2018年6月30日から7月1日、その日はついにやってきたのです。
日本第二位の高峰であり南アルプス最高峰の北岳に行ってきました、標高は3,193m、日本で二番目に高い山です。
北岳は登山を嗜む方なら定番の山の一つ、南アルプスでは仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳と同じく多くの人で賑わう山です。
北岳は日本三位の高さを誇る間ノ岳と隣接しており、その先の農鳥岳と合わせて白根三山と呼ばれています。
今回は1泊2日のテント泊、間ノ岳までの稜線を楽しみます。
北岳から間ノ岳の間に現れたのは高山パラダイスの風景!
どこを見てもいい景色が広がる天上の楽園でした。
それでは行ってみましょう、初夏の北岳テント泊の旅です。
今回の北岳テント泊について
広河原からゆく、草滑りの北岳
おはようございます、Redsugarです。
いつものごとくサービスエリアからこんにちは、今日はね、北岳に登りますよ。珍しくね、今回はテント泊です。
このシーズンはテントを使おう!そう思ってテントを持ってきた次第。
午前5時10分、奈良田駐車場。
シーズン前の奈良田駐車場ですが、結構ガラガラでバスには余裕で乗れるな、うん。
という状況でした、6月末から7月頭は草滑りコース利用とはなりますが、北岳は空いているという環境でした。
バスに並ぶ登山者たち、この駐車場ですがトイレは仮設です。
なので用を足す場合はもっと手前でなければいけません。仮設トイレを使うというのは最後の手段にしたい、いや、本当に最後の手段は携帯トイレなんだけども。
午前6時20分、広河原。
立ったまま寝ていたのか、記憶がありません。
気がついたら広河原についていました、若干気持ち悪いんだけど……。
ついにやってきた南アルプス広河原、当ブログは何故か南アルプス最初の一座が聖岳だったりする変なブログ。
広河原も登山4年目でついに到達です、なお上高地は未だ未経験です(焼岳下山時に歩いた程度)
登山前、まだ体がきれいなうちに色々見学しておきましょう、下山後は汗ダルマだから。
ビジターセンター二階には軽い軽食があり、補給は一応可能です。
休憩所は奇麗な場所なので、下山後の汗だるまでここで休憩するのは避けたほうがいいかも。
トイレはありますが、ウォシュレットとかはありません。
地主の方は携帯用ウォシュレットを利用してください。(地主:お尻に病気を抱えている方のことを言う)
ビジターセンターから広河原山荘へは橋を渡ってすぐです、北岳を目指す登山者の方々が大勢僕の前を歩いていきます。
すでにいい天気だけども、まだ梅雨の真っ最中。
きっと山頂につく頃にはガスの中でしょう、この時期晴れるのは午前11時までがいいところ、正午付近からは大体雲の中なんじゃないかなという覚悟が大事です。なので、朝の3時とかから歩くんですけどね…。
午前7時00分、広河原山荘。
スタート地点の広河原山荘にやってきました、ここを越えると次の補給地点は白根御池小屋になります。
食べたいものや飲みたいものはここで買っとけ。
「野菜、とれないかもしんないしな……」
気がついたらトマトジュースが手の中にありました、登山前に飲むスッキリとしたトマトは普通のおいしさ。
下山後にまた飲むことにしましょう、塩分と糖分に飢えた体であれば旨味成分を余すことなく舌の上で転がせるはず。
午前7時5分、北岳登山開始。
夏山祭プレイボールです。北岳待ってろよと勢いよく飛び出したいが、体は重たい。
広河原山荘を出発してから、3時間近くは樹林の中を進みます。
更にその後2時間低木の樹林を進みます、稜線は最後です。樹林地獄南アルプスの素晴らしさを思う存分楽しんでいこうではないか。
午前7時35分、白根御池分岐。
6月末なので草滑り以外のコースは利用できません、白根御池に向かいます。
北岳の樹林は巨木が立ち並びますが、南部とはまた違った雰囲気。
道が整備されているからかな?聖岳はワイルドな登山道でしたが、北岳は比べるとスタンダードだなと思います。
気温がジリジリと上がる、しかし樹林故にまだなんとかなっています。
標高が上がりいつものように植生は変わる。針葉樹が増えると若干歩きやすくなるから好きです。
チョロチョロと音が聞こえてきたので顔を上げると視線の先に白いせせらぎ。お、小川だ……。
み、水だぁーーーーーっ!
