2023年7月16日、南アルプスの一番南に位置する百名山である「光岳」を歩いてきました。その標高は2,592mでハイマツの南限として、そして南アルプスでありながら奥秩父のような樹林を思う存分に満喫することが出来ることで有名な山になります。
畑薙大吊橋をスタート地点としてピストンで歩く二泊三日の登山、初日から二日目の朝にかけては茶臼小屋から約1時間の位置にある二百名山「上河内岳」を登ります、こちらは標高2,803mで森林限界かつ素晴らしい眺望を持つ山です。
南アルプスの中でも南部にある光岳は東側の畑薙大吊橋を起点とするコース、西側の易老渡を起点とするコースが一般的な登山者の歩けるコースとなるのですが、西側の易老渡は度重なる林道崩壊により現在では非常にアクセスが難しい道となってしまいました。僕が聖岳を登った2015年7月が一般車両が通れた最後の瞬間だったようです。
光岳はアルプスの百名山の中では標高が低く2,600mに満たないことからもそのほとんどが樹林帯に覆われています。小屋周辺は森林限界めいた湿原風景が広がってはいるものの、それ以外はほぼ樹林。アクセスの道中もスペクタクルを感じにくい奥秩父のような樹林帯が続く非常に玄人向けな山。南アルプスの百名山の最後にして、光岳を登れば百名山のアルプスエリアはすべて晴天の下で登ったことになる、ということで気合を入れて畑薙大吊橋からのピストンでの山行へと僕は出発するのでした。
事前に調べて出てくる情報は圧倒的樹林帯、どこまでも続く森を登り続ける修行。しかし実際に歩いてみれば、上河内岳や茶臼岳の持つ素晴らしい眺望、希望峰から仁田岳の気持ちのいい稜線と楽しい場所があるコースでした。
上河内岳光岳ピストン登山の概要
二日目の光岳の記事はこちら
畑薙大吊橋から始まる長い樹林帯
2023年7月16日午前5時45分、沼平登山者駐車場。
おはようございます、Redsugarでございます。前日深夜竹橋駅毎日新聞本社前から出発する夜行バス「毎日あるぺん号」の沼平直通バスを利用してやってきました畑薙ダム。赤石岳悪沢岳をぐるりと回る周回登山を楽しんだときはこちら……自走で来たことを後悔したんですよね。
静岡で高速道路を降りてから、畑薙ダムまでの道のりはびっっくりするくらい長い山道を走り続けることになります、北海道は道東で育った僕ですらドン引きの道を2時間近く走ってたどり着けるこの駐車場、正直運転するだけで疲れちゃう。南ア南部畑薙ダムですが、毎日あるぺん号による往路アクセスと、静鉄バスによる復路便を利用すればちゃんと公共交通機関での出入りが可能になっています。
今回は南アルプスで登っていなかった最後の百名山「光岳」を登りますが、ピストンルートだけではつまらないので上河内岳を経由する形で歩こうかと思います。下山後は静岡駅で海の幸を頂くぜ!!
毎日あるぺん号ですが、23年度の運航ではそれまでと変わらず最初に沼平、そのあとちょっと戻って畑薙ダム駐車場という感じで登山客を下ろしてくれます。この登山口は半分以上の方が椹島へ向かい赤石悪沢聖といった高峰を目指す感じ、畑薙大吊橋を目指す登山者の数はそんなに多くはありません。
まずは畑薙大吊橋まで林道ウォーク、この林道ではクマの目撃例が多いので注意。僕もこの登山の帰り道で子熊を見かけました。
南アルプスは毎年雨で道が崩れてるんだけど、畑薙ダムの対岸とかを見てると「そりゃ崩れるよな」と思える景色が続きます。林道にも至る所に落石があるので中々油断できない。
このブログでは写真枚数も少なくこの区間は終わりますが、実際に歩くとすごく長く感じます。
最初の林道歩きからすでに長いです、南アルプス南部……やはりどこをとっても長い。
午前6時40分、畑薙大吊橋。
椹島に向かう工事のハイエースが僕の隣を走っていきます……ひたすら歩く。長い長い林道を歩き続けついにたどり着いたのがこちら、畑薙大吊橋です。茶臼岳登山口ということですが、高所恐怖症の人は絶対に渡れないんじゃないかと思うような吊り橋になります。
橋の下を流れるのは大井川、川底から30~40mくらいのところにかかる吊り橋。御覧の通り足場は全然よくないです、滑ったらどうなるんだろう……、子供とか絶対に無理だよなこれ。
風でゆらゆら揺れてるし、ギシギシと音を立てるこの吊り橋……怖すぎる。まさにデス・ブリッジ。
意を決してわたり始めて数分、下を向くとあまりにも怖すぎるので前を見ていたら「下山者」がやってきたではありませんか。しかも橋を渡り始めやがった……!!こっちは超社会人級のビビりなんだぞッ!!!
