【南アルプス】真夏の南アルプス南部縦走、巨大なる山々を歩く夏山一大登山の旅

2018年7月13日から17日にかけて、南アルプス南部の悪沢岳と赤石岳を周回してきました。
悪沢岳の標高は3,141m、赤石岳の標高は3,121m。
今回歩くのは巨大な山々が連なる南アルプスの南部の主要山岳地帯といった場所です。

南アルプス南部の起点となる椹島から入山し、反時計回りで悪沢岳に向かい、そこから赤石岳へ向かいます。
2018年夏のビックイベントとなった南アルプス南部縦走。
悪沢岳中岳避難小屋といった普通に歩いているとなかなか泊まらない場所に泊まったり、寄り道をたくさんした結果最高に楽しい登山となりました。
なかなかアクセスに難があるこの2つの山ですが、様々なルートで楽しむことができる場所でもあり、何度も歩きたくなる魅力が詰まっています。
何よりも山が大きく、過去聖岳から見た巨大な山である赤石岳についに登れるのかと気持ちの高ぶりを抑えるので精一杯でした。天候は全日晴れ、人間高気圧の本領を発揮した南アルプス南部の旅の始まりです。

目次

悪沢岳、赤石岳周回縦走について

南アルプス南部縦走についての概要
南アルプス南部の登山ルートは体力勝負となります。
一日目で獲得しなくてはならない標高が非常に多く、初日で体力を奪われる登山を強いられます。
時計回りルートである椹島→赤石岳→悪沢岳→椹島の周回は初日2,000m登るか、赤石小屋に泊まるかという選択肢となります。
Redsugar的なお勧めは反時計回りのルート。
悪沢岳→赤石岳のルートは千枚小屋宿泊で、翌日千枚岳で雲海を眼前で見ることが可能。
体力的にも比較的楽なのでおすすめしたいところです。

南アルプス南部の宿について
南部は東海フォレストの管理地となっています。
畑薙第一ダムから椹島までのバス料金が宿泊費の一部となっており、東海フォレストが運営する小屋に宿泊することが椹島から歩く一般的なハイカーにとっては普通となるでしょう。Redsugar的にお勧めしたのは中岳避難小屋と赤石岳避難小屋、3,000mの稜線上にある小屋で星空の撮影や朝日、夕日の撮影拠点として非常に良いところです。

■畑薙第一ダムへのアクセス
【椹島行高速バスを使う方法】
「毎日アルペン号椹島行」を利用する方法が、登山バス利用としては一般的です。
また、静岡駅から静鉄バスの「南アルプス登山線」を利用する方法もあります。
【車で向かう方法】
かなり過酷ですが、関東からは車で畑薙第一ダムへ向かうことが可能です。
僕の例で埼玉県浦和から向かう場合は下記のような状態になりました
【高速】浦和南IC→新静岡IC 4,380円/5,380円(ETC/普通)
【一般道】国道362号線→音戯の里→県道60号→畑薙第一ダム
一般道の選択肢が県道27号を使用するものと、国道362号から回るものになります。
道のひどさはどちらも変わらないので、27号を使ったほうがいいかもしれません。
どちらも5時間から6時間の運転を見込むことをお勧めします。

今回の悪沢岳、赤石岳周回縦走のスケジュール
【1日目】 
椹島8:40→登山開始9:10→岩頭見晴らし10:25→標高1,500m11:00→蕨段13:30→見晴台13:40-14:00→駒鳥池15:20→千枚小屋16:00
合計登山時間 7時間20分(標準CT約6時間30分)
縦走装備と夏場の気温を考えると標準CTで登るのはかなり困難ではないでしょうか?

