2015年9月20日(日曜)、栃木県日光を代表する百名山である男体山に行ってきました。
標高は2486m、日光連山は関東近郊では手軽に2000mを越えることが出来
麓に観光名所「日光東照宮」や温泉が充実しているため人気のある山域です。
日光と言えば日光白根山と男体山、ですが個人的には雑誌で男体山を目にすることが多く。
栃木の名峰と言えば第一に男体山、というイメージがありました。
山頂に立った白刃、奥日光を一望する絶景、眼前に広がる中禅寺湖。
なかなかチャレンジする機会を得ることができなかったのですが、
シルバーウィークに片足突っ込んだ9月の休日、ついに男体山に到着するその日が来ました。
日光を代表、それどころか百名山でも屈指のイケメン名山の懐の広さ
気概溢れる男らしさを足で感じる旅の始まりです。
男体山、今僕の眼前には仄かに色付いた木々と小気味好いリズムを刻んだ雲が広がっている。
透き通る青空に浮かぶ綿飴のような雲、
空の姿見のような中禅寺湖はそれらを鮮やかに映し出す。
多少霞んだ青空は侘び寂びといった日本人の独特な感情を呼び覚ましてくれるように感じる
趣きというものを携えた眺望に何時の間にか畏敬の念を覚えているのであった。
標高2500mに迫ろうという男体山の山肌では葉が踊り、
路が朱と黄金色に彩られる季節が刻々と近づいているようだった。
深く染まった緑が鮮やかな黄色へと変わり、陽の光を受けたそれは新緑よりも明るく輝いている。
木々が全身を赤らめ、冬を前にして種に着飾るその姿は耽美の一言であろう。
心地の良い汗と程よい疲れに高揚感を感じ、目の前の秋の訪れに心を踊らせながら
僕は山頂への路を一歩一歩味わうかのごとく踏みしめていった。
今回の登山ではついに紅葉が出現します。
一年の中で新緑の時期と同じく、どこに行っても美しい木々を楽しめる楽しい季節「秋」
その最初の入り口を、今年は日光男体山で体験することができました。
紅葉は本当に美しく、緑の木々の中で一際美しく映える朱色は
見るだけで気分を高鳴らせてくれる素晴らしいものでした。
紅葉シーズンの始まりということで心踊る日光の旅、ぜひまた来年も訪れたいですね。
ではまず今回のコースタイムです。
東武日光バス停発7:52→二荒山神社8:50→5合目10:00→8合目11:00→山頂11:40-12:20
8合目12:40→5合目13:20→二荒山神社14:00→東武日光15:30
東武日光発のバスですが、東京から始発電車で向かった場合は8時前後のものに乗ります。
登山に行く場合は湯元温泉行きのバスに乗ることとなります。
日光エリアに赴く際は朝4時には起きなければいけません。
前日日和田山で足を慣らしていたのですが、慣らしすぎて夜は心地よい眠りに…。
起きるのに一苦労してしまいました。
電車で行く場合のいいところは電車に乗っている時は寝てもいいということでしょう。
一人で黙って寝ることができるというのもぼっち登山のいいところかな。
7時36分、東武日光駅に到着しました。
バスの発車まで15分少々時間があるので、トイレに行ったりして時間を潰します。
男体山まで行ってしまうとトイレが汚いので東武日光で必ずトイレに行きましょう。
バスに乗って二荒山神社へ向かいます、何度きても日光はいいですね。
シルバーウィークなので帰りが激混み間違いなしなのは今から憂鬱ですが…。
バスからも見える男体山の勇姿、中禅寺湖脇にズンと聳え立つその姿は本当に特徴的です。
朝早いのに中禅寺湖にはボートが出ていました、何して遊んでるんでしょうか。
8時50分、二荒山神社へバスが到着しました、男体山の登山口は神社の中にあります。
二荒山神社の反対側には中禅寺湖の嫋やかな湖畔が、静かでとても穏やかでした。
まずは神社の中を目指します。
流石日光とも言える朱色の門が出てきました、観光だけに来たとしても楽しめる立派な神社です。
狛犬も本当に立派です、凛々しい顔をしていらっしゃる。
安全登山を祈願しました、今後のred sugarの登山も安全第一で。
男体山に登る際は社寺で登拝受付を済ませ、500円を支払わなくてはいけません。
境内に目を運ぶと細かい見所が沢山あります。
驚いたような顔をしてとぐろを巻いた蛇龍とか…、なんでこんなガビョーンって顔なんだ。
大量の御神籤でしょうか、絵馬もすごい数っていうかハート柄…。
きっと恋の悩みが沢山書いてあることでしょう、怖い。
とぐろを巻いたドラゴンのそばにある階段から登山口へ向かいます。
するとこのような感じで樹林帯の登山道が始まります、早速プレイボール。
スタート地点の標高は1280m、山頂は2486mなので標高差は約1200m。
