2016年1月26日、山梨県は富士見にある入笠山に登ってきました。
標高は1955メートル、スキー場のリフトを使うことにより山頂まで気軽に登れる
雪山初心者が雪山デビューするためにはとっておきの場所となります。
冬と言う期間は車がなければ登山は非常に厳しい時期です。
東京から、公共交通機関だけで雪山に行くためにはどうしたらいいのか?
今回はそんな悩みに真っ向勝負で挑んでみました
雪山に行きたいけど車持ちの知り合いもいないし、行き方がわからないよ!
そんな方には是非読んでいただきたい雪山登山記。
東京発電車で行く入笠山単独登山の旅の始まりです。
真っ青な晴れ間から照り付ける陽光を避けるように、雪化粧した樹林の中を歩いている。
サラサラとした新雪にはまだ新しい踏み跡がつけられており、足跡の上を同じように歩く。
想像していたような雪山はそこにはなく、
目の前は優しい雪道と上白糖のような雪が延々と広がっていた。
念願の雪山、一人ではあるが無事に歩けたことに心からの喜びが沸き上がる。
先行者の多いトレースを踏み外して、わざと新雪の中を歩く。
腰まで埋まる雪の中を膝と足で踏み重ねて一歩一歩進んで行く。
憧れていた世界に比べれば児戯に等しい世界だろう、
しかし僕にとっては貴重で次に進むために必要な歩みなのだ。
海星の晴れやかな天気の下、真っ白な世界を僕は進んで行く。
はい、今回は東京から電車だけで行く入笠山です。
本当であればこの時期はスキーバスを利用して入笠山に向かうべきなのですが
スキーバスをとることが叶わなかったため、電車を利用することとなりました。
以下に電車でのアクセス方法を記す
新宿発京王線高尾行き5:50-6:35 高尾乗り換え→
JR中央線松本行き6:42-9:10分富士見着→シャトルバスで富士見パノラマパーク
これは土日のダイヤですが、平日は甲府で松本行きに乗り換え9:50分に富士見に到着します。
東京から4時間近く電車に乗ることになりますが、雪山に行くことは可能なのです!!
しかし、交通費は片道2800円ほど、ロープウェイ1450円とあわせて7000円近くの出費
やはり、スキーバスを使いたいところです…。
入笠山自体はとてもコースタイムが短い山でした、
かなり時間をかけて登ったのですが、帰りには余裕で間に合いました。
富士見パノラマスキー場10:25→山頂駅10:45→入笠湿原11:05→
山頂12:00-12:55→入笠湿原13:35→山頂駅14:10-14:30→富士見パノラマスキー場14:55
時間調節をしたので限界近くまでタイムをかけていますが、普通なら2時前には帰れます。
では早速本日の登山開始です。
2016年1月26日8時45分、甲府駅。
出勤するサラリーマンの間を縫って東京から山梨へやって来た。
大月まで沢山のサラリーマンが乗っていたのだが、彼らはどこに勤務しているのだろうか?