幸いにしてこの後、橋の上で何とかスライドすることが出来ましたが……。下を見るだけで300m登るくらい疲れました。
大吊橋を渡った先は圧倒的な樹林です、しかも前半は斜面に切られた40㎝程の道幅の登山道を歩きます。数か所崩落していてトラロープも張られていて、しばらくは落下の恐怖と戦い続けることに……これ下山でも通るって嫌だな。
午前7時15分、ヤレヤレ峠。
橋を渡って30分ほどでヤレヤレ峠に到着、本当にヤレヤレだよ!!!承太郎も呆れるくらいの道が前半にあったと思うね。
しかし、この茶臼岳へと向かう登山道の恐ろしさはここから始まるのだ……。ヤレヤレ峠からは一度標高を落とし、いくつもの沢を越える橋を渡りながら標高をあげていく。茶臼小屋まで約5時間半、びっくりするくらい長い登りの始まりである。
茶臼岳登山道はとにかく長い、斜度はそれほどでもないが所要時間が長いのでたくさんの水が必要になるルートだと思う。往路は朝早くまだ7月中旬ということもあり、気温的にも行動はしやすかったけど……汗は出る。
道中はうっそうとした樹林帯、倒木の処理は最低限。百名山がある南アルプス南部の道と言えどもその整備は最低限という感じがする。
この道の辛さの種類は「長さ」にある。斜度による辛さよりはまだマシかなぁ……。
道中カタツムリのような切り株と出会った、こういうのは森の魍魎との出会いだと思う。森の中にたまーに人が形容できる姿をした木ってあるよねぇ。
ヤレヤレ峠を越えて沢沿いに下ってからはいくつかのつり橋を渡ってウソッコ沢小屋へと向かう。
この辺の沢はさすが南アルプスの清流といった感じでキンキンに冷えている。
登っては吊橋を渡ることを数度繰り返す、ほとんどのつり橋は比較的新しいが、一つだけ老朽化が著しいものが……。乾いた木の板で滑ることはなかったが、これが濡れていたらと思うと超怖い。ワイヤーもなんかボロボロだし
道の崩れやすさ、吊り橋が流されないか?等の条件もあって、そもそも茶臼小屋まで登れるかどうかっていうのがあるよね。山は普通に逃げていくので、登れるときに登りましょう。
真新しい吊橋はがっちりとしていて歩いていて安心感がある。不思議と上を歩くだけで体力が回復するような錯覚を覚えるもんです。
しかし、橋を渡った直後に現れるのは崩落した沢沿いの登山道……。簡易補修されてるけど……次シーズンはまた道の形が変わるんだろう。この時は正しい道はピンテのある左の倒木を跨いで岩の上を進む道。写真に写っている登山者のように高巻きしようとするとザラザラと土が崩れてしまいます。
崩落地を抜けた後も続く厳しい道、自然というものは圧倒的に人間には無関心だなと思わされる。
川沿いの道からロープを使って樹林帯に上がると、つづら折りに続く登山道の上方にゆがんだ階段が見える……。
ウソッコ沢小屋までもうすぐという所で現れるゆがんだ階段、山の中にある階段なんてゆがんでいて当たり前なんです。こんな形だけど僕が歩いた時はがっちりしていた、安心の人工建造物です。
午前8時25分、ウソッコ沢小屋。
ヤレヤレ峠からウソッコ沢の避難小屋まで1時間ほどでしたが、その内容が濃すぎたので2時間くらい歩いていたんじゃ?と錯覚するほどでした。体力的にはまだまだ余裕があるので休憩なしでここは進みます。
ウソッコ沢小屋の上部にあるこちらの橋を渡って登山道へ。この橋の下にはズドドドドとすさまじい音を立てる上河内沢の滝が流れています。
ウソッコ沢小屋は川の合流地点にあるので、渓流の音がすごいんだよね……。ちょっとここは怖くて寝れないな。
ちなみに鉄の橋の下流には使われなくなった木製の橋が……。壊れてしまった橋はいつ川に流されるかわからない状況でした。眺めているだけで怖いわ。
上河内沢の滝はこんな感じで、狭い岩場を潤沢な水がすさまじい勢いで流れていきます。比較的大きな滝で流されたらたまんない。
