【北アルプス】立山、天上の別天地にして登山の聖地を歩く、立山三山縦走の旅

2017年8月27日、北アルプス北部にある立山と劔岳へ行ってきました。
2つの山の標高は、立山3,003m(雄山)、劔岳2,999mとなります。
立山といえば、室堂まで交通機関が整備され夏にはたくさんの登山客で溢れかえる登山の聖地。

室堂を降りれば目の前には別天地の景色が広がります、浄土山、立山、別山、そしてその奥に待ち構える劔岳。
今回は2017年の夏山登山集大成として立山三山縦走から劔岳へ登ります。
何よりも大好きな青空に囲まれた最高の日に歩く、北アルプス登山の旅の一日目です。

目次

立山三山縦走&剱岳登山に関して

立山について
立山は北アルプス北部エリアの西側にある山で、立山連峰を形成する一大山脈の盟主。
古くは信仰の山とされ、山岳信仰のメッカとして栄えました。
現代は黒部ダム建築の際、雄山の真下に通されたトンネルなどのお陰で、標高2,400m付近に位置する室堂まで公共交通機関を利用して赴くことができます。
富山県側からもアクセスはよく整備されており、立山登山バス用の舗装路が室堂まで続き、多くの登山客や観光客を天上の別天地へと送り届けているのです。
この立山ですが「浄土山」「雄山」「別山」の三つで構成されております、今回はこの3つを歩き、別山の奥にある劔岳を目指します。

立山三山を歩くコースはなかなかのタフコース、しかし立山雄山を様々な角度から眺め、3,000m級の稜線を歩くにはとっておきのルートとなります。
問題は別山までの稜線、非常に長く険しい道を歩き続けなくてはなりません。
劔岳に登るためには別山をどうしても乗り越えなくてはならないため、そこだけは最初から覚悟しておきましょう。
さて、それでは北アルプス屈指の展望スポット、登山の聖地立山を歩き倒す旅の始まりです。

今回の立山、劔岳縦走のアクセス
扇沢からのトロリーバスで室堂へアクセスしました。
扇沢には無料駐車場のほか1日1,000円の駐車場と2,000円の駐車場があります。
夏はよほど早く来なければ週末は無料駐車場は利用できません。

立山三山縦走のコースタイム
扇沢7:30→黒部ダム7:50→黒部平8:15→室堂9:00→浄土山展望台9:45-10:00→浄土山10:20→龍王岳10:45-11:10→一の越山荘11:20→雄山12:20-13:20→大汝山13:35→真砂岳14:30→別山15:15-15:50→剣御前小舎16:10→剣山荘17:05
合計登山時間 8時間5分(標準コースタイム8時間15分)
写真を撮りながらなのでゆっくりと歩いています。

今回の旅で使用した合計金額
高速料金行き 2,800円
高速料金帰り 3,000円
ガソリン代  4,300円
駐車場代    2,000円
剣山荘宿泊費 10,000円
温泉料金   700円
バッジ4つ  1,660円
食事や登拝金 3,850円
トロリーバス 9,050円
合計金額 38,360円 ソロ&小屋泊でくる場合は4万円程度になります

扇沢、長野の一大観光地から室堂へ

夜明けの黒部ダム駐車場

2017年8月27日 午前4時30分、扇沢。
天気の悪い日が続いた2017年の夏が終わろうとしています、頑張って今年は晴天の北アルプスを歩くことができましたが2017年夏山最後の打ち上げ花火をあげたいと思い、この日は立山に行くことにしました。

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扇沢についたのは朝の4時。
無料の駐車場はすでに埋まっていたので、有料の駐車場に駐車しました。
料金は一日1000円、二日間の駐車になるので2000円ですね。

扇沢駐車場

車の中で仮眠を取りつつ(全く眠れなかったけど)朝が来るのを待ちます。
扇沢のトロリーバス始発ですが、8月後半にはハイシーズン時間ではなくなっています。
そのため室堂に到着する時間も遅くなってしまっているので注意です。
三山縦走を余裕を持って行うのならば、バスを利用して室堂出発を7時30分あたりにしたいところです。

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しかし、僕は初めての立山、初めてのトロリーバス、旅行気分でウッキウキなのでトロリーバスが全然苦ではありません。
チケット発売30分前に列に入らせてもらいました。