【2日目】
千枚小屋2:50-3:50→千枚岳4:30-5:00→丸山6:05→悪沢岳7:10-7:50→中岳避難小屋9:05→お花畑9:50-10:30→荒川前岳11:00→中岳避難小屋12:15
合計登山時間 8時間25分(標準CT2時間40分)
普通は中岳避難小屋に泊まることはないと思いますが、標高3,000mを越える稜線上の小屋でロケーション最高のここに泊まるのが今回の特徴です。

【3日目】
中岳避難小屋4:00→荒川中岳4:20-5:20→荒川小屋6:30-7:25→大聖寺平8:00→小赤石岳9:20→赤石岳9:50-10:15→赤石岳避難小屋10:45→富士見平12:30→赤石小屋13:00
合計登山時間 9時間00分(標準CT6時間10分)
南アルプス南部の稜線を最高のコンディションで堪能した一日です、中岳から赤石避難小屋をつなぐように歩き、晴天で朝焼け夕焼けを狙う動きでした。

【4日目】
赤石小屋2:00→赤石岳山頂4:00-5:05→富士見平6:35→赤石小屋7:15→3/5地点8:10→1/5地点8:50→椹島ロッジ9:20
合計登山時間  7時間20分(標準CT9時間25分)
赤石岳山頂からの下りはかなりハイペースで下れます。
特に赤石小屋から先は降りてみて思いましたが、完全なバカ尾根なので登りでは絶対に使いたくありません。

この登山で利用したお金
交通費往路   :4,080円/5,380円
交通費復路   :4,080円/5,380円
ガソリン代   :約4,000円
バス      :3,000円
初日朝食    :750円
バッジ2つ   :1,000円
宿泊費(千枚小屋):6,100円(夕食+お弁当+寝具+トイレで9,000円からバス代を引く)
宿泊費(中岳小屋):7,000円(夕食+素泊まり+寝具)
宿泊費(赤石小屋):8,100円(夕食+宿泊費+トイレ)
行動食      :4,100円
温泉       :510円
合計 約43,000円~45,000円
バス料金が宿泊費のチケットになるなど、結構トリッキーな山域です。

畑薙第一ダム、白馬村よりも遥か遠い南アルプスの入り口へ

足柄SA

2018年7月13日、午前4時20分、東名高速自動車道足柄SA。
おはようございます、早朝の東名高速足柄SAです。
子育てと仕事に追われ白髪が数本生えてきたRedSugarです。
本日はですね、南アルプス南部に聳え立つ超巨大マウンテン「悪沢岳」と「赤石岳」へ登ります、ついに南ア南部の盟主に登ります!!!
……南アルプス南部へのアクセスは東名高速なんですね、埼玉からだと本当に遠くてめまいがします。
時間的には5時間から6時間なのですが、東北道なら岩手に行けますね。

足柄SA

SAでメガシャキ的なものを買うついでにウロウロしましたが、誰もいません。

清沢橋付近

午前5時35分、静岡県葵区清沢橋付近。
畑薙ダムが遠い、全然到着しません。どうなっているんでしょうか?
家を出たのは深夜1時付近……東北道ならもう福島は越えているぞ、というくらいの時間が経過しています。
静岡県北部の山の中、大井川一帯は山深過ぎてわけがわかりません、峠を二回くらい越えたんですけど…。

道の駅音戯の里

午前6時10分、道の駅音戯の里。
畑薙第一ダムの手前の最終補給地点にしてトイレスポットに到着しました。
朝イチでやってきたので誰もいません、駅の向こうではリアルきかんしゃトーマス達が静かに出迎えてくれました。
※ちなみにここのトイレはウォシュレット付きです、静岡県内でやばくなってもここならなんとかなります。

道の駅音戯の里

音戯の里は大井川鐵道の汽車が停まっている駅でもあるんです、汽車がマジでトーマスなため正午付近になると子連れのファミリーで溢れかえります、トーマス好きな子どもたちの聖地です。
また、周辺はSLも走るので鉄オタの方々がめちゃくちゃたくさんいます、つまり、登山者は肩身が狭い場所です。