そんなことを考えながら電車に揺られ約二時間、まだまだ富士見は遠い。
甲府で松本行き普通電車に乗り換える、当然のことながら登山客もおらずがらがらの様相。
眠りこけたりblogを書いたりしながら到着を待つ、車窓からは八ヶ岳や南アルプスの山々が雪を纏い鎮座している。
9時55分、富士見駅。
電車を降りるとピリッとはりつめた空気が僕を襲います。
雪国の肌を指すような空気に心が踊る、これから登る山に思いを馳せて改札を出ました。
富士見駅は木造のこじんまりとしたものだった、併設されているのは蕎麦屋くらい。
駅の回りはしんと静まり返っている、…流石平日ですね。
駅のトイレは綺麗なもので、とても清潔感に溢れていました。
こういう整備が行き届いているのは好感が持てる。
10:10分発のスキー場行きシャトルバスに乗り込み、富士見パノラマスキー場へ向かいます。
パノラマスキー場には10分足らずで到着、シャトルバスを降りれば目の前はスキー場
富士見からは本当にすぐですね。
登山用のゴンドラ往復キップ1450円(割引後)を購入しゴンドラへ向かいます。
スキー場のサイトに割引券があるので、ページを開いてスマホ画面を見せればOK。
平日だと言うのにゲレンデには多くの人。
大学生か不労所得を得たブルジョワジーなんだろう、
僕のようなサラリーマンにはうらやましい限りです。
スキーヤーと共にゴンドラに乗り込み山頂を目指す。
共に乗ったスキーヤーは60代のおじさまたちでした
定年後の楽しみなんだなぁ…、僕が定年するときには山に登っていられるのかな。
このゴンドラのお陰で標高を一気に稼ぎます。
なんか勿体ない気もするのは僕がブラック登山に染まっているからか。
10時55分、入笠山登山開始(プレイボール)。
12本アイゼンを装備して山に挑みますが、回りは全員スノーシューでした…選択を間違えたな。
なるべくたくさん歩きたいので樹林を大回りしていくコースを選びました。
この後訪れる入笠湿原で良い思いがしたい方は逆に行った方がいいです。
ギュッギュッという新雪特有の音をたてながら登山開始です。
スタートして二分で気分は最高よ。
トレースはしっかりしているのでアイゼンでも全然歩ける、拍子抜けした。
雪は少ないもののトレースを踏み外せばしっかり膝上までは埋まるので楽しいものです。
最高の天候に恵まれた入笠山を歩きます。
樹林帯はすぐに終わり入笠湿原に。
まず迷うことはない、この山ソロでも全く問題がない、晴れてれば。
入笠湿原が見えてきましたが、ただの雪原が広がっています…。
夏は湿原、冬は雪原で最高のロケーション
聞けばこの辺では貴重な高層湿原というではありませんか、確かにすでに標高1500越えてる…
入笠湿原に降り立つ、木道以外に踏み込んでずぼっと埋まったり、わざと雪に埋もれたりして遊べます
え、一人で遊んでるのかって??当たり前じゃない。
ある程度雪を満喫したら登山口へ向かいます。
さっき登山開始したと言ったな、あれは嘘だ。
入笠山登山口はマナスル山荘の手前なので入笠湿原よりも先にあるのです。
湿原から遊歩道に入ります、隣に車道走ってて同じ方向に行くけど遊歩道に入ります。
隣に車道あるけど遊歩道の方が100倍楽しいなぁ!!
この山親切過ぎです。
遊歩道から車道に合流、一直線に登れば登山口に到着です。
地図で見るとこんな感じ、短いコースタイムとは聞いていたけどここまで短いとは。
山頂まで1時間かからずに着くとか言われてるんだけど…。
今日はめちゃゆっくり歩くことにしました。
マナスル山荘、veryblue様情報では飯が美味しいらしい。
お腹はすいてないのでスルーすることに…
スルーしようと思ったけど犬がいたので近寄ります、そっぽ向かれる。
どうやらこの子には好かれなかったようです…悲しい、動物に好かれる人になりたいものです。
マナスル山荘の手前にはトイレがあり、冬季でも使用可能です、この山のトイレ充実度に感服。
入笠山登山口、ここから山頂への道が始まる…
山頂までは30分だからね!!!
本当に衝撃の展開、一時間くらい登るのかなとか、ラッセルしたいなとか
そんな想いを粉々に打ち砕く30分、なんという初心者コース、なんという思い遣り。
嘆いても仕方がないので登り始めます。
持ってきたストックと練習用のピッケル、両方使うことはないだろう…
意外にズボズボ足突っ込みながら上がるはめになりました、これ楽しいー!!
と非常にテンションが上がります、雪が降るとなんでもアトラクションになる
そう感じるのは僕が北海道民だからか。
ある程度登ればしっかりとしたトレースに出るので、足が埋まることもなくなります
吹きだまりの中を進んでいくのはとても楽しい、今年は雪も少ないので歩きやすいですね。
岩場コースと迂回コースが出てきました、なにも言わずに岩場コースに向かいます。
岩場コースは樹林の中、日陰を縫うように登っていくコースでした。
岩は雪の下にあるので全く岩場を感じない。
左に見える迂回コースは木漏れ日の中を歩けて楽しそうです、コース選択をミスったか。
岩場コースも5分ほどで日が当たるようになりました、落ち込むのは早かった
青空と雪の世界をもっと見せてほしい。
最後に少し岩場っぽい何かがありました、これを抜けると衝撃の景色がそこにはありました。
え??
