2022年7月25日、長野県のど真ん中「八ヶ岳中信高原国定公園」内にある初心者に優しい百名山であり、あらゆるアウトドアアクティビティが集まる場所として知られる丘山です。標高は1,925mですが山頂手前に駐車場があるとてもやさしい霧ヶ峰最高峰の車山。
霧ヶ峰は大体の人が車山を中心に歩くと思います、Redsugarもそうやって歩いて「なんだこんなもんか」となっていたのですが……地図を見れば広いんですよね霧ヶ峰。
ちゃんと霧ヶ峰をたくさん歩いていろんな魅力を発見したい、車山以外の景色も見てみたいということで今回は八島湿原~車山~ゼブラ山といった周回コースを歩いてみました。
歩いてみると、前回車山だけ歩いた時とは比較にならないほど素晴らしい霧ヶ峰の景色を堪能することが出来ました。
霧ヶ峰を流れる観音沢の上部の清流。ゼブラ山から見る大草原地帯と、霧ヶ峰はこんなにも歩き応えがあるのかという発見があった今回の山行。
2022年は育児の都合で纏まった外出を捻出することが難しいうえに体力的にも憔悴しきっていたのですが、この霧ヶ峰の周回登山はそんな僕の事情を加味してくれたかのような時間良し、体力良し、景色良しなコースでした。
霧ヶ峰八島湿原周回登山の概要
静かなる八島湿原

2022年7月25日、午前6時55分佐久平PA。
おはようございます、Redsugarでございます。
本日は長野県の山岳&観光地の代表例「霧ヶ峰」なんですけども、八島湿原からの周回登山を行いたいと思います。
なんでこんな午前7時近くに佐久平PAにいるかというと……、睡眠時間確保もあるのですが、霧ヶ峰なんでそんなに時間かからないだろという思惑から。ですが、結果的に7時間くらい霧ヶ峰をうろうろ歩けたので、皆さんが周回するときはもっと早く出るのがおすすめです。

佐久平PAの鯉のモニュメントはなんか気になっちゃうよなぁ。






午前8時25分、八島湿原駐車場から登山開始。
霧ヶ峰は自走のほうがいいだろうなと思い美女木ジャンクションを越えて関越から上信越道をひた走りやってきた八島湿原。埼玉県在住の場合は上信越道を利用すると中央道の小仏トンネルの渋滞を気にする必要がないのでお勧めです。
午前8時の八島湿原ですが駐車場はまだ空いている。



やっぱりみんな車山のほうに行くからでしょうか、八島湿原は比較的空いてる状態でした。


七島八島と書かれた湿原の入り口がスタート地点。はるか向こうに車山が見える……。
今回はこのスタート地点から時計回りでぐるりと霧ヶ峰を巡ります。


シシウドの向こうに広がる広大な湿原、その向こうに見えるのが車山、蝶々深山、山彦山といった霧ヶ峰最高地点とその周辺の山々なんですが……ここから見ると丘に見える。



Redsugar的には昔見たナイタイ高原牧場の景色に似ている……という感想。


八島湿原からはずいぶんと先に見える車山。本日の登山は標高差に関してはそこまであるわけではないが、ひたすら牧歌的な湿原歩きということで、これはこれで結構いい運動したなーという気持ちになれます。
目の前の湿原ですが、足元をよく見ると湿地帯で結構豊富な水でヒタヒタなので木道から落ちないように要注意。


八島湿原のオープニングは奥霧小屋を目指して東へと進んでいきます。足元は木道もあるため非常に歩きやすいです。
夏の花が咲く湿原は牧場のような穏やかさ。


天と地を隔てる丘陵地帯の穏やかな景色を眺めながらのんびり歩くのは至高の時間すぎる。登山ってこんなにまったりしていたっけ?とおもわされるが、これはジャンル的には湿原散策というやつかなぁ……家族で歩きたいなぁ。


水辺には水辺の草花が、草原地帯を隔てて向こうにはバイケイソウの群生地と中々入り組んだ植生の様です。
周辺を歩くのは登山者というよりも観光客がメイン。


朝の散歩を楽しみにやってきた紳士淑女の方々が「良い景色だねぇ」と言いながらのんびり歩く姿を見て「こんな老後を過ごしてぇ」と心の底から思ってしまう。
喫茶店でも飲み屋でも仕事が忙しくて……と疲れた顔で雑談すると「IT系ですか?」と聞かれるRedsugarですが、老後は絶対に夫婦でまったり湿原散策する穏やかな日々を過ごすと決めている、だから沈まれ炎上するプロジェクトよ。



あぁー、燦燦と照り付ける朝の太陽の光で輝く生き生きとした緑が美しいなぁー!