水場付近は展望が開け、向かいの山々等がどういう状況なのかを確認することができました。
うん、雲が上がってきているのがわかるよ。
水場で一旦休憩しましょう。流石に白根御池までノンストップで歩き続けるのは厳しい。
上から流れてきている小川なので濾過推奨かもしれないが、とにかく水がほしい。
コップを差し出し溢れ出る清水をコップいっぱいに注ぎ、それを喉の奥に流し込みます。
胸のど真ん中が急速に冷やされ、火照った体に冷たい風が響き渡りました。
追加で頭も洗って手拭いも 濡らしましたが、天国のようでした。
樹木が細くなり、森の中も明るくなってきました。
コメツガ、シラビソ林は越えたんだろうか?樹皮が白いカバノキが増えてきた……。
着々と標高が上がってきている証拠を感じつつ、白根御池へ向かいます。
白根御池小屋、ソフトクリームに癒される。
午前9時40分、白根御池小屋。
記事だとすぐについたように見えますが2時間ほど樹林を登って小屋に来ました。
本日の中継地点となり約半分の工程となります。
まだここから3時間以上歩かないと頂上にはつかないので、北岳ってコースタイム長いなというのが正直な感想です。
白根御池小屋は一言でいうと楽園、なんでもある。
印象的だったのは交代の小屋番さんが登ってきて、すでにいる小屋の方に言われた一言。
「お疲れ様ー!暑かったでしょ?まずはお風呂入って!」
従業員用のお風呂があるんでしょうかね、一瞬耳を疑いましたが、のちに訪れる赤石山荘にも従業員用の風呂はあるみたいだったのであるんだろうな。ここでその言葉を聞くと本当に羨ましくなりました。
なんでもある白根御池、ソフトクリームももちろん完備されています。
北岳山頂まであと4時間。
心を挫く表示です、ここから先の辛い登り坂のキツさと長さがこの数字に現れている。
4時間あったら美濃戸から赤岳に登れちまうぜ……。
白根御池のテント場が遠ざかる、それと同時に雲があたりを覆う、青空よさらば。
この日見た一番の絶景はこれでした。
白根御池の坂道と、目の前の山に覆いかぶさる雲。僕もこれから雲の中に突入します。
草滑りコースは北岳のコースの中では比較的早い時期に開通していました。
6月末に北岳に登ることが出来るのもこの草滑りのおかげです。ただし、草滑りコースはとにかく距離が長い……。
樹林帯を越えると森林限界に。
この日はガスのためここまで来ても気持ちよさがなかったのが悲しい。
あたり一面のお花畑が広がっていて、黄色い花に混じってハクサンイチゲ等がたくさん咲いている斜面が目の前を覆い尽くしています。
僕が歩いたタイミングでは草滑りコースはシナノキンバイが主役といった状況でした。
午後12時00分、二俣分岐。
肩の小屋はまだまだ先ですが、この日はなんだか体調が悪くてバテバテになってしまいました。
湿度が高くてとにかく汗をかいてしまったのが敗因か。
お花奇麗だなぁ。
稜線に到着しました。
「ガッスガスでなんにも見えねぇ……」
わかってはいたけども、寂しい景色が目の前に広がっていました。
北岳肩の小屋、ガスの稜線にうなだれる
午後12時30分、小太郎分岐。
北岳肩の小屋まで残り1時間ほどという地点までやってきました。
10分で歩けるところを30分で歩いているから僕の体力の削られっぷりがわかるだろうか。
いつものペースならコースタイムどおりに歩けるんでしょうけども、今日は多分コースタイムオーバーな感じだろうなとここで覚悟をキメます。
幸い稜線に出てあと少しということなので、焦らずのんびりゆっくりと歩くことに。
ソフトクリーム以外食べてないのもバテてる原因だなと思い、チョコなどをなめました。
お花の群生がそこかしこに、しゃがみたくないからスルー。
テント装備で20キロを余裕で越える重量を背負い込んでいるわけで、その状態で今屈伸したら結構げっそりするなという状態でした。