ウソッコ沢を越えると沢沿い区間が終わり、尾根に向かってひたすら斜面を登るような道になるのですが……長い。
時折現在標高を示した看板が現れるのですが、重たい装備を持って歩いてる登山者側としては「まだ1,300mなんですか!?」と心が折られそう。
100m上がるごとに看板が出てくる聖岳を思い出す……、茶臼も同じ感じがしてつらい。茶臼のヤバい所はこの辛い区間が2回登場することでしょう。ウソッコ沢小屋から横窪沢までと、横窪沢から茶臼までの区間で2度辛い登りが現れます。
中の段を越えてさらに登り続けるとさらさらと流れるやさしい渓流の音が聞こえてきます。茶臼小屋までの中間地点と言える横窪沢小屋までやってきました。小屋の手前には年季の入った木製の丸太橋、下に流れる渓流は澄んだ色。
午前10時25分、横窪沢小屋。
23年の営業は無かった横窪沢ですが、水場の整備はされており水桶に新鮮な水がジャバジャバと注がれていました。テント場を見ると先ほど先行していた女性の登山者の方などが幕営の準備中。茶臼小屋のテント予約が取れない場合、ここを拠点にして上河内岳や茶臼岳に行くのはアリなんだとか。
Redsugar的にはここから茶臼岳まで2時間ほど登らなくてはいけない時点で心が折れそうだから……無理かな。
茶臼小屋、樹林を越えて森林限界へ
横窪沢小屋から先はただひたすらに登りが続きます、標高も上がってきたのでだいぶ木々の様相も変わってきました。
畑薙大吊橋から登るルートではこの区間が一番厳しいと感じる人は多いのではないだろうか……。
ただただ眺望もない無慈悲な樹林帯の登りが続きます。南アルプスに求めていたのはこれだ、この無慈悲な感じだっ!!
午前11時30分、水呑場。
横窪沢から先も定期的に中継地点の案内がやってきます、休憩個所としてちょうどいい感じの倒木ベンチとか……。
大体1時間ごとに何かイベントが起こるような設計がされているのがこのコース。それと、水場に関しては事欠かないのがいい所です。
時間にしてあと1時間ほどで小屋でしょうか、コップに水を汲んでのどを潤して出発です。
1,300m地点の看板から登る事2,200m地点……長い、まだあと200m以上登らないと小屋にはたどり着けません。
体力的には問題ないんだけど、なんていうか登り道って4時間を越えてからはテクノ音楽を聴き続けてボーっとするような感じになってきますよね、ゾーンに入ってるんだ俺は。
冗談抜きで長い、現在標高を知らせるこの看板に心を折られる人も多い事だろう。
そして登り続ける事さらに1時間……、途中の写真がないけど南アルプスを登ったことがある人なら想像つくような樹林帯が続いていました。樹林のトンネルを抜けると草地が広がり、その斜面の上には赤い屋根の茶臼小屋が現れます。
今日の目標地点にようやく到着です、長かったねぇ。
後ろを振り返ると青薙山方面の赤崩でしょうか、ハートマークの崩落がまるで祝福してくれるようです、粋な演出と思いましょう。
あの赤崩のすぐ隣までは登山道があって、赤崩の上には破線でルートが示されている……。そしてそれは笊ヶ岳へと繋がっているらしい。
白峰南稜へと繋がる山々は南アルプスの魔界の一つだと思う。
午後12時40分、茶臼小屋。
水呑場から茶臼岳までは1時間ほど、ひたすら上り続けるだけの修行のような道だった……。小屋泊装備ということもあって体力的にはとても楽でしたがさすがに疲れた。だけどまだお昼で青空も見える状況なので、軽食とコーラをお腹に入れたら稜線に行ってみたいと思います。
この登山の直前、ロサンゼルスのアニメエキスポへの出張がありました。仕事の傍ら登山用の懐かしの行動食「クリフバー」を探し当てましたよ……、これ美味しいしカロリーが結構あるんだよね。
稜線までは10分ほどの登り、めんどくさくて裸足にサンダルのまま来てしまったがこれはよくなかった……。
