2017年7月8日、群馬県と長野県の県境にある草津白根山へ行ってきました、標高は2,171mとなり、あたりには高層湿原がたくさんあります。
山頂の湯釜と言われる火口湖が特徴的な見た目をしており、入浴剤を入れたような乳白色の池は必見の価値があります。
また、7月上旬はコマクサやワタスゲが火口周辺や弓池周辺を彩り、草津白根山は最盛期の一つを迎えます。
草津白根山自体は山頂まで車で走って登れてしまうため、登山自体は4〜5時間程度の軽めのものとなります。
しかし、その内容は様々な展望に満ち溢れているため飽きることがありません。夏山スタートを告げる志賀高原、草津白根山の旅の始まりです。
草津白根山日帰り登山について
車を走らせ湯釜直下の駐車場へ
2017年7月8日、グンマ県のファミマ。
やってしまった……、ナビを打ち間違えて伊香保で降りてしまった……。
頭を抱えつつファミマで朝食を購入し、草津白根山へ向かう旅路につく。
初っ端からナビ打ち間違えによるタイムロスを経験。
午前4時45分、山頂駐車場。
車内から真っ赤な太陽を眺め御来光綺麗だねと同行者のくまちゃんと話しつつ山頂駐車場に到着。
御来光はちょうどいい時間。
日の出と湯釜と一緒に撮影することはできなかったけども。
軽く準備を整えたら湯釜に向かいます、駐車場から湯釜へは片道20分のコースタイム。
夜から何も食べれなかったけれども体に鞭を打って歩きます。
正直この登山直前の一週間はいろいろな入稿が重なり激務化、とてもじゃないけど登山できるようなコンディションではありませんでした、とほほ。
登山と言うのは登る前で勝負は決まっている。
午前5時00分、草津白根山登山スタートです。
湯釜までは観光客も登ることを考慮してか、沢山のストックが用意されていました。
噴火の音か、それとも悪天候の音か、どちらにせよでかい音がしたら避難。
朝日の金色の光が好きです、一日で一番ドラマチックな時間。
結構急な登りで応えます、息がゼーゼー上がってしまった。
20分はかからないと思うけれどもそれなりに疲れる、ゆっくり登ったほうがいいです。
後ろを振り向くと弓池が、この時点ではただの沼かな?程度にしか思っていません。
降りてみたらびっくりなスポットでした。
朝日に照らされる志賀高原の山々、初めて来た山域なのでどれがどれやら……。
午前5時10分、湯釜。
駐車場からは15分ほど、朝日に照らされる湯釜は正直色がわかりません。
朝日の黄色が非常に強く、乳白色の湯釜の色が打ち消されてしまっていたのです。
青い、青いけどこの時間帯では本当の湯釜の姿を拝むことができないッ!!
というわけで少し眺めたら本白根山側に行く事にしました。
ワタスゲ咲く水辺の楽園から本白根山へ
午前5時30分、遊歩道入口。
本白根山への遊歩道は弓池から。最初はあまり期待していなかった弓池ですが、降りてみて驚き。
あれ、水面すごく綺麗だね……?朝は風がないので空の水鏡を心ゆくまで堪能できます。
木道へ降りると目の前に薄い蒸気を纏った弓池が姿を表しました。
まず水鏡、本当にきれいな水鏡でした……。周辺の景色がこれでもかというくらい綺麗に映り込みます。
早起きは三文の得と言いますが、早朝登山は絶景分もっと得をします。
この太陽の反射などはなかなか見れたものではありません、朝から歩くのがおすすめなのはこういう景色が見られるから。
波一つない池に浮かぶ太陽はとても神秘的でした。
絞りを開放気味にしてみる、フレアが消えた、なぜ??
弓池で驚いたのはこちら、ワタスゲです。
咲いているとは思わなかったのでワタスゲを見れたときはとても嬉しかったです。
湖畔に咲くワタスゲは朝の透明感あふれる光を浴びてキラキラと輝いていました。
ワタスゲがあたり一面に、駐車場から3分程でこんな景色を楽しむことができます。
草津白根山ってすごいいいところじゃないか……!
