2016年5月8日、群馬県と栃木県の県境となり、アカヤシオで有名な袈裟丸山に行って来ました。
五月晴れの天道様の元で爛々と光り輝くような桃色のアカヤシオツツジ。
八方を向いて咲き乱れる花は自由奔放でありながら、
古典の景色を思い起こさせる上品な雰囲気を携えている。
紅白と言う文字のように、赤<アカヤシオ>が先に花を広げ白<シロヤシオ>が後に咲く。
二つの花を見れた年は縁起よく過ごせる気がするのだ。
皇海山から続く尾根の先、その主峰を知っている僕は
華やかさを持つこの袈裟丸山の裏にいつ険しい道が現れるのか、不安を抱えながら歩いていた。
しかしそんな不安を感じさせない穏やかな時間が僕らを包む。
そして下山してきた初老の夫婦の「山頂までの道に不安な場所はない」という言葉。
胸をなでおろし、目を楽しませる場所だけを授かったこの山と、花達が踊るかのような
舞台はどこまでも続いて行く景色に安堵の表情を浮かべてしまうのだった。
アクセス
コースタイム
2016年5月8日、日光清滝IC付近のセーブオン。
今回皇海山に一緒に登った熊ちゃんから山のお誘いがありホイホイと乗ることに。
最初は甲武信ヶ岳新道日帰りしようぜ!とかを予定していたがあまりにもブラック。
石楠花も咲いてないからアカヤシオの山にしよう!という事で袈裟丸山を目指すことに。
午前9時25分、袈裟丸山駐車場に到着。
袈裟丸山、人気なのか人が沢山いる模様で駐車場は満車。
登山口から少し離れたところに停めました、朝6時とかにこないと登山口駐車場は
厳しいかもしれません。
駐車場を降りた時点でかなり新緑が綺麗、今日の山は期待出来る、胸の鼓動が高鳴り始める。
袈裟丸山のトイレはそんな良いものではないので
日光のコンビニ等を利用してしっかりと用を足しておくことをオススメします。
今日向かうのは前袈裟丸、後袈裟丸山にも行きたいけど正規ルートは群界尾根となります。
午前9時30分、袈裟丸山プレイボール!
本日は熊ちゃんとその友人であるかいせー君との三人で登山を開始します。
空は快晴だし、新緑は綺麗で言うことなし…、
ちなみに盛大にレンズフレアが出ているこのレンズはSIGMA 35mmf1.4ART
ニコン純正やタムロンSPにくらべると逆光耐性ちょっとないかもしれませんね。
登山口から坂を上がったらすぐにミツバツツジが姿を表します。
満開、去年よりも全体的に花の付き方がいい。
登山口を出たらすぐにこの開けた道に上がることになります、ここはすごく気持ちが良い。
真ん中かから水が吹き出しているのが特徴的で、川が流れております。
左手に見えるのが袈裟丸山方面、この山を越えて足尾に向かって歩けば皇海山だ。
六林班峠への分岐に合流するに違いない。
早速満開のアカヤシオが姿を表しはじめて来ました…!
青に強いこのピンクが映える!!
