所のようです。






キャンプ場を越えて薬師岳本体にとり付くような感じになりました。いったん樹林帯を登っていくんだけど薬師岳から滾々と湧き出る水が足元を濡らしていきます。沢沿いにぐんぐん標高を上げていくんだけど結構上る。
前を登るみやっちさんが普段の半分くらいの速度で歩いているので理由を聞くと「時間調整をしている」らしい。
確かに空はまだ白い。


薬師岳本体にはずっと雲がかかっていて、早く山頂に到着してもガスの中だろう。ということは事前に話していたが……どうやら我々の目論見は上手く行ったようで徐々に雲が流れ空が青空が顔を見せ始めました。


薬師岳中腹の賽の河原のようにケルンが積まれた地点までやってくると日差しが差し込んできます。


空を見上げれば薬師岳の稜線、そして雲はまばらとなり青空がぐんぐん広がっていく。
それにしても薬師岳の山肌……きれいだな。北アルプス随一の美しいカール地形を持っているということですが、草原地帯が上部まで広がるようなこの景色はすごい独特。


ちらりと後ろを振り返ってみるとはるか向こうに槍ヶ岳の姿が、雲が多そうに見えるけどおそらく向こうも晴れているんだろう。


稜線へと上がってくると山頂方面は未だ雲の影だけど、これからの天気には大分期待が持てそうな状況になっていました。
薬師岳の稜線は本当に美しいというか、穏やかで品がいい。急峻な地形が多い北アルプス百名山の中では珍しい。
白砂の大地が美しいけど大きな岩とかもなくとにかく歩きやすいんだなここ。
薬師岳、山頂そのものが美しき名峰




午後2時35分、薬師岳山荘。
薬師岳山頂の1時間ほど手前にあるのが薬師岳小屋、今回の登山ですが本当はこちらに宿泊し1泊2日で薬師岳を歩く予定だったんだけど……、稜線の小屋なので大人気なわけで、当然予約争奪戦を勝ち抜くことはできなかったわけです。
代わりに太郎平小屋を予約した結果、1泊2日の薬師岳&黒部五郎岳になったんだけども。
さて、折立から登り続けてきましたが、いくら何でも疲れたので一応ジュース休憩だけさせていただきました。
ゆっくり登っているとはいえ、6時間近い運転と6時間以上の登りを経ているので。



体力の最大値が減っている感じがする、体力は十分あるんだけど最大値が減ってるのですぐに疲れちゃう。


CCレモンを飲んで元気いっぱいになったので山頂を目指します。薬師岳小屋からコースタイムで1時間なのですが、稜線をただひたすらジグザグに登っていくだけというありがたい道が続きます。


山頂か!!!?と祠を見て心を躍らせますが、残念ながら違う。写真から伝わる白亜の稜線っぽさはお判りいただけるだろうか?この稜線とにかく広くて歩きやすい、道がでかいっていうのはそれだけで価値がある。


後ろを振り向けばこの眺め、広角で撮影しているもののこの登り道は本当に爽快感がある。登っていても何度も後ろを振り返ってしまう……、一直線に続く白い砂礫の山肌が何と美しいことか!


まだ雲が多い稜線ですが、山頂まであと一息のところまでやってきました。昭文社の地図上で濃霧時注意の表記があるケルンですね。


南稜カール、中央カール、金作谷カールと3つの巨大カールが連なる薬師岳。稜線をケルンの場所まで上がってくると中央カールを見下ろす地点に到着します。確かに濃霧時は道間違えて画面中央の稜線に行く人もいそう……。
あちらにいると東南稜へと進んでしまう、東南稜の果てには昭和38年の愛知大学大量遭難地点があるそうだ、怖い。


山頂側を振り向くと西から湧き上がるガスで山頂方面へ続く道が不明瞭だったんだけど……。




流れていく雲を眺めていたらあっという間にガスが過ぎ去り、山頂への道が開けた。山頂まで最後のビクトリーロードといったところか。この稜線の気持ち良さは素晴らしい、延々歩けそうな爽快な景色が広がっている。


ようやく山頂が見えた、ゆっくり歩いたこともあってすでに薬師岳小屋を出発してから1時間が経とうとしている。
だがおかげで空には青空が広がってくれた……、これを待っていたんですよ!!