弓池を楽しんだ僕らは遊歩道に向かいます、木道が整備されている山頂は非常に歩きやすい。
蒸気をがゆっくりとあがる湖面に別れを告げ、本白根山へ向かいます。
午前6時00分、スキー場到着。
本白根山遊歩道の入り口はこちらのスキー場になります。
リフト乗り場からスタートするのでリフト乗り場まで行きましょう。因みにここは標高2,100m付近、スキー場としてはかなり高いところにあるんですね……。
この分岐を左に進めば鏡池、右に進めばコマクサ群生地です。
いち早く夏の香りにありつきたい僕らはコマクサに飢えている……、征くべきは右一択。
コマクサ群生地までは木道が一直線に伸びており、アップダウンもほぼ無いため歩きやすい。
これこそ初心者向けハイキングと言っていいだろう、という道が伸びてゆく。
熊よけのカネが二箇所ほどあるので鳴らしておこう。
木道が終わると一気に展望が開け火口が現れます、本白根山の火口ですね。
なかなかのサイズの火口、周辺は小石や砂に覆われており、昔火山だった姿を思わせる。
火口斜面の樹林からはもくもくと霧が舞い上がり、雲を作り上げているかのような景色を見せてくれた。
入り口から目を下に下ろせばコマクサが迎えてくれる、今が一番と言わんばかりのコマクサの数に驚きを隠せません。
草津白根山のコマクサの特徴は色にあると思いました、赤が濃いコマクサが多く、ピンク色の優しいカラーリングのコマクサは数が少ないのです。
もちろんピンク色の株がないわけではありません。朝露をその身に纏ったコマクサは清涼感が漂う、夏が来たな!
砂利ではなく小石が敷き詰められたこんな斜面に沢山コマクサが咲くとは…駐車場から一時間もしない距離、観光客でも気軽に見に来ることができるのは凄い。
大地に散らばる赤い宝石やーと顔をにこやかに歪ませるが、どこを見てもコマクサが咲いているのでレア感がだんだん薄れてきた……。
コマクサ鑑賞も程々に、遊歩道最高地点を目指して歩きます。
午前6時55分、本白根山最高地点。
本白根山の本当の最高峰は火山ガスの危険があるため立ち入ることができません。
人が行ける場所で一番高いのはこちらになります。ここが山頂ということだが、山頂碑的なものはここにはない。
立派な碑はこちらではなく展望台という別の場所にあります。
遊歩道最高地点からは浅間山がよく見える、アレ雲かな?と思ったら噴煙だった。
今日ももくもくと煙が上がっているということですね。
遊歩道っていうのは遊ぶって言う単語が入っているくらいだから楽しいもんです。
飛んだり跳ねたりの楽しい感じで歩きたいもの。
野郎二人が看板を前に何度もジャンプする姿は周りにどう写ったのだろうか?