奥霧小屋に近づくと大きな池が現れます。八島湿原は池塘の集まりだと思っていたんですが、実は霧ヶ峰方面からか細い渓流が流れておりまして、それがこの大きな池を生み出しています。
標高差が少ない霧ヶ峰ですが上部から渓流が流れてることを知ってびっくりしました。



たぶんこの巨大な池が鎌ヶ池なんだと思う、ここから南側に観音橋があって……そこからこの水は観音沢になるはずだ。


午前9時00分、奥霧小屋。
営業していない奥霧小屋ですが手前のバイオトイレは営業中。観光の方はここでぐるりと八島湿原周回へと移行しますが、登山者はここから物見岩とゼブラ山の2方向への道を選択することが出来ます。
Redsugar的にはどちらもお勧め、往路で物見岩を選択しましたが……ゼブラ山方面から車山を目指してもとっても楽しいと思う。その場合はゼブラ山→車山→車山肩→八島湿原と大きく一周することにはなるんだろうけど。



ここから先が霧ヶ峰登山の最初の楽しい区間が始まります。
清流と草原の蝶々深山


奥霧小屋から先は物見岩方面を目指すコース取りをしたRedsugar。最初に現れたのは八島湿原へと注ぐ渓流です。
物見岩とゼブラ山の中間にある谷間を流れるこの渓流の傍は癒しの空気に満ち溢れていました。
ちょっとここに椅子でも置いて、景色を眺めながら乾パンでもかじりたい気分になる。


物見岩に向かうため坂道を登り始めるとあたりは草原地帯、かわいらしいノアザミ等を眺めながらちょっとした斜面を登っていく。


物見岩まで行く途中に見える景色を見ていると霧ヶ峰ってこんなんだっけ?と思わされる。車山周辺しか歩いてないから、知ってる霧ヶ峰と随分と印象が違うなぁ。


霧ヶ峰周辺は2,000m前の山々が広がっている、ところどころ山頂一帯が草原地帯になった気持ちのいい稜線をたくさん拝むことが出来る。この辺全部つないで歩くこともできるんだろう。


気持ちが落ち着く景色を眺めながら物見岩を目指します、奥霧小屋から物見岩までは20分もかからないとは思うんですけど、あまりに景色が良いのでゆっくりと歩いてしましました。


午前9時35分、物見岩。
奥霧小屋から先の小高い丘の上にあるのが物見岩と呼ばれる積み石。五丈岩をミニチュアサイズにしたようなこの岩なんですけども、霧ヶ峰の中心にあることから車山、ゼブラ山、八島湿原とすべてを見渡すことが可能になっています。
ここから見る周辺の景色は確かに素晴らしく、天気のいいタイミングでここに立ちたいところ。


物見岩からゼブラ山側を見下ろすと草原の中にぽつぽつと新緑の木々が。リアルではなかなか目にしない光景だなと思う。






午前10時00分、蝶々深山。
物見岩から草原地帯に伸びる登山道を車山方面に向かって進むと蝶々深山へとたどり着きます。
車山を中心とした登山を行う場合でもこの蝶々深山に来ることはあるんじゃないでしょうか?
この場所も物見岩と同じく周辺の景色がいい場所です。





特に車山方面の景色が良い。抜けた景色の先に八ヶ岳が見えるからここで写真撮る人も多いよね。


車山はグリーンシーズンの観光盛りということでロープウェイ、登山客双方がひっきりなしに山頂を目指して登っていくようです。特に長野県の登山学習なんでしょうか、子供たちが歩いていくのが印象的。



長野県の子供たちはこんないい所が身近にあるんだもんなぁ……、素晴らしいことだと思う。私北海道にいたころは林間学校は大雪山だったけど、その価値は都会に出るなりして失って初めて気が付いたよ……






蝶々深山から車山乗越を越えて山頂を目指すのですが、意外にこの道がきつい。登りで使ったことなかったけど階段ばかりで中々体力が必要な道でした。山頂のアンテナが見えてきたらゴールはすぐですね。


霧ヶ峰ロープウェイの終点にある車山フォトフレーム。八ヶ岳を背景に家族の思い出を残すのに最適な感じのするスポットですね。こちらはソロハイカー、自撮り三脚装備なのでこの後もっといい感じのエモいサムネを撮影してやると息巻いておりました。
車山は登山観光地