扇沢駅

チケット売り場はマジで定刻通りに開店、あまりの正確さにちょっとびっくりしました。
チケットを購入し室堂へ、当登山ブログは今年で三年目ですが、今回の登山で百名山は49座、この後の赤岳でめでたく50座になりました。
うち曇天は3回、40歳までに百名山を全て快晴の空の元登りたいですね!
などと思いながらバスを待っていました。

扇沢のトイレ

出発前にトイレをチェックしておきましょう。
一応すべての停車駅でトイレの状況を確認しましたが、立山のトイレ事情は神でした。
ウォシュレット完備率の高さとトイレの清潔さ、立山って最高すぎない??と思わされるものでした。
ちなみに立山周辺は山小屋でもシャワーを使えたりと他のエリアよりも遥かに水に関係するサービスが整っています。

黒部ダムトロリーバス

トロリーバスに乗車、架線で走る電気式のバスです、扱い的には電車と同じなんだとか。

黒部ダム内部

トロリーバスを下車したらトンネルを潜り黒部ダムへ向かいます、このへんは細かく載せると一つ記事ができるくらいなのでサラリと。一つ一つの駅でお土産屋さんがあり、室堂に行くまででめちゃくちゃ楽しめます。

観光放水

午前7時45分、黒部ダム。
画面左上には立山が少し見えています、朝日の影響で影になっている黒部ダム、ここを次の駅まで徒歩で通過。

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ズゴゴゴゴと音を立てて観光放水がなされていました、テレビで見た事あるやつだ!と感動。
今日は上からの放水で運が良かったですねと言われたけど、下とか上があるのね。

黒部ダム

黒部湖の奥に見えるのは赤牛岳、レッドブルマウンテンですね。
読売新道を越えてたどり着ける、本当に遠い山です、前回の水晶岳の更に先にあります。
いつかは歩いてみたいけど、いつになることやら。

黒部湖を越えて

トロリーバスの次はこちら、脅威の傾斜をガンガン登っていきますよ。

ロープウェイ駅

ロープウェイ駅に到着しました、お土産売り場が広い……、室堂までは観光地なので登山の香りが全くしません。

黒部平

出発まで時間があるので黒部平へ、気持ちの良い青空の下、絶景が広がっています。

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立山雄山の中腹にトンネルを通しできたのがアルペンルートです、もうこの景色だけでかなり満足している。

黒部平

黒部平では破砕帯の水が滾々と湧き出ていました、この水がとても美味しい。

黒部平の水

オープニングの水として補給、室堂でも補給できるんですけどね。
このあと満員のロープウェイに乗車し、最後のトロリーバス駅に到着しました。

室堂駅

午前8時55分、室堂。
『駅だ……これは都会の駅だ……ッ!』
降りた途端飛び込んできたのは自然ではなく街の駅でした、すげー開発されてるな室堂。

室堂のソフトクリーム

ご飯もいくらでも食べれます、ソフトクリームはまだ早い。

室堂のモンベル

服すら変えます、ウェアを一つも持ってこなくても、金さえあればここで全て揃います。
そんなレベルの品揃えでした。

室堂の景色

外に出ればそこは別天地、青空の下立山の景色が広がる。

室堂から浄土山へ、天上の別天地を歩く

室堂高原

午前9時00分、立山室堂。
写真撮影サービスをしていたので一枚撮影してもらいました。
これからこの山々をじっくりと歩き尽くします!立山三山縦走、プレイボールです!

室堂高原

室堂を出るとすぐ目の前には広場があり、湧き水を汲めるスポットなどがあります。
まずはここで準備を整える。

立山の湧水

立山玉殿の湧水、日本有数の美味しいお水がここで汲めます。

室堂高原の水

夏の終りとは言え暑いです、今回はスタート時点で水を2.75リットル所持して歩きます。
テントは利用しないのでまだ軽いのが救いです。

室堂高原

さて、まずは浄土山に登ります。
浄土山は立山の中では一番北アルプス南部側にあり、南部の眺望に優れた山でもあります。
そのために三山縦走を行うのであればぜひとも登ってみてほしい所です。

室堂高原

まずは室堂周辺の石畳の上を歩き、登山口に向かいます。
この辺は本当に整備されていて、登山ではない観光客の方がたくさんいました。

室堂高原

駅降りてこの景色ってやっぱヤバイよ……、来年の7月最終週とかに来たい。
花が全盛期の頃を歩いてみたいですね。

室堂高原

殆どの方は雄山に向かうため、一の越を目指して歩いていきます。

室堂高原

分岐を浄土山側に入り、浄土山登山開始。
突き抜ける快晴の青空、気持ちいいことこの上なし。

浄土山へ向かう

室堂はこのような景色、立山手前に広がる広大な湿原地帯を開拓したって感じでしょうか?

