2018年10月6日、新潟県にある百名山の一つ「越後駒ヶ岳」に登ってきました、標高は2,003mで越後三山の一つです。
越後駒ヶ岳はイメージ的には渋めの山であり、巻機山以北の豪雪地帯ということで紅葉時期が良いだろうと考えて紅葉時期までとっておいた山です。
実際に歩いてみると意外にもその稜線は穏やかという感じではなく、雪に削られた鋭さを持ち、厳しい山が延々と続く奥深いエリアという印象を持ちました。
特に、越後三山の中岳へ向かう稜線は素晴らしく、「越後三山の中岳を登らずして」といわれるほどいい山と聞きますので、次回は是非中岳を含んだ登山で歩きたいと考えています。
さて、今回は紅葉の越後駒ヶ岳登山ということですが。
前回の木曽駒ヶ岳登山に比べると確かに穏やかな山の姿が続きます、中腹の紅葉と山頂の草紅葉を楽しむということであればやはり上信越。
草紅葉エリアまで登ればそれまで歩いてきた道が雄大な景色を奏でます。
黄金色に染まった山と、下山後の本気丼を楽しむことが出来る秋の新潟県エリア。
秋の定番登山メニューとして参考になれば幸いです。
紅葉の越後駒ヶ岳登山
上信越エリアの山は紅葉時期が比較的お勧めなエリアではないかなと考えています、高層湿原が多いことから初夏にかけてはブヨが多いですし夏に登るには少し標高が低い。
秋口になればその特徴が紅葉によりすべて「良い所」になります。
豪雪地帯特有の山ということで森林限界を越えると草紅葉がメインの世界となりますが、越後三山付近は非常に山深く奥只見湖方面や平ヶ岳方面は言わずと知れた「秘境」です。
日帰り最難関の山がひしめく未開拓エリアということで、玄人向きな場所という認識です。
越後駒ヶ岳登山について
枝折峠コースから歩く紅葉の越後駒ヶ岳
2018年10月6日午前5時55分、枝折峠。
おはようございます、Redsugarでございます。
枝折峠の朝焼けいかがでしょうか?きれいですね、心が洗われます。
ここまで来るの大変遠かったんですよ、奥只見湖方面って本当に行くのが難しい。
それでは朝を振り返ってみましょう、登り始めたから良いもののアクセスは前途多難でした。
午前2時30分、赤城高原SAで食事を食べ終え、一路北へ…。
ドラゴンボールのガチャガチャを見て俺も7つ集めて神龍に願いを伝えたいと思いながらも「多分このガチャガチャ7つ入ってねーよ」と夢がない事を考えて車を走らせます。
その後新潟に突入し枝折峠へ、ナビに従い枝折峠を登るのではなく奥只見シルバーラインを奥只見湖側に迂回し南側から駐車場へと向かうルートを指示され朝霧で前が見えない道に肝を冷やしながら駐車場に到着する。
いやぁ、駐車場着く前に謎の森にいざなわれるホラーなのかなと
というわけで枝折峠駐車場までは本当に大変な道のりでしたが、無事に到着し午前5時30分にはスタートを切ることが出来ました。
枝折峠は雲海の名所ということで、登山口から最初の道はカメラマン用の撮影スポットが用意されているような優しい道が続きました、この日は雲海のうの字もなかったんですけども。
この写真のあたりが雲海スポットらしいです、なるほど奥に奥只見湖の端っこみたいなものが見えますもんね。
奥只見湖で作られた雲がこの辺を流れるということかな?
僕が歩いている今は、朝日が燦燦と差し込みあたりの草木が黄金色に輝く良い道になっていました。
ナナカマドが真っ赤だ、人間もおいしくいただける実ならいいのにな。
朝の時間帯はそんなに黄葉の色味がはっきりしているわけではないらしい。
枝折峠から越後駒ヶ岳を見たときに驚くのですが、思いのほか遠いです。
結構横に長いタイプの山なんだなということを歩きながら感じました。
一気に標高を上げるタイプではなく、距離を歩いて標高を稼ぐタイプの山です。
秋の彩が素晴らしい枝折峠周辺の登山道、この辺りは歩くのが非常に気持ちが良いです。
道も穏やかな上り坂といった感じなので疲れずに歩けます。
雄大な稜線と紅葉に癒される
午前7時30分、小倉山分岐。
駒ノ湯登山口との分岐に差し掛かりました、温泉から上がってくるのか。
調べてみれば駒ノ湯さんは秘湯として名高い温泉らしい、ここに泊まって登山を楽しむっていうのは余裕があるなぁ。
できれば温泉から山を登って温泉に帰って、そのあと記事を編むみたいな生活がしてみたいです。
登山口から地味に2時間くらい歩いてます、長い、長いよ!