えぇ?!!
ーーーーーッ!!!
2016年1月26日12時00分、入笠山山頂。
衝撃的展開です、散歩してたら山頂に着きました。
これでも1955mあるんだぜ…ゴンドラ恐るべし。
本日は風もなく全国的な快晴で何より。
目の前には南北アルプス、八ヶ岳、御嶽山、富士山の眺望が開けています。
しかし特に目立っているのはこの目の前の八ヶ岳、素晴らしいです。
八ヶ岳の正面写真はここ以外は無いんじゃないだろうかという景色です。
今日登っている人は大正解ですね。
今だ八ヶ岳には登ったことがありません、それが悔しくて堪らない僕ですか
今年はなんとしても八ヶ岳縦走で八ヶ岳を楽しみ尽くしたい、南八ヶ岳縦走待った無し。
中央アルプス方面、こちらも憧れの木曽駒、空木岳が控えています。
夢は中央アルプス123と呼ばれる空木岳、南駒ヶ岳、越百山を登るプランです。
僕が行けるのはいつのことか。
南アルプスと富士山、甲斐駒ヶ岳の特徴的な姿と仙丈ヶ岳が印象に残ります。
次に甲斐駒ヶ岳に行くときは北沢峠からいきたい。
快晴の富士山、空の霞を図るとき僕のなかでは富士山がどれくらい見えるかが指針です。
この日はバッチリです…、至仏山以来の快晴の雪山だぜ…。
今年から施行される山の日、おそらく富士山に登る人が多く、大混雑が予想されます。
富士山を目の前に、今年の夏の予定を考えてしまうのでした。
もちろん僕は人生最高の山である大朝日岳は外すことはできない予定だが…。
八ヶ岳を背景に、ダッフィーも去年はよく頑張ってくれました、今年もよろしくね。
写真を撮って遊んでいるとぞろぞろと人が集まってきました、なるほど、早く登りすぎたか。
一人で三脚を立て一人でポーズを決めていたので、人が少ない間に撮影できてよかったと安堵。
あんなん見られてたら嘲笑の的でしかない。
12時55分、山頂を満喫しきったので下山を開始することに。
雪山の特徴に、下山がすごく早いと言うことがあります。
雪のお陰で下りはとても早く歩けるんですね。
雪と青空にお別れを言わなくてはならないとは、悲しい。
この後また4時間の帰路が待ってると考えると、この辺で一泊して八ヶ岳でもいきたくなる。
すいすいと下山していきますか、つまらないのでトレースをはずして歩き始める。
太ももくらいの積雪のなかを歩いて下山しましたがこれは楽しい、
入笠山ではこういうことすら楽しくなるのか。
13時15分、開けた場所に出ました、ちょうど真向かいがマナスル山荘があった場所です
戻ってくるの早すぎ、本当に一瞬で下山してしまった。
雪深い場所を探してはプラトーンしてみる。
こうしている間にも数組のカップルが隣を歩いて行く。
さらには後ろでバックカントリーしたいおじさんがずーっと僕を見ている始末、恥辱である。
写真を撮るのも飽きたので下山開始。
バックカントリーのおじちゃん以外はもう一人になってしまっていました。
入笠山を独り占めといっても良いだろう。
湿原ゲレンデの入り口まで戻りました、あとは入笠湿原を歩いて帰るだけです。
早かったな入笠山…。
入笠湿原に戻ってきました。
湿原のとなりにある山小屋はおやすみ中らしい、そりゃそうだよね。
夏に来ることは考えてないので縁はないだろう。
行きに使わなかった入笠湿原の上り坂を上がって帰ります。
ここはだだっ広くてとても気持ちよかった思い出があります。
風のお陰で不思議な波紋が出来ていました。
今回は海老の尻尾とかは見れなかったので、次回に持ち越し。
ふと思い付いたので名前を書いてみる、すぐに消す。
他人の名前を書く、消さない。
他人のよく来ているTシャツの柄を書く、すぐに消す。
漢字が意外に綺麗に描けて満足しました。
坂を登りきると倒木の跡が現れます、これを左に歩けば電波塔が見える
電波塔まで歩けば山歩きは終了です。
入笠山電波塔、何の電波施設かは解りませんか立派な電波塔が二本建っています