下から見た景色で上の方はピンク染まっていた…早く行こうぜ!という事で頑張って登る。
早速アカヤシオが…、アカヤシオがッ!!登山開始30分も経たずに目的の花が出現。
新緑だって負けていない、この時期袈裟丸山は最盛期なのか。
この時期の袈裟丸山は最高の山の一つに違いない、まさに旬の山だ、シズルを感じる。
毎年こんな素晴らしい景色が見れるのかはわからないが、アカヤシオ大軍勢である。
微妙に色が違うアカヤシオ達。
こんなに咲いているとは思わなかった、今までで見たツツジでは一番。
アカヤシオは花びらが大きく、5枚の花が均整のとれた形で並んでいます。
写真を撮り続けても進まないので先を急ぐ。
奥にツツジがたくさん咲いているのがわかる、森がピンクに見えるくらい咲いているんですよ。
松の新緑もこちらはこちらで美しい、秋になれば綺麗だろうな。
午前10時20分、展望台到着。
袈裟丸山の所以、登るだけも良いけどこう言うところも気にしていけると良いよね。
展望台では熊ちゃんに登ってもらいポーズを決めていただく。
この展望台恵那山の奴に似てる…。
展望台を降りて賽の河原に向かいますが、再びアカヤシオの暴力が僕らを襲います。
大分赤みの強い個体ですね、紅梅みたいだ。
アカヤシオのイメージはこんなに大量の花をつけているものではなかった。
今日甲武信ヶ岳にいっていたら大変なことになっていたのは間違いない。
特徴的なアカヤシオの花、やっぱり上品だよねこの形は。
午前10時30分、賽の河原到着。
色々な山にある賽の河原と全く同じですね、この辺はどこも変わらないです。
賽の河原から山頂までは60分、今のところ疲れもなく花を楽しんでいる。
これこそホワイト登山と呼ぶに相応しい。
登山道も穏やかで整備されている部分に好感が持てる。
初心者でも歩きやすい山と言える、岩みたいのは出てこない。
午前11時00分、第2賽の河原。
賽の河原を過ぎた後にもう一度賽の河原のような場所が姿を見せます。
特に見所はないのですが、帰りに本当の賽の河原と間違えることがあるので注意。
大分アカヤシオも見慣れてきた…
避難シェルターに向かって標高をあげていきます、ツツジは減ってきました。
その代わり笹と針葉樹の栃木県らしい登山道が現れます。
賽の河原から少し歩くと皇海山、男体山、日光白根山の展望ポイント【小袈裟丸】に到着。
午前11時20分、小袈裟丸山到着。
文字が消えかけてはいるが、山頂までは1.8kmというのがわかる。
画面中央のこんもりした奴…、あれは間違いなく我らが宿敵皇海山…。
皇海山と日光白根山、奥にいる白いのが日光白根山になります。
袈裟丸山は皇海山から続く山ではあるので、やはり距離は近いようだ。
これは男体山、日光を代表する秀峰、山頂に刀が突き刺さった神聖な山である。
日光の山をこの目に焼き付けたら登山再開!先ずは避難シェルターを目指します。
午前11時30分、袈裟丸山避難小屋到着。
袈裟丸山の避難小屋はシェルター型の掘っ立て小屋ですね…。
中は思ったよりも綺麗に整えられていました、マットレスさえ使わなければ寝れそうだ。
シェルターのとなりにはトイレがついているのですが…
超巨大なハエが飛んでいる、入り口の空気が歪んでいる、障気が漂っている
等の圧倒的不快感により近づく事すらできませんでした。
このトイレはね、やめておいた方がいい、魔界の扉かなんかだから…。
僕が魔界の扉に手をかけてベルゼバブにたかられている最中、熊ちゃんは休憩へ。
気持ちよさそうに寝ています。
午前11時45分、シェルター出発。気持ちよく休憩が出来たので山頂まではスムーズに歩けそう。
山頂に向かう道はほんの少しだけ険しくなります、といっても1時間2時間続くような道じゃない。
この虎ロープのある段差が一番の傾斜地でした、登山を嗜む方なら余裕かな…
稜線にでると一気に気の数が少なくなります、森林限界って訳じゃないよな…。
この雰囲気は皇海山で鋸山から六林班峠に出たときの道によくにている。
笹藪は一瞬で終わり山頂が僕らの前に姿を表した。
午後12時30分、前袈裟丸山山頂到着!
最高峰ではないけど、もうここが袈裟丸山で良いだろう、奥まで行っても藪しかないし…。
目の前に見えるのは赤城山、赤城山を東側から見る機会は中々無いのでは?
山頂手前の稜線からこの赤城山が姿を現します、かなり気持ちがいい。
写真を撮ろうかご飯を食べるか迷ったのですが、全員お腹が空いていると言う状況だったので
飯を先に作ることにしました、本日のお昼御飯は春キャベツの焼きそば。
完成した焼きそばはマジでうまそう…、ウィンナーがいい味出してやがるぜ。
かいせーくんがゼリーを買ってきてくれていました、マジで神、ありがたい崇め奉りたい!!