分岐から先は若干の樹林帯、雪の重みで曲がった木々の影響で天井が低くなっている道を進みます。
低木の樹林帯を抜けると稜線に出ます、かなり越後駒ヶ岳に近づいてきたことがわかります。
目の前の一山を越えないといけないのかと錯覚しますが、ここから先は延々と上りです。
越後駒ヶ岳本体への登山が始まりました、ある程度上ってから後ろを振り返った瞬間に思わず声が出てしまいました。
何と枝折峠からこの尾根までとてもきれいな一本の尾根道となっているではありませんか。
長大な蛇の道のようです。
そして越後駒ヶ岳とは別に存在感を発揮する中岳の姿、確かに越後三山のメインといわれても納得できるピラミダルな姿です。
たぶん画面右端のT字尾根が枝折峠あたりじゃないかな?
中岳方面の山肌が徐々に紅葉の彩を取り戻してきました。
雪国独特の雪と水で削られた山肌は迫力があります、脈打つような有機的なラインに沿って黄葉が踊ります。
本日の装備は相変わらずD850二台体制です、カメラを二つ持つのは非常に重くメリットがないのでお勧めしません。
今はもうZとXで軽量化してます、こんな装備狂気でしかない
越後駒ヶ岳稜線から見る荒沢岳方面です、奥に見えるのは平ヶ岳でしょうか?
本当に山深い世界で人もあまり歩いていないエリアです、地図を見ると厳しい道のりであることは容易に想像できます。
景色はいろいろと眠っていると思われますが、太平洋側からではアクセスの関係で中々歩くのは難しそうです。
午前8時55分、越後駒ヶ岳直下。
地図上の前駒あたりでしょうか、ようやく山頂が目の前に見えてきました。
あとはこの登り坂を歩き切れば……、見た感じ気持ちよく歩けそうです。
気温も上がってきてさすがに汗ばむ陽気になってきました、小屋まで行けば水が補給できるので水分は多めにとっていても大丈夫です。
あ、これは最高の稜線を登ってる、感じる。
登り始めてすぐにこの登り坂は景観がやばいことになっていると思いました。
周囲は草黄葉主体のビロードのような質感の山肌が広がり、眼下には枝折峠などのうねる様な尾根。
標高を上げたからこその「特殊な世界」が目の前に広がります。
山登りの良い部分の一つとして「標高を上げたからこそ見れる独特の世界」があるかなと思います。
僕は写真を撮りに行くというか、山登りをスナップしているというタイプなんですが
平地や街、森とは全く違う非日常的な景色が稜線にはあって、それが好きなんですよね……。
越後駒ヶ岳のこの山頂直下も草黄葉とむき出しの岩肌、いい景色なんですよねこれ。
ところどころ濡れていると嫌だろうなという感じで、岩肌が露出している部分などが登場します。
晴れていて乾燥している日はご覧のように、絵になるポイントです。
三山を見渡す越後駒ヶ岳山頂
午前9時20分、駒の小屋到着。
越後駒ヶ岳にある駒の小屋に到着しました、ここはシーズン中は管理人さんがいる小屋で
素泊まり限定ですが2000円ほどで宿泊が可能だそうです。
雲海の名所である越後駒ヶ岳なので、ここに陣を張って夕方や明け方に撮影を行うカメラマンは居そうですね。
今回は日帰りなので、水場で水を補給するだけにとどめたいと思います。
水場は小屋から数分降りた場所にあります。
このエリアの山小屋は稜線に建てられたものが多く、天水を利用する場所が多いらしいのですが駒の小屋はおいしい越後駒ヶ岳の湧水を思う存分に味わうことが可能です。
水場から見上げる紅葉の越後駒ヶ岳はきれいな三角形で、ずいぶん急な山に見えました。
おいしいお米を育てるえちこまの水、おいしいです!
