【上信越】白砂山、野反湖から八間山を越えて花と稜線の山を歩く

八間山から見る浅間山と草津白根山

2024年6月5日、群馬県と長野県と新潟県という3県の県境にある白砂山を歩いてきました。
標高は2,139mとなり、ぐんま県境稜線トレイルと呼ばれるロングトレイルのコースにも指定されている野反湖から白砂山へと続く、天空の稜線と呼んでいい気持ちが良い尾根道が特徴の山です。
標高が2,000m台、そして日差しを遮るものがない稜線を歩き続けるということで夏場ではなく初夏の花が咲く季節や紅葉の時期が良いと聞きやってきました。
初夏の時期となる6月はレンゲツツジやシラネアオイが稜線上に咲き、それらを楽しんだ後は涼しい空気を味わいながら抜群の眺望が続く稜線漫歩を楽しむことが出来ます。

標高1,500mに位置する野反湖、そして草津白根山や浅間山といった山々を眺めながら、どこまでも続く稜線を歩き続ける。稜線好きにはたまらない初夏のちょっと長い日帰り登山の始まりです。

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野反湖から谷川岳まで歩き通したい、そう思わせてくれる美しい稜線でした。

目次

白砂山日帰り登山の概要

■概要
東京や埼玉といった場所からはアクセスが非常に遠い野反湖がスタート地点となる白砂山です。
ぐんま県境稜線トレイルの一角ということになりますが、その稜線美は一級品です。古い地図では白砂山から先はコースが書かれていませんが、24年時点では白砂山山頂から三国峠まで道が開通しています。
日帰りで歩く場合は花が美しいとされる八間山を経由し白砂山を目指し、帰り道は地蔵峠を経由して野反湖湖畔を歩く周回コースがお勧めです。ただし、上記のコースは非常に長い道のりになるため体力的な準備は万全にしておいた方がいいでしょう。
6月の時期はシラネアオイの群生、イワカガミ、レンゲツツジが見れます。野反湖名物はニッコウキスゲですが、7月は気温が高くなるため注意が必要です。
白砂山山頂に到着したら、片道40分の上ノ間山くらいまで足を延ばしてみるのもお勧めです。

■アクセス
公共交通機関を利用した縦走も魅力的ですが、日帰りの場合は自走になるかと思います。
バスを駆使した登山をする場合は越後湯沢まで新幹線、そこからバスで浅貝上バス停へ向かい稲包山から上ノ倉山の避難小屋を目指すことになるはずです。
自走は野反湖湖畔の駐車場を目指しましょう。

■コースタイム
野反湖駐車場7:40→イカイワの肩8:15→八間山9:00→黒渋の頭9:30→猟師の頭10:50→白砂山11:30→上ノ間山12:10→白砂山13:00→堂岩山14:00→ハンノキ沢15:15→野反湖湖畔入口15:40→野反湖駐車場16:20
合計登山時間 約9時間、群馬県境トレイルの白砂山区間は気持ちが良すぎますね。

初夏の花咲く八間山から始まる

2024年6月5日午前5時00分、高坂SA。
おはようございます、Redsugarでございます。ウルトラマンゼロがいる高坂SAで朝食を頂き、今日は群馬と長野と新潟の県境というとてもアクセスが遠い白砂山を目指して野反湖へ向かいます。

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はぁ~、早朝に食べる豚汁は身体に染みるぅ~

道路わきに捨てられた車

野反湖は高速道路を降りてから下道をかなり走ることになります。その昔、政権が交代した際にやたらテレビをにぎわせた八ッ場ダムを通り過ぎてさらに北へ、北へと走ることに。道中には道のすぐ脇に車が捨てられていたりとファンキー。

野反湖の手前、六合の集落へとやってきました。六合(くに)って読めるか!という気持ちです。
でもこの言葉の由来は日本書紀までさかのぼります、六合とは天地と東西南北、支配の及ぶ範囲の国を示すのです。
最初に訪れた際、自分の教養のなさに愕然としてしまいました……。
ちなみに、旧六合村は六つの集落が合わさるということで六合と名付けたそうです。