結構でかい施設で驚いた。
14時2分、電波塔の横を歩けば標識が出てきます、ゴンドラまで3分だと…。
14時4分、3分かからずにゴンドラまで戻ってきました、目とはなの先じゃないか。
物足りなくも感じますが、これにて本日の登山は終了となります。
スキー場からは八ヶ岳がよくみえる…。
今日八ヶ岳に登った人は幸せ者ですね。
目標である谷川も晴れていたため、帰りの電車で歯軋りしてしまったのは別の話。
スキーヤー、ボーダーたちの合間をすり抜けて下山の準備を始めます。
この山で最後にとてもよかったのは、ロッジがあるお陰でお湯が使えることです。
アイゼンについた雪を落とし、装備を全部綺麗にしてから下山できたのはすごく幸せでした。
何故かゴンドラに乗る際に暖かいおしぼりをいただきました。
顔を拭いたら昇天しそうになるくらい気持ちよかったんだけど。
八ヶ岳も見納めです、15時10分発車の富士見駅行のシャトルバスに乗りスキー場を後にします。
富士見駅に到着、まだ全然明るい。
そういえばスキー場でも山頂でも食事をとっていなかったことを思い出す。
コースタイムがめちゃ短いうえに全然歩かなかったのでお腹がすかなかったんですよね。
富士見名物のそばがあるとのことなので、駅でそれを食べることにしてみる。
空腹という最高のスパイスがあるということを抜きにしてもなまらうまい蕎麦を食す。
反則の美味しさでした、これ全然ありです。
駅前のキップ売り場、新宿と言う広場なのかこれ。
各種特急キップが少しだけ安く買えると言う代物でした。
鈍行も売っている模様、既にスイカチャージ済みなんで使いませんでしたけども。
電車が来るまでの15分近くの隙間時間、駅構内をうろうろとしてみました。
雪の田舎と言う感じがあってよかったですね、帰路につく高校生達に青春を感じる。
こんなところにすんでたら高校生の頃にはアルプス登れちゃうね。
そして帰りは再び鈍行で富士山を眺めながら帰るのでした…。
帰りは接続が悪く塩山で一度電車を降りたのは別の話…。
2016年登り始めは雪山初心者御用達の山、入笠山でした。
ずっと山に行きたい日々が続きましたが、なかなか行くことが叶わず
ようやく訪れることができた山に感激を覚えました。
しかし、物足りなかったのも間違いがない事実。
ロープウェイを上がってすぐに着く山頂は展望抜群、
初心者を連れて来れば一発で山にはまること間違い無しです。
また、晴れていればぼっちであっても上れる山かなと思います
車がなくても東京から電車で来るとことができるので、思い立ったらすぐ登れます。
雪山にどうしても行きたい方にはおすすめです。
入笠山の地図はこちら
- 作者: 昭文社地図編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2018/02/27
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コメント
コメント一覧 (3件)
FB経由で見に来ました!
楽しさが伝わってきて凄く読んでて楽しかったです
また投稿して下さいね
お久しぶりです。入笠山はコース短いですよね。ただ展望が素晴らしかったのは覚えています。私が行ったのは春くらいでしたが、その時もおしぼり配ってました。
あれ最高!!
のりさんず様
ありがとうございます、ちょこちょこsnsにも張りつつ記事を更新していくので、気になる記事があれば読んでいただけると幸いです。
kitasennju_yamabu様
いつもありがとうございます。
入笠山はビックリするくらいコースタイムが短く本当に驚きました、一瞬で山頂についた覚えがあります。
記事では時間をかけてますが、たくさん自撮りしたりゆっくりあるいたりとかなり試行錯誤しました(笑)
おしぼりは本当に気持ちがいいですね、すべての山につけてほしいです。