2015年9月19日、埼玉県は高麗駅にある巾着田と日和田山へ行ってきました。
巾着田は真っ赤に燃えるような曼珠沙華で有名です、
「関東 曼珠沙華」で検索すると必ず上位に登場するような観光名所。
今回はこの巾着田で曼珠沙華を楽しみ、岩殿山の様な高麗のランドマーク日和田山へ登ります。
今年は気温が下がるのが早く、9月は一昔前の涼しさを携えている中
夏の終わりを感じさせる曼珠沙華もこの日最盛期を迎えていました、
川と山を彩る曼珠沙華の旅、始まりです。
彼岸花を見ると夏の終わりを実感する、北海道という大地で生まれた僕はある種
日本人的な四季の感覚に強い憧れを抱いていたのかもしれない。
四季折々の香りや彩りに季節を感じ、旬に身を置くことで今という時間を強く想う。
灰色で塗り固められた都市の喧騒では感じ得ぬ実感、
多くの人が幼年期に置き去りにしたであろう感覚を求めて自然の中に身を委ねている。
目の前に広がる鮮やかな曼珠沙華、萌黄色の茎の上に広がった緋色の花々。
奥に行くほど赤で埋め尽くされる光景はそこはかとなく仏教的な面影を見せる。
木漏れ日を受け時折金色に輝く赤い花々は天上の花と称される呼び名に相応しい。
浄土の庭園のような絢爛豪華な色彩を携えるその光景に、過ぎ行く季節を感じていた。
今回はこのような感じで真っ赤な曼珠沙華がたくさん出てきます。
ちなみに曼珠沙華は有毒植物らしいです。
北海道ではなかなか見ないので、曼珠沙華を見て季節感を感じるというのは
一種の憧れを含んだ行為でしたが、この度巾着田で心ゆくまで花を楽しむことができ大満足です。
本日のコースタイム
池袋駅8:05→高麗9:45→巾着田10:00〜11:15→日和田山登山口11:30→
日和田山山頂12:00→男岩12:45→日和田山登山口13:15→高麗13:40
お家に帰ってきても15時前という素敵な時間となりました。
曼珠沙華の公園内は朝8時くらいから入園可能です、始発で行くとまだ空いていないので注意。
朝8時の池袋駅、黄色い電車の西武池袋線に乗って一路高麗駅を目指します。
登山者装備は僕だけか。
飯能駅で乗り換えを行います、一時間ほどで到着。
飯能からは一駅で高麗です、近づくにつれポッコリとしたお山が見えてきました。
あれが今日の目的地、日和田山でしょうか?
高麗駅到着です、駅前には巨大な天下大将軍が立っていました。
ていうか天下大将軍ってなんだよ、トーテムポールかよ。
うーーん、赤い…
無駄に青空に映えます。
駅からは巾着田までご丁寧な指導票が続きます。
巾着田へ続く道は露店であふれています、商魂たくましいな。
立派な栗が売っていました、すごく美味しそうですが
このまま買っても調理法がわからないですよね。
近くに目をやると栗の木が生えていました、どうやら栗の栽培農家がたくさんあるようです。
標識が天下大将軍、コミカルな表情が面白い。
左右曼珠沙華で綺麗に彩られています、そして結構な観光客です。
巾着田を形成する高麗川を渡ると巾着田への入り口へ、水は結構綺麗でした。
GO to 巾着田。
川の中で三脚を構えてるおじさんたち、何を撮っているんでしょうか。
10時5分、プレイボールの儀式である。
沿道は最盛期を迎える曼珠沙華で彩られています。
対岸も一部曼珠沙華が生えているところがあるようです。
巾着田はウィキペディアによると500万本の曼珠沙華が群生しているらしいです。
数字が出ているものでは最高の数値を出していました、国内最大規模じゃないだろうか。
天上の花という意味がよくわかります。
一本綺麗に立ち上がった茎から突然広がる花はお釈迦様が乗る蓮のようです。
木漏れ日を受けた曼珠沙華は金色に輝いて見えます、金と赤のコントラスト。
この色合いに日本を感じてしまう。
園内の途中からは有料エリアに突入します、大人一人300円。
裏面には不思議なキャラクターが描かれていました、ここは天下大将軍じゃないんですね。
ここまで赤と緑が映える景色はそうそうないでしょう。
こんなに綺麗な曼珠沙華を見たのは初めてです、開花したばかりなのか瑞々しい。
