【奥多摩】雲取山、東京最高峰にして奥多摩の盟主を厳冬に登る、神秘の暁と美しき霧氷の旅

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2016年2月6日~7日、東京都最高峰2017メートル、雲取山に行って来ました。

東京に2000mを越える山があるなんて普通の人は知らないんじゃないでしょうか??

スカイツリーよりも遥かに高く、富士山やアルプスまで見渡せる東京No.1マウンテン。

間違いなく東京一番の素晴らしい山と胸を張っておすすめできる山です。

そして、今回はほとんどの人が登ることがないであろう厳冬の雲取山を登ります。

雲取山で待っていたのは金色に光る東京の夜明と、山を金色に染め上げる曙光でした。

霧氷に彩られ、粉雪の舞う中金色に輝く御来光は一生の想い出。

この時期でなければ見ることができない東京の最も美しい景色、

それは雲取山にあったと断言できる素晴らしい登山となりました。

東京都最高峰と、東京の最高の景色を求める旅の始まりです。

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外気温はいくらになるのだろうか…?

手袋の中の指に痛みを感じながら、僕はいま新しい朝の誕生に立ち会っている。

2017m、東京で最も高い頂きは幾ばくかの人々で賑わう。

皆睫毛を凍らし、吹き付ける粉雪の中の一心に地平線の奥を睨み付けている。

ジリジリと地平を白く焼き尽くす光がゆっくりと天へと上がって来る。

後ろに背負った奥秩父の山々、富士山ははオレンジに染まり朝の訪れを待っている。

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御来光、地表を照らす温かい光線が全てを黄金に染める。

ほんの一瞬の出来事、目の前を舞う粉雪が黄金の砂粒に姿を変え、

木々の輪郭は豊かな飴色へ変化して行く、黄金の王ミダスが現れたかのような所業。

木々を彩る霧氷は太陽の光を受け金色に輝いている。

冬の御来光は宝石を空に散りばめたような、圧倒的な世界を生み出す。

冷たい風が吹く黄金の世界に身を委ねただひたすらに今を記憶に刻むのであった。

はい、今回は雲取山避難小屋を利用したご来光登山で東京都最高峰を味わいます。

都民でもこんな景色を見れるやつはそうそういないやろ!

という超絶景を納めることができたと思っている登山となります、ただし長い。

この登山は厳冬期の三峰口というバリエーションルートみたいな道から雲取山に這い上がり、

御来光と新雪の石尾根を踏みしめる、そして鷹ノ巣山を登り水根で降りるという

距離的には結構長くハードな登山となるので、参考にはあまりならないかもしれません。

冬の雲取山は基本的に鴨沢ピストンで行うべき、もし考えてる方は鴨沢からがお勧めです。

ちなみに雲取山避難小屋を利用することにより雲取山は恐ろしいコストパフォーマンスを発揮します。

以下アクセスと代金とコースタイム。

今回の登山の交通費

【電車】池袋→西武秩父    780円 往路

【バス】西武秩父→三峰神社  930円 往路

【バス】奥多摩湖→奥多摩駅  350円 復路

【電車】奥多摩→新宿     1080円  復路  合計3140円

宿泊は雲取山避難小屋を利用、食事代は別途必要です。

コースタイム

三峰口10:45→お清平12:30→白岩小屋13:40→白岩山14:20→大ダワ15:10→

雲取山荘15:40→雲取山山頂16:35→雲取山避難小屋17:00 1日目終了。

雲取山避難小屋8:00→奥多摩小屋9:00→七ツ石山山頂10:00→高丸山手前10:45→

鷹ノ巣山避難小屋12:00-12:30→鷹ノ巣山山頂12:50→熱海方面分岐13:05→

水根分岐13:25→水根登山口14:55→奥多摩湖15:10

厳冬期に三峰口から鴨沢に行く奴は何人かいるかもしれない…。

しかし厳冬期に石尾根を歩く奴なんているのだろうか??という疑問と共に始まる今回の登山。

実際に歩いてみると鴨沢コース以外全ての場所はトレースが薄く、

石尾根に至っては軽いラッセルを長時間求められるというヘビーな道でした。

1日目ならまだしも2日目に石尾根ラッセルとか悪い冗談かと、途中水なくて死ぬかと思った。

下山は水根を利用、冬の水根は事故が起こっても文句言えないのでオススメしません。

僕は水を2リットル携帯していましたが、二日目はミスで1リットルのみの携帯となりました。

これが非常に不味く、途中で脱水しかけています。

冬山で水を確保するのは夏場より辛いので注意です。

雪沸かすのはすごく時間かかって思ったより水ができないので。

今回の登山、体力に自信のない子は真似しちゃダメだぞ!