袈裟丸山で食べるフルーツゼリーの味は最高でした。
山頂で食べる甘味は体力がめちゃくちゃ回復するのでオススメです。
食事を済ませたら早速撮影タイムに入ります、撮影タイムっていうか遊ぶ時間。
仏教的な由来の山だからとりあえず袈裟着ているような感じにしよう、
という事で全員でお召し物を袈裟っぽく着る、全員赤かよ。
熊ちゃんは今日も元気です。
後袈裟丸方面に行くと少し開けた場所に出ました、
山頂付近だと日光方面の展望が悪いので少し歩いてここまで来るのが吉ですね。
かいせーくんが袈裟丸山で人類愛に目覚めた瞬間である、
なんかスゲー気持ち良さそうだったけどこの後彼の心に変化が…
グッバイ後袈裟丸山、奥袈裟丸山、登山道が治ったら登ってやって…、いや、別にいいや。
男体山はもう一度行きたいと思っています、
日光白根山と会わせて少し山頂の天気が悪かった思い出がある。
山頂にもどって下山準備をしているとかいせーくんがテカテカした顔で言いました…
「私は袈裟丸教の教祖です、人類皆兄弟…」
声楽やっているからか無駄に声が美しい、でもいきなり何言ってんだこいつ感が…。
午後2時00分、下山開始。
下山しながら人類愛を説く教祖、熊ちゃんを勧誘し始める。
赤城山を見ながら、会話を適当に聞きながら下山する。
熊「え、カルトじゃないですよね?なんなんですかあなた?」
教祖「私は袈裟丸教の教祖です、皆がこんな素敵な山に登れば争いは起こりません」
教祖「あなたも入信すれば素敵な山ガールと出会えますよ?」
(´-`).。oO「結局山ガールを狙っている…」
やはり笹の背が高いが道はしっかりしている、狩り払いされているので迷うことはない。
樹林もダケカンバ中心なので高山っぽい雰囲気がしっかりと出ています。
熊「規模ってどれくらいなんですか?」
教祖「袈裟丸教は世界に支部を置く健全な宗教です、山を通して愛を広めます」
熊「入会するには何すれば良いんですか?」
教祖「入会金を払えば入れます」
(´-`).。oO「信仰とかじゃなくて金かよ…」
山頂直下の急登の下り、結構急だったと言うことは下りはそれなりに大変。
熊「え、入会金だけで良いんですか?!幾らです?」
教祖「今なら初回割引で50万円…」
熊「たっか!払うわけ無いじゃんバカなの?!」
教祖「うるさいとっとと払えばいーんだよ!ほらここにサインしろッ!」
(´-`).。oO「勝手にコントが進むから面白いよなぁ…」
アカヤシオが再び出てくるまでの登山道をほぼ袈裟丸教と言う胡散臭く、
結局金と女とロックな話に費やす、いきなり下山時にコントが始まったからびっくりした。
午後2時30分、避難シェルター到着。
下山は流石に早い、ここから賽の河原までは一旦登り返しがあります、休憩するならここ。
登り返しは写真左上の山に向かいます。
陽光も西からに代わり大分暖かくなってきた、そしてアカヤシオに当たる陽の色も変わる。
開放気味の設定で撮影したり、下山の余裕をいかして再び撮影に没頭し始める。
多くの花が西陽に当てられ、色味が強くなっている。
逆光気味に撮影しても花の数が多いので何とか色が出る感じでした。
花の山は下山の時も楽しみがある、だから楽しい。
太陽の光を浴びて花の色が変わると言うことは普通にあると思う。
気のせいかもしれないが、午前に見たアカヤシオよりも皆若干色が濃くなっていた。
午後15時25分、賽の河原到着。
ここまで来たらあとはもう降りるだけ。
満開のアカヤシオは一瞬だった…、午前に見た景色が大分遠く感じる。
ミツバツツジにも別れを述べて袈裟丸山を後にします。
午後4時00分、登山口駐車場到着。
あっという間だった袈裟丸山、間違いなく今日はホワイト登山だったと胸を張って言える。
そして関東随一のアカヤシオを最高の時期に撮影し尽くしたと胸を張って言いたい。
下山したときに気がついたのですが、登山口の隣に春紅葉が咲いていました。
春に赤くなる紅葉との事、すごい真っ赤に染まりつつも新緑の持つ若々しさがありました。
本当に赤いし若い。
隣には普通の紅葉ですかね、新緑で瑞々しい姿を見せてくれていました。
袈裟丸山下山後はサンレイク草木と言う温泉へ向かいました。
袈裟丸山下山後に選択肢に上がる温泉は「かじか荘」と「サンレイク草木」の二つになります。
かじか荘は皇海山の登山口にあり、我々としては行きたくないのでサンレイクを選択。
温泉で汗を流したら、この日は群馬側に抜けて帰ることにしました。
清滝までまた戻るの面倒くさいからダム見て帰ろうという魂胆でした。
そしてお腹がすいてきた夜の7時、
ちょうど帰り道に佐野ラーメンのお店があると言うことだったので入店!!
