2023年4月23日、高尾の少し先は大月市から上野原にまたがる高柄山を歩いてきました。ヤマツツジと藤の花で登山道が賑わうことが有名な山で、標高は733mの低山となります。秀麗富嶽十二景の九鬼山、高畑山、倉岳山に連なる山脈の東側にある高柄山ですが、中央線沿線の山々を歩く中で「目立つけど登ってない山」として自分の中では心残りとなっていた山でした。
お勧めのシーズンはツツジが咲く春、本格的な登山シーズンとなる5月を前に肩慣らし的な休日ハイキングを兼ねて歩いてみたのですが、そこにはツツジの罠が待ち受けていました……恐るべしツツジ。
四方津駅をスタートして上野原駅へと歩きぬける高柄山登山、下山後は上野原のお洒落な食事スポットや風光明媚な湖の景色を楽しみます。
新緑とツツジの花を求めて歩く春の里山登山の始まりです。
ツツジの当たりはずれほど恐ろしいものはない、ぬぉーーーっ図ったなヤマツツジ!!!高柄山に登るときは当たり年を狙えェ!!
高柄山日帰り登山の概要
四方津駅から歩く春の里山
2023年4月23日午前7時50分、四方津駅。
おはようございます、Redsugarです。本日も遅めのスタートで四方津駅にやってきました。珍しく天気が微妙な日に歩くわけですが、本日はヤマツツジと藤の花が有名とされる高柄山を目指します。
中央線の高尾大月間ですが、ここ数年で駅舎の改装が次々と行われてどこも素晴らしくきれいになりました……マジでありがたい。
さて、四方津駅を降りて天空のニュータウンコモアしおつへ向かう巨大なエスカレーターを眺めながら高柄山へ向かいます。高柄山は駅の南側にあるので線路を越えて桂川方面へ。
橋を利用し桂川を渡って登山口を目指します。橋から川を眺めていると……渓流釣りをしているおじさんがいますね。
調べてみればヤマメとイワナと渓流釣りとしてはよく聞く魚が釣れるんだとか。
塩焼きにしたらどちらがうまいか?という観点ではRedsugar的にはヤマメ、圧倒的にヤマメ。
オオカミの狛犬さんかな?と勘違いしてしまうようなお稲荷さん。関東の山にはオオカミの狛犬がよくみられるから勘違いしちゃったよね。
四方津駅から高柄山登山口までは変わったものが結構見られます。民家のわきに釣鐘?が設置されていたりとか……。
地図を眺めながら林道のように細い道を登って高柄山の登山道を目指します。大月周辺の登山口あるあるな景色だよねー。
登山口周辺にはピンクテープが丁寧に張られていてコース案内はバッチリ。正直西にある秀麗富嶽十二景の山々と比較するとマイナーも良い所なので整備具合は心配だったけど……その心配は無用だった。
登山道はよく踏み鳴らされていて明瞭なうえに歩きやすい。だがその斜度や時折現れるキレた斜面などから加味するとガチガチの初心者向けとも言いにくい。西側の秀麗富嶽の山々を歩ければ問題ないんだろうけど。
道中の案内は倉岳山とかに比べても手厚いと感じる、ピンクテープがとにかく多い、丁寧か。
境界標と思われる柱も登山道中に沢山打ち込まれているのだけど、真っ赤な境界標が新緑の山の中で自己主張を強めていた。そして……今のところうわさに聞いていたヤマツツジの姿が全くない、これはもしや……?
ちょっと待てよ、もしかして……今年は裏年なのか!?
高柄山を目指しつつ結構長いこと登山道を歩き続けている中で「どう見てもツツジの木」をたくさん見てきたけどどれも花が咲いていない、かろうじて満開の木を一本発見したが……これは完全に裏年。アカヤシオやシロヤシオ、ミヤマキリシマの裏年というのは細心の注意を払ってレポートでチェックしていたんだけど、ヤマツツジは大体いつもそれなりに咲くでしょと思って事前のリサーチを緩くやってしまったツケがこんなところで。
よく考えなくてもツツジだもんな……、表裏あるよな……やっちまったなッ!やっちまったなぁ!