午前10時50分、車山。
盛夏の霧ヶ峰ですがめちゃくちゃ人がいます、過密状態の車山山頂。カジュアルハイキングなのか車山肩やリフトを利用した方々が山頂を埋め尽くしていました。学校行事で登ってきた子供たちが山頂を駆け巡りとにかく賑やか。八島湿原スタートだとすごい静かな道を歩いてきたので……温度差がすごい。


めちゃくちゃエモいサムネを撮影してやるぜ!!と息巻いていた私ですが撮影したのがこちら。
私のいる少し後ろはめちゃくちゃ観光の方々の往来があるのですが、写真で見ると超牧歌的、超静かな山を満喫しているように見えるでしょ?
車山山頂の神社の前にある岩場なんですけど、八ヶ岳方面を背景に撮影するならここはおすすめ。


本日の装備ですが、ノードカムのアンタレス30に小型三脚のLS-224Cを使用していました。
ノードカムのザックは細かい所が安っぽいんだけど、全体としてはよくできてるなーと思います。全体的に素材が頑丈なので三脚を積むには良いと思う。



22年の行動食の流行は贅沢にもビーフジャーキーだった、30代も後半になりパインとかマンゴーを卒業しビーフジャーキーを登山の時は好きなだけ食べれるようにする……ジャーキーは本当においしいし塩分がたくさん取れていいなと思う。


本日の霧ヶ峰から見えるほかの山々は夏らしく、頭に雲がかかっているようだ。


車山山頂にあるこれ、中身に気象レーダー用のパラボラアンテナが収められているらしい。反射波を測定することで広い範囲の雨や雪の強さを観測しているんだって。我々が見る気象庁の雨雲レーダーとかでその情報が利用されているとか。






午前11時10分、車山出発。
にぎわう車山山頂、山頂神社に参ったら次の目的地は車山肩にしようかなと……。
本来であればここから車山乗越へ向かいゼブラ山なのですが、車山肩で休憩してから木道を歩いて車山乗越へ戻ることにしました。


こう見ると車山山頂の混雑具合が見えるだろうか?
とにかく大人気登山スポット車山だった。






午前11時40分、車山肩。
霧ヶ峰でよく見る景色といえば写真1枚目のような草原地帯に走るビーナスラインじゃないでしょうか?
車山肩へ向かう道中はニッコウキスゲやアザミが咲いていて、ようやく花の霧ヶ峰という雰囲気が出てきました。
車山肩のチャプリンでは高原のソフトクリームということで濃厚な味わいのアイスを楽しめます。




スジャータ的なものじゃなくて那須高原で食べるような濃厚なミルクの味を感じるソフトクリーム。そして、シャインマスカットサイダーでのどを潤します。この後ゼブラ山なんて行かずに八島湿原行って終われば良くない?というテンションになりかけましたが、今日の目的は「霧ヶ峰の本当にいい所を歩く」なので気力を振り絞って車山乗越へ向かいます。



本当の霧ヶ峰はここからなんだ!!
ゼブラ山、静かなる霧ヶ峰の姿






車山肩から再び車山乗越へ向かい、そのあとは山彦山方面へ向かうルートへ入りました。
こちら本当に人がいない、車山はあんなに人がいたというのにこのルートに入ると全く人がいなくてビビりました。
霧ヶ峰なのに超静かな山歩きを楽しめるということだけでこの道には価値がある。


山彦山は南と北の二つの耳を持つ山らしい、草原地帯の先に穏やかな形のピークが見えますが……あれが南の耳らしい。静かな景色の中で木々の撮影を存分に楽しめる場所で、この辺がRedsugar的には一番好き。


午後12時50分、南の耳。
車山からゼブラ山へと向かう道中のピークである山彦山。車山以上に霧ヶ峰という場所の素晴らしい景色を楽しむことができるポイント。こちら側から眺める車山方面は人工物のない美しい草原地帯が目の前にドーンとあって、Redsugarが霧ヶ峰に抱いていた景色の概念を更新してくれるようなものでした。





めちゃくちゃ広い草原地帯が広がってる……、山彦山からみる霧ヶ峰めちゃくちゃいいじゃん!


