2018年1月2日、山梨県の富士外輪エリアにある竜ヶ岳にいってきました。
竜ヶ岳は年末から年明けにかけてご来光が富士山頂から現れるダイアモンド富士が見れる山です。
毎年多くの登山者がダイアモンド富士を見るためにナイトハイクで山頂を目指します。
その標高は1,485m、麓のキャンプ場からは片道2時間程度の登りとなります。
2018年は輝かしい山の記憶から始めたい、だからこのダイアモンド富士は絶対に失敗することができない。
そう、2017年のダイアモンド富士においてガスにつつまれ悲しみを背負った僕はこの竜ヶ岳ダイアモンド富士に対して並々ならぬ執念を抱いていたのです。
ガスに包まれたあの悲しみを僕は忘れない、この怒り、憎しみ……、今年は十倍返しだッ!!
怒りの形相を携え山梨に向かい、ランボー怒りの竜ヶ岳ナイトハイクへと向かいます。
そして迎えた1月2日、ついにダイアモンド富士を目にすることが出来ました。
2018年のスタートを飾るサンシャイン登山の始まりです。
竜ヶ岳ダイアモンド富士登山について
前回までのあらすじ
要約すると、ガスった、死にたい、絶対にゆるさねぇぞ竜ヶ岳来年覚えてろっ!あ、でも富士山頂いい景色なんでありがとうございました。
みんなくれぐれも朝霧高原から登ってそのまま毛無山に行こうとか思わないでね!
という記事です。
本栖湖から登る竜ヶ岳登山
2018年1月2日午前4時25分、竜ヶ岳駐車場。
やって来ました、ご来光のダイアモンド富士を求めて深夜の中央道をひた走り本栖湖の湖畔にあるキャンプ場の駐車場へ。
今回狙うは富士山の山頂から太陽が上ったように見えるダイアモンド富士です。
当ブログをご覧になっている方の中にはこんな記事を見たことある方もいるのではないでしょうか?
2017年のガスった竜ヶ岳。
そう、全てが白い霧に包まれたサイレントヒルならぬガス竜ヶ岳、あの雪辱を今こそはらすときが来たのです。
「勝ったッ!! 竜ヶ岳、完!!」
とでも言いたくなるくらい雲がありません。
本栖湖がくっきりみえて、月の反射がとてもきれいです。
余りに早く到着しすぎた関係上、湖畔で月の撮影などをできちゃうくらいの暇がありました。
竜ヶ岳は登りのコースタイムは2時間ほど。ご来光は7時30分以降なので、あまり早く上りすぎると極寒の山頂で西野カナのように震えて待つことになります、心が寒いのではなく体が寒く純粋に不快なので、時間を調節して登ることにします。
午前4時40分、キャンプ場内を出発。
時間的にちょうどよくなったので出発です、とはいっても辺りは真っ暗。指導標は細かく配置されているので周囲に気を配って進みます。
こんな感じの指導標が出てきます、登山道入り口までは丁寧に案内してくれるのでありがたい。
一人で寂しいけどこういう表示があればなにも辛くはない。序盤はキャンプ場の中を堂々と横断して行くことになります、車道を一本挟んだ場所に登山口が出現するというのを覚えておくのがよいでしょう。
ていうか去年の肝試しのような登山に比べるとかなり歩きやすい。
ここで前を歩く方々等が出現。
パーティーなので光の量が豊富で羨ましい、あと話し相手がいるので心細くなさそう。去年、竜ヶ岳闇のナイトハイクを経験しある程度耐性がついている僕ですが、やっぱり基本的には人と登りたいのです。
竜ヶ岳ナイトハイク、撮影できるものがなにもありません。まずヘッデンの光量が、撮影するには流石に足りません、なので登山道を撮影するときはフラッシュをたくことになります。
序盤から笹と松しかない奥多摩テイストの闇の登山道を登り続けます。
地面のコンディションは階段成分が多く、闇夜でつまずく可能性が高くなっています。
現れる富士山、南アルプスと富士の影
樹林帯の中のたまに富士山展望地点があります、手持ちでも頑張って撮影するとこんな景色が現れたり。
地平線の向こうで新しい朝が始まっているのを眺めながら山頂を目指します。