朝の早い時間で人がいないところもあり、
そういった場所は神秘的な雰囲気に包まれていました。
花とともに季節を感じるということであればこの曼珠沙華は一見の価値があります。
関東に住んでいるのなら一度は行ってもいいと思う。
途方もない数の曼珠沙華が、道の果てまで続いています。
気温は結構高いのですが、曼珠沙華を見てると涼しくなります。
巾着田自体が涼しいというのはあるのでしょうが不思議です。
真っ赤な曼珠沙華の中に一輪だけ白い曼珠沙華が咲いていました。
しかも他よりも高い位置に、まるで誂えたかのような光景。
光を受けて白く輝きを放っていました。
緑の木漏れ日の下で赤く輝く曼珠沙華は、山でもないのに山の静寂を感じさせ
日本的な面持ちと少しの寂しさを与えてくれます、これが侘び寂びか。
ダッフィーと曼珠沙華。
曼珠沙華がボケているので、背景はチューリップですと言っても信じてもらえそう。
高麗川沿いではファミリーがキャンプをしていたり、子供にとっては遊びやすい川かも。
川の途中には増水したら確実に沈む橋と温泉に向かう遊歩道へ続く階段があります。
増水しなくてもこの有様です、滑って転ぶ人とかいるんじゃないかな。
対岸の遊歩道を歩いた先には立派な温泉があるので、そちらへ向かう人もいるのでしょうか?
僕は目的地が反対方向だから行かないけど。
少し進むとふんどし姿で魚をとるおじさんがいました。
投網で小魚を釣り上げ子供達に展示していました、食べるわけではなさそう。
しかしなぜ伝統的な赤フンなんだ…。
鮎や鮒が入っているとのこと、このサイズだとどれがどれだかようわからん…。
入り口から300mくらい進んだところでご飯スペースに到着しました。
今日は朝から何も口に入れていません、のでそろそろ手が震えてきました。
何か食べないと僕はそのうちのたれ死ぬかもしれない。
いろいろな高麗名物が並ぶ中、僕が選んだのはもつ煮込み。
気温も上がってきましたがそんなこと気にせずに、もつ煮込みをかきこみます。
味は上々、分厚いシナチクの硬めの食感と歯切れのいいこんにゃく
そしてしっかりと味の付いた味噌の風味が胃を満たしてくれました。
フラダンスの練習をするママさんたち、市民の憩いの場なんですね。
再び曼珠沙華の咲き誇る場所へ、会場も奥に来ると人影がまばらです。
燃え盛る曼珠沙華を堪能し尽くした僕は、次なる目的地日和田山へ行くことにしました。
帰り道には立派な橋が見えました、しかしこちら側からは登れない様子。
すごい作りです、温泉側からしか来れないようだけど。
11:15分、会場入り口の方まで戻ってきました、プレイボールから約1時間ほど。
これから逆側にある日和田山へ向かいます。
ちょうど僕が帰ろうかというこの時間になって大勢の観光客が押し寄せていました。
つまり11時前の朝9時〜10時くらいなら人がそんなにいないということです。
今日行くのは日和田山まで、物見山までは行きません。
道中の標識を頼りに日和田山まで歩きます。
11:25分、この指導票が見えてきたら日和田山はすぐそこです。
登山口はすぐに未舗装路へ、近所の里山っぽい雰囲気が出てきました。
まむしってこんなところにもいるんでしょうか、沖縄とかそっちのイメージ。
軽く登っていくとトイレのある広場へ出ます、そこまでは公園の様な扱いらしいです。
この立派なトイレを超えて上へ登っていくと本格的な登山道が始まります。
登り始めて数分で鳥居が見えてきました、日和田山にも男坂と女坂があります。
今回は問答無用で男坂、男試しです。
立派な鳥居でした。
男坂方面は男岩と呼ばれる巨岩があるらしいです、帰りに寄れたら寄ろうかな。
男坂方面へ行くと谷筋に沿って川が流れていました、水量が多いわけではありませんが
手を洗えるような水場があります。
水は冷たくひんやりとしていました、もっと温いものを想像していたのですが…。
気温が高ければ顔を突っ込んでいたかもしれません。
今回はこの標識に従って一気に男坂を上ることにしました。
水場の上には社が、水神様とかを祭っているのかな?
