2022年7月31日、中央アルプス北部にある三ノ沢岳を歩いてきました。
木曽駒ヶ岳と宝剣岳の陰に隠れたちょっとマイナーな山ですが、標高は立派な2,846m。
極楽平から宝剣岳へ向かう道中の分岐から片道2時間ほどを歩いた場所にある三ノ沢だけですが、中央アルプスらしいハイマツと花崗岩の不思議な景色を楽しむことができます。
千畳敷駅から木曽駒ヶ岳周辺は登山者も多く、きれいに整備されていますね。
中央アルプスといえばあんな感じの景色をイメージする人が多いかもしれません。しかし、中央アルプスの中ではあの一部分が極端に整備されていてハイマツも少ないエリアなのです。西駒側も空木岳側もハイマツの中に顔を見せる花崗岩が山肌の特徴な雰囲気があります。
そして、どこも道が地味にキツい……、襲い掛かるハイマツブロッカー、細い道に凶悪なアップダウンと中央アルプスは歩くのが結構大変な場所です。
三ノ沢岳は上記のような「中央アルプスの良い所」を気軽に浴びることが出来る山で、中央アルプスの日帰りではかなり満足感を得ることが出来る場所です。
というわけで、西側からみる切り立った木曽駒ヶ岳と宝剣岳の絶壁、襲い来るハイマツ、登山後の宝剣岳とボリューム満点な中央アルプス登山の一日をお楽しみください。
気が付いたら三ノ沢岳の後に宝剣岳から木曽駒ヶ岳を経由して千畳敷に帰っていた……、そんな中央アルプスの一日が始まるよ!
三ノ沢岳+宝剣岳+木曽駒ヶ岳日帰り登山の概要
早朝登山切符で輝くチングルマ
2022年7月31日午前2時00分、談合坂SA。
こんばんわ、Redsugarでございます……談合坂のすた丼を久々に食べました、車内がニンニクです。
中央アルプスや南アルプスに行くといえばこの談合坂SAですね、ちょうどいいポイントにあるんだよなぁ……。
ここでご飯を食べておけば登山口につく前のPAくらいで用を足せる、それになんといってもB級グルメの品ぞろえが良い。22年度は麺工房、ラーメン大皇、SUKIYA(牛丼)、伝説のすた丼と麺類×2+肉丼×2のパワー系布陣、どれを食うかと問われれば……すた丼かな。
登山前は深夜で食欲も細いということでノーマルすた丼を食べるのだが、たまにはガリバタすた丼とか、すたみな唐揚げ定食とかチャレンジしたくなる。登山中に悲惨なことになりそうだが……。
午前4時45分、早朝指定ロープウェイ行きバス乗車。
「うそ……バス乗車まで早すぎ……」
古のネット広告私の年収低すぎみたいな感じに言いましたけど早朝割りのバス乗車はこれまで木曽駒ヶ岳で待機列に並び朝から辛酸舐め太郎してきた身には沁みました、傷口に塩をぬった来るくらい染みたね。
こんなの経験しちゃったらもう駒ヶ岳ロープウェイは早朝割り以外ありえない。
しかも、駒ヶ岳ロープウェイバスの時計がもらえちゃう。
料金の高めだけどこの時計のおかげで元は取れてるんじゃないかと思えちゃう。
バスに乗車後、待機列を眺めながらバスは出発ししらび平へ……、その後朝一番のロープウェイに乗車しノンストレスで山頂駅へ向かいました。
午前6時00分、ロープウェイ山頂駅出発。
早朝の千畳敷駅、もう余裕ありまくりということで余裕ぶっこいてトイレで時間を使ったりコーヒーを優雅に飲んでいたら6時になっていた。登山客が上がってくるからあわてて準備を開始してスタート。
22年度は改修工事中の千畳敷駅でした。
中央アルプスから眺める南アルプス、ヤマテンを契約していると年間数百回は見る景色です。(南アルプスエリアの山のライブカメラが稼働しているのがこの付近、さらに6月くらいから一日に何度もライブカメラを確認するRedsugar)
千畳敷方面へと登る登山客とは逆方向、極楽平方面へ向かいます。
宝剣岳って木曽駒ヶ岳側から歩かれることが多いので、朝の段階でこっちに来るということは空木岳まで縦走するようなやる気にあふれた獣のようなおじさんが多い。
道中千畳敷駅と千畳敷カールを見返すと……冬場に雪崩でぶっ壊されそうな場所に建ってんだなあれ。
極楽平まではめっちゃきれいに整備された階段が続く、ひぃ!ひぃ!!と言いながら登るしかない。
7月末、中央アルプスのチングルマはすでに穂になっていました。
これがまたかわいくてですね、開ききる直前の穂ってふわふわ~っとしていて妖精さんみたいですね。
これが開ききると宇宙生物みたいになってしまいますが、その直前の赤ちゃん穂の状態はなんてかわいいことでしょう?
