2020年2月11日、長野県の真ん中は松本市にある鉢伏山に登ってきました。
標高は1,929mで美ヶ原のお隣にある山、高ボッチ付近にある山となります。
アクセスの関係から美ヶ原の仲間といえる 鉢伏山 、その特徴はやはり眺望の良さにあります。
登山中に見えるのは壁のようにそり立つ美ヶ原の山肌と王ヶ頭、山頂まで上り詰めたその先には雪を纏った北アルプスがドーンと現れるのが鉢伏山の良い所!
今回は厳冬期シーズン、山頂が開け高原的な様相の鉢伏山から雪化粧したアルプスの山々、美ヶ原、そして富士山の大観峰を楽しみます。
冬季に登れるハイキングスポットとして北八ヶ岳のような気軽さがある鉢伏山、ワイワイハイキングにおすすめしたい山の一つですが、それ以上に美ヶ原ってこう見ると確かに百名山なのがわかるなぁーという特徴的な景色が楽しめる場所でした。
鉢伏山冬期登山の概要
扉温泉から始まる冬の鉢伏山
2020年2月11日午前6時40分、鉢伏山登山口。
今日は登山口からこんにちは、関東を出発して深夜の高速道路をひた走りやってきました……鉢伏山。
扉温泉が地味に遠くやってくるのが大変でした。早朝の凍結した車道、駐車場がほぼない状態なので車を止めるのに苦労したものの、なんとか駐車スペースを見つけて登山準備を開始。
しかし……、運転していた時の記憶がほぼない。
俺はいったいどうやってここまで運転してきたんだ……?
本日はブロガーのみやっちさんと、カメラマンのよこいちさんと登ります。たぶん全員アクセスの記憶が無い気がする。
駐車スペース近くにある登山口、でかでかと看板があります。看板曰く山頂まで約6キロほどらしい。
冬季にメインとなるこちらのコースですが沢沿いを歩き始めます、落ち葉の上に雪が降り積もる川沿い。
よく見ると氷筍みたいなものができていたり、谷底の河はそれはそれで面白そうです。
前半戦の雰囲気はほぼ奥多摩、冬の奥多摩ですね。
氷と雪に彩られた川沿いの景色、同行しているカメラマンのよこいちさんと眺めながら登っていきます。
最初の内は針葉樹の森を抜けていきます、緩やかに登っていく状態というかほぼ平坦な道を延々歩き続ける。
奥多摩な雰囲気から奥秩父な雰囲気に、短時間で関東の低山を感じることが出来ている。
我々は会社員ということでフリーランスのよこいちさんの職業が珍しく、お仕事の話を聞きながらワイワイと登っていきます。冬枯れした寂しい景色の中を延々と進んでいくんだけど、なんか話していたら結構な時間が経ってしまった。
何というか、歩いていると長野の里山っていう感じがします。関東の里山とは雰囲気が違って寒々しい景色が広がる感じが……。
少し進み続けると沢沿いから一気に尾根に向かって登るような道に入ります、カラマツの植樹帯に入るのですがここは日当たりが良くて気持ちがいい道でした。カラマツの回廊を登っていきますが、ここは無心で登れちゃうね。
よこいちさんが麓で写真を撮ることになり、僕らのみで山頂を目指して登ることになりました。ここから先はみやっちさんと僕で快速特急で登り、下山します。
美ヶ原と穏やかな山頂
午前9時25分、森林限界突破。
登山開始から意外に2時間以上、写真ではすぐですが意外に長いこと歩いてやってきました森林限界。
途中の景色で見どころみたいなものはあんまりなくて、歩き続けて気が付いたら目の前に美ヶ原が見えるという状態。
ここで期待はしていたんだけど、カラマツの木々が氷を纏って一部奇麗な霧氷ができていたのがうれしかったですね。
天気は晴れだったのですが、美ヶ原と鉢伏山の間には低い雲が漂い時折雲が山頂を這うように流れていきます。
美ヶ原を背景に雪原へと登りゆくみやっちさん、この景色はいいなぁ……。
冬場の鉢伏山の景色は少し雲があるくらいがいいのだろうか、標高的に低層雲が間近に見えるくらいなので雲海が出る朝などは滅茶苦茶興奮できる景色が広がりそうだね。
鉢伏山山頂部分は草原になっているのか、霧ケ峰のような丸くて穏やかな風景が広がります。
目の前には美ヶ原の電波塔が見えるんだけど、ここで驚いたのは美ヶ原の地形です。歩いたときはそこまで気が付かなかったけど対面から見ると屏風のような壁が随分と長く広がる特徴的な山なんだなというのがわかります。
ここから見ると山というか崖にしか見えないな……、テーブルマウンテンみたいだ。
あの電波塔のところ、優雅なホテルに泊まってみたいなぁ……。
鉢伏山の山頂は美ヶ原方面とは逆方向、丁寧に杭が打たれた登山道を登ります。穏やかな丘みたいな景色……霧ヶ峰みたいだ……。
ジェネリック霧ヶ峰と言いたいが、こちらの方がアクセスや登りがキツイ。なんでこんなに苦労したのにジェネリック霧ヶ峰なんだという文句が一瞬噴出した。
振り返ればモクモクと湧き上がっては流れてゆく雲、雪原を登ってくる登山者とその奥の美ヶ原が何とも絵になる。
どの辺が山頂かな?と思っていると避難小屋というか展望台的な建物が見えてきました。
