2018年2月4日、栃木県日光にある雲竜渓谷にいってきました。
雲竜渓谷は冬になると数多くの凍った滝が現れ、多くの観光客で賑わいます。
特に巨大な氷柱が何本も連なる燕岩付近はアイスクライミングをする方々や、氷瀑を見に来た方々で賑わいます。
過去山と渓谷の表紙を飾り、それ以来冬の人気スポットとして関東界隈の登山者の冬の風物詩となった場所です。
前回、雲竜渓谷の氷を砕いてウイスキーロックを作るという企画を思いつき、雲竜瀑で無事完遂することができたのですが今年も雲竜瀑の氷を使ったドリンク作成を行いたいと思います。日光のおいしい水が凍った日光氷室氷ならぬ日光雲竜氷で作る究極のドデカミンの旅がいま始まる!!
雲竜渓谷登山に関して
瀧尾神社駐車場から登る雲竜
2018年2月4日5時00分、東北自動車道佐野サービスエリア。
寒いです。2月の栃木はとても寒い、一年で最も寒いこの時期女峰山中腹の雲竜渓谷では氷瀑かバリバリ出来上がっており日光はそれはもう人で溢れます、僕もそんな観光登山の一人として今日はやって来ました。
前回は電車で来たのに今回は車で、だって楽なんだもん。
車って楽です、朝起きるのも比較的遅くていいし途中でこうしてごはんも食べれるし何よりもトイレによれるチャンスが多いのはありがたいところです。今日も東北道定番の佐野で佐野ラーメンを食べて登山に向かいます。
午前6時50分、瀧尾神社前駐車場。
車で来た場合は東照宮の北側にあるこの駐車場に車を停めるのがおすすめです。
ここから先にも行けますが、道が凍結しているのでスタッドレスなしでは確実に無理。突撃してスタックしようものなら大迷惑なので絶対にやめましょう。また、人気のスポットゆえに奥の駐車場前は路上駐車が大変多くなっております。
僕は路駐で戸惑うのも嫌なので、駐車場に車を止めて登ることにしました。
前回もこの辺でタクシーを降りたし、歩くことに抵抗はありません。
登りはじめから地面はご覧の様子、わだち部分は凍結しています。
朝7時ということもあり日が登ってきます。
寒々とした空気が一気に暖かくなる、朝焼け差し込む杉の樹林のなかを進みます。
つるっつるです、この日も何台かの車がタイヤを空転させながら頑張って登っていました。
僕は四駆じゃないと来たくないなぁ……と思います。今の車が20万キロ走ったらフォレスターとかエクリプスクロス買うんだ。(残り13万キロ)
登山道入り口に近づくと、目の前に路駐の車が沢山現れる。
結構エクストリームな停め方しているのね。
午前7時30分、登山道入り口到着。
雲竜渓谷へのアクセスは2つ、林道沿いに歩き続けるものと、川沿いに登山道を上るものの二つです。
基本登りは川沿いに登るのが楽しいかなと思いますが、迷いやすいので自信がない人や初回の方はおとなしく林道を歩くことをオススメします。
まずは堰堤を越えて川の対岸に向かいます。
この橋を越えて対岸へ、この橋途中が金網になっていて高所恐怖症の人にはクリティカルな恐怖を与えてくるので気を付けてください。ちなみに僕は本当に怖くて下見れませんでした。
前回来たときに比べるとかなり踏みあとが多い……、道がすごく歩きやすいことになってる。
雲竜渓谷に向かうまではいくつもの堰堤を越えていきます、こういう人工物ってなんか恐怖感を駆り立てて怖いですよね……。
午前8時00分、日向砂防堰堤到着。
日本一の砂防ダムと言われている日向砂防堰堤に到着しました、これ日本一だったんだ……。
初めてくる人だとここからどうやって上に登るのかわかんないと思う。