野反湖駐車場

午前7時40分、野反湖駐車場。
六合村の道の駅からさらに山を登って標高1,500m地点までやってくると広大な敷地面積を持つ野反湖駐車場に到着します。ここが今日のスタートにしてゴール地点でございます。

目の前にはドーンと野反湖が広がっています。この野反湖ですが、天然の湖ではなくダム湖です。
湖のある位置が日本一高いダム湖ということですが、堤体が一番高いのは南相木ダムと、群馬県内でダム湖日本最高峰を競っているそうです。

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群馬プライドだな……。

八間山登山口

野反湖湖畔からまずは八間山登山口へ向かい、八間山を目指します。
白砂山登山をする際は、多くの人が花が有名な八間山を経由するのではないかと思いますが、初夏のこの時期はレンゲツツジ、シラネアオイ、イワカガミの群生が見どころです。

登山道わきのイワカガミ

足元にはピンク色のイワカガミの花がフリルのついた花びらを咲かせていますね。

口づけをするようなヤシオツツジ

ミヤマツツジ(ムラサキヤシオ)だと思うのですが、たくさんの花を咲かせています。

群生するシラネアオイ

八間山の中腹にはシラネアオイの群生地があります。ここまでは観光客の方々が花を楽しむための遊歩道が設置されており、登山道から少し逸れて群生地を回ることとなります。

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結構大きな群生地で、シラネアオイがそこかしこに咲いていて驚きました。

草津白根山を眺める

振り返ると今は火山の関係で登れなくなっている草津白根山が見えます。日本百名山にはいくつもの火山が入っていますが浅間山、草津白根山、霧島山、阿蘇山、十勝岳、焼岳など、活火山である山々はいつ登れなくなるかはわからないですね……。

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自分は草津白根山が立ち入り禁止になる直前のタイミングで本白根山と合わせて登ることが出来たのですが……。

午前8時15分、イカイワの肩。
八間山の中腹にある場所までたどり着くと、レンゲツツジの花が咲き始めます。時期的にもちょうどよく、オレンジ色の大きな花を咲かせた木をたくさん見ることが出来ました。

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レンゲツツジは痙攣毒をもっていて、呼吸停止を引き起こす有毒植物です。ツツジといえば蜜を吸うみたいな文化がありますが、レンゲツツジの蜜は死んじゃうかもしれなくて危険です。養蜂業者もレンゲツツジが自生しているところでは蜂蜜を採取しないそうです。

浅間山を眺める野反湖駐車場

レンゲツツジが見えるようになる標高まで登ってくると、草津白根山のお隣に浅間山がドーンと見えるようになります。北側から見る浅間山は浅間連峰というにふさわしい眺め……。

八間山の社

八間山山頂の手前に祠がありました。中を見ても何も祀られておらず……、そんなに古くはなさそうに見えます。
白砂山自体は野反湖が開発されるまでは秘境の名峰というくらい山深い所とされていたので、修験があったんでしょうか?(調べてもわからず)

土を掘った登山道

登山道も土の地面が歩きやすい雰囲気になってきました。八間山山頂付近から白砂山の登山道は快適トレイルと変貌していきます。

八間山山頂へと続く笹の大海原、それを割るように伸びる登山道……。最高に気持ちがいいトレイルが空へ向かって伸びていきます。八間山が人気な理由がわかります、歩いていて気持ちがいい道なんです。

午前9時00分、八間山。
花見をそこそこに、笹の大海原を楽しみ八間山山頂へ到着しました。山頂は開けており白砂山方面を一望することが出来ます。八間山山頂から見る東側の景色は山が波打つような景色が続き、群馬の山奥は山深いな……と思わせてくれました。

何処までも続くような県境の稜線へ

八間山から白砂山を眺める

八間山の山頂から先は本日の目的地である白砂山までアップダウンが激しそうな稜線が続いていきます。
風向きや雪の関係なのか、稜線の登山道を境目に笹の草原と低木とパッキリ別れた山がどこまでも続いていきそう……。

どこまでも続きそうな笹尾根

笹の草原地帯に切り開かれた登山道は快適そのもの。普通の登山道と比較すると高速道路と言っていいくらい快適な道が続きます。自分がもしもトレイルランを嗜む身であれば、雄たけびを上げ狂乱のまま走り始めていたかもしれません。