標高差1200mを直登で登り続けるのはなかなかハードかもしれません、初心者はきついかも。
神社横の一合目標識を過ぎ、傾斜のきつい道を登っていきます。
男体山は樹林⇒舗装路⇒樹林⇒岩⇒砂礫というような感じで姿を変えていくのですが
すべてにおいてそれなりの傾斜があります。
倒れた巨木、こんな整備された山でも倒木があるもんなんですね、意外です。
樹林帯を抜けると舗装路に出ます、三合目付近ですね。
ここからは30分くらいつづら折りの舗装路を歩いていきます。
秋の訪れを感じさせる木の実がなっていました、コクワです。
キウイと同じくマタタビ科の果実で食べるとゴールデンキウイの様な味がします。
北海道ではよく果実酒にしていました。
長い舗装路を歩き続けます、結構暇です。
暇なのであたりをきょろきょろ見回していたら小さなキノコが大量に映えていました。
9月に入ったのでキノコのシーズンももう終わりです。
長い舗装路を歩き続け、ようやく4合目登山道の入り口が見えてきました。
ここで休まれてる方も多いですが、本番はここよりも遥か先にあります。
途中舗装路を挟んだ男体山登山道ですが、4合目からが本格的な登山道といっていいでしょう。
ここからは男体山山頂に向かってただひたすら登っていくこととなります。
ここからが本当のプレイボールである。
最初は手すりの整備された道を登ります、一合目付近とは違い細かい石がゴロゴロしています。
矢印を頼りに笹原をぐんぐん登っていきます。
10時10分、スタートから1時間ほどで五合目に到着しました。
トタン小屋が5合目の目印です。
5合目付近で驚いたのは紅葉が始まっていたことです、紅葉の葉が赤く色づき始め
緑の中に黄色や赤といった色が踊り、鮮やかなコントラストを描いていました。
始まりたての紅葉はまだ潤いを残しています、枯れ葉のない紅葉はそれはそれで味がある。
後ろを向けば中禅寺湖が木々の合間から顔を見せていました、
紅葉とともに見える中禅寺湖は格別です、戦場ヶ原とか紅葉の時期に是非歩いてみたいですね。
紅葉に心躍らせたのもつかの間、再び目の前には坂道が現れます。
男体山は本当に平らな場所が山頂以外ないんじゃないかというくらい坂が続く山です。
遠ざかる中禅寺湖にさよならです、また山頂で会おう。
松に覆われて茶色く染まった登山道、キノコが散見できます。
土の登山道をしばらく歩くと次は岩の登山道が姿を表します、男体山の第何形態だこれ。
岩場と樹林帯が交互に現れる中を黙々と進んでいきます、岩場エリアは展望も良く
休憩に使えそうな岩も多いので、休むときは岩場エリアがいいのではないでしょうか。
本格的な岩場が出てきました
左右の白樺は紅葉を始めており鮮やかな黄緑色に染まっています。
ペイントを目印に浮石の上をスイスイ進んでいきます。
岩と木々のトンネルを交互に繰り返します、五合目を超えてからは岩場がメイン。
チェックポイントが見えてきました、何合目だろう。
みなさん岩場の登りで疲れたのかここで休憩をしている人は多かったです。
かく言う僕も水を飲みたかったので小休憩、
岩の上を歩く場合足を上げることが多いので疲れやすいのかもしれません。
大学生のサークルみたいな方々の列の最後尾につきました。
ジーパンで登るのはなかなか勇気がいるなと思います…、みんな若いので早い。
急登部分は女の子もガニ股で岩をよじ登っていきます。
一応ガレ場ということもあり、上の人が浮石を落としちゃうこともあるみたいですね。
11時00分、8合目小屋が見えてきました。
5合目を出発してからは約1時間ほどとなります、1時間ずっと岩場の上を歩いていた気がする。
8合目にあるのは瀧尾神社という社です、人がいる時期ならいろいろ売ってくれるみたいです。
岩の隙間に祠が祀られていました。
左に目をおろすと大きななめこみたいなキノコが生えていました。
木に生えるキノコってなかなかみない…。
鳥居を過ぎてしまえば残りは2合ということになります、山頂はきっともうすぐ。
と思いながら鋭い岩の隙間を縫うように登っていきます。
ちなみに8合目からはかなり急だなと思いました。
火山だからか、道のいたるところにでかい岩石が落ちています。
石の色も徐々に火山めいてきました、花崗岩とかではないので黒いです。
岩場地帯が終わると養生シートが貼られた登山道に出ました、
この辺は傾斜も緩くかなり歩きやすいです。
地味に距離がありますが岩場ではないのでサクサク上がっていきます。
階段が出てきました、これが出てきたということはゴールはもうすぐです。
森 林 限 界 地 点 到 着 !!