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2016年2月6日午前10時35分、三峰神社前バス停。

はるばる都内から秩父の奥地までやって来ました、雲取山。

西武秩父からバスで来たのですが、どんなに早くても三峰神社に着くのはこの時間帯らしい。

冬の登山で11時近くにスタートなんて正気じゃない。

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三峰神社付近は良い天気ですが、今日は午後から曇る予報。

山頂に付く頃には雲の中で極寒なこと間違いなしでしょう。

しかし僕のターゲットは明日の御来光と快晴なので、今日が雲った所で何ら問題はない。

雲取山迄は10.5キロ、これから冬道を避難小屋装備で歩きます。

避難小屋装備といっても、テントが無い代わりに防寒具を入れたのでテント装備より重い…。

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三峰神社とは別方向に歩き始めてスタート、最初に鳥居を潜ることに。

山自体がご神体とかそれ系なのかな?

既に地面は雪まみれですが、特に転倒の危険はなさそうなのでノーアイゼンで進みます。

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積雪があったわけではないので雪は固め、サクサク言う状態です。

本当はクリップのよさや力の伝え方を考えるとアイゼンした方がいいんですけど、

6本という歩きづらいやつなんで装備せず。

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今日は山頂までずーーーっと樹林です。

ここは奥多摩奥秩父、奥多摩の盟主ともなれば樹林力も半端ないのだ。

稜線なんてお前に歩かせる気はないと言わんばかりに雲取山は僕に襲いかかって来るんだろう。

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今日は最初からダブルストック装備です。

このグレゴリーのテント用神ザックバルトロを背負うときはさすがにストックを出します…。

バルトロは本当に凄いザック、水は飲みやすいし物は入るし肩と腰は痛くならないし…

水がとりやすいのが何よりも良いですね、オススメです。

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正午12時10分、地蔵峠。

雲取山をしばらく登り続けると地蔵峠という場所で展望が開けます。

開けたはいいが特に感動体験はない、時計見て絶望したくらいしかやるとこがない。

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先ずは秩父宮のレリーフがあるはずの霧藻ヶ峰。

登山口から1時間45分かけて訪れる最初の休憩ポイントになります、

最初のポイントまでが既に長い、ヤバイ。

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霧藻ヶ峰の歴史や秩父宮とは、といったことが学べます。

上にお二人のレリーフがあったようなのですが全く気がつかなかった、疲れてたんだと思う。

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正午12時30分、お清平到着。

この時点ではトレースはしっかりしているので

この先の登山道がどうなっているのかということに不安は感じていません。

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まだ半分手前 本番はここから 地獄はここから

俺の健脚 今だ健脚 ここで半分 先には山頂!

気分的にノリノリだったのを覚えている。

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お清平を越えた辺りから登山道が本気を出し始めます。

参拝に使うような洒落た道は終わり、ここからが本番だと言わんばかり。

雲取山さんも大分肩が暖まってきたのかな?こっちは順調に乳酸がたまってるぞ?

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黙々と登る、樹林の中をなにも言わずただただ登ります。

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午後1時40分、白岩小屋。

お清平から雪道を歩き続けること1時間、廃墟っぽいと噂の白岩小屋が見えてきました。

ネットでみる画像より大分ヤバイ雰囲気を醸し出しています。

僕より前を歩いていた方とここで出会うことになりました、人と出会えてひと安心。

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ボロい、田舎の農家の使っていない納屋と同じくらいボロい。

当然中は廃墟同然ではあるがはたして…。

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こんにっちわーーー!!!★☆ミ…あわわわっ!!

完全ヤバイ廃墟やんけ!!布団が怖い怖い!ヤバイ事件起きてるこれ!

という感じの内部でした、これ冬で曇ってて昼下がりなんだぜ?