山の中のこういった社には畏敬の念を感じざるを得ない。
しばらく男坂を歩いていると何やら岩場が出てきました。
日和田山はロッククライミングの練習場でもあるとのことでしたが、ここではないようです。
マーキングがしっかりとされていました、結構本格的な岩場でした。
この岩は直登も可能ですし巻道も用意されています、今回は直登で。
濡れていたら危なそうですが、この日は快晴だったため快適に登れます。
岩場の上には青空、足の踏み場がしっかりあるいい岩場でした。
登りきると山頂鳥居が見えてきました。
後ろを振り返ると巾着田が見えました、本当にきれいな巾着の形をしています。
さっきまであそこで曼珠沙華を見ていたんですねぇ…。
山頂には鐘などがありましたが、人も多いため鳴らすのはやめておきました。
まだ山頂ではありません、ここから5分ほど歩いたところに山頂が現れます。
神社の周りで皆さん休んでいらっしゃいましたが、僕は特に疲れてはいないので先に行きます。
高指山まで歩くと帰るのは夕方になってしまいます、今日は日和田山山頂まで。
神社の裏手から山頂へ向かって歩きます。
晩夏の低山はさすがに暑い…、さっきまでいた巾着田の涼しさが嘘のようだ。
2015年9月19日12時00分、日和田山山頂到着。
さすがに里山というだけはあって、登山口から1時間かからずに山頂まで来てしまいました。
というか30分近くで上がってきてしまった…、記録を見返して逆に驚きました。
山頂には仏教的な石塔が立っているので一発でわかると思います。
標高は300m付近しかありません、そりゃ1時間かからずに登れてしまうよね。
なんだかとても物足りないので少し奥まで歩いてみることにしました。
結構本格的な登山道も現れました。
山の手入れについてよくわかる説明だった。
まるで高尾山の下の方を歩いているような道でした、日陰なのでシダが多いのが特徴的。
電波塔が見えてきました、この辺が物見山ということでいいのだろうか??
青空に映える鉄塔を見て心が満足してしまったので急激に帰りたくなる。
もう少し奥まで行ってもいいかなと思いましたが、帰ることにしました。
帰りは富士見の丘という場所を経由して帰ることに。
途中の道は行きに使った道よりも岩が多かったです、こっちの方がアスレチックだぞ。
しばらく歩くと結構でかい岩が姿を現します。
下から眺めるとなかなかのサイズ、そしてロッククライミング的な見た目をしています。
一応横からはなんの装備がなくても登れるようなので、登攀チャレンジ!
やってみたら5分もしないうちに上に着くことができました。
岩の上はとても心地のいい風景が広がっていました、それまでの展望のない登山から
一気に展望の下に出て晴れ晴れとした気持ちになりました、日光って気持ちがいい。
おそらく僕が登ったでかい岩が男岩だったのでしょう、
岩からの帰り道、男坂の看板の場所まで数分とかからずに出てきました。
曼珠沙華も楽しみ日和田山も楽しんだあとは帰宅するのみです。
来た道を高麗駅まで折り返します、下山時点で13時20分です。
今日も1日働いたわ。
帰りにスジャータではありますがソフトクリームを補給、やっぱり美味しい。
登山後のソフトクリームは格別ですね。
日が傾く中、西日に当てられて赤みを増した曼珠沙華の道を歩いて駅へと向かいました。
13時40 分、駅に着きました。
埼玉県といえば奥秩父のイメージがありますが、花を追いかければ里山にも魅力がある。
そんなことがよくわかった一日でした。
季節を感じるものの中に見を置くと時間をより意識できる気がします。
特に大人になると気がつけば時が経っていることが多いもの、
季節感を感じさせる花々や食の中に自分を一日置いてみると、時間の感覚や
過ぎ去ってゆく時間に対して自分が何をできるのかを感じることができるのではないでしょうか。
何はともあれ、巾着田の曼珠沙華は関東では随一ということですが本当に素晴らしかった。
毎年恒例のイベントなのでお暇があれば是非行ってみることをお勧めいたします。
日和田山の地図はこちら

- 作者: 昭文社地図編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
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コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いてます。曼珠沙華とても綺麗ですね。来年の行きたい所リストに加えさせていただきます。新しい記事も楽しみにしています。
ありがとうございます、数多い登山ブログの中でも目を通していただいて幸いです。
真っ赤に染まる曼珠沙華は場所も手軽で、手間をかけずにいいもの観れるということでは非常にオススメな場所です。
来年はぜひ訪れてみてください、新しい記事も週一くらいで書いていくのでまた目を通していただけると幸いです。