階段の途中から徐々に地面が赤くなり始め、木々の背が低くなっていきました。
ようやく男体山の森林限界に到達です。
しかし残念なことにガスってます…、周りは晴れているのに何故だ!!!
と思ってたのですが、山頂に近づくにつれて徐々に晴れてきました。
ガスってても山頂に居る間だけは晴れることが多いのですが、今回もそうなってほしい。
地面は完全に火山地質ですね、富士山に行った時も地面は火山灰で覆われていましたが
男体山も瓦礫と火山灰で山頂は覆われています。
山頂の社を前に佇む人々、みんな山頂を前に感慨深くなっているのかしら。
11時40分、男体山山頂到着。
登山開始から約3時間ほどで山頂に到着しました、念願の男体山です!!
登山を始めてからずっと行きたいと思っていたのですが、なかなか機会がなかった男体山。
ようやく登ることができました、感動もひとしおと行きたいのですが
ガスっているためちょっと残念。
山頂には立派な二荒山大神の銅像が建っていました、ヤマトタケルみたいだな。
ガスが少し晴れてきて、後ろを振り返ると雲の下に中禅寺湖と日光の里山たちが見えました。
雲海とまではいきませんが、夏の雲が遠くまで広がっています。
白根山は残念ながら見えません、しかしすごい量の雲が湧き上がっています。
日光白根の際も男体山方面から雲が湧き上がっていたのですが、そういう場所なんでしょうか。
晴れ間が見えるうちに山頂に行くことにします、男体山の真の山頂は奥にあります。
奥に見える鳥居を超えた先に刀剣輝く男体山山頂があります、
それをこの目に納めないことには下山できません。
白く聳え立つ白刃、この麓こそが男体山の真の山頂2486m地点となります。
青空のもと輝くこの刀をずっとカメラに収めたかった…。
12時00分、白刃とのツーショットが叶った瞬間です。
僕が白刃の側に立つと同時にうまいこと雲が晴れて太陽が姿を現してくれました。
本当にラッキー、人間高気圧を名乗ってもいいよね。
雑誌の表紙か何かになりそうな美しさがあります、本当に絵になる場所です。
こういった感じに字とか置いてみたい。
角度を変えてツーショット、角度によっては剣に青空が反射して色が変わります。
これはこれでとてもかっこいい、山頂の白刃だけで写真をめちゃくちゃ楽しむことができます。
なんてイケメンな山なんだ男体山は。
鳥居の近くには鐘がありました、一人でしたがとりあえず一発鳴らしておきます。
白刃輝く山頂を楽しみ、中禅寺湖も何とか収めることができました。
男体山自体は手軽に登れる山だということが分かったので、次回は快晴に来ると心に決め
下山を開始することとします、下山開始は12時20分。
下山途中に右側に目をやると小屋と見晴らし台がありました、
志津峠から登ってくるとあちらに出るんでしょうかね?
調べてみたらあちらからは中禅寺湖がきれいに見えるとのこと、
次回快晴の暁にはあそこでご飯を食べよう…。
下山で気を付けるべきは男体山の斜度です、結構急だなと思っていたのですが
降りはそこを歩くわけなので滑らないように注意しなくてはなりません。
ふかふかな場所ならいいのですが、中途半端に石の上に足を載せると砂利で滑ります。
下山と同時にガスが本格的に男体山にかかり始めます、9合目付近で完全にガスの中に。
山頂にいたタイミングだけ本当に綺麗に晴れました、今回も勝利したと言っていいだろう。
12時40分、八合目に到着です。
登りは八合目から40分近くかかったのですが、下りはさすがに早いです。
傾斜がきついのでグングン標高が下がっていきます。
こういった岩の間をすり抜けたりして降りていくのは疲れます…。
樹林帯と違って速度がなかなか上がりません。
速度が付いているのですが、下手に足をつくと滑ってしまうので慎重に歩きます。
登りよりも下りの方が怖い。
前を歩いているおじさんがくだり道の途中でモミタケ(白松茸)を発見していました。
男体山には松茸が生えてるんですね、モミタケ自体初めて見たので新鮮でした。
ぶっ壊しちゃったけどこれを持ち帰って食べるとのことでした、ご神体マツタケご飯…
5合目付近まで岩場が続きます、気合を入れて慎重に下っていきます。
樹林帯っぽい土の地面にあたると落ち着きます。
そしてすぐに表れるガレ場、浮石が多いというのは下りで大変です。
初心者が男体山を登れば降りでも苦心することは間違いなさそうです。
中禅寺湖がだいぶ近づいてきました、五合目もすぐ近くです。
13時20分、五合目到着。
8合目から大体40分ほどで5合目まで戻ってきました、これペース的にはかなり早いです。
紅葉の始まりを迎えている男体山ですが、
紅葉本番にはいれば真っ赤に染まった登山道を歩けそうです、
日光観光も合わせて戦場ヶ原や東照宮を合わせて1泊2日で歩いてみたいものです。
この鳥居までくればあとは舗装路と樹林帯を残すのみ。
降りてきたタイミングで大分空が明るくなってきました、山の上は雲に隠れているけど
麓は晴れているという典型的な山の天気スタイル。
この青空が一日中続いてほしかったと欲張りなことを思いますが、山頂で晴れたので良しとする。
ピストンルートのいいところは下山のタイミングがある程度予測できるというところです。
同じ景色を歩くのでつまらないという人もいますが、登りと違った視線で歩けるので
僕はそんなに嫌いなわけではなかったりします。
下山時はご丁寧に下山道入口の大きな看板が設置されています。
この辺道そんなにあったかしら??