浄土山へ向かう

立山室堂山荘方面、目の前に広がる景色が素晴らしい、今日一日この景色を眺めながら歩きます。

浄土山の花

8月後半ということで多くの花は終わりを迎えていましたが、まだ秋は訪れておらず。
夏らしい景色が目の前に広がっています。

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浄土山の登りは緩やか、ただし途中から石畳がなくなり普通の登山道になるので注意です。

浄土山へ向かう

石畳で整備されている場所は非常に歩きやすいです。

浄土山のシオガマ

これはなんだろう?ところどころに咲いていたけれどシオガマの仲間??

浄土山のチングルマ

咲き終わったチングルマ、穂先をいっぱいに広げ風にその身を揺らしている。

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今年も6月から高山植物を見続けることができました、それも今回の登山で終わりです。
登山の夏は短い、出来れば週休7日の職業に就職して、毎日山を歩いて写真を撮りたい。

浄土山のウサギギク

ウサギギク、青空に向けて向日葵のように花を広げていました。

浄土山へ向かう

立山は8月後半といえども雪が残っています、雪と緑が濃い夏山で歩くのがやはり最高に楽しいのかなと思う。
紅葉シーズンも楽しいんでしょうけど、やっぱりアルプスは夏がいいなと思います。

浄土山へ向かう

展望台方面には多くの人だかり、そんなに景色がいいのかと期待値が上がります。

浄土山からの景色

午前9時45分、浄土山展望台より。
たどり着いてみると、感嘆の声を上げたくなる景色が広がっていました、北アルプス南部へ向かっての眺望はこんなにも美しいのか。
五色ヶ原方面の景色に圧倒されます、その奥に見える笠ヶ岳や槍ヶ岳もとても魅力的です。
迫力ある大地ということで言えばここは圧倒的ですね。

浄土山登山口

午前10時00分、浄土山登山口。
展望台から少し戻った所に登山口があります、ここからが本格的な登山開始ということですね。

浄土山登山口

雪渓を越えて登山道に入ります、ここから一気にガレ場コース。
大中様々な岩が転がっている中を進みます。

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結構石がゴロゴロしています、浮いてるものがほとんどなので注意です。

浄土山への登り道

登山道はこんな感じ、全身を駆使して登る場所もありますが、滑ったら死ぬレベルの危険箇所はありませんでした。

浄土山の岩場

浮石がとにかく多いので慎重に進みます。

浄土山からの景色

標高を上げると見えてくる立山の景色。
奥に見えるのは奥大日岳とかの稜線かな、今回の登山が2泊3日であれば向こうも登っていたと思います。

浄土山からの景色

午前10時20分、浄土山山頂付近。
浄土山の山頂はわかりにくいです……道を上がりきり、雄山を正面にしたタイミングで左に行くのが正解です。
目の前には雲の翼を背負った雄山が、かっこよすぎだろこの山……。

浄土山からの景色

祠があるので、そちらで浄土山山頂の撮影などを行うのが良いと思います。
僕は縦走路の更に高い地点が山頂だと思いここをスルーしてしまいました。
次回来るときは三山縦走、劔岳、奥大日岳でやり遂げたいので、その時改めて回収することにします。

浄土山から見る雄山

浄土山から見る立山は鷲羽岳のようです、というか鷲羽岳よりもかっこいいかもしれない。
どことなくワイバーンのような尖った雰囲気を持っている立山、見ているだけで気分がアガる。

浄土山山頂

このような稜線を歩きます、見た目がすでに楽しそうですが、これはまだ立山の序の口ですらありません。

浄土山のケルン

ケルンの向こうの景色は?