火口側を眺める、なかなかでかい火口ですが木道が整備されているので全く苦労なく歩けます。
登山道の両脇にはやはり真っ赤なコマクサが咲いています、遊歩道最高地点までコマクサが目を楽しませてくれるのです。
多くのカメラマンの方がコマクサを撮影していました、4時間とかの登りの必要はなく駐車場から少し歩くだけでこの群生を見ることができるというのは素晴らしい。
展望台から鏡池を回り駐車場へ
分岐を鏡池方面にとり、展望台へ向かいますこの階段は少し急。
午前7時45分、本白根山展望台。
遊歩道最高地点より明らかに立派な碑が立っている展望台に到着です。
真正面に火口、奥に湯釜火口、一番奥に岩菅山が見えます。
岩菅山って特徴的な見た目をしているんだなということがよく分かる、台地のような見た目をしている山なんですね。
展望台を越えるとハイマツ帯に入ります、鏡池までずっとこんな道を歩きます。
木道などはなく、道は普通の登山道と言った感じでした。
すぐに鏡池が見えてきました、上から見ると地味だな……。
湖畔に降りることができるので降りてみます。降りるルートはハイマツに覆われていて中腰になり続ける必要があります。
午前8時15分、鏡池湖畔。
湖畔で男子二名仲良く景色を堪能しました、ご飯を食べるならここが一番良いと言って過言ではない場所。
飯を食べるために生まれてきた場所なんじゃないか。
鏡池を過ぎると木道が復活し、快適な山歩きを楽しめるようになります。
子供でも全然歩けちゃう位しっかりと整備された木道でした。
木道が終わると幅の広い登山道へ、こちらも歩きやすい。
ゴンドラ方面へ向かいます。
水場をすぎればすぐにスキー場が見えてきます、ここまでくれば駐車場まであと一息。
逢ノ峰山頂付近にはたんぽぽが、夏を感じさせてくれるぜ……。
今日は夏山シーズン始まった感が凄い、今年は草津白根山から夏が始まった。
午前9時00分、逢ノ峰到着。
湯釜のちょうど正面にある展望台、逢ノ峰到着しました。
駐車場から木道と階段が伸びており、一般観光客でも登れるような配慮がされています。
山の名前を刻んだ板がこんな簡素でいいのか。
展望台からの展望は湯釜こそ見えません。
しかし、草津白根山山頂付近の伸び伸びとした景色を気持ちよく楽しむことができる。
階段を降り駐車場に戻った僕らは、もう一度湯釜を見に行くことにしました。
そう、朝は色がよくわからなかったので。
青空の下できれいに乳白色に染まった湯釜を見たかったのです。
午前9時30分、湯釜。
遂に、遂に湯釜が僕の目の前に姿を表しました。噂に違わぬ不自然な色をした湖が目の前に広がります。
空の色を映したわけでもない不自然なまでのエメラルドグリーンに染まった池、これを見てこその草津白根山といえる。
本当にキレイな色をした湯釜です。
似たような景色として蔵王のお釜がありますが湖の色が全く違います。
ほぼ塩酸に近いPHの水が溜まっているらしい、水温は18度付近だとか。
無事、乳白色に輝く湯釜をこの目に収めることができて本当に満足です。
高層湿原からスタートしコマクサやワタスゲ、湯釜もしっかりと見ることができました…。
大満足なこの登山を超えようとすれば、一泊で歩くしかないかなと思います。
湯釜の水をくむことはできなかったので、代わりに山頂レストハウスで湯釜ソフトクリームを購入しました。
個人的にはミックスを頼むべきだったかなと思います……、ささパウダー味なのであまり…やはりソフトクリームはバニラが最高です。
三つの日本一と草津温泉を楽しむ下山後のレジャーへ
午前10時25分、渋峠ホテル。
草津白根山を登り終えた僕らですが、まだ時間は午前!!草津白根山登山はまだここからが長いのです。
草津白根山の隣にある横手山は草津白根山よりも標高が高く「日本で一番高い場所にあるパン屋」がある山です。
草津白根山で湯釜とコマクサを見るのは序章に過ぎません、我々は草津白根山と同時に幾つかの日本一をゲットしなくてはならないという使命感に駆られていました。
渋峠から横手山に登るのはリフトを利用します、歩くと標高差100mですが下山後にもう一回山登るとか正気の沙汰ではないという理由でリフトへ。
リフト料金は往復で900円となります。