ちょっとした岩場ピークを越えます、ここはストックをしまったほうがいいところです。
こんな感じで斜度もあるので、ストックはしまって手を使って登っていきましょう。
肩の小屋はもう目と鼻の先。
バテて休んでいた登山者の方と談笑しながら僕もゆっくりと登っていきます。
登山道脇のお花の群生も勢いを増してきました、まさに花の時期って感じです。
小屋手前の稜線は7月頭位まではハクサンイチゲが主役なのかなっていうくらい大量のハクサンイチゲが咲いていました。
ミヤマシオガマかな?北岳にはタカネシオガマというのもあり、それは東北にあるミヤマシオガマよりも豪華というので見てみたいところです。
今年は花に恵まれました、花と一緒に登っているといっても過言ではないでしょう。
午後1時25分、北岳肩の小屋。
一日目に北岳山荘まで行ってしまおうという邪な気持ちを持っていたこの日。
あまりの暑さとコースの長さに体力を完全に奪われました。
肩の小屋のテント場のほうがいいよという話も聞いていたので、肩の小屋にて宿泊ということにさせていただきます。
今雌伏の時、翌日の晴れを目指してテントへGO
すっかりガスに包まれはいるんだけども生暖かい空気に包まれた肩の小屋周辺。
色とりどりのテントが並んでいます。赤いテントあれイイなぁー、僕も赤いテントほしかったなーと思いつつ、定番のモンベルステラリッジを設営してご飯を食べに行くことに。
「うーん、なんか食欲がわかない……夏バテかな……」
危うく体力の低下によりご飯が口を通らないという状況になりかけましたがコーラを飲んだら回復しました。
この日はおでんとチキンライスをとにかくお腹に入れ続ける。おでんは非常に美味しく、危うくおかわりするところだった……。
ご飯を食べたあと、夕日は期待できそうにないなと思いテントに潜り込んで寝ることに。
テントの中で沸かしたお湯で体を拭い、スッキリとした体で就寝。
これはお勧めなのですが、コッヘルの蓋とかで50度ほどのお湯を沸かし、それに手ぬぐいを入れて絞り、身体を何回も拭うとまぁ3日くらいは風呂入らなくても清潔だと思われます、森鴎外式お風呂術ですね。
その後、すっかりあたりも暗くなった午後9時。テントを開けてみると外は晴れ、撮影のチャンスがやってきました。
テント脇に三脚を立て、月光と動く雲を撮影することにしました。
みんな寝静まってるかな?と思ったのですがラジオの音とか話し声とか結構賑やかなんだけどこのテント場……。
撮影データを見ると富士山がいる事がわかり、富士山とテントと雲を撮ろうと暫く四苦八苦していました。
仙丈ヶ岳方面は雲が少ない状態、明日は期待できるかしら。
夜間の撮影は楽しいです、稜線でずーっと撮影していたくなります。
最後の最後に富士山が見えて、満足げな一枚が撮れるのでした……。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんばんは。
快晴の稜線、素晴らしいでしょうね…楽しみです!
ちなみに私は、一足?先に、一昨年、redsugar さんの老後の楽しみ(北岳2泊3日)を体験してきました!
甲府からバスで広河原(立ちっぱなしで乗り物酔い)、雨で疲れて白根御池小屋泊
↓
翌日、快晴故の暑さに、草滑りで早くもバテて、もうゴールしても良いよね…と肩の小屋に一番乗り(まだ午前中)
青空の下、北岳の山頂で3時間近くのんびりと…たいへん贅沢な旅になりました(笑)
ルーティエ様
次回は今絶賛製作中で、お待たせして申し訳ございません(汗
北岳満喫ということで、午前のうちに小屋に駆け込むなんて最高ですね!
もうその日は昼寝して、夕日のロケハンして……構図の調整して、撮影して、星撮って、朝日の撮影して……あれ??
なんか想像したら過酷なイメージが出てきましたが、2周目の僕は白根の小屋でぐったりする予定です!笑