その後、いくつか咲き誇るヤマツツジを確認することはできましたが……登山道どこもかしこもヤマツツジという状況とは言えず。新緑の黄緑色が眩しい山道を高柄山目指して歩き続けることに。
新緑の黄緑に浮かび上がるピンテが眩しいぜ……。
時折山の中から上野原の谷間の集落でしょうか、そんな感じの民家を見下ろしながら進みます。
高柄山がある山脈は北に中央線、南側は道志山塊との間に集落がぽつぽつとある感じです。
八王子から少し西に行くだけでこんなにも秘境めいた景色があるんだもんなぁ……。
新緑の波が杉林に侵食していく……、でも基本は杉林。そんな道を歩き続けていくと工事中の林道エリアと合流します。
杉林を抜けると進行方向右側の眼下には林道と小さな重機。休日なので作業はしていなかったけども、いったい何の用途の林道なんでしょうね?送電線とかはあたりに見当たらないんだけども。
静かな新緑の高柄山と御前山のフジの花
午前9時35分、林道出合。
林道と並行する形で登山道を進み続け、一時的に林道に出てからまたすぐに登山道へ。二回ほど林道を横切ることになるこの地点は地図上で大丸と書かれたポイント。写真三枚目の看板があるところは矢平山、四方津、高柄山の分岐点となります。
高柄山目指して大丸からは40分ほどのアップダウン、登山道中にはゴロンと露出した巨岩がいくつか……この辺だと珍しいですね。
岩の雰囲気が西側の山とちょっと違う……。
高柄山って信仰とかそういうのは無いもんなのかね、と思って歩いていたら……突如姿を現しました。木のうろの中にお地蔵さまが奉納されてます、かわいいお地蔵さんだね??
高柄山山頂手前にある天然の祠ですが、可愛らしいので登山時はぜひ探してみてください。
修験の痕跡めいたものは歩いていて発見することはできなかったけど、かわいいお地蔵さんは見つけれましたよ。
午前10時35分、高柄山。
お地蔵さんからほどなくして山頂へ到着。山頂には小さな神社があり、ここまでやってきてようやくここも地元の人にとっては神聖な場所だったのね、というのがわかりました。ヤマツツジがない、景色もないとなれば郷土史的な側面みたいなものを探して歩く感じにしてるのですが……高柄山の道中は割とすべての成分が薄かったような気がする。
まぁ……つまるところヤマツツジがないと相当薄味なルートだなと思う……、申し訳ないのですが。
山頂付近からは上野原方面の眺望がよい、こんもりとしたのは何だろぉ~と思って眺めていましたが。
まさか今から下山する方向にある御前山だとはこの時点では気が付いていない。
なんか後半登り返しが随分ときつい山だなと思ってたんだよなぁ……。
高柄山から上野原へ降りるということは新矢ノ根峠で標高をググっと落とし、そのあと御前山に登り返す道のり。地図上では「かなりハードな道」と書かれています、調べた感じそこまでハードじゃないから歩いていたけども……。
高柄山から先は深緑が続く、時折申し訳程度のヤマツツジが現れるが……、裏年は悲しい。
木漏れ日差し込む森の持つ癒し効果を楽しみつつ……というかこれくらいしか楽しみがない。
お、ナナフシみたいな倒木があるぞ!!!
道中はかなり見るものがない、生き物っぽい倒木を眺めながら歩く。
今度はカタツムリだ……?
倒木くらいしか楽しむものがない、というような登山ブログとしては非常に苦しい状況に追い込まれたところで新矢ノ根峠へグググッと降りてきました。今度は杉林で真っ暗かよ……と思っていたのですが、ここから先の登りが確かにハードでびっくりすることになるのです。
ちなみにこの辺……熊が居そうな雰囲気がビンビンだった!!
「御前山直下まで登るかなーりハードな道だ!」と地図に書かれていたが、そのハードさのジャンルは崩落具合による部分が多く、足元モロモロ崩れてくんだけど!!??っていう感じの道は確かに慣れてないと怖いだろうなぁと思えるものだった。
しかも、御前山の山頂まで一直線に登っていくものだから息も上がるよね。
御前山山頂直下まで来たところで、目の前に藤の花が満開になっているエリアが現れた。正確には御前山の少し手前の痩せ尾根に上がる部分で、背の低い藤の木に実った花が手を伸ばせば届くような場所に咲き誇っていたのだ。
ヤマツツジの裏年を引いた悲しきRedsugarですが、こうして今藤の花に癒されております!!!あきらめなくてよかった!うれしいですッ!!