山頂部分は気温が低く乾燥しているため足元の雪はサクサクとしていて踏み心地がいい……、もう山頂についちゃうのはもったいないな。
小屋の向こうに見えるのは御嶽山ですね、さすがアルプスの展望台だけあって奇麗に見えましたが……。この当時は望遠系が70㎜までしかないため撮影なんて無理でした。
鉢伏山山頂部は北アルプスの天望が良く、目の前にまず乗鞍岳がドーンと現れます。ここから見る乗鞍岳は一言でいうと立派な連山の様相、本当にでっかいなぁ……。
夏と冬に歩きましたが乗鞍は縦走したりなんなりしないとその良さを理解できないと思う場所なので、平湯あたりからちゃんと登りたいですよねぇ。
午前10時30分、鉢伏山山頂避難小屋。
展望台が付いている避難小屋に到着しました、意外と3時間以上歩き続けたのでおなかが空いていたので軽く行動色を口に入れます。よこいちさんが下の樹林帯で撮影をしているということもあり我々二人は早々に下山しなくてはなりません。
でも、山頂の景色が良いから……早く急いで歩いて帰ってきて状態になりそうだな。
鉢伏山山頂、標高はあまり高くないんだけど吹き曝しだからかめちゃくちゃ寒い、正直外に居続けるのがつらいです。
富士山と北アルプスの山々
行動食を食べたら早速小屋の外に出てみますが、まず目の前に富士山が見えます。
これが非常にいい富士山でして……、八ヶ岳と南アルプスのすそ野の向こう側に富士山が座ってるんですね。
この辺のエリアに写真愛好家が詰めかけるのも理由がわかる景色です。
高ボッチ山から撮影された写真とかで似たような景色を見たことがあるけど、ここは富士山撮影する人は好きな場所なんだろうね。
富士山を見つめる僕ですがバラクラバの上にニット帽をかぶっているため完全に不審者みたいになってます。
冬山装備でコンビニは絶対に入れない、通報される。
山頂からは富士山と目の前の乗鞍岳が良く見えましたね。
北ア??低層雲が邪魔で北部が見えなかったので山頂からの景色はない。
帰り道は再び美ヶ原なのですが雲が流れてより特徴的な景色が目の前に広がります、この牧歌的な山頂部を歩く姿と目の前の大きな美ヶ原……いいな。
午前11時10分下山開始。
山頂部をいろいろとうろうろして、北アルプスが何とか見えんかなと試行錯誤していたら、それなりに稜線部分だけが見れました。雲が流れて乗鞍岳以外の北アルプスも鮮明に見えて、白亜の稜線が一線に空と大地を隔てています。
常念も、穂高も北部も見えるわ……、アルプスを眺めることで気持ちが満足した。今日はもう帰ろう。
アルプスを見て無事に満足したところでなんか雲が上がってきました、気持ちに反応しているわけではあるまい。
山頂部に覆いかぶさってきたガス、タイミング的には青空を堪能したのでガスってもいいよっていう感じでした。
カバノキがかっこいいわーとかあたりをきょろきょろと見回しながらどんどん下山していきます。
カラマツ樹林まで戻ってきたらまた青空が戻ってきましたが……、この山の下山タイミングでは写真を撮りたいようなイベントが全く起きなくてひたすら二人で下山を続けます。
急いで下山しようとは言ったんだけど本当に急いで下山したので記憶が無い……。カラマツエリアを越えた後、沢までが本当に何もない。
午後12時55分、下山完了。
沢沿いに入るとようやく木漏れ日が現れ雰囲気も良くなったのですが、カラマツエリアから先は倒木と雪の世界で「雪国の雑木林」感が凄くて無心で下山を続けることになりました。その結果午後1時に下山完了……。
この時期の登山としてはかなり早い時間に下山できてしまったのではないでしょうか?6時間登山はかなりクリーンでホワイト、体力的にも余裕が大きいので3人とも元気な状態で扉温泉「ヒノキの湯」へと向かいました。
ヒノキの湯はすっごいいい温泉だったんですけど、牛乳が無いんですよね……、牛乳が。
代わりに瓶コーラがあるのですが、個人的にはやはり牛乳が良いのです。というわけで牛乳という本命を想いながら瓶ビールでのどを潤しました。
……いやぁ、炭酸もいいね。
その後は定食をいただき帰路に、扉温泉がまたここでもちょっとした遠さを発揮してくれたことと、食後の満腹感と車内の暖房の影響で「驚異的な眠さが一瞬襲い来る」状況に難儀しましたが東京へと帰ることが出来ましたとさ。
マイルド雪山鉢伏山、関東から向かうにはちょっと遠いというか、鉢伏山以外の山に皆行ってしまうのでマイナー扱いされそうな山ですが、霧ヶ峰の大岩壁を目の当たりに見ることが出来たりする良い所があります。
長野の百名山展望台といわれる王ヶ頭ですが、その王ヶ頭自体がどうなっているのかを見ることが出来る鉢伏山。
麓の扉温泉も併せて、北横岳や入笠山からのステップアップで訪れてみるのはいいのかもしれません。
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