茶臼小屋は眺望が良い所に建っているらしく、この時は見えなかったけど小屋からは富士山がよく見えるらしい。……あれ、足が痛い。
稜線には南ア南部ではよく見かける東海フォレストの木柱、これがあると安心しちゃうね。
やば、サンダルのせいで足の皮むけてきた……
稜線の上には分厚い雲がびゅうびゅうと流れており、しばらく晴れ間が見れることはなさそうです。
写真は上河内岳への登り、ここからは森林限界を越えた稜線の醍醐味を味わえそうですね。
足の皮むけたし、今日はもういい加減登りつかれたから、小屋に帰ってのんびりします……。
午後3時15分、昼食&夕食。
徐々に肌寒くなってきた午後3時、23年度の茶臼小屋は素泊まりだけだったのでご飯は自炊です。この時はモンベルのリゾッタにハマっていました、ベーコントマトクリームリゾッタがとにかく美味い!リゾッタ全部食べたけどこれが頭一つ抜けた美味しさだと思います。
写真を見てもらってもわかるように一気に2つ食べました。もう満腹です、夜ご飯は食べなくていいかな……。
ご飯を食べた後はもう寝るだけ、夕日も期待できないので小屋でウトウトしていたのですが……夕方になると富士山方面はきれいに晴れていて、淡いブルーに溶けていく富士山を眺めることが出来ました。
明日は本番、上河内岳で朝日を眺めてから光岳に行くという長丁場です。富士山を撮影した後は寝袋に入り込んで深夜の出発に備えることにしました。
翌日は2時には起きなくてはいけません、就寝時刻は19時。夏山って夕日と朝焼けのことを考えると睡眠時間8時間を確保するのが意外に難しいよね。
上河内岳で迎える南アルプスの朝
2023年7月17日午前2時25分、茶臼小屋出発。
深夜2時といいますか、早朝2時といいますか……起床しました。同じ時間帯に小屋の中で起きる方もいらっしゃって、みんな上河内岳でご来光見たいんだなぁと。起きた直後は身体が重く、運動をし始めようにも準備が必要です。
とりあえず白湯を沸かしておなかの調子を整えてから出発することにしました。
太陽の光なんてものは存在しません、天の川がきれいに見えるような真夜中のナイトハイクということで、ヘッドライトの明かりを頼りに上河内岳へ向かう道を進みます。
キョーンッ!って鹿の鳴く声にびくっとしたりするのがナイトハイク。わずかながら樹林が存在する亀甲状地付近では鹿の群れが森の向こうからこちらを眺めていました。光る相貌って本当に怖いよねぇ……!!
茶臼小屋から上河内岳までは意外に距離があることとアップダウンが存在しています。地図で見ると登り一辺倒ですぐに到着しそうに思えますが、ちゃんと1時間はかかるような道で、結構大変です。
午前4時35分、上河内岳山頂。
朝に向かって徐々に空が明るくなる中、ゆっくりと登り続けて山頂へ。小屋を出発した人々が続々と上河内岳の山頂に集まってきます。山頂は涼しいくらいの気温で、時折生暖かい風がどこからともなく吹いてきます。
標高約2,800mで周囲の山よりも頭一つ抜けた上河内岳、やや東側に張り出した位置にあることからもご来光と富士山の絶好の展望台ということらしいです。
山頂からの景色は確かに好展望、悪沢岳手前の千枚岳にとても雰囲気が似ていると感じた。
山の上で見るご来光の素晴らしい所は刻一刻と色を変える空と地平線じゃないでしょうか。冬になったら毎朝朝日を撮影しに近所の畑に出かけていた僕ですが、下界で見る朝焼けと山の上で見る朝焼けは結構違うのよ。
南アルプスの夜明けにおいて、やはり富士山を外すことはできない。地平線から突き出した頭、山頂に向かって描かれる緩やかなカーブ、富士山のシルエットを思う存分堪能できる。
空が明るくなりようやく山頂碑が撮影できるようになりました、南ア南部といえばこの団子型です。
上河内岳の向こう側には聖岳、赤石岳、悪沢岳と名峰が並んでいる、素敵!