浄土山から見る白山

奥に見えるのは白山ですね、この日は天気がよく空気も澄んでおり、白山と富士山がよく見えていました。
三霊山においてすべてが見えている日っていうのは早々ないということだったので、とても運が良かったです。

浄土山からの景色

ケルンから見た五色ヶ原、薬師岳、白山。
この景色のインパクトはかなりのもの、北アルプスっていい所だなと心の底から感じ取れる最高の景色でした。

浄土山からの景色

室堂から2時間も経たずしてこの景色が眺められるのだから、立山はすごい場所です。

浄土山から見る雄山

雄山側の景色も素晴らしい、前後を絶景に囲まれ、いつまでもここに居たくなってしまう。

浄土山からみる龍王岳

奥に見えるピークが龍王岳、縦走路上にある山ではないので登る必要はありません。
僕は登るけどね。

浄土山山頂

午前10時30分、富山大学立山研究所前。
ここが浄土山の山頂だと思っていたが、どうやら違うようでした。
山頂にある施設は富山大学の研究所らしい、高層気象の研究施設らしいが。

浄土山山頂
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「なっ…何をしているんだ……」

マットを引いてヨガをしているような方々に遭遇、何かのツアーだろうか??

浄土山からの剱岳

龍王岳手前のスポットからは、立山の稜線とその先にある劔岳を見ることができます。
劔岳をみて驚いたのですが、あそこだけ雰囲気が違う……。
映画剱岳では立山は山岳信仰の聖地として描かれ、剱岳は黄泉の国として誰も近づかない場所として描かれていました。
立山の稜線に立ち、劔岳を目の前にした今、その気持ちが痛いほどよくわかる、確かにあそこだけ異界みたいな色してる。

目の前には龍王岳が、折角立山まで来たので登ってみたいと思います。

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ザックをデポした状態であれば片道10分程度で登頂が可能です、山頂までの道は相変わらずのガレなので落石にだけは注意して進みます。

龍王岳からの景色

龍王岳から眺める遠景には富士山の姿が、まさか富士山まで見通せるとは……。

龍王岳からの景色

午前10時50分、龍王岳山頂。
殆どの人は登らない龍王岳。
そのピークからは鷲羽岳のような雄山をバッチリと見ることができます。

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ダッフィー落とした……。

龍王岳からの雄山

落としたダッフィーを探しているうちに雄山の空は青く晴れ渡り、美しい景色が目の前に広がります。
無事にダッフィー回収できたタイミングで真っ青。

浄土岳山頂
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ま、まだヨガやってたんですね……気持ちよさそうだな。

立山雄山、登山の聖地へ降り立つ

雄山へ向かう

さて、浄土山からは一の越に一旦降った後に登りとなります。
浄土山からの下りはかなりのハイペースで降れるいい道でした。
砂利が敷詰められたような良コンディションでとても歩きやすいです。

雄山へ向かう

目の前に常に雄山を捉えながら歩くっていうのがとてもいいです。

一の越山荘

午前11時25分、一の越山荘。
室堂との分岐地点です、多くの人は浄土山には登らず雄山へ向かうので最初にこの山荘に到着することとなります。
設備はかなり整っており、休憩にはもってこい。

雄山へ向かう

少しばかり休憩したら出発です、雄山への登りはコースタイム以上に渋滞を気にしなくてはなりません。
人が本当に多いルートなので道が非常に混んでいるんですね。
すれ違うこともできない場所があるので、ここは早めに通過したいです。