畑薙ダム駐車場

午前7時25分、畑薙第一ダム駐車場。
家を出てから6時間ほどが経過した午前7時半、ついに、ついに畑薙のダムに到着しました!!
椹島へと向かうバスに乗れるスタート地点、畑薙第一ダムはダムから先に上がったところに登山者用の駐車場があります。
南アルプス南部のターミナルである椹島へ向かう玄関口は本当に遠かったです。

椹島行バス

さて、椹島行きバスですが乗車するには基本的に東海フォレストの運営する小屋に宿泊することが条件です。
バス代金は先払いで3,000円、このバスチケットは小屋の代金の一部として使用可能です。
宿泊費の一部でバスに乗るといったイメージですね、予約をしていたもののバスに乗れるかハラハラしました、何といっても当日予約なしで突撃してくる登山者が思いのほかたくさんいたから。
しかし、そこは予約勢Redsugar、無事に始発バスに乗ることができました。

椹島行バス

さて、1時間ほどバスに揺られて椹島に向かいますが、このバスが本当にヤバいので、空腹で乗ることをまずオススメしません、下手したら吐きます。車が、運転が、というよりは道がやばいんですね。

redsugar

案の定、いつものごとく補助席に通された僕はクッション性ゼロの座席で南アルプス南部のボロボロになった車道の洗礼を受け続け、降りる頃にはお尻が心神喪失状態となっていました。

このバス、下手なジェットコースターよりも遥かにアトラクション感が強い。
でも、本当にこんな道を運転してくれる東海フォレストさんありがとう……。
そしてリニア工事するなら道をもっとちゃんと整備して……。

椹島

午前8時45分、椹島。
ついにやってきました、南アルプス南部の入り口椹島です。
標高は1,100m……中禅寺湖よりも低い……。
南アルプスの問題点はスタート地点の標高の低さです。悪沢岳と赤石岳の標高をご存知の方ならわかるかと思いますが、ここから2,000m近く樹林帯を登ります、スパルタかよ……。

椹島ロッジ

まずはあたりの散策をしてみましょう。
椹島は登山基地なので何でもあります、……ソフトクリームは下山後のお楽しみとしておくかな。

椹島ロッジ

黎明期に使用されたノコギリとかかな……、寛げそうな雰囲気の小屋がある椹島です。

椹島ロッジ

下山後はこちらでご飯を食べることができます、ここに再び戻ってくるのは数日後。

登山バッジ

下山時にバッチが買えないってなると悲しいので、今回は先に購入。
これで完全に登らなくてはいけなくなった、もはや後戻りはできない。

荷物

南アルプス南部は小屋を利用しないといけないということで全日小屋を選びました。
故にテント装備ではなく小屋泊装備で挑むこととなります。そのため、着替え一式と携行食とエマージェンシーキットが主な装備となります。食事は全部小屋で食べる、金はかかりますが軽量化につながります。

redsugar

困ったら諭吉で殴る、それが一番の軽量化対策。

椹島ロッジ

椹島には宿泊用の宿舎でしょうかね、こういったアパートみたいのが立ち並んでいます。
従業員さんはこちらで寝泊まりしているんだろうか?

椹島ロッジ

さて、椹島を出発して千枚小屋を目指しましょう。片道7時間とか平気でかかる樹林登山の始まりです。

登山開始、目指すは千枚小屋、道中はずっと樹林。

椹島登山口

午前9時00分、椹島出発。
椹島にある神社の鳥居を抜けて安全登山を祈願したら出発。神社脇の道を伝って登山道へ向かいましょう。

椹島から千枚小屋へ

悪沢岳へ向かう登山道は基本的には千枚小屋へ向かう林道と度々合流する形になります。
この先何度も車道を目にすることになり、「いっそのこと、この林道を走る運搬用の車に乗せてくれよ」と心が折れそうになるので覚悟して掛かりましょう。