マジで怖くてチビるかと思いました、長居はできません。

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靴が捨ててあったりするんですけど、なんで靴捨てるんだよとか。

お札張ったまま放置しないでよとか、布団なんなんだよこれとか…

気温はマイナスを軽く振り切って寒いけど、中でご飯食べる気にはなれず。

外のベンチで軽くナッツとチョコを補給しました。

思えばここで飯を食べておけばシャリバテしなかったのに…、

ここは三峰ルートの場合ご飯を食べる最適地点だと思います。

体力的にはここが半分に当たる人は多いでしょう。

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白岩小屋を抜けて山頂へ、まだまだ長い樹林を歩きます。

気持ちトレースが薄くなってきた気がする。

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標高1700付近で雪の雰囲気が変わる、パウダー系の水分の少ない雪に変わりました。

それに伴い気温も下がる、雪の上がなおのこと歩きにくいことに…!

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踏み込むと足元が少し動く雪の状態、踏み固まってないんですね。

さらに横に長い登山道、コレがかなり辛いです、流石に片道10キロある山は違うぜ。

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午後2時20分、白岩山到着。

写真では元気そうだけど実際は結構疲れている状態。

緩やかではあるけどもじわじわ登ったり降ったりを繰り返して疲れてます。

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午後2時30分、芋ノ木ドッケ到着。

白岩山から歩いてすぐの所でした、ここから酉谷山への分岐がありますが直近のトレースはなし。

雪に埋もれた古いトレースが見えたのは衝撃的でした。

こっから酉谷山いくの?!正気じゃないぜ!!っていう感じです。

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芋ノ木ドッケからは三峰ルートの核心部がスタートします。

標高がある程度高い場所で北側の日が当たらない斜面をひたすらにトラバースし続ける道。

吹き上げる風が冷たく、足を滑らせると下は奈落の底といった感じなので注意して進む。

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歩いてて不安でたまんねー!登山とはそういった自分の心との戦いである。

道が薄くたって山頂に向けて歩き続けるのだ。

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本格的ガチンコ樹林登山道が雪を纏って本気だしてきた。

この時点で大分気温は下がり、ペットボトルの水が凍結し始めます。

つまり-3度とか-4度とかその辺の気温か。

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綺麗に氷が張った霧氷が散見できるようになってきました。

氷の芸術品に相応しい美しさです!これが観れただけで今日頑張ってここまで来た甲斐がある!

良い霧氷があると5分ほど足止めされてしまいますが、こっちは疲れているので良い休憩になる。

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午後3時10分、大ダワ到着。

ここが雲取りに行く前の鞍部の底らしい、あとは標高を上げるのみ。

大ダワからは男道と女道の分岐があり

目の前のピークを登って雲取山荘に行くパターン

女道で緩やかに登って行くパターンがあります、今回は問答無用で女道を選びました。

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女道ですらしんどい、既に100メートル進むのに普段の倍くらい時間がかかってる気がする。

足をあげるのが苦痛、雪で足元に注意を払わないといけないのがなおのこと辛い。

雪山は歩き方に神経を使うので頭も疲れてくる。

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廃屋らしい建物が目の前に姿を表します、これは雲取山荘の古い建物かなにかかな??

そして何やら人の声も聞こえる…幻聴かよ。

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幻聴かと思ったら雲取山でテントを楽しむ方々の談笑でした、目の前に雲取山荘!!

ついに、ついに俺は雲取山荘についたんや!!喜びでザックを下ろしそうになりました。

三峰から本当に長かった…、南アルプス聖岳を越える登山道の険しさだったと思う。

冬のテント装備で距離10キロ標高差1000mはなかなか自信に繋がります。

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午後3時45分、雲取山荘到着。

今日は雲取山荘に泊まるわけではありません、すごく泊まりたいけどな!!