雄山側から見る浄土山

登りの途中で渋滞にハマったら浄土山でも見て気分を落ち着かせましょう。
浄土山方面、こう見ると龍王岳は石塔みたいな見た目です。

雄山へ向かう

コースタイムどおりくらいの時間がやはりかかります。
一の越からの登りは結構な斜度があり、歩くのはなかなか大変です。

雄山からみる室堂

室堂方面です、晴れ渡ったいい空。
もう少し雪が多いとキレイかもしれません、真夏の景色って感じがしていいですね。

雄山からみる浄土山

山頂直下まで来るとだいぶ景色が広くなりました、浄土山の向こう側に白山が綺麗に見えています。

雄山山頂

午前12時20分、雄山山頂。
ようやく雄山山頂に到着しました……、早速ここでお昼ごはんを食べ休憩に入ります。
それにしてもすごい人の数です、さすがは登山の聖地。

雄山山頂

雄山の三角点の説明がレリーフとして埋め込まれていました。

雄山山頂

北アルプス南部を目の前に記念撮影、笠ヶ岳が本当に特徴的ですね。
夏の時期に鏡池や稜線を堪能する登山で歩いてみたいです。

雄山山頂

奥に見える薬師岳と黒部五郎岳、圧倒的な景色の暴力とも言える光景に只々息を呑む。

雄山山頂から見る白山

白山は雲の上に浮いている。
神主さんも三霊山すべてが見える日は珍しいとおっしゃっていました。

お守り

山頂でお守りと登山バッジをゲット。

雄山山頂

雄山山頂はあの神社がある場所になります、せっかく来たのだから、お参りしていくことにしましょう。

雄山山頂神社へ

500円を奉納し、お参りさせていただきます。立山登拝の札をもらい、ご神域へ。

神域へ向かう

この門の向こう側は境内という感じですかね、一旦先を入る方々が降りてくるまで待ちます。

雄山山頂

山の上の社へ。

雄山山頂から見る剱岳

待ち時間にふと稜線上を眺めてみると劔岳が、岩山なのであそこだけ黒い……。

雄山山頂から見下ろす室堂

室堂はこんな感じ、少し雲が上がってきた??奥大日岳などは午後になれば雲に隠れてしまいそうです。

雄山山頂から見る別山方面

雄山から別山に続く尾根の先に劔岳、この稜線を歩きたかったのです。

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よーく見てみる、別山まで続く白砂の稜線はとても気持ちが良さそうです。

山頂神社

午後1時00分、雄山神社参拝。
祈祷してもらってるタイミングで一枚だけ撮影、山頂で安全登山を願います。
明日は一般登山ルートでは最難関と言われている劔岳を歩くので、一応願掛けをしておきます。

雄山山頂

因みに山頂はここらしい、神社まで来ないと最高峰を踏めないんです。

雄山山頂の賑わい

人でいっぱいの雄山、白山富士山と展望の良い景色がいつまでも広がっている。
祈祷も終わったので、本日の後半戦である別山への縦走を開始します。

大汝峰へ

まずは大汝峰を目指します。
因みに立山自体は雄山、大汝峰、富士の折立の3つの集合体で立山です。
三山というと浄土山、立山、別山になります。

大汝峰へ

最高の稜線である、鷲羽岳から水晶岳へ向かう稜線も最高だったが、こちらも素晴らしい。
白砂に覆われた白銀の稜線が別山まで続いています、そしてそれが室堂から数時間でたどり着くことができる。
登山初心者に見せる大絶景としてこの稜線はかなりおすすめができるものでしょう。
因みに別山まで歩くのは相当辛い、歩くのはおすすめしません。

別山へ、天下一品の稜線を歩く

大汝峰へ

雄山を背景に、大汝峰を目指します。
片道20分程度の道のりですが、稜線の気持ちよさは筆舌しがたい。

大汝峰方面から見る室堂

白砂と岩のミックスされた細い登山道を歩きます、左手には室堂の景色、これまた何度見てもきれいです。

黒部ダム方面

右手には黒部湖、稜線を彩るのはスバリ岳や針ノ木岳ですね。
針ノ木岳は歩いてみてわかったけど非常に目立つ山でした、山頂の尖り具合などを見ていると登りたくなってきた。

大汝峰

午後1時35分、大汝峰山頂。
写真を取っていたパーティーの方から勇者の剣をお借りしました、パーティーグッズがあるとなおのこと楽しいですね。
劔岳に向けて剣を振るうと言った感じか。

大汝峰から見る黒部ダム

大汝峰はなかなかの撮影スポットでした、専属のカメラマンが欲しくなる位いいところ。

大汝休憩所

眼下に見えるのは大汝休憩所です、映画「春を背負って」のロケ地になった場所です。
普段は無人の休憩所になっています。

大汝峰

今年初めての3,000mでした、一年に一回しか3,000m歩いていないな僕……。
いつも25歳くらいから登っていれば今頃……、独身だったら今頃……と考えてしまいますが、人生山だけじゃないと言い聞かせています。でもやっぱり年間50日くらいは山を登りたいですね。