富士山の景色は以後、色味が変わるだけで基本なにも変化がないということだけ覚えておいて欲しい。
午前5時55分、展望ベンチ到着。
休憩可能な展望ベンチに到着、ここから先は木々もだんだん減っていくことになります。
小屋のベンチに座って手すりを利用して富士山を撮影して気がつきましたが、下に富士山撮影中のおじさんがいる……。
おじさんはタイムラプスしていたのか、登山者のヘッデンにお怒りで登山者と言い合いの喧嘩が発生していたりしました。
うーん、カメラマンと登山者の喧嘩初めて見た……。
稜線に上がる頃には大分日が登ってきました、空が紫や青に染まり、オレンジ色の地平線が世界を二つに分けます。
富士山以上に駿河湾の眺めがよく、そちらに興味が向いてしまう。
富士山はご覧のようにかっこいいシルエットです、いまにも映画が始まりそう。
カップヌードルと日清のロゴがバーンと出てきてもおかしくない絵面です。
稜線は笹原が広がり、木があまり生えていません、そのため非常に強い風が常に吹き付けてくるようになっているのです。
1月の標高1,000メートル以上は寒く、雪がないからと言って防寒をなめると低体温症になりかねません。
やはり持っててよかった防寒具ということになるので、装備はしっかりとしたものを身に付けたいですね。
こういう奴を僕も装備して登りたい。
稜線に出て歩き続けると南アルプスが現れます、右から塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳かな。
竜ヶ岳は南アルプスの南部の東側くらいにあります。
午前6時45分、竜ヶ岳山頂到着。
登山口から2時間ほどで山頂に到着しました。登りの写真が少ないのはナイトハイクでほぼとれるものがなかったからです。
道中道はしっかりしているし稜線に出るのは比較的早いので、植林地帯さえ耐えれればこの山は登れるでしょう。
あとは孤独とオカルトとの戦いです。
竜ヶ岳山頂につく頃、たぶん千葉とか日の出迎えただろっていう明るさになってました。空はきれいに紫色です。
こちらは毛無山、いわゆるハゲじゃんって突っ込まれる山ですが全然樹林帯の山です。
標高が2,000m近く、このエリアでは積雪も見込めるため降雪後は雪山登山をすることができます。
竜ヶ岳から継続して稜線を歩けばたどり着けますが、マイナールートゆえに途中には藪があるようです。
朝霧高原から竜ヶ岳→毛無山周回とかやってみたいと思ったけど、思いの外大変なようでした。
ダイアモンド富士撮影部隊に紛れ込んで三脚を立てさせていただきました、周りは皆望遠などを装備していて準備は万全です。一方こちらはズームできない単焦点野郎なのでD850+28mm、D810+58mm、D750+20mmのほぼ標準ズーム単焦点の布陣で挑みます。
この布陣のいいところは三脚に立てたD750以外は手持ちなため富士山からご来光が出るまでの間、南アルプス方面を撮影しに走っていったり出来ることです。
三台持ちって最高だな!!
山頂で皆が富士山を見ている間、後ろを振り向くと刻々とモルゲンロートで色が変わって行く南アルプス。
富士山を眺めてる場合かーッ!!と言わんばかりの景色でした。
戻ってくるとちょうど光で白い輪郭線が浮かび上がる富士山が、オーラを纏い始めたらご来光はすぐです。
因みにご来光を待っている間はとにかく寒い、強風の山頂で、日陰で、気温はマイナスで。
という環境なので持ってきた装備を全部着こんで突っ立っていました、ダウン持ってきていて本当によかったです。
「あれ、おかしい、まだ日が昇らない……」
そう思っている間に南アルプスはご覧のように白くなりました、朝焼け終わりかよ……。
富士山は一向に日の出を迎えず、竜ヶ岳の僕らは大変お寒い中ご来光を待っています。
ご来光、ダイアモンド富士を撮る。
富士山から一筋の光が!ついにご来光の瞬間を迎えるようです、この時を20分くらい待ってた!
午前7時43分、ダイアモンド富士。
来た、ダイアモンド富士……あ、あれ右によってる??