椹島から千枚小屋へ

登山道を歩いている途中測量の人っぽい方をたくさん見かけました、社用車もたくさん。
何をしているんだ?と思ったら、ここの真下をリニアが通るんですね……。
本当に南アルプスの下に穴開けるつもりなのかな、自然保護の観点以上に今までにないトンネル工事の難易度になりそうだから辞めたほうがいいと素人考えで思ってしまう。

二軒小屋までの林道

登山口までの道はボロボロ、コンクリが剥げて水たまりができています、時折トラックが橋を揺らしながら通りかかる。

椹島から千枚小屋へ

午前9時20分、悪沢岳方面分岐。
この橋を渡ったら登山道へ、南アルプス縦走……プレイボールだ。

椹島から千枚小屋へ
redsugar

もはや帰ることなど出来はしない、いざ!!

千枚小屋への登山道

あれ……、登山道に突入すると道がありません!
焦りましたがよく見ると切り株の上に細いトレースが。どうやら崩落があった模様、道を見つけるのに少し時間がかかりました。

千枚小屋への登山道

ようやく登山開始です、今日の目的地は千枚小屋。
一日目で稜線に上がることは難しい山である悪沢岳。標高差はもちろんのことコースが非常に長いのです。

千枚小屋への登山道

南アルプス南部は人が少なく、静かだが赤石側の宿泊施設は混雑する。
今回の登山では登山者の数はそれ程でもないのに、赤石岳方面の小屋は人でごった返していました。
しかし、悪沢岳から登る人は少ないのか、初日の千枚小屋は空いてましたし、二日目の中岳避難小屋も快適でした、なので基本悪沢岳から登るのを僕はお勧めしたい。

ピンテ

登山道を振り返ると最初の橋以外に崩落ポイントはなく、よく整備されていました。

樹林帯の花こう岩

強い日差しによる木漏れ日が岩を照らす。
登山開始時の標高がそこまで高くない南アルプスの山々は最初が凄まじく暑い。歩きはじめの一時間か二時間でリットル位の汗が出ます。

花こう岩

木漏れ日の樹林は光がドラマチックなので、森を撮る人であれば楽しめそう。

ペンキを辿る

標高が上がりきるまでは、森が深く道も明瞭ではないので、このように指示がたくさん目に付きます。

電波塔

午前9時55分、鉄塔下。
暑い、本当に暑い……熱中症になりそう。汗が滝のように流れます、皆さん休み休み登っていきますね。

redsugar

鉄塔の定番ショットを撮影する気力が早くもありません、体力の消費がやばい。

千枚小屋への登山道

千枚小屋方面はこちら、ただし、6時間後くらいな。
そんな感じのあざ笑う声が聞こえる。

千枚小屋への登山道

南アルプス南部はコースタイムが長く体力を使う山が多いです、ストックは必需品となるので絶対に持って歩きましょう。

岩頭の見晴らし

千枚小屋につくまではこのような看板が登山者に語りかけます。時折挑発してくるので侮れません。

千枚小屋への登山道

歩いても歩いても、変わるのは木々の種類だけです。
南アルプスを歩くときは標高別の植生を覚えておくといいでしょう、気を紛らわすためにも。
気を紛らわす為に複数の人で登るのも手段の一つですが、登り切る頃には声が枯れているかもしれない。

林道合流地点

登山道を歩き続け、ようやく林道に合流です。
この道は地図を見ると千枚小屋の裏手付近まで続いているみたいです、小屋の荷物を運び入れたりするのに使うんでしょうか?

redsugar

俺も小屋に運び入れてほしいんだけどダメかな。

標高1500m地点

「うぉーー、標高1,500m!! やった!」と思い本文を全部読むと、非常に余計なことが書いてあります、なぜ登山者の心を折りに来るんだい?