ここは画面右側の斜面にルートがあるので冷静に右側斜面へ向かいましょう。
日向砂防堰堤から雲竜渓谷入り口へ
写真で見るとそんなんでもないんだけど、実物は巨大で恐怖感を駆り立てる。
無機質なコンクリの色合いといい怖いよなぁ……。
高巻きを利用してのぼります、ここで本格的な登山道へ。
地面は凍っているのでしっかりとしたアイゼンを装備しましょう。
よく6本でも〜って書いてるブログ見るけど、基本は12本だと思う。
堰堤の上に上がるとご覧の光景、みんなそりゃ先端までいきたくなるよね
堤防から山側を見るとこんな感じ、堰堤の上はだだっ広い川原が広がる。
さっきまで歩いていた谷筋、雲竜渓谷は谷間を延々と登ってゆく。
なので、ちょっとどころではなく寒い、晴れているからといって薄着で来ると痛い目に。
堰堤から下を見ると肝を冷やす景色が飛び込んでくる、垂直に切り立った人工壁の方が怖い。
雲竜渓谷は山側なので堰堤を降りて河原を進んでいきます、足跡がびっしり……。
雪が溶けて川を渡らなくてはならないポイントがいくつか出てきます、跳躍のパラメーターが高くない人や装備が重たい人はきついかもしんないですねこれ。
歩いていると氷のカーテンが奥に見えてきました、おお、あれが見たかったのよ。
谷底コースの途中で現れる氷のカーテン、小規模な氷柱が列柱様式に横一線に並びます。
そして写真の地点まで到達したタイミングで悟ります。
「あ、この先多分無理だな……」
氷の鎧をまとったような大地を縫うようにして進むと川をわたる地点が沢山出てきます。下調べの段階ではもう少し凍っているときいていたけど、溶けてしまったのかな?
結構頑張ってジャンプしないといけない地点が増えてきました、装備が重い僕にとって川に落ちることはカメラの破損につながり経済的な死が待ち構えているのでなんとしても避けなくてはなりません。
といいつつもスーパーマリオ並のジャンプを駆使して何とか進んでみました。荒々しい氷柱が辺りを埋め尽くすこの景色は見ごたえはあるけど、戻れるか心配でならない、果たして俺は生きて雲竜瀑を見れるのか!?
そしてここ、また川を渡って左の斜面を登っていくのですが、斜面の状態が悪かったので僕はギブアップしました。
へたれで大変申し訳ないという気持ちで一杯ですが、滑落するよりはましです。
上を見ると氷柱が……、ひっきりなしに小さい氷が落ちてきたりするので怖いところです。
午前9時25分、通常ルート復帰。
さて、急いで堰堤前まで戻り通常ルートに合流しました。
時間を結構ロスしてしまったのでここから先は巻きぎみで歩きます。
これまでの苦労はいったいなんだったんだ。
午前9時45分、洞門岩到着。
沢コースとの合流地点である洞門岩にようやく到着しました。
巨大な谷底を歩いている感じが強くなり、冒険をしているんだなという雰囲気がこの辺から強くなってくる。
見るもののスケールが洞門岩から先はどれも大きいのが特徴です。
手を緩めない雲竜渓谷、ぐぬぬ。
午前10時5分、雲竜渓谷入り口。
登りきるといくつかのテントが張られた広場に出ました、雲竜渓谷本体の入り口にようやっと到着です。
しかしここまで来てもいまだ浸水の危険性は至るところに潜んでいます、川に落ちないことだけ注意して先に進みましょう。
雲竜渓谷、自然の生んだ氷の楽園
階段を降りて少し進むと氷のカーテンが見えてきます、ようやく雲竜渓谷本体にたどり着いた……。今日は一回引き返したりした分すごい長いこと歩いた気がするぜ。
渓谷に入ってまず最初に現れるのは壁一面を覆う巨大な氷の壁。
氷壁と呼んでいいのではないかしら?
