昨年から続いていた長い仕事にようやく終りが見えた3月中旬
曇りが続き外に出れない不満が爆発したので、有給ボムを使い奥多摩へ行ってきました。
目的地は鷹ノ巣山、僕が関東で初めて登った山です。
去年からマラソンをする傍ら登山をしてきましたが、本格的な登山を初めて未だ4ヶ月。
どれくらい体力がついたのかを知る為にも程よいと思い奥多摩へ向かいます。
そして今回は日原のシンボル「稲村岩」にも登っています。
稲村岩は想像よりも遥かにロッククライミングなルートの先にありました。
正直落ちたらとんでもないことになる場所だったので怖かったです!
そんな危険地帯もある奥多摩登山の始まりです。
花粉症を発症したのは2年前だったか、当時花粉症に自分はなんないだろう北海道民だし。
という自信の元、花粉症の人を哀れんだ目で見ていたのを覚えています。
まさか自分が重度の花粉症になるとは思いもしなかったのです…。
奥多摩で杉林を見ると林野庁や上の世代に殺意を覚える、という良くない感情がこみ上げます。
前回の大室山で怒濤の鼻水地獄を経験したので、今回は点鼻薬と抗アレルギー剤を所持してスタートです。
花粉症の登山に目薬と点鼻薬は必需品だかんね!!
さて、今回のコースタイムです
奥多摩駅8:00→中日原8:36→稲村岩9:40→鷹ノ巣山11:50-12:20→六つ石山14:00→羽黒三田神社15:40→奥多摩駅16:00
大体コースタイム通り、最後の下りだけ30分ほど早かったようです。
3月2週目の平日、ホリデー快速奥多摩は走っていません。
なので朝4:30に起きて普通電車を乗りついて奥多摩へ向かいます。
新宿へ着いたら中央線へ乗り継ぎ青梅へ、平日の通勤ラッシュとは逆へ逆へと進む。
この時点で会社のことが気になるあたり、訓練された社畜であると自覚する。
この時期の広告は本当に酷い、広告を見るだけで体調が悪くなる。
花粉を見るだけで体が拒否反応を示してるぜ…。
電車でぐっすりと寝てしまい、気がついたら奥多摩駅に到着。
いつものあれだ、ワープ航法。
本日は快晴、外遊びにはもってこいの青空です。
朝8:10分発の鍾乳洞行きのバスに乗って中日原へと向かいます、
鷹ノ巣山に登る場合は東日原じゃなくて中日原で降りましょう。
この日は東日原で沢山人が降りていましたが、皆天目山(三ツドッケ)にいくんだろうか…?
バスを降りたら側の机の上に猫が寝ていました、キジトラか…最強だな。
犬派にクラスチェンジして久しいですが、猫もやっぱり可愛い。
バス停の隣にある手水舎で手を洗い、身を清めてからの出発です。
前方に見えるのは稲村岩、最初に来た頃は登れるなんて知らなかったのです。
民家の脇を通って登山道へ入ります。
前日まで天気が荒れていたからか、道が荒れています…。
注意しろと言う言葉の通り所々崩落してました、初心者注意ですね。
橋を渡ったら登山道INです。
奥多摩も川は奇麗ですが、地面の砂の色が普通なので丹沢のような清い感じではありません。
でも岩魚とかいるんだろうなー!