今日の登山での目的は夜景と御来光なので避難小屋に泊まりたいのです。

暖かい炬燵とやらでぬくぬく過ごしたい…、

もう寝たいと思う気持ちを圧し殺してとりあえず飯を食べます。

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ご飯の準備をしていると鴨沢から来た方々が次々山荘に吸い込まれていきます。

羨ましくてたまらないぜ、普通だったら山荘に泊まるよねとすら思う。

まぁ、山荘に泊まると色々見れないものが多いので僕はノーサンキュー。

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あまりに疲れているので食欲が分かず。

カップヌードルとチョコとチーズを食べて体力回復を待ちます。

流石に立ち止まっていると寒い…、気温がマイナスだから仕方がありません。

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ご飯を食べてしばらくボケーッとしたあと、雲取山山頂へ向けて最後の一登りです。

雲取山荘の弱点は山頂まで30分位登りがあるところ。

これがあるため山頂で御来光や夜景を撮影しようとすると一苦労することになります。

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この登りはエグい、既に体力を使い果たしている僕にはかなり辛い登り道です。

山荘に泊まってこれ登るとかマジ無理だわ…。

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疲れきった体を持ち上げなんとか山頂手前まで登ってきました、空は真っ白で嫌な感じ。

明日本当に晴れるのか甚だ疑問ではあるが、晴れることを信じるしかない。

晴天率80%を越える僕としてはなんとしても晴れてもらいたい。

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午後4時35分、雲取山山頂到着。

曇天の雲取山山頂に到着、時々晴れるけど基本的には曇り空です。

山頂では撮影を楽しむ多くの登山者の方で賑わっていました、

やっぱりこんな時期でも人たくさんいるんだなぁ。

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雲取山山頂標、山梨県のを見つけることはできず、埼玉と東京のは立派でした。

今この瞬間俺が東京で最も高い場所にいる男だ!!と心の中で呟きましょう。

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雲取山山頂避難小屋は山頂から100mも離れていない所にあります。

山頂からの景色は抜群だが今日の段階ではこれ。

夕焼けを期待してきましたが、こんな天気では到底無理ですね。

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避難小屋の中は凄い人でした、多分12人くらい人が居たと思います。

皆さんご飯を作って晩酌の時間に入っていました。

時刻は午後5時30分、山でご飯食べて寝る時間が刻々と近づいています。

皆さん初めて出会った方々だと思うのですが、自然と山の会話で話が弾むのが良いですね。

僕はかなり疲れていたので晩御飯を食べずに寝ることにしました、さっき食べたしね。

午後7時付近にもなれば日も暮れて皆さん就寝という感じでした。

ちなみにこの日の避難小屋の温度は午後5時では0度、明け方は-5度付近でした。

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2016年2月7日午前5時35分、雲取山避難小屋。

初めての避難小屋泊ということもあり、午前2時以降は一時間おきに目が覚める。

普段の睡眠から考えれば寝過ぎというくらいの時間なのでしかたがない…。

午前2時、午前3時と外はしんしんと雪が降り積もる極寒の世界でした。

明日の御来光は期待できない、この山行は失敗かな…等と考えていた午前5時。

そのときは静かにやって来た、扉を開けると目の前に広がる暗闇と頭上に輝くダイヤのような光。

雲一つない空が其処に広がっていた、慌ててカメラを避難小屋に取りに戻り撮影準備をする。

月齢は28、新月に程近いこの2月7はやはり雲取山と言えども星が綺麗に見える。

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必死に写真を撮り続けるが、僕の手持ちの道具ではこれくらいが限界だった。

天の川がみたいと思ったがもはやその時刻は過ぎ去った後、静かに輝く星だけが残っていた。

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前を向けば赤く輝く東京が見える、朝6時に近いこの時間でもこんなにも輝いている。

夜を切り開いて生きる人間の吐息がここからも感じとることができる。

美しくありつつも自然の摂理に反するような光に複雑な想いを抱く。

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沈み行く月とその奥の空がゆっくりと明るくなる、曙光がもうすぐ訪れるのだ。

風のない、不気味なほどに静かな山頂の闇のなかでシャッターを切り続ける。

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避難小屋に戻りシュラフなどを片付けていると、窓ガラスに青い光が差し込み始めた。

朝焼けが始まっている、予想よりも早い!!