大汝峰

午後1時45分、大汝山休憩所。
雄山から富士の折立まで歩く方はここで休憩するのが良いでしょう、景色もよく小屋も整備されています。

富士の折立

小屋を越えると富士の折立が姿を表します、見た感じ龍王岳と似た感じ。
登っていると小屋につくタイムに影響が出るので今回はスルーします。
次回の立山三山縦走の時はぜひとも歩きたい。

富士の折立

富士の折立付近から別山へ向かう稜線へ降りる道は少し分かりづらいです、ちょっと引き返したほうが明瞭な分岐があります。

別山へ

富士の折立から稜線の鞍部へ降りました、ここからは緩やかなアップダウンを越えて行きます。この先にあるのは真砂岳、別山の2つとなります。

別山へ

まずは真砂岳を目指しましょう、白砂に残雪の雪渓がかぶさった景色の中を歩きます。これが最高に気分のいい稜線歩きなので、じっくりと味わって歩きたい所です。

別山へから内蔵助小屋方面

内蔵助小屋方面、後立山連峰の山々も今日は晴々としています、今年の夏は特にあの辺天気が悪かった印象。

別山へ

美しく楽しい稜線なのは間違いない、しかし、大汝峰を越えたあたりからシャリバテの兆候が見え、足への疲れもだいぶ溜まってきていたため、体力的にはかなり辛い……。

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登りのレベルとしては緩やかなものですが、距離の長さがあるため非常に辛い。
無慈悲な青空の元、刻々と時間が過ぎていきます。

真砂岳

午後2時30分、真砂岳到着。
巻道を利用せずに真砂岳にちゃんと登る。
三山縦走の場合、一般ハイカーにとってはこのへんが体力的には厳しいところではないでしょうか。
別山まで歩ければあとは下りのみなんですけどね(その道も問題ある道だけど)

別山への遠い道

せっかく登ったのに、また登り返しです。
別山だけは本当に離れすぎ、浄土山を見習ってもっと雄山側に寄れよ!と思いました。
別山は雄山と一つというよりは劔岳とペアな山なんですよね……。
劔岳は黄泉の世界、それと立山を隔てる場所なのかな。

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別山の稜線から顔を見せる劔岳、黒いのはオーラではなく岩の色です。

別山への登り返し

鞍部へ降りきったので、ここから別山に登ります。
残りのルートとしては、別山→劔御前→剣山荘なのですが、劔御前まで結構時間がかかります。
別山から直接テン場方面へ下る道もありますが、そちらは荒れているため下りではおすすめしません。

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普段であれば20分程の登りでしょうか、今日はもう体力ないので、ゆっくり登ります。

雄山方面

振り返れば立山雄山と浄土山、この稜線は雄山側から見たほうがきれいかな。
別山側から見ると緑が多く、白砂の面積が少なく見えます。

アップダウン

登る→振り返る→登る→振り返るを繰り返す。
別山方面の尾根ですが、後立山連峰側に大きなカールができていました。

雄山方面

だいぶ標高を上げる、前を見たくない。
後ろには常に雄大な景色、写真撮影に必死で全然先に進めない。

別山山頂

午後3時20分、別山山頂。
長かった……、雄山から結構歩いた気がします、かなり辛かったのですが、この日一番ファックな道はこのあと待ち構えているとは思いもよらなかったのです。

剱岳の展望、最後の最後まで気が抜けない三山縦走

別山から見る剱岳

別山山頂と言えば劔岳の景色、ようやくここに来て劔岳の全てが姿を表す。

別山から見る剱岳

「なんだこの山……」
所見の感想は圧倒的な威圧感、今まで見たどの山よりも険しい姿をしており、劔岳だけは暗い色を纏っていました。
これは黄泉の国って思われても仕方がないと思いました、立山の白い砂の美白美人的な見た目に対し劔岳は対象的すぎる姿をしています。

別山から見る剱岳

58mmを利用して劔岳を捉えてみました、うーん、地獄の山かなこれは。

別山から見る剱岳

長次郎雪渓方面、劔岳の北側はすべてバリエーションルート、選ばれた者だけが歩くことが出来ます。
見た感じ、選ばれても歩きたくねーなっていう稜線が伸びています。

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見てくれこの稜線を、命を刈り取る形をしているだろ?