天然の彫像ですね、滴る水が凍って出来た氷柱が何段にも連なります。
氷って大きいと青くなるんだぜっていうのをここで体験することが出来ます。ちょっと溶けているような気もするけど、前回と変わらぬイケメンな氷壁。
山にこないと見れない景色ですね、雲竜渓谷はもう十分メジャーでアクセスも楽なので冬の定番と化した気がする。
氷に近づいてみる、本当に水が一瞬で凍ったような姿です、氷のなかには気泡がいくつも含まれ神秘的な見た目になっていました。
上を見上げるとご覧のような氷柱がづらり、落下物に当たったら一撃なので細心の注意が必要です。
こんなのは小さいもので、至るところに巨大な氷柱がぶら下がっています。
午前10時25分、雲竜渓谷友不知到着。
雲竜渓谷の名所のひとつ、氷柱のテラスに到着しました。
入り口から見ただけでわかる超巨大氷柱の存在感。今年はなんと三本も氷柱ができており、例年に比べ氷柱の発育がよいとの事でした。
入り口の壁にはクライマーの方が、すいすい登っていってビックリした。
氷柱にはロープがかかり、登る準備はバッチリといった状況。僕はちょっと後ろから撮影をさせていただきます。
やはりここはあれですね、広角があると捗ります、20ミリかそれ以下のレンズがほしくなると思う。
オーバーハングした壁にペタッとくっついて落下物から身を隠します。
この時期はそんな頻繁にものが落ちては来ないけど、全力で注意しましょう。
氷柱の裏手はこれまた神秘的です。
昔山と渓谷で表紙を飾ったときはこんな角度だったかな、見上げる氷柱の先には雲竜瀑が見える。
すげぇ氷柱だ……。
氷から覗く雲竜瀑方面がかっこよすぎますね。
氷の造形はとても特徴的で、入り口にテントを張って数日にわたり何度も入ってきて写真を撮影したい。
この辺の氷をけりだしてかき氷にしても美味しそうだな。
といったことを考えながら先に進みます。
目標は画面右に見えている雲竜瀑です、氷のカーテンの側を通って奥に進みます。
さて、雲竜瀑に登るためには高巻きが必要です、ご覧のように斜面を詰めて大回りで雲竜瀑に向かいます。ここが結構急で危ないので、アイゼンは必須かなと思います、もちろん12本。
こんな感じの足場を歩きます、皆木の枝とかを頼りに登って行く。
登りきったら雲竜瀑へトラバースしていきます、ここが一番気を抜いたらやばくて落ちたら下にある滝坪に一直線です、そのまま雪の下の川を流れていくと考えると絶対に落ちれません。
雲竜瀑、落差100mの巨大氷柱を見る
午前10時45分、雲竜瀑到着。
目の前に巨大な雪のタワーが現れました、これが雲竜瀑です。
それと同時に雲竜瀑の麓で休んでいる大量の人も、今日はすごい人の数ですね……。
写真だと小さく見えてしまうのですが、近くを上るクライマーの方とサイズを比較してみると巨大さがわかるはず。
高さ100mにもなる超巨大な氷瀑が目の前に現れるわけです、東京タワーの1/3ですよ。
ズオオオオッ!と聳え立つ巨大なアイスタワー、複雑な造形を持った自然の氷塔です。
ちょっとずつ近寄る、怖いんだなこれが。水はどこに流れているんだろう?内側か?
雲竜瀑を過ぎて展望台まで上ります、するとこんな感じに雲竜瀑がこんにちわ。
巨大な氷柱お化けですねこれは。毎年造形が違うので、毎年楽しめると隣のパーティーが言っていました、そらそうだ。
雲竜瀑だよダッフィー、前も来たこと……ないのか。
このダッフィー人形の初デビュー戦がどこなのか、もう覚えていません。
雲竜瀑があまりにもかっこいいので暫く撮影を続ける。
この川は稲荷川というらしいのですが、女峰山の中腹から流れ出て鬼怒川に合流するらしい。
歩いてきた登山道方面ではクライマーの人が練習をしています、画面左側の日当たりのよい方は氷が溶けて、バキバキいいながら氷柱が落ちているので登れないんでしょうね。
雲竜瀑の奥、女峰山側の景色はこんな感じ、すごい切り立った渓谷が続きます。
よく考えたらこんなに高度差のある谷間そうそうねぇぞって思う。
雲竜瀑を見上げる僕と雲竜瀑を比べてみる、巨大さがおわかりいただけただろうか?