足元にふわっふわの穂が大量に咲き乱れる極楽平への道、楽しすぎてすごい時間が過ぎちゃった……。
でもこれめっちゃ可愛くてですね、なかなか穂になりたてのチングルマを見る機会もないもんだから撮影に時間かけちゃった。
極楽平方面から降りてくる登山客は前日千畳敷の宿に泊まっていた、なんて方が殆どなのかな。
朝の稜線散歩を満喫したあと、下山してソースカツ丼だ!明治亭だ!みたいな話をしていた。
最近思うんだけどトンカツはいろいろバリエーションもあって俺は好きなんですよ、トンカツはA級まで行けるポテンシャルがあると思う。でも……ソースカツ丼となるとこれが難しい、圧倒的にB級だ、B級を越えることが出来ない気がする。
例えば冬場によく行く埼玉県小川町周辺登山で、下山後に行くトンナリー。ワインによく合うからっとした一口とんかつに有機根菜の素揚げ、赤みその味噌汁にご飯、ワインが合っちゃう。
だけどもだっけどだ、ソースカツ丼はそういうバリエーションを経験したことがない。ソースカツッ!コーラーッ!ビールッ!みたいな呪文がセットになる超大盛ピザ&コーラみたいなB級グルメ感があふれている、まぁ……食べるんだけど。
上部へ登ると満開のチングルマ。
千畳敷駅周辺のチングルマは穂になっていたけど、極楽平へ近づくとまだ花が残っていた、大した標高差はないと思ったんだけど違うもんなのねぇ。
午前6時35分、極楽平。
山頂駅出発から30分ほどで極楽平へ、もう少し急ぐ必要はあったんだがチングルマを撮影していたら時間がかかってしまった。
極楽平からは今日の目的地三ノ沢岳が見える。
んんん!?なんか山頂にうっすらと雲がかかっているように見えるんだが……まだ6時台だぞ!?いくら夏だからってそりゃないぜ!?
というわけで極楽平から見える三ノ沢岳へ、木曽駒ヶ岳~空木岳のような圧倒的アップダウンをお見舞いされる稜線をたどって向かいたいと思います。
三ノ沢岳、玄人好みの静かな道へ
見る見るうちにガスって来たんだけどナニコレナニコレ……
隊長!宝剣岳が見えません!!
おかしい、極楽平から北側には宝剣岳が見えるんだが、何も見えない程度にはガスっています。
7月末ったってまだ午前6時台だぞ!?これは三ノ沢岳もガスに包まれるのは時間の問題か!?ということで先を急ごう。
三ノ沢岳に行くにはこちらの遭難の碑まで来る必要がある。
将棋の駒が立てかけてあるポイントのすぐそばに難易度ハードな登山道の入り口が広がっています。
でもあれか、極楽平って北も西も南も全部厳しいルートだからここだけが安全地帯みたいなもんか。
こちらが三ノ沢岳入り口、別世界への入り口なんですけどすでにハイマツ林の中へ向かって一気に道が細くなっているのがお分かりいただけただろうか?
おわかりいただけただろうか……?