佐野ラーメンのお店「まるQ」で本日の夕食を食べることにしました。
ノンアルコールビールで乾杯!!今日の成果を盛大に祝う。
今日も1日旬の山で人生最高の山だこれ登山ができてよかった。
ラーメン+餃子と言う黄金率メニューを頼み、空腹の胃に放り込んでいきました。
大きな餃子はニンニクの風味が聞いていて最高!餃子にはニンニク入れて欲しい派です。
佐野ラーメンはあっさりしていて胃に優しい、餃子との組み合わせでも胃にもたれないのがグッド。
こうして袈裟丸山と栃木県佐野を満喫し尽くし、
1日の満足度を最大限高め帰路へとつくのでした…、浦和に着いたのも地味に22時前と
帰り時間もかなりホワイトだったのは嬉しい結果でした。
春を彩る色とりどりのツツジ、アカヤシオツツジは登山をしていればいつかは目にする
春の代表選手です、季節に合わせて登る山を考えさせてくれる花々。
最盛期に山に登れば何もない時とは比べ物にならない感動と楽しさをプレゼントしてくれます。
標高やブランドで登るのではなく、山自体の持っている魅力を楽しむために登山する。
そういう事を今後も続けていけば人生はより楽しくなる、そう思う旅でした。
5月のアカヤシオ大群生を見るなら袈裟丸山はとてもオススメです!
袈裟丸山の地図はこちら
山と高原地図 赤城・皇海・筑波 榛名山 (山と高原地図 20)
- 作者: 昭文社地図編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
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日光の地図ではなくこちらになります、皇海の時を見るだけで鳥肌が立つ…。
コメント
コメント一覧 (6件)
袈裟丸山っていいところですね。この時期なら初心者を連れて行っても良さそうですね。
個人的には皇海山の記事も好きですが・・。
何はともあれブラック登山は私のためにとっておいてあるみたいですね笑
皇海山の記事はなかなかキテますね(笑)
個人的には黒戸尾根、皇海山、丹沢主稜縦走(まだ記事にしてない)などは2度と行きたくないです(汗
次のブラック登山は谷川とか飯豊、大雪山辺りでできれば良いんですがなかなか事前の予定がたちません…
どうでもいいことかもしれませんが、群馬県民としては袈裟丸を栃木県の山と認識されるのが辛い(^_^;)登山道のほとんど群馬県で、山頂だけ県境なのに・・・
tabi405様
登山開始時点の看板にバッチリ「みどり市」と書かれているのに今気がつきました。
渡良瀬渓谷も足尾に紐づくから栃木だろうと思っていたら本社は群馬……、もはや栃木の侵略としか思えません。
群馬県の方が好きなんで注釈を書き加えておきますね。
素早い対応にびっくりしましたw
別に栃木嫌いではないですからねw
ちなみに鋸山も皇海山も山頂は沼田市でもありますよ。栗原川林道が酷すぎて足尾側から登る方々が多数だと思いますが(^_^;)群馬県って、谷川のトレイルばっか整備して皇海山を軽視してるので、群馬県民としては悲しいですね・・個人的には老神温泉で一泊してマイクロバスで登山道まで送るサービスでもやって欲しい所ですが。
tabi405様
皇海山は確かに沼田市でもありましたね、クラシックルートで登った際は「足尾銅山がなければこんな山絶対に百名山になんて……」と何度思ったことか……。
群馬県は浅間、草津、谷川、尾瀬、日光白根と全方位に山があって羨ましいです、その分全部に力はいれれない事情でもあるのかもしれませんね。
個人的に皇海山は体を鍛え上げてもう一度アタックしたいところです。