午前9時30分、黒渋の頭。
土の反発が心地よい登山道はいくつかのアップダウンを越えることになります。黒渋の頭はちょっとした休憩地点となり、登山客が腰かけるために拵えたのか、椅子としてちょうど良い倒木が用意されていました。
周囲にはシャクナゲも咲き、長い稜線歩きの水飲み場としてはちょうど良い感じ。

新緑に覆われた登山道

黒渋の頭からは堂岩山の分岐点までは新緑が美しい道を登ります。

山頂へと続く稜線が美しい山として知られる白砂山ですが、黒渋の頭を過ぎたあたりからが本領発揮。
八間山からの見た目も素晴らしかったのですが、歩いていて楽しい稜線が続くのは堂岩山手前からになります。

白砂山へ続く稜線

笹尾根の道を歩き続けると堂岩山の分岐へ到着。次のチェックポイントである猟師の頭奥に白砂山の山頂が見えます。
あと2回登れば山頂というシンプルな景色を前に、もうすぐ山頂と心が浮き立ちますね。

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この稜線、素晴らしいところは白砂山の山頂に立った後にある。谷川まで伸びていく道が尾根の上にずっと続く景色を見れるのだ。

群馬と新潟と長野の県境、標高2,000m地点であれば池塘や湿原があるのでは?と思った方も喜ぶ景色が稜線上には点在しています。サンショウウオの子供が泳ぐ小さな池がちらほらと……。

午前10時50分、猟師の頭。
稜線を辿り白砂山を眼前に見据える猟師の頭へやってきました。この稜線……、最後のアップダウンが見た目よりもきついぞ!!普段から走り込んでいることもあり楽しく歩けましたが、長いうえに上り下りが激しいコースなのは間違いなく、補給しながら歩かないとシャリバテしそうです。

登山道わきのシラネアオイ

山頂を手前にして稜線の登山道にはシラネアオイの花が増えてきました。まるで谷川主脈縦走路のようです。

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この白砂山を三国山まで歩けば、そのまま平標山へ接続し谷川主脈を歩いて谷川まで行けます。さらに馬蹄形縦走して白毛門まで歩けるし、巻機山方面へ抜けて裏越後三山に行くことも夢ではない??

午前11時30分、白砂山。
登山を開始してから4時間ほどで山頂に到着しました、登り4時間とはやはり長いコースです。
白砂山の山頂にたどり着いた登山者が目にするのは稜線から伸びる優雅な登山道……、ここまで歩いてきた登山道よりも歩くのが気持ちよいであろう絶品が目の前に続いているのです。

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こ、これを歩かないで帰る選択肢があるのか!?いや、無いだろ!!

群馬県境トレイルへ踏み出す

白砂山は目標地点ではなかった、今日の目標地点はこの稜線を味わうことだったんだよ!!と言いたくなる素敵な稜線登山道。気が付けば一歩を踏み出していました……、ここから先は最新の地図にしか描かれていなく、自分が持ってきた少し古い地図には地形以外は描かれていません。

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時間的な余裕でいうと往復で1時間半、それを超えると下山にリスクがあるので片道45分で行ける場所まで行く。

笹の尾根道から見返す草津白根山

草原地帯に切り開かれた登山道の開放感は凄まじく、振り返れば八間山や草津白根山がはるか遠くに見えます。
とにかく長い距離を歩くことができる白砂山、歩行狂人にとっては最高の山です。

上ノ間山を目指す

新緑時期というのもこの快適さを後押ししてくれました。登山道にはバイケイソウが芽吹いているのですが、これが大きくなれば歩きにくいことでしょう。しかし、初夏の時期は足元は芝生のような状態となり、草木の背丈も低いため、跳ねるように足が進んでいくのです。

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なんて気持ちがいい尾根だッ!!