SCWや様々な天気予報を確認しつつ、うまいこと時間調整をかけて歩けたなと思う。


午後3時40分、薬師岳山頂。
青空広がる薬師岳山頂をゲットしました、もう夕方に差し掛かろうっていう時間帯だけど……。
スタートを家からと考えると15時間くらいで山頂に立った……という感じか。これまで歩いてきた登山の中でもかなり遅めの登頂となりました。



午後4時付近にようやく山頂についた登山って今まで経験したことないかもしれない。


薬師岳山頂から見える美しい景色第一号といえばこちらの北薬師岳方面でしょう。奇麗にえぐれた金作谷カールの向こうに立派な佇まいの北薬師岳が見えます。近そうに見えてあちら迄コースタイムで50分。稜線を伝ってスゴ乗越、五色ヶ原と経由して立山に向かうルートです。


右手に広がる巨大なクレーターのようなカールは中央カールです。中央カールの開けた視界の先に見晴らしの良さそうな稜線が続いていますが、あれはレッドブルマウンテンこと二百名山の一角「赤牛岳」です。水晶岳から往復5時間近くかかる北アルプスの奥地となります。いつか歩いてみたいと思うんだけど、中々行く気持ちになれない遠い場所です。


南側に目を向けると水晶岳や鷲羽岳へとつながる稜線の向こうに北アルプス南部の山々がチラチラと姿を見せてくれます。
薬師岳から見ると北アルプス主稜線上はかなり山が込み入ってるんだなという気持ちになる。


雲に包まれそうで包まれていない槍ヶ岳。その手前には鷲羽岳、祖父岳、雲ノ平の台地と順番に見えてますね。


ダッフィーも無事山頂を楽しんでいるようです。社にお賽銭を入れてお参りしておきましょう。せっかく家から半日以上かけて登ってきたんだからね!!


マジで遠かった、そして夕方に山頂に居れるなんてめったにない。北薬師岳を眺めていると向こう側にそのまま歩いていきたい気持ちに駆られる。徐々に日影がカールへと延びていくと同時に、白い雲がまばらになり青空が空を支配していく。



珍しく30分以上山頂でのんびりと過ごしていました、8月頭ということで山頂は晴れていても程よい気温でした。せっかく晴れたんだもの、この景色を目に焼き付けておかないとね。






午後4時25分、薬師岳下山開始。
広がる青空を眺めていると徐々に影が横へ横へと延びていきます、陽が傾き日没が迫っていることから下山することに。めちゃくちゃ居心地がいい薬師岳山頂を後にするのはちょっと残念だけど、宿に帰りましょう。
最後の最後、北ア南部も大分雲が減って、奇麗な稜線を見せてくれました。
残照稜線、日没の薬師岳を歩く


陽が傾き中央カールもすっかり影に覆われてしまいました、下山ですね。


振り返って薬師岳山荘をまずは目指します、下山で歩くこの稜線……一言でいうと最高です。
高山地帯は浸食と風化で土がなくなり岩が露出しているっていう場所が多いと思いますが、薬師岳とかはまさにそんな感じの場所、歩いていて気持ちがいい。


山頂でたまたま一緒になった方々はどうやら薬師岳山荘に宿泊しているらしい、我々が太郎平小屋に帰りますというと「えー!遠い!」と驚かれました。確かに19時日没を想定してやってくるやつは少ないか……。


気持ちのいい登山道をひたすら進む、ライチョウとかの姿は一切ない。



ライチョウ遭遇率が本当に低いRedsugarです。本当に天気が悪い時のほうが遭遇率が高いんだろうか??(猛禽を警戒して行動するから曇天やガスで行動するというが本当か?)