千枚小屋への登山道

登山開始から既に体力を削られているわけですが、この指導標に書かれた4時間30分が追い打ちをかけてきます、登山者に恨みでもあるのか?僕のように森が好きな人じゃないと、ここから先はたいへん辛いことになるでしょう。

千枚小屋への登山道

広葉樹林の森に入るととたんに明るくなり、気持ちのいい景色があたり一面を覆います。
こんな雰囲気の森ならいつまでも歩いていたいなと思うのですが、残念ながらここは森の深き山、南アルプス。

林道2回目

二度目の車道横断、車道を登ったほうが早いんじゃないかなという気持ちでいっぱいです。

清水平

午後12時15分、清水平水場。
ようやく最初の休憩ポイントにやってきました、清水平の水場です。南アルプスは水の山って言うけど悪沢岳は結構歩かないと水にありつけません。なので全然水の山の印象がない、もっと沢とかないのかこの山は!

清水平の清流
redsugar

「全身の毛穴から水が抜けていってしまったので水が飲みたい!」

よく冷えた南アルプスの天然水をいただきます!こういうのは雰囲気が大事です、雰囲気で美味しさが上がります。
この日は炎天下の部活で汗を流した子供のように、ファー暑い!!と思いながら清水をごくりと喉の奥へと運びます。

redsugar

「……うまい、うますぎる!!」

結果、1リットル近く水のんだんじゃないかなというくらいはお水を堪能しました。

水場

水場はご覧のような感じ、周囲は休憩場所として整備されております、ほとんどの人はここでお昼ご飯を食べていました。
僕もこの地点で一度パン補給、先は長いのでそうでもしないと倒れてしまいます。

千枚小屋への登山道

シラビソやカバノキが現れるくらいの標高まで来ると、地面もご覧のような感じで歩きやすくなります、この歩きやすさと障害物のなさでゆっくりと延々と上がるだけならうれしいんですけどね。

千枚小屋への登山道

落葉がウッドチップのような役割をしてくれるので、膝には優しい道です。
問題は横に長いことです、登るというよりは横に移動するという時間が長いのです。

redsugar

本当に長い時間歩かされるので、とにかく不安になります、標高上がってない……。

千枚小屋への登山道

午後1時25分、蕨段。
無慈悲な看板が現れました。
千枚小屋まであと3時間、その表情を見た僕の顔に微笑みはなかった。サイコパスかよこの山……。

続く樹林、酷暑に削られる体力。

千枚小屋への登山道

いわゆる横移動に飽きた頃、ようやく登り坂が始まります、これがかなり厳しい。
体力を消耗しきった後半にぐいっと登らされるのは本当に辛い。展望台があるよと言われても全く速度が上がりません。

千枚小屋への登山道
redsugar

「体力が……、体力の限界千代の富士が……!」

たまらず展望台へ向かい休憩を取ることにしました。
この日はまだ山の稜線の姿が見れていません。せめて千枚岳の姿を拝みたい、そんな一心で展望台へ。

千枚岳の稜線

午後1時40分、見晴台。
展望台からは千枚岳の稜線でしょうか?南アルプス南部の森林限界を越えた穏やかな稜線が姿を見せます。しかし、あそこまであと何時間かかるのか、それを考えると夜も眠れない。

見晴らし台で休憩

展望台で休憩していると同じコースを歩いていたおじさんがやってきました、10分ほどおじさんと休憩です。
とにかくこの山のコースが長いこと、今日の気温と湿度が高すぎて体調が悪くなったことなどを話しました。

千枚岳の眺め

午後1時50分、千枚小屋を目指し展望台を出発。
再び樹林帯を歩いて小屋を目指します、ここで青空とはお別れです!

千枚小屋への登山道

カバノキがあたりを埋め尽くす登山道、雰囲気はまさしく奥秩父。しかし、森を楽しむような気力は失われ、歩くのはゾンビのようになったRedsugarただ一人!