上ノ間山まで続く極上のトレイル

稜線は果てしなく続き、空を飛ぶように軽快に進む足でしたが、目の前に大きなピークが見えてきました。
その先は樹林帯が現れるようなので、目の前の大きなピークを本日の最終到着地点と設定。

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地図で見ると上ノ間山かな

上ノ間山山頂を目指す

上ノ間山は手前で大きく下り登り返すため躊躇したのですが、ファインダーをのぞくと……歩いている人がいるのです。急激に僕も行きたいという気持ちが強くなり、気が付けば坂を下り登り返しを一気に歩ききっていました。

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山の姿はほとんどが笹に覆われて、山肌が所々剥げている。雪の影響なんだろうなこういう地形。

上ノ間山

午後12時10分、上ノ間山。
先行する登山者の方は上ノ間山で一息ついており、聞いてみれば三国山までの縦走のためにやってきたそうです。大きな登山ザックには小屋迫装備が入っていて、上ノ間山から先の地点にある避難小屋を目指すとのこと。
整備されたばかりの群馬県境稜線トレイルに位置するムジナ平避難小屋は居心地もよいとのことで、話す顔は朗らかでうらやましいものがありました……。

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俺も群馬県境稜線トレイル歩きたいなぁ。

ちなみに新しく整備された登山道ということで、指導標もしっかりと整備されていて驚きです。

天空の稜線返し

上ノ間山から先は上ノ倉山方面がよく見えます。名前が似ていてややこしいのですが、谷川にある仙ノ倉山、一ノ倉山と同じような倉山シリーズとして覚えましょう。
山頂付近は樹林帯が多そうに見えますが、山頂のほど近くに避難小屋があるんだとか。

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縦走の中間地点として非常にいい場所に避難小屋を建てたんだなぁ……。

上ノ間山から見る佐武流山

こちらは二百名山の佐武流山方面。山奥すぎてアクセスが難しい山という印象ですが、意外に関越自動車道塩沢石打あたりから津南へ向かい、そこから切明温泉へ向かえば下道3時間ちょいの運転時間で許してもらえるらしいです。

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上越新幹線を使って津南へ向かい、そこから切明温泉で前泊してスタートなんて言うのも楽しそうだな

八間山方面へ続く道

無心で歩いてきた群馬県境稜線トレイルですが、戻ろうとするとこれまで歩いてきたアップダウンが牙をむきます。
あんなに跳ねるように歩いてこれたのに……気持ちが鉛のように重くなってしまい、身体が思うように前に進みません。

登り返しも気持ちが良い笹のトレイル

引き返す道を見て思うのは白砂山までは登り道が多く、引き返すのはかなり体力が必要ということです。
上ノ間山までは寝るように歩けたっていうことは、下り道だったからなんですねぇ……。

上ノ間山と上ノ倉山

倒木の向こうに見える上ノ間山と上ノ倉山ですが、兄弟みたいですね。距離的に奥にある上ノ倉山の方が山体が大きく、木も生い茂っている立派な山になりますけど。

白砂山への登り返し
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俺……こんなに歩いたっけ??山頂から離れすぎたのかも??

午後1時00分、白砂山。
山頂が遠く、後半若干後悔していましたが無事白砂山山頂へと戻りました。
しかし油断はできません、なんたってここから猟師の頭を登り返して、同岩山へ行くにしても下って登ってを繰り返さなくてはならないのです。至高の稜線と思えた白砂山ですが、歩き続けるにはとにかく体力が必要。

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これはもう脳筋だ、俺は脳金になるしかぇね!!

redsugar

お、おで……あるくの……好きッ!!

花と新緑の尾根道

無心の境地の先が獣の境地だとは思いませんでした。風光明媚な稜線を歩きすぎると人間は景色になれてしまうのです……。猟師の頭へと戻る途中、往路では頭をもたげていた花々が顔をあげ、登山道はシャクナゲなどの花に彩られていました。

地蔵峠分岐点へ戻ってきました。八間山~白砂山を歩いた多くの人がここで「えー、八間山まで戻るのアップダウンがきついから地蔵峠から降ったほうがいいんじゃない?」と思うことでしょう。だって白砂山からここまでアップダウンがとにかく多くて、もう登りたくないと思うから。

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もちろんRedsugarももう登り返しは嫌!と言こと以上に、稜線の景色を見飽きたので森に入りたい……もで地蔵峠側の道で周回コースを楽しむことを選択しました。

堂岩山

午後2時00分、堂岩山。
ピストンではなく縦走を選択したありがたさがすぐにわかるようになります。分岐のすぐそばにある堂岩山を越えると、雪が残る森の中に広がるアスレチック感満載の登山道を降りることとなるのです。