奥多摩もたまにこの木道が出てきますが、丹沢ほどアスレチック感はありません。
アスレチックが好きな方は丹沢の方が楽しいかも。
稲村岩尾根はそれなりの急登なので、ゆっくり登ることをお勧めします。
僕は写真を撮りながら登るのでスローペースですが、
ペースを崩さず休憩を取らずに登るのが早く登るのには重要だと思います。
普段はこの辺に岩登りの方がいるのだろうか…、クライミングは危ないのでやる予定はないけど。
稲村岩の裏側くらいでしょうか、巨岩の隙間を縫うように歩きます。
苔で覆われた山に行ってみたい、つまり屋久島や八ヶ岳なんですが。
両側はこんな感じで岩だらけです、ちょっとかっこいい造形してる。
谷間で日照量が少ないため、つららが何本もぶら下がっていました。
沢と一緒に登るのは最初だけ、この沢を過ぎれば後はひたすら尾根を登ります。
ケルンを確認して進む方向があっていることを確かめます
ケルンのすぐそばに指導標あるけど、このケルンは意味をなしているのだろうか。
谷筋を歩く道は崩落により今は歩けないようです、橋は自然に帰ろうとしてました。
多分渡ったら床が抜けるなこれ。
この時期の奥多摩の山肌はまるで三毛猫のよう。
登山口から1時間ほど歩いて稲村岩との分岐にさしかかりました、
前回はすぐ左のコブに登って引き返したのですが、今回は最後までいきます。
稲村岩へのルートは両側が断崖絶壁となっている為、非常に危険です。
また、岩の上歩いているためトレースが割と希薄、道を間違えないように気をつけましょう。
ルートを間違えると崖にしがみつくはめになるので。
テープを目印に登っていきます、この時点で下りを想像して少し嫌な気持ちに。
三点確保を意識すればちゃんと登れる、というレベルの登り。
10分ほど岩と格闘してなんとか頂上に到着出来ました…、達成感よりも恐怖感の方が強いぜ。
でも展望はいいですね。
日原の集落が見える、下から見上げたあの岩の上にいると言うことを実感する。
山頂には夫婦神社と思われる社があったのでお参りをしていきます。
山頂には天に向かうオベリスクが鎮座していました。
登ろうと思ったけどそういうタイプの岩ではなかった。
そして奥に見える鷹ノ巣山への尾根道、し…白い。
怖かったのは戻り道です、斜面に対して正面向いてると落ちそうなので
登りと同じ体勢で確実に降りることにしました。
右側がストンとなくなってるし、道がロッククライミング…
道を間違えて5センチくらいしかない足場に下ってました、怖い怖い
分岐路に戻ってきたら鷹ノ巣山への尾根道に戻ります。
この辺は少し春の気配を感じられる。
しばらく歩くと雪が出現、1300mを越えた位から出てくるだろうと思っていましたが、
予想通り1300m付近で氷と残雪が出現。
人が歩いた後は軒並み凍っている。
登りでは下を向いて歩いてしまう為、頭をぶつけることが多い。
この様な注意は本当にありがたいなぁ。
足下がだんだん凍り付いてきました、雪よりも困る凍結。
ブナの倒木も目立ってきた、冬の傷跡が目立つ鷹ノ巣山です。
立派な猿の腰掛けが生えたブナの枯れ木。
猿の腰掛けは火をつけるとなかなか消えず、火種として優秀とのこと。(ベア・グリルス調べ)
カチンコチンの残雪が出現してきたので6本爪アイゼンを装着します
装着して思ったのは、稲村岩尾根は急登りなので12本爪アイゼンの方がラクチンだなと言うことです。
奥多摩に登るときは12本爪アイゼンを使用するのがベストだと思いました。
トレースがしっかりしているので歩き易いのですが、
凍っている箇所が多いため足を地面に強く打ち付けて進みます。
株の中にはカブトムシやらクワガタの幼虫とかが潜んでいたりするのだろうか。
標高が上がってきたので空の色が奇麗になってきました。
鷹ノ巣山はブナが多く杉が少ないので花粉の影響も受けず、天気もいいので気分がいい(フラグ
気持ちのいいスノートレッキング状態です、
最近は持っていく道具も固定されているので荷物の少ないハイキングを楽しんでいる気がする。
秋に来たときとは違い、倒木や木のトンネルが多くなっている…。
こんな時期でも1600mを越えると雪がサラサラしている、積雪量は50センチ近いためアイゼンは必須。
雪が凍っている箇所が多いので慎重に進んでいきます、アイゼンがないと詰むな。
雪の重みでひん曲がっちゃったんだろうか、ブナは個性があって良い。
尾根を延々と歩いていると山頂はいきなり訪れます、初めて来た人は驚くかもしれない。
かくいう僕も最初に来たときはいきなり山頂に抜けて驚いたものです。
登頂開始から大体3時間半ほどで鷹ノ巣山山頂に到着です…。
雪が積もっている中の登頂でコースタイム通りって言うのは、結構頑張ったんじゃないだろうか。
山頂の展望は奥多摩屈指といって過言ではありません。
鷹ノ巣山からは、御前山/三頭山/富士山/大菩薩嶺/丹沢山塊/道志山塊
といった山々を一度に確認することが出来ます。
この日は天気が良く、空気が澄んでいたため奇麗な富士山を見ることが出来ました。
鷹ノ巣山の正面にそびえ立つは三頭山、画面中央です。
富士山の右手にそびえている山稜は大菩薩、かなり立派な稜線が続いています。
とりあえず山頂で南と西の山を確認したらご飯タイムです、
今回もバーナーとお湯めんどくさいから持ってきてません。
ご飯を手早く済ませ、チーズケーキとサイダーで優雅なデザートタイムを楽しみます。
このチーズケーキの先端にある山には一度ボコボコにされてるので、リベンジを果たしてやりたい。
モンベラーとして進化した俺の装備に抜かりはない、晴れてさえいれば余裕で登頂してみせよう。
完全なフラグです。
おにぎりを食べて、スイーツに手を出したと同時に本日の甘味の登場です。
山頂で飲む炭酸飲料の美味しさは布教するレベル、圧倒的贅沢!!