富士山のドセンターから上がってくると思っていたのですが、若干右からご来光を迎えました。
前回はガスのパール富士で細かい位置は見えなかったのでこれは知らなかった。
ちょっと右によっているけどダイアモンド富士です、間違いないダイアモンド富士の景色に大満足でシャッターを切ります。やったぞ、俺はついにガスの呪いを越えてダイアモンド富士を見ることができたんだと言う満足感がすごい。
ダイアモンド富士を見た方々が次々と下山に移っていきます、毛無山にいくやつなんてそりゃいないよね……。
僕も自撮りを押さえたら下山開始です、装備を着込んでいるので着ぶくれしていました。
午前8時00分、下山開始。
ダイアモンドダッフィーでめでたい景色も撮影して山頂を去ることにします。
因みに日が上がりきってから風も弱くなりました、太陽ってスゲーな。
下山、ピストンだけども道は全く見覚えなき道。
南アルプスもすっかり晴れ渡って、気持ちの良さそうな稜線を青空の下にさらしています。
今すぐあの稜線に降りて景色がみたい、冬の南アルプス南部の稜線とかどうなっているんだ。
右によっていたご来光はあれよあれよと富士山の右斜め上に登っていきます。ダイアモンド富士的には真上に上がってほしかったところだけども。でもこうやって富士山の真上に太陽があるのもいい景色ですね。
光芒が好きなので綺麗に太陽がギザギザしてくれて嬉しいです。
下山時は目の前に富士の樹海や節刀ケ岳などが見えます。富士山麓はすごいですね、樹海の中に道を通して街を作ったのか。
伊豆半島が海からズンドコとやって来て形成された外輪がまるでカルデラの外輪みたいです。
綺麗な円陣を組むように富士山周辺をぐるりと覆う富士山外輪。標高1,500m以上の山も多く、それぞれが富士山の展望を持つ山々です。
個人的にはオススメは東の石割山、富士山に向かって下山していくのが楽しいです。
下山時の富士山は太陽の影になっていて、すごく黒いです。というか一日中太陽の影になっているので西から見る富士山は黒いです。白い富士山が見たい方は下山後に山中湖側に移動するのが良いと思われます。
晴れてはいるが足元は冬、土の下には霜柱がこんにちわしており。
ところどころ凍結しているので油断していると尻餅をつくことになるでしょう。霜柱の出来は良く、細くてそうめんのような美しい霜柱がいたるところに。
富士の樹海は上から見るとそんなに広いようには見えない。
でも日陰になっている部分とかは結構やばそうですね。竜ヶ岳ですが、登山道の一部が入るように富士山を撮影するとかっこいいかも。
午前8時30分、展望ベンチ。
ベンチまで降りて来ました、行きは結構時間がかかったような気がしますが帰りは本当にすぐに降りることができました。
ナイトハイクに比べると昼の歩行はかなりペースが早いということで夜歩くのは疲れるし速度が出ないからオススメされないんだなぁ、ということがよくわかりました。
下山を続けます、基本ピストンですが夜とは全く違う景色が広がります。
目の前の節刀ケ岳の山塊と奥の杓子山らしき山塊を眺めながら降りる。
時折本栖湖がよく見える場所が現れます。本栖湖側は今日は風が強いらしく、湖面が波立っていました。
午前9時00分、竜ヶ岳登山口到着。
下山して来ました、この看板まで戻って来たら下山の合図です。看板見て気が付いたけども、ここは旧上九一色村だったんですね、驚きました。
竜ヶ岳から下山して来た人たちの笑い声がこだまするキャンプ場の中を進みます。
明るくなってからわかったけど、このキャンプ場なんか雰囲気あるな。
木々の種類の問題だろうか、僕はちょっとあんまり好きなタイプじゃないなと思いました。なんとなくだけど、多分怖くてテント張れないと思う。
キャンプの方々もとっくに起きていて、火を起こしてご飯を作っていたりしました。そうか、朝のコーヒーとかそういう時間はとうに過ぎていたのか。
午前9時15分、竜ヶ岳キャンプ場駐車場到着。
帰って来ました、夜はよく見えなかったのですがこんなに車が止まっていたんですね。
全てが登山者ではないでしょうが、竜ヶ岳ダイアモンド富士登山は多くの登山客に愛されているコンテンツだということがよくわかりました。
すぐに帰るのもつまらないので、本栖湖の湖畔へ。ここが結構風が強いんですけど気持ちのいい景色が広がるいい場所でした。
本栖湖湖畔まで来るとわかるのが、この辺一帯が火山灰の降灰によってできているということ。
地面の石が火山によくある火山灰のような石です、あの装具を削りに来る嫌なやつです。湖自体はとても綺麗な色ですが、湖畔の砂利は嫌な感じ。
帰りに温泉に立ち寄ろうとしたのですが、本日は全く汗をかいていないということと富士山周辺の温泉はどれも「値段が高い」ことから、風呂に入るなら甲府に出て「天目山温泉」まで行きたいと思います、しかしこの日は三が日。
温泉がやっているわけがありません、結局温泉に入らずに帰ることにしました。
おこづかい制故に風呂代も1,000円は流石にきついのだ……。
道の駅なるさわ、道の駅風穴の少し先にあります。
ダイアモンド富士観測の褒美としてソフトクリームをいただきました。
味は富士桜とバニラのミックス、ソフトクリームは基本的にバニラを頼むべきです。フレーバーが追加されているものはだいたい生地自体がシャーベット状になっていて美味しくないことが多いので。
しかし、ここの富士桜とバニラのミックスは結構美味しかった覚えがあります、なのでオススメはミックスです。
こうして、ソフトクリームも無事補充しダイアモンド富士も目に収め。去年の雪辱を果たした僕は意気揚々と埼玉へと引き上げてゆくのでした……。
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