雪が残る森を抜けて野反湖を目指す

雪が残る登山道

堂岩山から地蔵山、地蔵峠を越えて野反湖北端へとたどり着くルートは山の北側斜面に作られた道を抜けるものになり、初夏の時期だというのに道には雪がたっぷりと残っていました。

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踏み抜かないかドキドキでしたが、全然問題なく歩けました。良かったぁ~。

細かい岩が転がる山道

標高が高い場所から低い場所へと移動すれば、小さな岩がゴロゴロと転がる登山道へ。石一つない芝生の稜線が懐かしいと思いながら野反湖を目指して森の中を進みます。

水場への分岐

途中水場がありましたが、水場まで片道5分……往復10分は厳しいなぁ。早く下山したいもんなぁ?
ということでスルーです、無視して先を急ぎます!!

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背中に埼玉の美味しい水が詰まってるから!水道水飲めば元気出るから!!

苔むした倒木に道を阻まれる

ハンノキ沢を目指して降るのですが、八間山方面の登山道と比較すると野趣に溢れる道が続きます。雰囲気的に新潟の守門岳とか、浅草岳の樹林帯地点を歩いているような、空気が纏わりつくような感じがする道です。

ハンノキ沢へとむけて一度谷底へ降るのですが、一部崩落地点があるため注意。写真右側は結構下に沢があるという状況で、滑って落ちると骨折するんじゃないかな……。

午後3時15分、ハンノキ沢。
堂岩山の山肌から湧き出たタカンボウ沢が堂岩沢と合流したハンノキ沢へとやってくれば一安心です。
ここから野反湖まで登り返せば本日の登山は実質終わったといっていいでしょう。
ハンノキ沢は風光明媚な渓流で、景色を楽しみながら歩ける場所だったのですが……時間的に楽しめなかったのが残念。

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ハンノキ沢から野反湖への登り返しは多少辛かった、文句が口から出てくる程度には辛かった!

午後3時40分、野反湖湖畔入口。
野反湖の北端に到着しましたが、駐車場は野反湖の南端ということでここから1時間の湖畔ウォーキングが始まります。ちなみに野反湖ですが、ダム施設があるのは北側となり、水は中津川として津南で信濃川と合流し日本海へと注がれていきます。

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日本で一番長い河川は信濃川、二番目に長いのは坂東太郎の名を持つ利根川、三番目に長いのはアイヌに恵みをもたらした石狩川になります。

この野反湖湖畔ウォークですが、長い!!!
ニッコウキスゲが咲いていない時期に歩くには長すぎる!!!

原始的な風景が広がる野反湖

野反湖の北から南までを歩くということですが、ずーっと同じ景色が続きます。時期的な問題で釣り人すらいない、人間が一人もいない湖畔は原始の世界のようです。いや、ここはダム湖だから人間が作った景色なんだが……。
それでもこうして湖畔に降り立ってみると、景色から言葉にできない「崇高」の概念が沸き上がるのです。

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クリスティアン・シンクや畠山直哉など、ドイツ系の写真は巨大な建築や広大な景色を撮影する際に「崇高」の概念を引き出すように意識するというけど。まさに写真で見た「崇高」の概念を野反湖の景色から感じる……。それを撮影することはできないんだけども。

とにもかくにも、野反湖湖畔の景色は不思議です。人造湖だけど、太鼓の人が見ていた湖と山なんじゃないかこれはと錯覚する景色が広がるのです。大陸で見た景色もそうだけど、大きな景色のもたらすものってすごい。

午後4時20分、野反湖駐車場。
シエンタよ、私は帰ってきた!!と呟きながらリアルゴールドの蓋を開けるRedsugarです。それくらい頭が疲れるような長い道が続きました……野反湖湖畔を歩く選択肢を若干後悔する程度には長い道でした。
野反湖と白砂山まで晴れてくれた空に感謝のお辞儀をして、次なる目的地である尻を焼くような温泉へ向かいます。