荷物の片付けを途中で切り上げ、カメラを掴むと僕は靴紐も結ばぬまま山頂へ駆け出した。

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空が青く光り、東京湾の水平線が白く輝いている。

背中に背負った奥秩父方面から冷たい風が吹き付け僕の体温を奪う。

気温は多分-10度よりも寒い、ふと北海道に住んでいた頃を思い出した。

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ゆっくりと空がオレンジに染まり、顔を出している富士山が赤く染まって行く。

朝焼けの富士山ほど日本の夜明けを感じさせるものはない、北斎の絵のような景色だ。

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奥秩父の山々にも光が辺り始める。

すさまじい勢いで風が吹き上げ、風をまともに受けていては一分として体が持たない。

黙って立っていたら凍傷になるのは時間の問題だ、現にシャッターを押す指が痛い。

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2016年2月7日6時50分御来光。

新しい朝が訪れた、希望の朝だ。

天気は文句のない快晴、太陽の光がゆっくりと天に上がって行く。

山頂にいた人々は真冬の御来光はここまで綺麗なのかと感嘆の表情を浮かべ曙光を観入る。

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風が吹けば舞い上がった雪に光が反射し、黄金の風が吹く。

目の前が金に彩られる景色はこの時期でなければ観ることはできないだろう。

美しすぎる景色、間違いなく今ここは東京で最も美しい場所だ。

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オレンジの陽光は雪原を染め上げ、木々を色づかせる。

桜や紅葉に負けることはない、最高の景色の一つを目にしているのだ。

僕が2月に雲取山に行くといったら多くの人はバカだなといった。

時期ではないから勿体ないと。

でも僕はこの時期に雲取山に来て本当によかったと心の底から感謝した。

白いキャンバスを染め上げる金色の輝きを前に、山頂の人々はただ立ち尽くすのみだった。

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日も上がりきり、空が青く染まる。

オレンジに染まっていた景色は徐々に日々の平穏を取り戻して行く。

数時間前まで雪が降っていたというベストコンディションが産み出した景色は

どの季節の雲取山よりも美しかったのではないだろうか。

今後、雲取山っていついけば良いですかと聞かれたら冬と即答したい。

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山頂を満喫しきった人々はちらほら避難小屋に降り、今日の下山準備を始めるようだ。

僕は凍りついたレンズを替えのレンズに交換し、山頂での撮影を続ける。

太陽が上がっても雲取山の山頂は素晴らしい景色を見せてくれる、

これが東京の景色だと行って信じる人は早々いないだろう。

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素晴らしい景色を見せてくれた雲取山、百名山に相応しい。

来年2017年は雲取山の年だ、来年もまた訪れよう…。

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朝焼けで夢中だったのだが、雲取山の山頂からは富士山もくっきりと見える。

東京と最高峰から眺める富士山は感慨深いものがある。

鷹ノ巣山や三頭山から観るよりも貫禄があるように感じるのは今までの苦労があるからだろう。

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避難小屋までのわずかな距離にすら楽しみがある。

朝焼けが終わったその場所にはキラキラと光る霧氷が残されていた。

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雲取山避難小屋の全景を忘れていました、上から観るとこんな感じの建物です。

トイレが汚いと有名だが、僕の来たタイミングでは掃除直後で最高に綺麗でした。

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避難小屋からでもこんなに綺麗な富士山が拝める、この避難小屋は本当に位置が良すぎる。

どこを見ても霧氷、何をとっても楽しい天国のような時間が始まりです。

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午前8時00分、雲取山避難小屋出発。

だいぶ遅くなりましたが雲取山を下山します。

ありがとう雲取山、こんな素晴らしい富士山までプレゼントしてくれて。

富士山は今年のうちにもう一度登っておきたい、富士山の御来光もまた素晴らしいものです。

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快晴の石尾根、降ったばかりのパウダースノーの中を歩いて下山します。

今日の目的地は奥多摩湖、ここからまた長い戦いが始まる。

帰りのルートを説明すると、

以前歩いた鷹ノ巣山から石尾根下山、この石尾根は雲取山スタートの縦走路となっています。

今回はそれをすべて繋げるため鷹ノ巣山に登り、そこからはアドリブで降りることに。

体力と水に余裕があれば奥多摩駅に、無理そうなら奥多摩湖に降りる算段です。

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石尾根からは常に透き通った美しい富士山を観ることができます、

空気が透き通ったこの時期だから見れる景色ではないでしょうか。

この時期に来て本当によかったと思う。

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この山もまた人生最高の山に違いない。

東京都最高の山であることは疑いのない事実だし…。

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千葉県出身のダッフィーも東京都最高峰を踏めてとても嬉しいことでしょう。