薬師岳山荘へと一気に降る斜面まで戻ってきました。画面右側を見ると川が見えたり高層湿原的な草原が広がっているっぽい。薬師岳山荘に泊まるのは本当に気持ちがいいでしょうね。


振り返る薬師岳の稜線、こう見るとなんか別の惑星の大地のようだ……。


午後5時00分、薬師岳山荘。
薬師岳山荘は本当にいいところに建てられている、山頂直下1時間の場所だから……。
この日の薬師岳山荘は盛況だったようで、小屋の外では缶ビールを飲みながら語らう登山者の方が楽しそうに過ごしていました。


太郎平方面を見下ろすもまだまだ先は長い。日陰になっている斜面を一気に駆け下り木道地点へと戻ります。


樹林帯手前の地点、高層湿原地帯に戻ってきたら目の前に驚くべき景色が広がりました。
黒部五郎岳は中々雲が取れず、山頂からもよく見えなかったのですがここにきてその姿をオープン。
今までそんなにかっこいいと思うような角度から見たことがなかった山なのですが、薬師岳方面から見ると正対することになってめちゃくちゃ奇麗に見えるようになるんですね!



特徴的な黒部五郎の山容と高層湿原帯の緑の直線、なんていうかすっごくいい角度から山を収めることができた気がする!


同地点から後ろを振り向いてみるとなんでしょう、不思議な景色が見えました。稜線が明らかに異質です、シュルレアリスムな感じの景色でした。


どんどん傾く夕日、この時間帯にキャンプ場上の木道地点にいるのはかなり楽しかった。黒部五郎岳の景色はいいし、山頂方面の稜線が不思議な形で見えるのでお勧めですよ。


高層湿原地帯のチングルマは終わりかけ、薬師岳方面の夏は駆け抜けていくんだな……。


樹林帯付近まで下ってくると沈殿していたガスの中に突入、これが夕日と相まって幻想的な森の景色を生み出していました。最後までファンタジーな景色を楽しませてくれる薬師岳、間違いのない百名山でした……。キャンプ場に宿を取って夕方付近にこの辺うろつくのまたやりたいなって思う。


午後6時30分、太郎平キャンプ場。
下山開始から2時間ほどでキャンプ場到着です、ここまで来たら太郎平小屋まで片道20分。木道を歩いて帰るだけです。



めちゃくちゃ焼き肉のにおいがして腹が減った……、宿に戻った後乾燥した行動食で晩御飯としましたが、焼き肉が食べたくてしょうがない気持ちになりました……。


太郎平小屋へと向かう木道を歩くころにはガスの中で視界は真っ白……。ですが空は明るく、予定通り小屋へと戻ることができましたよ。


午後6時55分、太郎平小屋。
さすがにこの時間帯になると寒い、8月の頭といえども太郎平小屋周辺の気温は一気に下がり、外を歩く宿泊者は防寒着を身に着けてる状況。僕はというと小屋に戻って寝る準備、そのため水場に赴き手ぬぐいを使って行水というか、身体を拭っていたのですがこれがめちゃくちゃ寒かった……。ボディペーパーだとなんか気持ち悪くて、いつも水で身体を拭うんだけど、この日は群を抜いて冷たかったと思う。
というわけで、初日の薬師岳は凄い長旅だったけども無事に青空の山頂に立つことができましたとさ。
翌日は黒部五郎岳です、太郎平から黒部五郎往復もすごい長いコースタイムなんですよね。片道4時間強の稜線歩き……、そこに待っていたのは北アルプス随一の優しい稜線と、眩しいくらい明るい青空でした。



次回は北アルプス西部二日目、驚異的な長さの稜線をピストンします。初日の疲労なんて気にしない!快速登山で黒部五郎を目指します。ただ……このピストンは本当に長いし辛い、あんまりお勧めしないのでその理由を確認するためにもぜひご覧ください!


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