越後駒ヶ岳へとむけて最後の登りとなりますが、間近に迫る中岳とその縦走路は圧倒的な迫力があります。
あの崖の縁を登山道が伸びているんですね。
歩いてきた道を振り返ると感嘆の声が出そうな景色が広がっています。
巻機山などと同じタイプの山なのですが、越後駒ヶ岳は開けた稜線が特徴的です。
稜線に出ると少しばかりの木道が登山者を出迎えてくれます、笹で覆われた道を進めば越後駒ヶ岳山頂です。
僕が到着したころは多くの登山客が越後駒ヶ岳から見る中岳、八海山の眺望を楽しんでいました。
山頂にある銅像は豊斟渟尊という神様のものらしいです、雲を神格化した神様だとか。
確かに雲海の名所なので、合っているのかもしれませんね。
ダッフィーとの2ショットも撮影したので、周囲の景色を見てみましょう。
越後駒ヶ岳山頂からは中岳、八海山方面がきれいに見えます。
こうしてみるとこの3座、トライアングル上に配置されているんですね。
越後駒ヶ岳からは中岳へと向かって気持ちのよさそうな稜線が伸びている一方、
中岳から八海山へとつながる道は何とも険しそうな雰囲気がしています。
というか八海山、鋸みたいな稜線がすごい……。
山頂で眺望を得て下山に取り掛かる前に中岳方面の稜線を見ておきたいので中岳方面に少し進みます。
これが大正解!
越後駒ヶ岳を登る際はお勧めしたいのですが、中岳側に進むと少し開けた休憩に適した場所に出ます。
そこからの景色がかなり良く、うねる稜線の奥に主峰といわんばかりの山容を持つ中岳が堂々と鎮座する景色を見ることができます。
午前11時15分、下山開始。
自撮りポイントとしても非常に優秀な中岳の展望台で行動食を食べ休憩をとります。
個人的に「みんなが目的地とする定番のポイントよりももう少し進んだ場所」が好きです。
ここまでは来ないだろっていうところまで進んでみると意外といい景色がみれたりします。
さて、日差しも強くなってきたところで下山です、燦燦と降り注ぐ日光のせいか紅葉も一際色濃くなってきたようです、彩られた道を下山しましょう。
越後駒ヶ岳山頂からの下山はまさにパノラマコース、雄大な稜線の景色を優雅に下山していきます。
見上げれば中岳、山肌が極彩という状況になる午後の日差し。
そして目の前に見えるピークは荒沢岳でしょうか、山頂付近に真っ赤な帯が見えます。
樹林帯がまとまって紅葉しているということなんでしょう、山肌を見るとかなり険しそうな山です……。
目の前の荒沢岳とそこに連なる稜線が真っ赤に紅葉している……、下山のタイミングでそれに気が付きました。
あちらの稜線もいつか歩きたいです。
下山後は秘境の温泉と本気丼
午後2時10分、枝折峠駐車場。
午後になって本当に紅葉が色濃くなっていました、全体的に黄色が主体な越後駒ヶ岳。
笹と黄色い木の葉が織りなす景色の向こうにこちらを見据える荒沢岳を眺めながらの下山はあっという間でした。
Q.越後駒ヶ岳下山後に立ち寄る温泉はどこがお勧め?
A.銀山平白銀の湯はお勧めです
下山後は枝折峠からほど近い銀山平の温泉に向かいました、帰り道上にはないので遠いのですが、枝折峠の帰路上にある温泉は下山組で込み合うことと、銀山平なんて越後駒ヶ岳に来なければ一生くることがない気がしたからです。
たどり着いてみれば山間におしゃれな宿泊施設が立ち並ぶ優雅な場所でした。
余りに居心地が良い銀山平温泉、結局1時間ほどのんびりとしてしまい、あまりの空腹からもつ煮まで食べてしまいました。
これでビールを飲んでいたら宿泊コースだった……。
銀山平を後にした僕は枝折峠を越えるのではなく、奥只見シルバーラインを利用して高速側へ、ちょうど街に出るころにはおなかも空いたということで、魚沼周辺の空きの時期といえば「本気丼」です。
下山後の体に染みるたんぱく質を得るために田畑屋さんへと吸い込まれてゆくのでした。
2018年の本気丼は魚沼わさびのきりざいと妻有ポークの焼肉丼、1500円以下でかなり満足できる内容の丼でした。
本気丼はいろいろなお店がやってます、個人的には魚介系のお店がねらい目だと思います。
越後駒ヶ岳の地図はこちら
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