クリスマスダッフィーなので背景に非常にマッチしています。

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山頂をさんざん満喫し、すっかり時間も遅くなってしまいました、ヤバイ。

今日の下山は遅くとも午後3時にはしたいので、急いで歩くことにします。

しかし、美しすぎる景色のためなかなか前に進みません。

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これだけ立派な霧氷、僕は見たことがありません。

氷が枝に張り付いた見事な霧氷、奥多摩で観れて本当によかったぜ。

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昨晩の積雪や、寒さで木々からは氷柱が降り

それに光が反射することなより自然の芸術が生まれていました。

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気持ちいい石尾根を七ツ石山に向かって歩きます、雲取山から結構あるもんなんですね。

鴨沢から上がるルートはトレースがしっかりとついており道も太く、昨日の三峰が嘘のようだ。

当たり前ですが鴨沢の方が人気があります、普通に登るなら鴨沢一択でしょう。

クラシックルートが好きな方は三峰になりますけどね。

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午前9時5分、町営奥多摩小屋。

奥多摩小屋も人で溢れ帰っていました、ここにも結構な人が宿泊していたようです。

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奥多摩小屋はご飯がない小屋で、基本的には素泊まりの場所となります。

その分安いのが特長。

ただ鴨沢から歩く場合余程遅い時間に到着しない限りはお世話になることはない気がします。

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奥多摩小屋を出れば七ツ石山はもうすぐなはず。

冬なのでこの距離を歩いただけでも結構体力にきますね、昨日の疲れもあるんでしょうけど。

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9時も周り流石に雲が沸き始めてきました、今日は快晴というわけではなさそうだ…

山の上に雲がかかる前に樹林帯の中に逃げ込みたいものである。

しかし富士山はいつ何時も男前だ。

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石尾根の感想はただひたすらに解放感がある、気持ちが良いです。

鷹ノ巣山よりも奥側の尾根道の方が楽しいですね、道が広いし。

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午前9時45分、ブナ坂【鴨沢七ツ石分岐】

ブナ坂に到着しましたが今回は七ツ石山に登るので、鴨沢にはいきません。

ほとんどの登山者は鴨沢に下山していきました。

普通に考えたら七ツ石に雲取山側から登ることはないですね。

だってみんな鴨沢から来るときに登るもんね。

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七ツ石山取り付き開始、直登がきつい…

石尾根は鞍部と直登を繰り返す傾向がありますが、ここも安定してきつい傾斜でした。

雪がなければ余裕で歩けると思うのですか、なかなかに足元が重い。

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午前10時00分、七ツ石山山頂。

ブナ坂から15分ほどきつい登りを終えると直ぐに七ツ石山の山頂に出ます。

ほんの一瞬ではありますが、その一瞬の登りが辛いっての。

七ツ石山から鷹ノ巣山方面を見ても鷹ノ巣山は見えないので注意。

石尾根に見えるピークは全部別の山なので心が砕けちまうぜ…。

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鷹ノ巣山方面に向かいますか、ここで一気にトレースの数が減りました。

直近で歩いた2~3人分しかありません。

ようやく不穏な雰囲気がしてきてくれた、やっぱりこうでないと楽しくない(白目)

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先行者はワカン装備の模様、足元の雪は表面が硬いけど中身はさらさらという嫌な状態。

足を置くと穴があき奥のざらめに足をとられます、砂の上を歩いているようだ。

今年の奥多摩なら6本で行けると思っていたがこんな罠にかかるとは思わなかったぜ。

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体力を削られていく最中、左右には残酷なまでに美しい冬の奥多摩の景色が流れていきます。

雪が積もらない場所では枝に氷が巻き付いて美しい造形を作り出します。

写真を撮っている時が唯一の休憩に。

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生えてる木全てがガラスで作られた木のようです。

肉眼で観ると太陽の光を反射して七色に輝くのですが、それが本当に綺麗。

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氷の樹木を眺め続けるわけにもいかないので、石尾根を進みます。

何度も上っては降りてを繰り返すこのルート、冬は凄いヘビーです。

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何よりトレースの薄さがヤバイ、これは間違いなく追い付く気がする…。

