2017年11月12日、山梨県にある羅漢寺山と、それに連なる昇仙峡を歩いてきました。
羅漢寺山の標高は1,058m。
秋の時期になると昇仙峡の紅葉が美しく、多くの観光客の方で賑わいます。
紅葉が降りきった晩秋、カラフルに染まりきった昇仙峡と、白砂の稜線から南アルプスを眺めるために奥さんと共に羅漢寺山へと向かいました。
ロープウェイを利用して歩くことのできる羅漢寺山は展望が良く富士山と南アルプスの展望を手軽に楽しむことができます。さらに下山後は昇仙峡の渓谷美、一度のハイキングで二度美味しい思いができる場所で初心者でも歩ける優しいハイキングコースであることから多くの方にお勧めできる場所です。
晩秋を彩るエモーショナルな景色が広がる羅漢寺山の旅の始まりです。
羅漢寺山、昇仙峡ハイキングに関して
羅漢寺山、富士山と南アルプスの展望を目指して
2017年11月12日、7時30分、釈迦堂PA。
早朝の埼玉を出発しやって来たのは山梨県。
中央自動車道を走り甲府に向かい、そこから昇仙峡へ向かいます。朝ご飯を食べるのであれば、お勧めは談合坂か釈迦堂です、この日は釈迦堂でラーメンを食べていました。
午前8時55分、山梨ワイン王国前。
ロープウェイ駐車場になんとか車を停めることができた僕らはロープウェイへ。昇仙峡は人気の観光スポットであるため、早朝でなければ駐車場が埋まってしまいます。早めの到着を心がけるといいでしょう、シーズン中は朝9時以降は停めれるか怪しいです。
ワイン王国の駐車場にはリムジンが……、いまは使われてないようだけど。
こういう車って日本の狭い道でどうやって回るんでしょうかね。
よく見ると結構最低地上高が高いぞこのリムジン、山屋仕様か??
周辺はこんな感じの雰囲気です、長閑な山村広がるといったところでしょうか。
駐車場の近くには狸もいました……。
持ち物の端々に色々な主張が見られます、よく見るとこいつ、僕の服装と同じカラーリングじゃん、同キャラかよ。
山梨ワイン王国から少し歩くと羅漢寺山ロープウェイに到着します。
今日は羅漢寺山に登ってから昇仙峡を歩くというコースにしました、結構時間がかかるので初心者の人の場合は昇仙峡を歩いてから羅漢寺山にロープウェイで登り、その後ロープウェイで下るのがいいかなと思います。
コースは優しいけど、長いので時間配分が難しいと感じる山です。
ロープウェイは往復と片道の切符が販売されています。
往復は1,200円、片道は650円です。
登山をする心構えの場合は片道の切符を購入します、後戻りはできない……。
ロープウェイ乗り場にはおみくじが売っていたり、魚をまつる社があったりと楽しい雰囲気。
鯛かな??山梨には海がないので鯛は……。
午前9時20分、羅漢寺山ロープウェイ降り口。
山頂側のロープウェイ降り口に着きました、ロープウェイは大混雑で写真を撮ったりする暇なんてありませんでした。
通勤ラッシュの電車程度には混んでましたね。
ロープウェイ山頂駅からの展望はよし、昇仙峡を擁する里山が黄色く染まった姿を見渡せます。
山頂駅を出るとすぐにパノラマ台と呼ばれる場所に出ます、出店とかあって賑わってる。
登山客はだいたい2割もいないくらい、ほとんどが観光客です。
よって登山ウェアを来た我々夫妻は非常に浮いていたことでしょう。
山梨最大のパワースポットということですが、登山者的には北岳とか甲斐駒ヶ岳の方がパワー感じる気がする。
でもこんな立派な社はないから拝んでおきます。
エンジンが意味もなく観光名所となっていたりする。
「昭和39年から63年まで使用されていた直流モーターだぞっ!」
大事なものならこんな野ざらしで置いておかなくてもいいんじゃないか……。
野ざらしのモーターに対して、神社はとても綺麗に整備されています。
ハート型の紅葉、カップルで撮影してねと言わんばかりの自己主張をするやつ。
柱の上にはフクロウの木彫りがたくさん、羅漢寺山山頂ではやたらフクロウの置物を見ることができます。
フクロウ押しなのかこの山は……。
羅漢寺山山頂で語るべきはこの富士山の展望でしょう、展望台からはキレイな富士山を眺めることができます。
関東の秋山冬山では紅葉以外の展望として富士山を見れると満足度が上がりますね。
肩の見えない富士山はシンメトリー度がまして美しい、僕は富士山は山梨側からの方が好き。
富士山の他には展望台や山の各所から眺めることができる南アルプスが特徴的です。
ちょうど鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳が綺麗に見える位置にあり、遠景に南アルプス、目の前に紅葉という景色を楽しむことができます。
幸せの鐘に群がる人々、みんな誰しも幸せになりたい。
僕も山登りとカメラ眺めるだけの日々をいつか過ごしてみたい。
口癖は「宝くじ当たんねーかなー」というロトのCMみたいな感じです、妻夫木みたいなかっこよさはないんですけどね。
結構無茶な観光地が多いのが羅漢寺山の特徴です、龍の松とかは「うん、まぁ……わかるけど……」というテンションで眺めることに。幸せの鐘で幸せが二倍、龍の松でさらに二倍です、全部の幸せスポット回ると何倍だ?