藤の花があって本当に良かったと思いながら尾根に上がると……あれ、景色がいいぞ!?
痩せ尾根から顔を突き出した岩の上に立ってみると西側にぴょこんと顔を出した倉岳山がよく見えます。
秀麗富嶽十二景の山々の外観を気にしたことはなかったけど、意外に尖がってるんだね。
こちらは扇山方面、画面中央にどすーんと座る山が扇山だけども……あいつはやはりカッコいい!
百蔵山と扇山を縦走したときも麓からみる姿でいうと扇山がやはりカッコよかったもんねぇ。
南を向けば真正面には台形型のずしりとした体形の山、これがさっきまで歩いていた高柄山ですね。御前山山頂は藤の花以外にもコブシっぽい花が咲いていて、ヤマツツジの裏を引いた自分を慰めてくれているようでした。
午後12位30分、御前山。
痩せ尾根を抜けて御前山山頂までやってくると眼下には上野原の町が一望できる景色が待っています。
下山後はハヤリテラスの激ウマソーセージ
ここまでくれば後は30分下山すれば林道です。御前山山頂からは上野原の平地に築かれた街を一望できます。
さっきまで見ていた谷間の集落と比較すると、上野原って都会なんだなぁ……。
午後12時50分、高柄山登山口。
御前山山頂には放置され傾いてしまった社がありました、今は朽ちていくのを待つだけのようになっていたけども。
山頂からは特に見どころはない登山道を20分ほど歩いて林道へ合流、あとは集落を抜けて上野原の駅へ向かうだけです。
林道を出ると桂川沿いの道を歩いて上野原駅へ。道端にはお地蔵さん?お墓?現代的なコンクリの壁と昔から続く風景のMIXが変わった景色を作り出していました。
そしてここ、この下山してから桂川橋に行く間!!!覚えていてほしいのはこの道中にある「シロテナリ」というカフェです、超雰囲気がいいカフェですごく入りたかったのですが……風呂に入ってないということでスルーしてしまったのをいまだに後悔しています。
気になる方は調べてみてください、シロテナリ。滅茶苦茶お洒落です……!下山後にここでアイスコーヒー飲んでいきたかった。
上野原駅まで歩く道中は藤の花がどこもかしこも満開。ここまで来るとヤマツツジは不発だったけどまぁいいかという気分に。
桂川橋周辺は観光客と釣り人で賑わう、地図で確認するとこの少し先で桂川は相模川と名前を変えているらしい。
午後1時25分、上野原駅。
2017年から18年にかけて新しくなった上野原駅舎へと帰ってきました。風呂は無いけど飯は任せておけという上野原です。観光施設の中には山梨で作っているワインがずらりと並んだWine Wall Uenoharaなどが入ってます。
今回は駅のすぐ裏手にあるハヤリテラスさんで「肉」を食べることにしました。
ヌルっと終わってしまった高柄山登山だが何か収穫が欲しい!!と願ってやってきたハヤリテラスさんですが……ここは推せるお店でした。ソーセージが自慢のお店ですが地ビールも完備しています。そして何よりもお洒落です!
ホットドッグと聞いて想像するものとはちょっと違う、レベルの高いホットドッグが出てきたときにはテンションが上がります。お洒落なハンバーガーショップで食べるハンバーガーのように、ハヤリテラスで食べるホットドッグは見た目がもう洒落ていた、もちろん味も最高。
取り扱っている地ビールは小菅村のFar Yeastさんのもの、今回はホワイトを頂きホットドッグ→ビール→ホットドッグのループを達成、幸福度ランキングでこの時点ではRedsugarは上位ランカーであること間違いなかった……。
ソーセージとビールの組み合わせが不味いわけがない、うまい、うますぎる!!
ホットドッグとビールの奏でるパーフェクトなハーモニーを楽しみハヤリテラスを後にします。上野原駅にやってくるとやたら高校生が沢山いる……、日大付属の高校生でしょうか?野球部っぽい子たちが駅から北に向かって歩いていくのを眺めながら東京方面の電車を待つのでした。
翌年、坪山を訪れたときも早朝は高校生の大行列、上野原って学校の町なんだなぁと感心した覚えがある。
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