野反湖を出発し六合の集落へと戻り、六合の集落からほど近い所にある秘湯中の秘湯である尻焼温泉へとやってきました。なんとこの温泉、川です、天然の川なんです。川のど真ん中から温泉が噴き出していて、川に入ると程よい気温で気持ちがいい、野湯にかなり近い温泉となります。
野湯を撮影してONSENというシリーズにまとめた写真家の山谷佑介さんも「ビギナーにお勧めしたい野湯」としてまず第一に挙げていたのがこの温泉です、野湯のプロ曰くこれは野湯らしい。

Redsugarはこの温泉を心の奥底から楽しみにしており、白砂山登山はこの温泉に入るための準備体操だと思っているくらいでした。温泉になっている個所と川の部分はわかれていて、暑い温泉が湧き出る場所を求めて川の中を移動するのが川遊びみたいで楽しい……。

尻焼温泉

一応お湯だけを集めた湯船もあり、48℃くらいありそうなあついお湯で汗を流すことも可能です。
こんな夕方に、こんな秘境に入りに来るやつ居ないだろと思ってたのですが、駐車場は満車なうえに20代前半の凄いかわいい女の子が水着を着て家族で入浴を始めたりするなどのイベントがありましたが、温泉を満喫することが出来ましたとさ。

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頼むからこっちに来ないでくれーー!隣のおじいちゃんと俺はタオルしかもって無いんだーー!

尻焼温泉はキャンパーや車旅をしている登山客には人気らしく、帰りの時間になっても駐車場は満車でした。

下山の焼き肉

尻焼温泉を後にした僕は帰るだけ……、妻に電話をすると割と余裕がある感じらしく飯を食べて帰ってこいとのこと。
お言葉に甘えて中之条で焼き肉店に入り空腹を満たし幸せを補充。ノンアルコールがおいしくなった良い時代でよかった。
その後、関越道をひた走り21時ころ家に着くという、群馬の奥地まで行ったのに比較的早く家に帰れたという奇跡が起きるのでした。

浅間酒造の浅間山

さて、本日のお土産は浅間酒造の浅間山です。
こちらのお酒は六合の集落を降りて長野原草津口の街にある酒屋さん「山家商店」さんで購入しました。
山家って名前が山を登っていそうで良い、山登りを楽しんだ後の人間が入ればぴったりな名前のお店です。
店員さんに地酒の話をしているうちに、その方がもともと帝松さん(埼玉の美味い酒)に関りがあると聞いてびっくり!
好みを聞いてもらい最終的に選んだのは、黒子のように食事を支えるという浅間山でした。

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食事に合う引き立て役のお酒と聞購入。一口飲んだときにほどほどの甘み、香りの主張も少ない、旨味はしっかりしているけど確かに「夕食」と合わせたいと思う。
アジの塩焼きと合わせてみたけど鉄板、酒が進む……!

たけのこ汁と合わせてもかなり良い、食事と合わせた際に前に前にと出てこないのが凄く良い。そして生酒故にシュワッと舌先に感じる気泡の感じと爽やかな酸味、後味もすっとしていて香りもスッキリしている。
これは僕もすごくおすすめできる日本酒だと思いました。
中之条、上野原草津口に行くときは浅間山超おすすめです、ハイスタンダードな日本酒だと思います!

どこまでも伸びる群馬県境トレイル

野反湖から歩く白砂山と群馬県境稜線トレイルは時間に余裕を持って歩こう!
白砂山登山ですが、花と稜線美を味わうために訪れたのですが蓋を開けてみると群馬県境稜線トレイルの極上の稜線漫歩を楽しむ登山となっていました。
白砂山から先の区間があんなに楽しいなんて知らなかった……。健脚の方にはこの記事の歩き方はすごくお勧めしたいのです、歩きごたえ抜群です。縦走すれば満足度が素晴らしいことでしょうね。
日帰りであれば、この素晴らしい稜線トレイルで流した汗を尻焼温泉で流すことをお勧めします、山に続き風呂でも自然との一体感を感じることが出来るでしょう。
あぁ~、コンクリに囲まれた街の生活じゃなくて尻焼温泉で汗を流す生活したいよぉ~と思うかも?
群馬の魅力にあふれた素晴らしい登山でした!
白砂山+稜線トレイル+野反湖+尻焼温泉+日本酒=最高ですか?最高です!

皆さんも白砂山を歩くときは温泉とお酒を気にかけてみてください、絶対楽しいです。
人生最高の山は続く。

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