フクロウの置物本当に多いな……
こんな感じの楽しげなものもあります、山頂は本当に観光地って感じです。
登山者の格好をしている人間は極々少数です。こんなものではしゃぐ大人はもっと少数です。
展望台まで歩いてみます、羅漢寺山からは5分ほどで展望台です。
観光客の方が多いのですか、ヒールの高い靴で歩くには多少酷な道です……。
せめてスニーカーはいておいた方がいいかな。
展望台からは奥秩父方面がまず見えます、奥に金峰山的なのが見える。
金峰山は山頂の五丈岩のお陰で判別がしやすくていいですね。
展望台からは基本的にこのように南アルプスを眺める感じです、目の前の紅葉と巨大な南アルプス。
これが羅漢寺山の景色だ!といわんばかりですね。
北岳と間ノ岳らへんは積雪しているようでした、11月の中盤ともなれば高所はもう冬です。
白砂山、アルプスを望む白亜の稜線へ
展望台から南アルプスを楽しんだら、昇仙峡へ向けて山を下山してみることにします。
この登山道への入り口が大変分かりにくく、少しばかり迷ったので注意です。
ロープウェイ駅を降りてすぐの山頂碑の裏から登山道に入ります。
「本当にこの道でいいのか凄い心配」と思わせてくれる道を下り続けると登山道らしい景色に。
完全な登山道の方が安心できるから不思議です、地面には落ち葉がたっぷり。
紅葉も終わりのシーズンだったので、落ち葉が大分多かったです。
落ち葉を蹴散らしながら歩く奥さん、久々の自然で楽しそうです。
紅葉具合は大マテイ山等には劣るものの、立派な黄色が各所に見られます。
雰囲気的には大岳山等が近いでしょうか?羅漢寺山の登山道自体は紅葉を楽しむ感じではないようです。
ホットドックにかけるケチャップとマスタードみたいな色で歩くRS氏の図。
登山道は整備されてますね、ピンクテープもしっかりしているし道の幅も結構あります。
ネジネジの木、中尾彬のマフラーみたいだ。
登山道に入って少し歩くと白砂山の一角に出ます、最初の白砂山の展望地は行き止まり扱いなので注意です。
午前10時45分、白砂山。
低山ながら山頂に砂浜のような白砂の地をもつのがこの羅漢寺山周辺の特徴です。
白砂山から見る羅漢寺山、奇岩が山の側面にそそりたつ景色はまさしく仙人の里と言ったところ。
画面中央の岩が沢山ある辺りとか凄い、あれは展望台がある弥三郎岳か?
岩山に木が生えてるといった雰囲気です、そして紅葉ですが結構緑です、予想外だこれ。
白砂山で羅漢寺山方面をしっかりと確認したので来た道を戻り登山道に復帰。景色はいいので訪れた際は是非とも立ち寄ってほしいです。
再び秋の登山道を昇仙峡に向けて歩き出す、次の目的地は白山展望台と呼ばれる地点です。
羅漢寺山の事前リサーチによるとそこが一番の展望スポットということらしい。
二人ともごはんを食べていないので、白山展望台で昼食をとることにしました。
午前11時20分、白山展望台。
羅漢寺山、白砂山周辺では一番展望のある地点です。
山頂一帯には砂浜のような白い砂地が広がっていて、解放感がある景色が広がります。
目の前には南アルプスと茅ヶ岳の展望。
目の前には甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山と気持ちのいい景色が広がる。
奥さんも満足げです、ようやくまともな景色にありつけたといった感じでした。
北側にあるのは茅ヶ岳などの山々、羅漢寺山は金峰山と茅ヶ岳の中間地点位にある山で、双方を眺めることができます。
しかし、羅漢寺山から見上げる茅ヶ岳は凄い立派ですね……、風格があります。
鳳凰三山は日帰りで歩いてすごく後悔した山です。
次回歩く時はなんとしても薬師小屋に宿泊し、青空と満点の星空を堪能したいと思います。
さて、山頂では秋冬限定のRS鍋です。
山での料理はあんまりしないのですが、この時期だけは鍋を食べることに力を注いでいます。
具材は予め切ったものを運び、スープは固形のものを使うことにより軽量化しています。
飯よりも景色と写真と筋肉なんだけども、飯も力を入れないとなぁ……。
鶏肉たっぷりのキムチ鍋ができました、マロニーちゃんをいれるの忘れていたのが痛い。
奥さんが朝作っておいてくれたおにぎりも合わせ美味しい昼食をいただきました。