別山から見る剱岳

別山には北峰もあり、劔岳をきれいに見るためにはそちらに移動するのがおすすめです。
荷物をデポして劔岳を見に行く。

剱岳へ向かう

別山北峰からの劔岳、圧倒的な姿に息を呑む。

剱岳へ向かう

劔岳に来るまではこの立山と劔岳がこんなに凄いものだとは思いもしませんでした。
トムラウシや大雪山の方が感動できる景色だろうと……。
しかしこの立山、同等かそれ以上の景色が広がっていました、空気の張り詰めたこの別山からの眺望はここだけでしか味わえない。

劔御前へ

劔岳を心ゆくまで眺めた後、劔御前へ移動することにします、劔御前はこの稜線の奥にあります。
また稜線のアップダウンか……。

劔御前へのアップダウン

室堂側から雲が上がってきました、気温の高い一日だったので助かります……。
水も残り500mlをきっていたので、この時は雲に感謝しました。

劔御前からの景色

とは言っても劔岳側はご覧の晴れ模様、徐々に雲は迫りつつもピーカンな空が広がっている。

劔御前

午後4時10分、劔御前小舎到着。
劔御前の小屋にたどり着きました、本当はここに一泊して朝焼けの劔岳を見てから登ろうとしていました。
しかし、コースタイムを考えるとここに泊まれるのは健脚のハイパーソルジャーだけかなと。

劔御前から剣沢へ

劔御前小屋前から劔沢のキャンプ地を眺める。
多くのテントが貼られていました、皆さん室堂から上がってきたんだろうな。
三山縦走でこんな時間に歩いているのは僕を含め数名しかいませんでした。

劔御前から見る剱岳
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さて、劔御前から剣山荘へ向かうには道が2つあります。
 ・劔沢のテント場を経由して剣山荘
 ・劔御前から山腹をトラバースして直接剣山荘
当ブログでは両方歩きましたがおすすめは圧倒的に剣沢経由です!!
道の緩やかさと整備されっぷりが非常によく、コースタイムよりも全然早く歩けます。
トラバースルートは上級者向け、かつ登山者の足と眼を痛めつけるファッキンルートです
三山縦走後はコースタイム通りか少し遅いくらいでしか歩けない人が大半な道かと思われます。

チングルマ

そんなこととは露知らず、トラバースルートに足を踏み入れた僕。
地獄への片道切符とはこのときは思いもよらなかったのです。
劔御前小屋から先、別山のカール内はまだ盛夏の様相、チングルマがまだ残っていたりしてテンションが上がっていました。
劔御前は花が立山側より遅いみたいですね。

劔御前から剣山荘へ

最初は景色がいいし、道も緩やかです。
いい道だなと思っていましたが、引き返せないくらい進んでからひどい仕打ちが始まります。

劔御前から剣山荘へ

「お、おう……、岩が多いな……」
浮石まみれのトラバースが何箇所も出現、この時点で怪しい雲行きを感じ取る。

劔御前から剣山荘へ

しかし目の前には剱岳の絶景、下からはキャンプ場で楽しむ人たちの声。
雰囲気的には全然悲観する感じはない、早く剣山荘につきそうだなって思っちゃうくらい。

劔御前から剣山荘へ
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7割ほど進んでから現れるガレ場アンドガレ場アンド岩場トラバース。
振り下ろされる無慈悲な鉄槌に膝の耐久値がガリガリ削られてゆく。
『うそだろ承太郎!』
『嘘だと言ってよ、バーニィ!』
走馬灯のようにアニメ漫画の名シーンが頭を駆け巡る。
浮石が非常に多くて、膝の悪い人には地獄のような場所ですここは。

劔御前から剣山荘へ

トムラウシのロックガーデンみたいな場所もあり、これを越えたらまたガレ場。
キャンプ場へ降りる道は基本土と砂の道を降りますが、こちらは岩が多く非常に危険でした。

劔御前から剣山荘へ

景色はいいけど圧倒的に剣山荘にたどり着けない、既に体力は底をつきリビングデッド状態です。
ゾンビみたいにフラフラと歩きながら剣山荘を目指します。

剣山荘へ

この看板が出てきたら少し安心していいです、ガレ場からはとりあえず解放……。

剣山荘

ハイマツ樹林の中をくぐり抜け剣山荘を目指します。

剣山荘

午後5時5分、剣山荘到着。
剱岳別山尾根登山口の取り付きにある剣山荘に到着しました、こちら本日のお宿になります。
いやー、充実の三山縦走でした、次回歩くときはもう少し楽なルート取りをしようかと思います、とりあえず劔御前からは劔沢に降りることにします。