ガスの中から見えた空木岳方面、山頂にのみかかる例の雲がくっきり……。これぞ夏の天気って感じがするな。
少し標高を下げてガスの呪縛から逃れると現れた三ノ沢岳、まだガスはかかっていないが時間の問題っぽい雰囲気。
ここからみるとすごいきれいな二等辺三角形を描いており、均整取れた美しい姿は名山そのもの。
そしてなんていうんだろう、この青々とした姿の中にぽつぽつと現れる花崗岩が、まるで南の島の高山のような見た目を生み出している。
中央アルプスってこういうのが特徴的だと思う。
木曽駒ヶ岳や宝剣岳は真っ白、稜線に覆いかぶさるような雲のヴェールが稜線だけを虚無の世界へと変えてしまっていた。
「あ、あぁ!!三ノ沢岳が!親方!三ノ沢岳がッ!!!?」
山頂だけ白く濁る光景を眺めリアルタイム実況をしながら歩く三ノ沢岳登山道、ここで焦っても山頂まではどう考えても2時間近くかかる、絶望。
花崗岩をはいずるナメクジと、巨大な山を歩く俺たち登山者は似たようなもんだよな、歩く速度が。
三ノ沢岳はまるで俺の到着を待っていてくれるかのように雲の猛攻にさらされながらも耐えてます、今のうちにこのアップダウンを乗り越えて山頂にたどり着かなくては……!と思いつつも、ここは木曽駒ヶ岳みたいな歩きやすい感じは全くなく……ハイマツブロッカーに悩まされる結構大変な登山道なので速度が上がらない。
道は全体的にこんな雰囲気、伐採されたハイマツもところどころあるので松脂にお気をつけて……という感じ。
鞍部までおりきるとからりと晴れているので日差しが気持ちいい。空木岳方面は相変わらずの山頂だけガス、あのきっつい池山尾根を登った先があの状態だと泣いちゃうんじゃないか。
空木岳方面と同じく宝剣岳と木曽駒ヶ岳は御覧の様相である。
伊那方面から雲が上がってきているわけではないのよね、ただ稜線に雲がかかっている。
御嶽山方面も似たような状況みたい、7月31日……本日は早朝より湿度の影響で山頂のみガスがかかる残念なコンディションに。
三ノ沢岳登山道はというと、やっぱりこういう場所が多くて……空木岳から木曽駒ヶ岳を目指した時にこういうのたくさん上ったり下りたりしたなぁという記憶がよみがえる。中央アルプス稜線のあのキッツい感じをジェネリックで感じれるこの尾根道を先に知っておきたかった。
初めての空木岳の前にここ登っておくと、あの稜線に耐性が付きそうだよ。
ずーっと御嶽山が見える、あちらも長野県側から雲が攻めあがってる。
大きなケルンがあるポイントまで到着、ここで午前8時。
大体1時間半くらい稜線のアップダウンに苦しめられたが、ここから先は登りしかなくなる。
景色に花崗岩の中サイズくらいの岩が増えてきて、特異な景色を演出し始める。
空には灰色の雲が多くなってきました、さすが夏……と思いたいけどまだ10時前。
今日は本当に朝だけしか晴れない奴だったかーとちょっと残念な気持ちになりますね。
登山者が登らなければこの道もすべて緑の下だったんでしょうね、山肌を覆う草木の下にこれらの中小様々な石ころが眠っていたんだろうけど。人が歩くたびにそれが姿を現したんだなと。
ケルンの向こう側、たどってきた道がよく見える。
北側の木曽方面の谷は深く、一枚岩のような花崗岩がすとんと切れ落ちている。
南側は穏やかな様相で、緑に包まれた斜面が谷底まで続いていた。
ガスが稜線すべてを覆いつくしていくもんで、三ノ沢岳山頂は結構景色が厳しいというか……もう駄目なんじゃないかと8割くらいあきらめながら登っていく。