目の前にピークが現れる度に鷹ノ巣山を期待します、しかしそんなわけはありません。

全部他の山なので期待するだけ無駄です。

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目の前に一人の登山者が現れました、この時の僕の顔は間違いなく苦虫を噛み潰したような顔。

ワカンがない状態で先頭は正直無理なので、トレースをこのままいただきたい…。

後ろをついて行かせて欲しい…。

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午前10時45分、高丸山前。

ちなみに先行者に追い付いたのは高丸山手前でした。

先頭の方々も登りに大分体力を削られていたのか、高丸山には登らず巻き道を選択。

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高丸山の斜面をトラバースするルートで歩きますが、これがとても怖い。

冬は歩ける道の幅が狭いので油断するとよくないことが起こりそうでした。

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30分もないトラバースでしたが随分と濃厚な時間を過ごした気がする。

なんとか石尾根に復帰して次のピークを目指します。

しかし降りたら直ぐにこの光景でいい加減に飽きています、白い地獄かよ。

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高丸山の次のピークである日陰名栗峰はトラバースルートが無いため頑張って上りました。

頑張った分後で降りる時の辛さよ…。

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母さん、僕は今奥多摩にいます。

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霧氷も今年分は見たな!!という感じ

しかし出てくる度に綺麗だから見ちゃうんですよね…、困ったものです。

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2016年2月7日12時00分、鷹ノ巣山避難小屋。

鷹ノ巣山避難小屋にやっとのことで到着です…、雲取山山頂を出て4時間。

流石に水がなくなっていたので、ここで雪を溶かしてお湯を飲むことにしました。

かなり時間がかかるのでおすすめしません…。

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鷹ノ巣山に二回登ってる僕ですが避難小屋は初めて見ました、こんな建物なんですね。

山頂からはかなり下ったところにあるので、稲村岩から来たりすると目にすることはないかも。

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鷹ノ巣山避難小屋から山頂までは片道35分。

冬の登りで考えれば多分ちゃんと35分かかることでしょう。

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乳酸で脚が爆発しそう、荷物が軽くなったとはいえ準テント装備の僕には厳しい登り。

流石に奥多摩の中ボスです、やってくれる。

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正午12時50分、鷹ノ巣山山頂到着。

これで奥多摩の石尾根を雲取山から奥多摩駅まで全部一度は歩いた状態になりました…

個人的には大満足です、もう石尾根歩かなくていいんだ!

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鷹ノ巣山は日帰りで上れる奥多摩の山ではもっとま展望の良い山と言えます。

大菩薩や丹沢までくっきり見えるので、奥多摩で迷ったら選択肢にいれても良いのでは?

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鷹ノ巣山からは二回歩いた石尾根の下りです、とにかく長いのが特長。

奥多摩駅まで歩くと何だかんだで4時間はかかることを覚悟しましょう。

今回は体力と水の事を考えて奥多摩湖へ降ります、ルートはこの時点では考えていない!!

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熱海か水根に降りれば奥多摩湖へ着くのはわかっていました、ただ心配なのはトレースです。

鷹ノ巣山からはトレースが復活しましたが、そのほとんどは石尾根縦走のトレースでした。

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午後1時5分、水根方面分岐路。

倉戸山に行く場合、途中で登りが挟まりそうなので不安になる。

水根で降りれば間違いなく登りはないのではないかとこの時点で予想。

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分岐路で水根と倉戸山のトレースが同じ雰囲気である事を確認した僕は水根を選択。

渓谷沿いの歩きとなりますが、これがすごく大変な思いをすることに。

次行くなら絶対に倉戸山から降りますね。

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奥多摩の杉樹林の中をすさまじい速度で下山、雪の下りは普段の二倍の速度は出せてると思う。

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水根はひたすら渓谷沿いのトラバースを歩くルート、登ることは一切なく降り続けるのみ。

だから選んだのだが、トレースが貧弱かつ足が滑ると水にぼちゃんなので緊張感が半端ない。

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歩きながら気がつきますがこのトレース、朝ついた感じではないようでした。

途中いくつもの橋を渡り川と共に標高を落としていきます。

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こういうところを通るたびにピッケルが欲しくなる、ダブルストックと6本アイゼンでは心配。