千枚小屋への登山道

こんな感じの苔と針葉樹が美しい景色が広がります。
しかし、登山をしている人ならおわかりだろう、北八ヶ岳や浅間山周辺でも似た景色は……見れる。

コケの登山道
redsugar

「苔、綺麗……」

駒鳥池

午後3時15分、駒鳥池。
突如として登山道の中に高層湿地というか、沼地が現れます。樹林の中にひっそりと佇む緑のオアシス……。
それよりも先ほどの展望台から1時間ほど時間が経過したことをお気づきだろうか?その間ずっと樹林を歩いていたのだ……。

駒鳥池

歩けばやがて小屋にたどり着くのはわかりました、なので駒鳥池で休むことにします……。

駒鳥池

駒鳥池はご覧のような、小さな池が広がる針葉樹の中のオアシスです。
水を含んだ苔と、こじんまりと佇んだ池が印象的。水面が波を立てることはなく、水面はあたりの景色を写す鏡のよう。

駒鳥池

とても気分が安らぐ場所ですが、ギリギリまで人の踏み跡があり、池のサイズは徐々に縮小していっているようでした。

駒鳥池

58mmを持っていてよかったなと思う半面、ズームがあればなと強く思う場所でした。自由に動けない場所なので。

駒鳥池から千枚小屋へ

ところにより木々の幹は細くなり、背丈も順調に低くなってきている。
そのまま森林限界を迎えてしまえばいいのに。

駒鳥池から千枚小屋へ

すっかりガスに包まれたようで、曇り空の下の優しい光が指す登山道を進みます。ヒンヤリとした空気があたりを包み込みますが、この空気は登山開始時に欲しかったな。

駒鳥池から千枚小屋へ

バララララというエンジン音が聞こえてきたら、小屋が近づいてきたという合図です。
そして、遂に小屋にたどり着くことができました……、長かった。

千枚小屋、たどり着いた楽園、明日に備えて泥のように眠る。

千枚小屋

午後4時10分、千枚小屋到着。
悪沢岳への登山拠点となる千枚小屋に到着しました、めちゃくちゃきつかったの一言。今後テント装備や撮影装備でここまで来ることを考えると戸惑うレベルで辛かったです。

千枚小屋

南アルプス南部の小屋は東海フォレストさんの運営なのですが、これが滅茶苦茶綺麗。小屋は新築みたいに小奇麗だし、寝床もよく掃除されています。そしてお水は比較的潤沢で、北アルプスの稜線の小屋とは違い新鮮なお水にありつけます。

小屋の中はご覧のような感じで、2階建ての雑魚寝が基本となっています。
僕は2階の席を割り当てられましたが、ちょっと高さがあるため、夜中にトイレで目が覚めたら大変かも。
※トイレは小屋の外にあります。

千枚小屋

小屋の周辺はご覧のような感じです、テント場もあります。トイレは画面左奥の建物です。

千枚小屋の夕ご飯

一日目の登山で身体がバキバキにされてしまった僕。
30分で行けるという千枚岳山頂へ行くことなく、小屋で横になり、そして夕食をいただき再びすっと眠りに付きました。
横になって、そしてコメを食べる、本当にそれしかできない様な夕方でした。疲れに疲れた一日目、ゆっくり休んで2日目へと向かいましょう。

千枚岳から見る朝焼け

初日は千枚小屋までとなりました。
夏らしい天気で午後になれば雲がわき、夕方になれば、山はすっかりガスに包まれてしまいました。
さて、このあとは千枚小屋で夜を過ごし、そして、早朝の千枚岳からのご来光に望みを繋ぎます。
どんな朝でも、山頂に立たないと晴れているかはわからない。そんな言葉を胸に二日目が始まるのです。
次回は千枚小屋から中岳避難小屋まで。
稜線上の小屋に泊まりたかったので今回は中岳避難小屋で宿泊しています。2日目以降は悪沢岳、赤石岳の稜線をこれでもかというくらい歩きます、こうご期待!

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