上を向いても真っ白。
花崗岩とハイマツがミックスされた山肌は北アルプスとはまた違う雰囲気を感じさせてくれる。
屋久島の宮之浦岳には登ったことはないのだが、写真で見ると緑と白い岩で構成されていたので、こうしてみると中央アルプスは似たような景色が広がってるんじゃないかと思うが……、向こうはハイマツじゃなくてシャクナゲとかなんだろう。
午前8時40分、三ノ沢岳。
極楽平からびっくりするくらい標高を下げてからのアップダウンを耐えて、ケルンからキッツいのぼりを耐えて……たどり着いた三ノ沢岳山頂はなんとびっくり晴れていた。
木曽駒ヶ岳方面は相変わらずのガスで視界は悪いんだけど、北西南方面の眺望はよく、青空の下で景色を楽しむことが出来ました。
山頂はそんなに広くない、巨大な岩が積み重なった山頂ではなかなか休憩地を探すのが難しい。
一番いいのは山頂碑のすぐ後ろの巨大な岩の上、写真でも黒い人がいるあたりとかは良い所で、寝転がってよしな座り心地だったと思う。
三ノ沢岳山頂からは中央アルプスの西側が良く見えるのだが……森が深い。
中央アルプス界隈は山が開拓されて植林も進んでいるためか山が青々している印象が強いんだけど、まさに印象まんまな景色を見下ろすことが出来る。
そして、複雑な形の稜線が蛇行しながらこの中央アルプス稜線へと向かってきているんだけど……あれをたどるのは相当難儀しそうだ。
三ノ沢岳山頂にたどり着いたタイミングで雲が山頂からはけていき、中央アルプス主稜線の景色が見えるようになったが……、張り付くようなガスに相変わらず覆われている。これはこれでレアな景色。
ちなみにこの日に投入したのはこちらのザック、カリマーの「dale28」です。
カリマーといえば頑丈でたくさん入る代わりに重いイメージがあるんだけど、エントリーシリーズのdaleやlancsといったタイプは1㎏を切る重量で日帰り登山には最適。
この記事を書いているころにはさらに軽量な500g前後のシリーズも出ているけども、ULザックはちょっとテクニカルな部分もあるので、通常ザックとしては800g前後がおすすめかなと思う。
宝剣岳、花崗岩の城を歩く
三ノ沢岳に登ったので、極楽平へ戻るわけなんですけども……ガスがひどくなってきました。
ハイマツ道中に現れる積み木のような岩を探しながら来た道を戻ります。
帰り道はガスの中っていうタイミングもありましたので、往路とは全然違う雰囲気も楽しめます。
とはいってもあのアップダウンの感覚はしっかりと身に染み込んでいるので、最後の登りは心して歩くわけですけど。
三ノ沢岳からの帰り道で一番きついのは言わずもがな極楽平への登り。
2,900m付近から2,650mくらいまでギューーーンって降りたわけだから、登りもギューーーン!って感じで登……れるわけねぇだろ!アホか!というわけ。
最初からここすっげぇ辛いというのがわかっていたから、覚悟完了していたから大丈夫だったけどなかなかキッツい登りで息が上がりました。
極楽平は相変わらず真っ白……というわけではないらしい。
午後10時を目前にして結構晴れ間が見えてきました、これはムキムキと登山欲が芽生えてきてしまう。
このままでは木曽駒ヶ岳を目指して周回登山してしまいそうです。
あ、あるぇーーーー!!木曽駒ヶ岳方面晴れてるじゃーん!?これもしかして今から行っても楽しいんじゃねー!?