標高2,300mでは暑さから逃れることができません、リフトを使わなければ汗だくで死んでしまうところでした。
リフトで山頂につくとすぐにこの群馬百名山の碑が現れます。
午前10時45分、日本一高い場所のパン屋「横手山頂ヒュッテ」到着
リフトを降りて目の前にある建物が日本最高地点のパン屋です。
一応日本一のパン屋の前にいると思えば感慨深いものがある。
ヒュッテ内ではご覧のようにパンがずらりと……、室内には焼きたてパンの香りが充満する。
もっとお値段するのかなと思ったら結構良心的な値段です。
お腹が空いていたので野沢菜パンを購入しました。
ここは群馬県、野沢菜おやきではなく野沢菜パンなんですね。
ちょっと硬めの生地はもっちもちで歯ごたえがよく、中の野沢菜はシャキシャキ。
非常に美味しいパンでした、余裕で二つは食べれたと思う。
ヒュッテの向かい側にはロープウェイ小屋があり、展望台が付属しています。
展望台からは志賀高原の景色を一望することが可能。
晴れていれば北アルプスや高妻山が横一線に並んだ綺麗な景色が見れるんだとか。
本日は霞がかかっているのと遠方は曇っているため山の景色はいただけませんでした。
ちなみに横手山は日本一高い場所にあるスキー場なんだとか。
冬季に普通に滑れるスキー場としてはここが日本一らしい、今日二つ目の日本一です。
午前11時25分、日本国道最高地点。
草津温泉へ向かう途中本日三つ目の日本一を抑えることになりました。
国道で最も高い場所は志賀高原にあった!これは調べてなかったため偶然の発見でした、日本一好きのくまちゃんは非常にテンションが上がる。
ちなみに国道最高地点からは志賀高原の湿原地帯が非常に良く見えます。
下の湿原地帯は歩くのが非常に楽しそうなので、紅葉の時期などに来てみたいものですね。
午後12時00分、草津温泉。
草津白根山を下山し、草津温泉の有料駐車場に到着したのは11時50分ほどのこと。
正午付近に温泉に入るという、登山道楽としては最高クラスの贅沢を満喫しにきました。
目指すは西の河原温泉、草津でも屈指の有名露天風呂です。
向かう途中で驚いたのは賽の河原らしき道中、川の水が全てお湯なこと。
いたるところに野湯が掘られ、足湯がたくさん設置されています。
まさに温泉パラダイス、自然の恵みが最大限発揮されていると言っていいでしょう。
我慢できなくて足湯に入りましたが最高です、最高に気持ちがいい……!
草津温泉って最高じゃん、なぜ今まで西の河原温泉にこなかったのか
なぜ今まで湯畑ばかり見に行ってしまったのか、軽く後悔しました。
西の河原温泉へ到着しました、入浴料金は大人600円。
洗い場などはなく、脱衣所から5秒で露天風呂が広がる素晴らしい温泉です。
公式HPからその景色を見ることができますが、この温泉は絶対に入っておいたほうがいい温泉です。
草津温泉の実力がよくわかる素晴らしい露天風呂だと思いました。
午後13時00分、結局1時間近く温泉にいました。
温泉の中で寝てしまいましたが最高に気分が良かったのでよし。
露天に出た涼しげなサイダーに感動すら覚えます。
見ているだけで喉の渇きが……、凄まじいシズルを感じる。
とりあえず草津でご飯を食べようということで昼食はこちらのうどん屋へ。
冷やし中華ならぬ冷やしぶっかけうどんをさらりと胃袋に収め、夏の爽やかな昼食としました。
梅おろしぶっかけ、夏に食べるには最高のメニュー。
食後は湯畑を観光、日がサンサンと照りつける湯畑は驚異の高温地帯。
地面から湧き上がる地熱と湯気でとんでもなく暑い場所になっていました。
せっかく温泉で汗を流したのに台無しです。
湯畑らしい景色をこの目に収め、草津をほどほどに楽しむ。
湯畑の水の色を見ていると草津白根山の山頂の湯釜の色を思い出します。草津温泉も濃縮するとあんな感じになるのかな。
草津温泉で湯畑を観光した僕らは帰路へ着く前に炭酸へ。
夏を感じるサイダーで勝利の乾杯を行い、草津白根山登山成功を祝いました。
もう、最高に夏。
草津白根山から横手山、そして草津温泉へ。
夏の始まりを彩る思い出の1ページとしては最高の出だしになるかと思います。
草津白根山へ行くときはぜひ草津温泉に立ち寄ってほしいです。
温泉最高かよ。
コメント