南の耳と北の耳の中間地点となる鞍部も結構良いです。草原地帯の山である山彦山の向こうに車山が見えるという景色ですが、ちゃんと登山っぽい光景が広がっているので。


午前1時20分、北の耳。
南の耳を越えるとすぐに北の耳に到着します。ちょうど目の前に蓼科山方面が見えるポイント。


北の耳から眺める車山方面。標高1,800m級の草原地帯というのが霧ヶ峰の特徴なんだなぁというのがより強く感じられる場所ですね。





山彦山の西側斜面は本当に素晴らしいなーと思う。霧ヶ峰は百名山的にインパクトが弱いのではないかと思うこともあったけど、この景色を見ると名山であると納得できる。


北の耳側から物見岩方面の尾根を眺めるとこんな感じの景色が広がっています。画面右側の森っぽくなっているところから渓流が湧き出て鎌ヶ池へと流れてたんだなぁ。



この広大な草原地帯の鞍部にあの小川があるのか……。


午前1時45分、ゼブラ山。
山彦山を越えて男女倉山(ゼブラ山)へ到着しました。山彦山~ゼブラ山までの稜線歩きは霧ヶ峰の一番おいしい所なんじゃないかなと思えるエリアで、車山から足を延ばしてゼブラ山まで来るのは全然ありです。



霧ヶ峰らしい場所はどこかと言われれば車山からゼブラ山のルートが一番霧ヶ峰っぽいかなと思う。Redsugar的にはこのコースめちゃくちゃお勧めだ。






草原広がる霧ヶ峰を楽しんだ後は奥霧小屋まで戻ります。
ここから来た道を戻って八島湿原へ帰ることもできますが、時計回りで歩くために諏訪神社方面に向かいます。


さらさらと流れる渓流を眺めながら八島湿原をぐるりと回りこんでいく。


花を期待して歩いていた霧ヶ峰ですが、車山周辺のニッコウキスゲを除くとオニユリやアザミがメインだなぁという印象。車山以外は草原地帯で、お花畑は全然ないんだなぁ……。


ゼブラ山付近で空に雲が多くなり不穏な雰囲気があったのですが、八島湿原をぐるりと回って戻ってくる頃には見事な晴天の空が広がっていました。八島湿原一周は意外に時間がかかるし、結構歩くの大変だなと思った。
奥霧小屋からぐるりと回ることを選択したけど……、あんまり見どころもなかったから正直ゼブラ山からはピストンで戻ってもよかったと思えました。






午後3時00分、八島湿原駐車場。
八島湿原の駐車場へ戻った後は牛乳と瓶入りジンジャーエールで乾杯。
家で飲み比べたい諏訪浪漫3本セットにおつまみの定番「野沢菜のきざみ漬け」を購入して帰ることにしました。
奥さんからはいつも「おかずになるものを買ってきて」といわれるけど、僕は酒のつまみを選んでしまう……。






下山後の温泉は白樺湖温泉「すずらんの湯」へ。
登山後の温泉はやはり最高です、長野の温泉は広い休憩所があるところも多くて寝そべって休めるし……、牛乳は八ヶ岳牛乳だし。埼玉にもこういうクオリティの温泉と牛乳が欲しいです。




入浴後は佐久方面へ出て「いかりやラーメン」さんへ行ってネギとチャーシューがぜいたくに使われたラーメンを味わうことにしました。久々の登山、お風呂、地元の料理と「パーフェクト登山休日」を満喫できたのでこの週の体調はめちゃくちゃよかったよね。



三セットすべてを楽しめば日帰りだとしても一日の満足度は素晴らしい、霧ヶ峰は車山だけ登ってしまうともったいなくて、ゼブラ山や八島湿原含めてあの広大な雲上の草原地帯を楽しむものなのだと知りました。


帰宅後のお楽しみはお土産で購入した地ビールだったんですけども。
良いですね地方で買ってくるこういったお酒は特徴もあって一日が特別に感じれます。
全国流通品もおいしいけど癖が強い地ビールのほうが利き酒してるような感じや、自分好みのビールを探すような感じがして楽しいです。これは味が中々濃いビールで、後味が中々残るタイプだった、甘みの強い果物みたいな方向性で軽やかな感じではないけど好きですね。


くろゆりは本当にスモーキー、燻製チーズみたいな香りが一気に口に広がる、これは好みが分かれそうだけど一杯目には僕はありだなと思う。たくさん飲むものではないと思うけど。
キャンプとかで燻製を作った後にプシュッと上げてチーズと一緒に口に含めば絶対幸せになれるんじゃないでしょうか。と思い、これを飲む際はスモークチーズを買ってきて楽しみましたとさ。


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