舗装路が終わったら樹林帯のくだりです、これまた結構傾斜がきつい。
男体山で傾斜が緩いのは舗装路と9合目付近しかないようです。
麓は苔と笹に覆われた世界です、雰囲気の話なのですが
栃木は栃木の山の雰囲気が、南アルプスは南アルプスっぽい雰囲気があります。
似た景色なんですが、男体山は栃木らしさにあふれていました。
この辺鹿が多いのでしょうか、鹿食害防止のネットが木々に張り巡らされていました。
14時00分、二荒山神社登山道入り口に帰ってきました。
時間にして6時間以下…、百名山にしては破格のコースタイムな気がする。
無事下山しました、14時ともなれば二荒山神社は観光客がちらほらと見える感じに。
日光社寺の中で登山客しかいないんじゃないかと思えるような場所ですが、
やはり観光客が多いんですね。
朝回ることができなかった二荒山神社の観光をここで済ませておきます。
とはいっても社寺の中を見るだけなのですが…。
ありがとう男体山、百名山の中でも人気の山というのがよくわかりました。
コースタイムも短めで2500m付近まで行ける手頃さ、東京から電車で行ける
日光観光をして帰宅することができるというスペックの高さには平伏するばかりです。
帰りのバスを待っていたのですが、時間があいていたのでバス停二個分ほど歩いてみることに。
昼下がりという時間帯もあって中禅寺湖にはたくさんのボートが浮かんでいます。
子供と遊びに来るには最高の場所かもしれません、湖畔を歩いているだけでかなり楽しい。
定番のソフトクリームを探したのですが、なかったので日光ゆばアイスを購入。
今回はこれで許してやるか、日光楽しいし。
豆乳アイス的なおいしさがあり、割とおすすめでした。
日光といえばかき氷という気もしたのですが、バスの時刻があったため断念しています。
15時30分、東武日光駅に帰ってきました。
途中バスが大渋滞に巻き込まれるという事案が発生、
夏から秋にかけての日光は観光地であるため休日の男体山は帰りのバスが混み合う模様です。
この日は早く帰らなくてはいけなかったのでお風呂に入ることができませんでしたが
おかげで午後6時前に自宅に到着することができました。
関東から片道2時間、電車賃は驚異の片道1500円の日光。
男体山はコースタイムが短い割には標高が高く絶景を気軽に味わうことができました。
男体山は毎年夜間登拝祭というのを行なっており、晴れの日には山頂からのご来光と
中禅寺湖や奥日光を一望する大展望が得られるらしいです。
今回は男体山に軽く登ってくるという感じになってしまいましたが、
時期や季節を選べば確かに素晴らしい展望や感動を味わえる素晴らしい山だろう
ということがよく分かりました。
次回男体山に登る時は温泉に入って、かき氷を食べて餃子を食べて帰るまでを登山として
日光を味わい尽くす旅を企画したいなと思います。
日光男体山の地図はこちら

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コメント
コメント一覧 (2件)
またまたこんばんは。私も7月に単独で男体山に登ってます。確かに、ハードな登りでしたが山頂での展望はそれまでの疲れが吹っ飛ぶくらい良かったのを覚えてます。刀の写真は私も同じようなアングルで撮りました笑
ブログに載せがいのある場所ですね。
また、新しい記事楽しみに待ってます!
ありがとうございます、男体山は何回登っても楽しい山なんだろうなということを感じる山でした。
登りもハードはハードですが、道がわかりやすいのでとても登りやすかったのを覚えています。
山頂の写真は鉄板の角度ですよね、次回も同じ角度で撮ろうと思います。