実際はこんなに輩なテンションじゃないんですけども、晴れてきちゃってるのを見ると足を延ばしたくなるのが登山者の気持ちというもの。
午前11時00分、宝剣岳分岐(遭難の碑付近)
三ノ沢岳から帰ってきたところでまだ正午前でした。
正直これが日の短い時期なら11時下山で帰るんですけど、夏場となるとね……勿体ないよね。
中央道をひた走りやってきて、8時間も歩かずに帰るとなるとちょっと勿体なくない?早くない?という気持ちが自分の中には芽生えており、悩ましいけど木曽駒ヶ岳へ向かうことにしました。
ちなみに一番大きな理由は、宝剣岳に上ったことがないからでした。危ないっていうから登山始めてから近づいたことがなかったエリアなんだよね。
宝剣岳方面は初めて見たけどゴジラの背中がずっと続くような世界。周りから眺めるだけだったので知らなかったんだけど、宝剣岳にたどり着くまで結構な距離を歩くことと、いくつかのピークめいた場所を越えるというのを今回初めて知りました。
宝剣岳までの道のりは結構足元が怖い場所が続く。覚悟をびしっと決めてやってきたわけではなく、木曽駒ヶ岳までの道中で……みたいな軽いノリで突入してしまったので最初はちょっと戸惑った。
ここ怖いじゃん、というのが歩いた率直な感想。
写真の中に写る登山者とゴジラの背中のような山肌の対比でこの宝剣岳に至る道中のやばさがわかるだろうか?
ゴツゴツしすぎた山肌は若干グロテスクですらある。
ゴジラ-1.0も登場するゴジラとかこんな感じの肌してたわ……。すげぇ岩肌で剱岳や槍ヶ岳ともまた違う、異質な雰囲気がする。
ルービックキューブみたいな山肌に草が申し訳程度にふさふさってついてる宝剣岳への稜線。
前を見るとクライマー一家がロープつけて下山してくる……!
目の前を降りてくる少年とお父さん。話を聞いたら小学生低学年とのことですが、そんな年からこんな冒険させられちゃったら普通の秘密基地ごっことかではテンション上がらなくならないだろうか?
冒険ごっこよりも本物の冒険しちゃってる、降りて来るのを見ているのは正直ハラハラドキドキものだった。
鎖や杭が打たれた山肌からはるか下に千畳敷の園地が見える。
巨大な花崗岩に覆われた宝剣岳の山肌を全身を使って登っていくとようやく山頂が近づいてきた。
前を見ると蟻みたいなサイズの人が巨大な岩の脇を行ったり来たりしている、岩のサイズでいうと三ノ沢岳よりも圧倒的に宝剣岳ですよお父さん……こっちはマジでビッグサイズです。
どんな道をたどってきたんだ自分、と思い振り返ると宝剣岳までの道のりも一歩間違えると数十メートルは簡単に落下するアレなところ通ってんなと……。
宝剣岳山頂直下までやってくると現れるのが宝剣岳名物のこちらの岩。
どういうバランスで成り立っているのか確かに気になるが、そのうち根元からぽっきり折れそうで怖い。
上に立ってみるとこんな感じになっていまして……、高所恐怖症の自分としてはもう手に汗が……、記事を書いていても手に汗が出てきてしまう。
はるか下に千畳敷駅が見えますね……、三ノ沢岳登った後はすぐに帰ってもよかったんじゃ?と登りながらちょっと後悔。
宝剣岳は岩以外見るところはないのか?と思われますがそんなことはございません。
チシマギキョウとかはちょこちょこ咲いてる。
ひぃー!すっげぇ高度感!今日はこの心の準備をしてこなかったから怖いよぉ~!っていうのが登っていた当時の状況。
11時40分、宝剣岳山頂。
宝剣岳山頂はめっちゃ狭い。登山者がひしめき合うことすらできない、岩と岩のくぼみに何とかスポっと入ってすれ違いを待つような、そんな感じの山頂になっている。
あの一番上のピークに上って自撮りする人も結構いるんだけど、ああいうのができる人は度胸試しをさせたらいい成績を収めるんだろうな……。
あんまり天気も良くないし、山頂も気持ちいいもんではなかったのでとっとと降りて木曽駒ヶ岳へ向かうことに。
宝剣岳から見下ろす伊那前岳方面なんですけど、これは結構特徴的というかいい景色だった。