そしてついにご来光、雲の向こうからオレンジ色の太陽がゆっくりと登り始めました。
今回の登山の最初の目的地である上河内岳。二百名山にふさわしく山頂から見る景色は素晴らしい。
朝の産まれたての陽光が景色を少しずつ明らかにしていきます、ハイマツの中から頭を出す磐座を見ていると何か山の精が座っていそうな気になってきます。
夜と朝が溶けあう彼誰時、冷たく張り詰めた空気の向こうにぼんやりと浮かぶ景色、想像力が景色を補うこの時間帯に昔の人々も神聖なものを感じたのでは?
暖かな黄色に空と地面が包まれていく中で空は少しばかり紫を帯びていましたが、すぐに白っちゃけた朝の空へと表情を変えていきます。目の前には灰色に濁った紫の影を纏う富士山。
振り返れば上河内岳の作り上げる濃紺の影が虚空へ吸い込まれるように影上河内岳を作り上げていました。
目覚め行く南アルプス南部の山々、眼下には茶臼岳、その奥に稜線から頭を伸ばした信濃俣が淡い黄色に照らされています。
茶臼岳から光岳まで向かうメインルートから南側は深南部の領域、深い森が続くバリエーションの世界。僕からすると人外魔境の世界だ。
上河内岳から北には聖岳、赤石岳、悪沢岳が連なるように見える。聖岳に登ったのはもうずいぶんと前の事で、山頂を十二分に歩き回る時間が無かったのでぜひ再訪したい。赤石岳と合わせてぐるりと歩ければなぁ……と思っている。
バスの予約がやっぱりネックだよなーと思う南ア南部、テント使って予約を最小限にと思うと毎日あるぺん号で聖岳登山口から聖平、そこから先は三伏峠の先の鳥倉に降りるのが一番楽な気がするけど、それはそれで身体が大変なのでやはり予約を頑張ろう……。
聖岳の山中に見える赤い屋根は聖平小屋です、こうしてみると結構標高低い所にあるんだなぁと。実際小屋があるのは2,260m地点で聖岳山頂は3,000mなのでかなり登るんですよね。
午前5時10分、上河内岳出発。
太陽も顔を出し青空が広がってきました、時間的にもそろそろ光岳に向けて出発したいところなので上河内岳を降りたいと思います。
山頂でご来光を見ていた人は僕以外全員聖岳から百閒洞に行くとのこと、赤石含めた周回をうらやましく思いながら樹林のワンダーランド光岳へ向かいます。
太陽が昇ってきたおかげでナイトハイクで歩いた道の全容が見えるようになりました、意外に青々とした道だったのかというのが正直な感想。
亀甲状地周辺は上河内岳の眺望が良い場所とされていますが、通りがかった早朝の時間は影の関係であんまりいい景色にはなりませんでした。正午付近だと天狗岳から顔を出す二ペソツ山みたいな感じで平面的でシュールな景色が見れるんじゃないでしょうか。
午前6時30分、茶臼小屋分岐。
小屋を出発してから4時間後に分岐に戻ってきました、ようやく二日目の登山を始めることが出来ます。
ここから光岳まで片道5時間ほど、本来の目的である光岳登山がスタートすることになります、まずは目の前の茶臼岳へ向かい、そこから先は奥秩父を思い出させる森の中を歩き続けることに。
茶臼岳から光岳への道中は厳しい、そう聞いていたのですが思いのほか景色が素晴らしい場所がたくさんあったりもして、大満足な二日目が待っているのでした。
ここからが光岳本番、次回は茶臼岳や仁田岳から見る聖岳の景色を楽しみます。無事辿り着いた光石からの景色は……南ア南部は本当に山深かった。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。
色んな意味でさすが南アルプス南部な雰囲気ですね。
畑薙大吊橋、某アニメでもデス・ブリッジとして紹介されていましたが、やはり現実でもそうでしたか・・・。
富士山の景色はさすがの一言、北アルプスでは味わえない圧倒的な存在感ですね。
コメントありがとうございます。
南アルプス南部は魔境深南部のお隣ということもあって、その登山道中は結構ワイルドです。深南部の記録はどれも超ワイルドというか、道なき道を行くバリかつ笹天国で僕はイケる気がしませんが……。
畑薙大吊橋は本当にデスブリッジでした、子供とか間違ってもつれてきてはいけません、本当に怖い。
富士山と聖岳だけが癒しの登山でした……。