剣山荘から剣御前を眺める

剣山荘からは別山の裏側の景色が、ここから見る別山はめちゃくちゃ立派です。
巨大なカールを持ったその山容はかなり威風獰猛としたものです。
こうしてみると雄山と別山はそれぞれなかなりでかい山で、浄土山が一番小さく見えます。

剣山荘

宿泊費1万円を支払い剣山荘へ、中はめちゃくちゃきれいです。
剱岳に登るのであれば一番おすすめできる山小屋はここだろうと思い選びましたが大正解でした。
以下は選んだ理由
・シャワーが完備されている
・部屋数が多く、ミズノブレスサーモなど布団が快適
・登山口に一番近い
・ヘルメット借りれる
劔沢小屋などでも同等のサービスを受けることができますが、こちら剣山荘が一番登山口に近いためここを選びました。

剣山荘室内

この日は日曜日ということもあり、部屋は比較的空いていました。
土曜日はかなりの混雑だったということらしいが……、奴隷船でも寝られるから別にいいんだけどね。

剣山荘のコーラ

とりあえずコーラで喉を潤す、山で飲む冷たいコーラは最高です。
ビールも飲みたいけど、山の上だと疲労しているため酔が回るの早いし、高山病になりやすいし、夜星空撮影のとき起きれなくなりそうだしでやめておきました。

剣山荘の夕食

小屋泊まりということでご飯ももちろん小屋のもの、美味しい炊きたてご飯とエビフライなどをいただきます。
自炊も楽しいけど、やはり片付けとか考えなくていいしおかわりし放題な小屋食は最高です。

笑点

笑点が流れる食堂でご飯を食べる。おかしい……外界かここはという空気感に思わず口元がニヤリとしてしまうのでした……。

夕日の剣御前

そして日は沈む、このあと一気に雲が出てきて夕焼けが撮れなかったのは心残りです。
明日はついに剱岳。
そして下山というハードスケジュールに備えてしっかりと寝るため、早々に床に入るのでした。

龍王岳から見る雄山

立山三山縦走
最高の景色でした、最近最高最高言い過ぎですが、北アルプスは本当にきれいな景色が広がっています。
これまで北海道民として大雪山連峰至上主義を掲げていましたが、立山や水晶岳という北アルプスの名所を歩いて改心しました……。
立山三山の稜線は室堂から程ない距離で素晴らしい景色が見れる素晴らしい展望スポット。
特に雄山から別山への稜線はカッコイイものです、白砂の大地が一線に伸びてゆくその様は是非ともおすすめしたい景色です。

夏シーズン、立山は残雪と緑に覆われ素晴らしい景色に彩られます。
浄土山から眺める雄山は鷲羽岳のようにかっこよく、威風堂々とした姿を天に晒します。
キツイかもしれませんが、歩けるのであれば浄土山からの縦走はおすすめです。次回は剱岳、日本百名山一般登山道最高難易度と呼ばれる道を歩きます。岩と雪の殿堂で待ち受けていたのはスリル溢れる最高のアスレチックでした。
次回、乞うご期待!

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは。
    本記事、とても楽しみにしておりました。
    立山、剱岳への最大級の賛辞ありがとうございます!
    楽しんでいただけたようで何よりです^^
    僕は昨日、今日と紅葉の立山(別山~雄山)と大日連山を縦走してきました。
    紅葉シーズンも良いですよ。
    奥大日岳、登る人は少なく立山や剱岳に比べるとマイナーですが、360度の大展望は雄山以上だと思っています。
    なぜなら、剱岳がかっこよすぎるから!
    次回の剱岳編も楽しみにしてます。

  • ろっぴ様
    ご覧いただきありがとうございます、立山は本当にいいところで、記事を書くのもとても楽しかったです!
    紅葉シーズンの立山もとても楽しそうですね、奥大日岳は称名滝と合わせて是非とも歩きたいと思っているスポットです、今回は日程の関係で歩くことは叶いませんでしたが
    いずれ奥大日も必ずや歩きたいと考えています!(うらやましいです、はい)
    次回の記事も頑張って作りますので、是非ともご覧いただけますと幸いです。

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