ツボ足トレースにいつの間にか変わっていたので、うまく足を突っ込みつつ進みます。

足跡がない場所に足をついて横ずれでもしたら一大事だ。

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光の当たらない斜面の雪質は非常に悪い、ザラメがサラサラになった雪なのでとても滑る。

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午後2時45分、ようやく雪のない道が現れ始める…、雪と土の道が交互に現れるので

6本爪のアイゼンを外したのですが、これがなかなかに具合が悪かった。

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しばらく姿を見ていなかった指導標が姿を現す、下山はもうすぐと思い安心します。

すると口からエクトプラズムが上がっていくのが見えました。

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そしてついに民家のある場所に帰還、本当に長い山行だった…。

予定通り午後3時に下山したことにちょっと驚く、時間いっぱいまで使いましたね。

奥多摩の奥地、人里に降り立つことが出来て感涙である。

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水根を使って降りたのは初めてでしたが、ここで衝撃の光景を目にします。

奥多摩では山に籠る芸術家が多いのでヘンテコなものはよく見るけど…。

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なんか変な看板が…かかってるよ。

即日無断入居っていう字が最初に目に飛び込んできて驚きました、よく見たら鳥小屋だし。

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焼き物がアフリカの呪術で使われそうな勢いで怖い、なんだこの目は!!

ようやく山を降りれたと思ったら恐怖の館に降りてきてしまった気分です、家に帰りたい。

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奥多摩へんちくりん小屋という施設でした。

まじまじ写真撮ってる時に奥から物音が聞こえてビクンッとしたのは内緒だ。

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午後3時、奥多摩湖到着。

車道という文明の証に出てきた時の感動は毎回素晴らしいものがありますね。

やっぱり文明っていいなと思える瞬間です。

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バス停の前には【奥多摩水と緑のふれあい館】があるので、まずは勝利の水を補給します。

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勝利の水は最高に美味しい味でした、このコーラは今この世で一番うまいコーラだッ!!

登山後の炭酸飲料ほど美味しいものはありません、山で泊まった後ならより美味しく感じる。

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午後3時23分出発のバスで奥多摩駅に戻った僕はそのままもえぎの湯へ行き

この二日間の汗をしっかりと流すのでした。

シャワーを浴びた時に自分の汗で水が塩っぱくなって苦笑いしました。

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2016年2月6日〜7日の雲取山登山を締めくくる瓶ビールを頂く。

人生でこんなに満足感に溢れた瓶ビールはあっただろうか?いや、ない。

下山後に酒を飲むことは今まであまりなかったのですが、この日ばかりは解禁。

殺人的なうまさを誇るビールを飲み、コップに注がれた黄金色のビールを眺めながら

雲取山の御来光を思い出すのでした…。

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雲取山、東京都最高峰にして奥多摩の盟主。

その実力は2月という奥多摩通常シーズンとは全く別の時期であっても遺憾なく発揮された。

白く染まった針葉樹が山肌を染め上げ、青空の下奥秩父と富士山を望む。

間違いなくこの日は雲取山日和だったのは間違いない。

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これまでの僕の中の奥多摩のイメージを完全に覆してくれた冬の石尾根。

この時期に登ったっていいじゃない、冬だって最高にお勧めできる山なんだぜ

ということを声を大にして言いたくなるような道でした、奥多摩は本当にいい所です。

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御来光を見るまでずっとハラハラし続けた雲取山登山。

結果大成功という形で幕を閉じましたが、道中は不安でたまらなかったのも事実。

冬山を一人宿泊装備で6時間以上登り続けた経験は今後も活きてくることでしょう。

三峰から登るのは流石に人にお勧めすることはできませんが、厳冬の雲取山であっても

鴨沢からなら登山客も多く楽に登れる山だと思います。

避難小屋に泊まれば小屋の前には東京の夜景と美しい星空が広がるので、とてもお勧めです。

冬山登山に興味があって泊まりを試してみたい方には是非お勧めしたい山となりました。

冬の雲取山で見る御来光は最高に綺麗なので是非! 

雲取山の地図はこちら

分県登山ガイド 12 東京都の山

分県登山ガイド 12 東京都の山

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