三ノ沢岳から緑の木々を引っぺがして岩を露出させたらこんな形になるんだろう、急峻な崖がとてもかっこいい。
宝剣岳からの下り道は岩の中に包まれるような道。鎖を頼りに降るが……ここはすぐに終わってしまう。
木曽駒ヶ岳側からくると宝剣岳はすぐに山頂なんだけど、極楽平からくると山頂が最後なんだというのをいい感じに体験できました。
木曽駒ヶ岳、平穏な稜線より下山
宝剣岳から降りるともう危険個所はなくなる。あとは木曽駒ヶ岳の山頂を踏んで帰るだけです。
いや、正直別に木曽駒ヶ岳に行かずに乗越浄土から千畳敷に降りてもいいんだけど、ていうかそうしたほうがいいと思うんだけど……ここまで来ちまったからにはガスっていても山頂に行きたくて仕方ねぇ!というのが人のサガでした。
ガスが沸き上がりつつも頭上は晴れているので気持ちのいい登山を楽しめる木曽駒ヶ岳。
あたりは家族連れやカップルがワイワイしている……先ほどまでの三ノ沢岳の静けさや何処。
午後12時20分、頂上山荘。
山頂を目の前にしておなかがすいたRedsugar。よく考えたらこのブログの一番最初のすた丼を皆さん覚えてるでしょうか?あれ以降水しか飲んでませんでした、さすがにエネルギー不足を感じたのでコーラを注文。
やっぱりコーラは最高です、糖分が身体に染み渡る……一気に身体が若返った気がする。登山で飲むコーラほど健康になりそうな感じがするものはないですね。
普段仕事中に飲む炭酸飲料は太りそうな気がするが、登山中は逆で体に糖分が染み渡るような感じがして……運動している感を強めてくれる。
圧倒的な夏山っぽさがある木曽駒ヶ岳。三ノ沢岳に比べると圧倒的にリアルが充実しているようなにぎやかさがあります、客層が違うんだよな客層が。
午後12時40分、木曽駒ヶ岳山頂。
山頂に到着すると真っ白でした。ここに来るまでは結構青空もあったんだけどなぁ~、真っ白だわ……。
木曽駒ヶ岳山頂を踏んでから帰るという責任感めいた目的だけでやってきてしまったので、一息入れたらすぐに千畳敷に帰還することにしました。
木曽駒ヶ岳のテント場はそんなに盛況ではなく、テントはまばら。
手軽に標高2,900m台でテントが楽しめると考えるとすごくいいよなと思う。似たような標高を求めると大天井とか思い浮かぶけどアクセスがきつい。それに比べてここはたどり着くのがすごい楽だもんな……。
夏場に日本酒とつまみを担いで、ラジオをつけながらエバニューのtibitibiとかで一杯やってみたいねぇ。
千畳敷カールをすたすたと降りてロープウェイ山頂駅を目指します。急ぐ理由はただ一つ、ロープウェイ渋滞に巻き込まれないように。夏場の中央アルプスロープウェイは大混雑なので、夕方になると下山も一苦労になってしまいます。
午後1時50分、千畳敷駅。
到着時にはすでに外に待機列ができ始めるような混雑具合だったのですが……無事菅の台まで下山することが出来ました。中央アルプスロープウェイから下山した後はいつも通り「こぶしの湯」で汗を流す、瓶ジンジャーは安定の味。
駒ヶ根エリアの下山後はこまくさの湯かこぶしの湯のどちらかになるよね。
中央アルプス登山後のご飯はソースカツ丼にする人が多いと思いますが、ラーメンにしました。
もう俺は伊那周辺に行くたびにソースカツ丼食べさせられるのは嫌なんだ!それにソースカツ丼ってどっちかっていうと福井のほうがおいしかったし!伊那で食べると大体びっくり人間サイズだし!といった感じで下山後→ソースカツ丼の流れに反旗を翻した形となります。
関東周辺や東北でラーメンはよく食べるけど、比較すると長野は結構特徴的なラーメンが多いなと思う。
登山後に風呂も入ってラーメンも食べて、三ノ沢岳の後に宝剣岳から木曽駒ヶ岳とガッツリ歩いた7月最終日。
満足した足で「中央道の地獄の渋滞」へと突入していったのはまた次のお話でした。本当、中央道の小仏トンネルから上野原付近の渋滞だけは本当にキッツいなと思う一日の終わりでしたとさ。
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