山で暖かいごはんを食べると元気が出ますね。
食後はみかん、秋冬の山ではみかんが大活躍します、是非ともザックに忍ばせてみてください。
食事中ずーっと木々に吊るされていた人形、ブードゥー教の儀式みたいになってしまった。
ブレアウィッチプロジェクトだとこの後僕は遭難するやつですね。
下山、長譚橋を目指して歩く
昇仙峡への下山を再開します。
羅漢寺山から白砂山までは山の北側斜面を歩くことが多く日陰が多かったのですがここからは南側斜面が多くなりました、山をぐるりと回った形です。
紅葉の布団に埋まっていく奥さん、転んだわけではありません。
転んだ奥さんを助けずに写真を撮ったわけではなく、奥さんが落ち葉で横になっているのを撮影しただけです。
昇仙峡が近づくにつれて岩が増えてきます、羅漢寺山登山道の特徴はこの切り立った岩なのかな
降ると幾つかのルートの分岐などが出現します、基本的にピンクテープに従い一直線に降りる。
指導標の表記が一貫しておらず、表記ぶれが発生しています。基本的には昇仙峡を目指しひたすら下山します。
軽くホラーな看板もあります、油性マジックを使った上で、乾いてから張りなさいよ。
真ん中の赤は何に使ったんだよ。
ピンクテープを探しながら歩く、道がしっかりしてきた。
午後1時20分、車道合流。
一旦車道と合流し昇仙峡に降るポイントに到着です。車道を歩きますが、またすぐに登山道に入ります。
登山道に再び入ると昇仙峡はすぐそこです、眼下に山あいの街と、色とりどりの紅葉が見えます。
登山道から昇仙峡に出るときは少し怖かったです。
右側の建物は旅館の廃墟で、写真には写しませんでしたが、老朽化したいかにもお化け屋敷といった見た目の廃墟が口を開けて鎮座しているのです……。オカルトがマジでダメなので、恐怖以外の何物でもない景色でした。
昇仙峡、紅葉輝く美しき渓流を歩く
午後1時40分、長譚橋前。
昇仙峡の入り口となる長譚橋橋に到着しました。
昇仙峡の観光をする際はここをスタート地点にするか、ロープウェイをスタート地点にするかのどちらかになるかと。
橋から眺める景色が既に綺麗、なんとも優雅な渓谷美です。昇仙峡だけでよかったんじゃないか今日……と思わせてくれる景色だ。
昇仙峡ラインは車両通行止めになっており、観光客が歩く時間帯が決まっているようでした。
続々と人が吸い込まれて行く昇仙峡に向かいます。
昇仙峡は基本的に舗装路沿いに川辺の紅葉を眺めて歩く観光地です、観光に必要な時間はトータルだと2時間、じっくり見ると3時間といったところでしょうか。ガイドブックだと1時間くらいと書かれていますが、そんなわけねーだろ!と突っ込みたい。
登山せずにいい景色を見れるスポットではある、舗装路なんで歩くの凄い楽。
オットセイ岩、大砲岩、はまぐり岩など様々な岩が川辺に転がっています、こじつけすぎるだろと思う岩もけっこうある。
紅葉は最盛期で真っ赤に染まった木々が辺りを彩ります、羅漢寺山に比べると赤がしっかりと引き立っているのが昇仙峡。紅葉を見るなら昇仙峡で、山を見るなら羅漢寺山ですね。
紅葉の名所の近くにはベンチもおいていて、「ゆっくりしていってね!」という感じがしっかりと出ていました。
ゆっくりしていく時間が残念ながらないので、景色を目に焼き付けて進みます。
渓谷を流れる水は奥秩父の山奥から流れてきたものでしょう、水量豊富で透明度の高い水が流れていきます。
上流までいけば美味しいお水が飲めそうです。
近辺だと甲武信岳にある信濃川源流が滅茶ウマなお水だったことを思い出します。ちなみに地図を確認すると一番上流は金峰山の伝丈沢のようです。
羅漢寺山展望台や白砂山から見た、岩が切り立った斜面。鋭いエッジを持った険しい表情の崖がどこまでも続きます、層雲峡みたいな雰囲気ですね。
吊り橋のある場所は森林浴コーナーのようなもので、橋の先は自由散策路になっています。
僕らは羅漢寺山でかなり自然を散策したので舗装路を歩き続けることにしました。
一応橋で記念写真、吊り橋があるとこういう写真とりたくなる。
午後2時40分、羅漢寺。
羅漢寺山の由来となる羅漢寺も途中にあります、大量の仏像が安置されたお寺のようで周辺の木々も手入れが行き届き紅葉の見た目はここだけ群を抜いて綺麗でした。訪れた時間が遅く、中まではいることができなかったのが残念。