さて、雲竜瀑も見れたので今日の目的である美味しい炭酸ドリンク造りでもしてみます。
美味しいっても生水が凍った氷で炭酸ジュースを飲むだけなんだけども……。
とりあえず付近に落ちている綺麗な氷柱を入手します。
アイゼンで踏んづけたりピッケルで砕きましょう、そして中の綺麗な氷を取り出してコップに入れます。
これで準備は完了です、あなたはとても美味しいドリンクを飲む権利を手に入れました。
「今日はドデカミンでいいや」と駅で購入したドデカミンをいれてビックリ。
「な、なんだよこの黄金聖水は……?! ●●健康法みたいな見た目になったぞ……」
すっごい色鮮やかで綺麗な黄色いドリンクが出てきて焦りました……。
見た目はあれだけど、中身はドデカミンです。雲竜瀑に乾杯、自然の恵み(氷)をありがとう。
味はいつもの1.5倍増しで美味しいドデカミンでした、冷えすぎて頭がキーーーンとしてしまうくらい冴え渡っていた。
午前11時25分、下山開始。
さて、やりたいことは全部やったので下山を開始します。雲竜瀑も見納めです、二回見れてよかった。
次回は何年後になるだろうか、そのときもまた巨大な氷の柱を見せてほしいものです。
ここでブログを見てくれている方と一緒になると言う幸運があり、色々話ながら友不知まで降りることとなりました。
そして降りているときに事件は起こりました。
視線の先、友不知の氷柱カーテン付近で地面に突き刺さっていたあの氷柱、偶然寄りかかった登山者が氷柱の崩落に巻き込まれて氷柱の下敷きになってしまったのです。
下から悲鳴が聞こえ、上から見ていた僕らも全身が底冷えするくらいの恐怖の景色。
正直「あ、死んだ……」って思うくらいの光景でした。
幸いにも登山者の方は隣にいたクライマーの方々により救出され、怪我もなく無事だったようでした。やべぇ瞬間を見てしまったと思っていたんだけども、何事もなくてよかったです。
画像の辺りは崩落も激しく、落ちている氷柱が転がったりするので本当に気を付けないと危ないですね。
というか地面に刺さった氷柱は不安定なので近寄ってはいけません。
午前11時35分、氷瀑テラスから下山。
正午付近にはいると氷瀑テラスには太陽の光が入らなくなります、谷間なので光が入る時間というのが限られているんですね、そのため急速に寒くなります。雲竜渓谷を見るなら午前中の限られた時間がベストタイミングなのです。
日陰となってしまった谷筋を出口に向かって進む。人が増えて地面が踏みならされ、行きに比べると川をわたるシーンが増えていました。
氷のカーテンも見納めです、またいつかあいましょう。
来年も是非綺麗な青氷をたわわに実らせてほしいものです、最近気温が高めだけど負けないでほしい。
下山、長い長い林道歩きへ
下山は川沿いではなく車道を選びました、なにも考えずに歩き続けられて楽だからです。
その分とんでもなく長いのでつまんないんですけど……。
階段を上ったら雲竜渓谷は終わり!
無慈悲な林道がスタートします、この林道歩きも慣れておかないと辛い山が結構あるので、頑張って歩きます。
延々と林道を歩く。
午後12時35分、稲荷川展望台。
川沿いの堰堤を見ることができる展望台です、疲れたのでちょっと立ち寄ってみます。
展望台からの景色はご覧の模様、雲が多いけれどもしっかり晴れていますね。
いい日に歩けてとても幸せでした。
午後1時30分、瀧尾神社駐車場到着。
ようやく帰ってきました……、林道がとにかく長かった雲竜渓谷。歩くときは覚悟が必要ですね。
最後は神社にお参り、無事に下山できてありがとうございました。
この後、風呂に入ろうかなと思いましたが寒かったため全く汗をかいていなかった事と、奥さんがお家で待っていることからまっすぐお家に帰ることにしました、道中餃子を購入し、埼玉への帰路につくのでした。
宇都宮餃子でパーティーを楽しんだのはいうまでもない。
栃木はとりあえず餃子を買っておけば間違いないでしょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
雲竜瀑で写真を撮ってもらった者です。入口のゲートの所でも会っていたんですね。写真を撮られていました。
ここは何回行っても素晴らしい景色に感動します。
じゅんじ様
雲竜は何度歩いても楽しいです、迫力ある写真が撮れるのでまた今度歩きたいなと思っています。
できれば毎年来たいくらいです
またどこかでお会いすることがあるかもしれませんね