羅漢寺を越えると観光地的なエリアに到着します、車の往来があるので所々注意。
水晶の販売店や食事をするようなお店が立ち並びます。昇仙峡周辺は水晶の名産地で、石の加工品がお土産としていたるところで販売されています。
リスザルがうどん食べてました……、うどん屋さんのペットらしい。
シャボテン公園とかで触れ合えるかわいいサルです、手乗りサイズのお猿さんで人懐っこい。
七福神でしょうか、昇仙峡ではすごくたくさん見かけます。
この辺まで来ると観光客の方々が大半で登山ウェアに身を包んだ僕らは完全に異物でした。
仙娥滝と覚円峰、昇仙峡の核心部へ迫る
基本渓流沿いで、お土産屋さんも食事処もよくここに建てましたねと感心できるものばかり。
車道から降りて渓流の中に入ることもできるようで、何名か中で撮影をしていました。
車で来ることができる場所としては確かにかなり景色がいいです。
昇仙峡の見せ場である仙娥滝の手前には大広間といった公園地帯が広がります。長田円右衛門の碑がある地点ですね。出店も広がっていて、焼きアユなどを食べる方々でにぎわう一帯。
整備されているため、木々の紅葉もきれいなものが植えられたのかと見紛うほど。
この場所から見上げる昇仙峡の断崖絶壁は見事なものでした。
昇仙峡で一番の見どころはと聞かれれば個人的にはこの景色かな。覚円峰と呼ばれる鋭い岩山が天に向かってつきあがる景色は非常に良いです。覚円峰の山肌の形状が凄まじい。
何かでえぐられたような傷跡が無数についた、鋭利な岩肌と紅葉のコントラストが素晴らしい。
昇仙峡では一番いい景色が広がる地点なので是非ともここで休憩してみてください。
仙娥滝までは歩行者専用の歩道となり、渓谷沿いの鮮やかな紅葉を楽しみながらハイキングを楽しめます。時間帯によっては日が当たるんでしょうけども、この日は日陰になってしまいました。
日陰ですが、ひんやりとした風と幽玄な雰囲気の川が更々流れていく、岩と水の雰囲気やよし。
カメラマンなら2日間くらいはこの昇仙峡で楽しめそうですね。
午後3時25分、仙娥滝到着。
昇仙峡のゴール地点にある仙娥滝に到着しました、落差30メートルの非常に立派な滝が目の前に現れます。
滝壺にズドドドドと音をたてて流れ込む豊富な水飛沫が細かい霧となって辺りをしっとりと濡らしています。
紅葉バイキングのゴール地点に滝があるなんていうのはいいものですね、ゴールが明確だし終わりに華がある感じです、昇仙峡に行くなら長譚橋から歩くのがおすすめだなと思いました。
滝の横の階段を上がるとエンディングといわんばかりに観光施設群の中へと案内されます。
行きなり目に飛び込んでくるのは願いを一身に受けた恵比寿さま、これはなかなか……禍々しい見た目をしています。
水晶の名産地という事で巨大な石が至るところに……、凄い巨大な水晶玉なので見ておいて損はないかも。
大地のパワーとかがつまっているんでしょうかね、分けてほしい。登山してる人は全体的に土属性扱いなんだろうな……。
変わった置物が多い昇仙峡、映画マスクに登場する主人公が座っていたり……。
ギーガー先生のエイリアンが置いてあったり……(板金エイリアンです)
メカ化されたこういうのを見るとジェイソンXを思い出しますね。
(映画コマンドーに匹敵する超名作映画です、絶対に見よう!)
もちろんエイリアンがいるのでプレデターも……顔でかいな。
このプレデター日本刀持っていました、プレデターズでヤクザと死闘を繰り広げたあいつか?
不思議な人形がおいてある昇仙峡を後にし、森の駅までやって来ました。帰る前におなかがすいたので栄養補給です。
「そう、ソフトクリームをね」
味は普通のソフトクリーム、平均的な那須高原風の牛乳バニラでした。
山梨では白桃アイスを推してきますが、個人的にはあまり美味しくないと思っているのでバニラを毎回食べています。
こうしてソフトクリームで帰りの栄養を補給し、家に帰ってから食べるほうとうを購入し奥さんと一緒に埼玉への帰路へとつくのでした。
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