そして…甘味を楽しんで、人気が少なくなったらカメラで遊ぶ時間の到来です。
本日は山頂の標が小さいので三角点にフューチャーして寝転がってみる。
行き倒れの登山客が命からがら登頂し三角点に触れるというコンセプトで苦しみのポーズをとる。
あー、三角点可愛いな!本当に三角点好きだな!
コンセプトを掲げて3秒後には三角点が好きだと言いながら三角点に抱きつくという奇行に出る。
正直誰もいなかったから良かったものの、こんな行為が見られていたら
頭のおかしい気違いハイカーとして証言が残ってしまいかねないレベル。
飽きたからもう帰る!!
散々遊び倒しておいて、飽きたから帰ると言う屑男の鏡のような言動を残し鷹ノ巣山を後にします。
さらば鷹ノ巣山、もう雲取山からの縦走くらいでしか来ることはないだろう…。
さて、石尾根を利用しての下山開始です。
鷹ノ巣山から六ツ石山へは下りの道を歩いていくことになります、
この時期だと地面のコンディションが微妙、アイゼンないと転ぶけどアイゼンが泥まみれになります。
大菩薩嶺ってずいぶんと奇麗な稜線を描いているんですね、縦走できそう。
最初は割と平坦な道をひたすら進んでく感じです、傾斜もほぼない。
新緑の季節ならバイケイソウなどが生えた趣のある道になります。
未だに「熱海」が「伊豆の熱海」に思えてくる…、ここでは奥多摩湖入口のバス停を示します。
木の周りは暖かいのでしょうか?自然エネルギーが発生しているのか雪が溶けている。
裸の木を見るのもこの時期だけ、緑があるときはこんなにグニャグニャだと言うことに気付かない。
尾根伝いと下道の2つがありますが、大体の人は下道を通ります。
尾根伝いは獣道なのかもしれない、あんまり人が通った後はありません。
下の方に奥多摩湖が見えました、知っている地形が出てくると安心しますね。
しかし、石尾根の何もないこの感じ…。いかん早くも飽きそうだ。
しかし顔を上げた瞬間視界の端で動く何かが!!
シカがいました、奥多摩でシカなんて初めて見ました、マジでいるんですね。
登山道を外れて追いかけっこをしばらくしてみましたが、
4匹くらいのシカファミリーは山奥へと消えていってしまいました。
シカを追いかけるあまり危うく道を見失いかけてしまいました、遭難するところだったぜ。
シカと追いかけっこをしたため10分ほどタイムロスに、急いで下山を再開です。
道が南斜面から北斜面に入れ替わったので凍結が激しくなってきました。
北斜面の薄暗い道を歩き続けること小一時間…、六ツ石山との分岐点にさしかかりました。
前回は疲れてたのでスルーしてしまったのですが、今回は六ツ石山にも登ります。
頂上前の坂道を5分ほどで登りきると山頂に到着です。
周りに石がごろごろ落ちてるけど、これは人為的に置かれた気がしますね。
とりあえず新たに石を六個積んでおく、下の奴をあわせると10個くらいになってるような気がする。
でもそんなの関係ない、関係ないから、関係ないから、そこは気にしない。
さて、気を取り直して下山再開ですが、再び道が凍結し始めます。
凍結と泥道が交互に出てくる為僕のアイゼンはもう泥まみれ。
時たま後ろを振り返ってみて思うのですが
石尾根側を登りに利用すると単調な登りが続くので結構飽きるんじゃないかな。
距離が長い分平坦な道が多いのは助かります。
杉林が見えてきたらもうすぐ終り合図です、ここから一気に暗くなります。
この辺はヤバい、体が何かを訴えかけている。
黄色い奴がよぉおおーーっ!うじゃうじゃでかかってんじゃねーかッ!!
ジョジョ風に危険を察知したので急いでおります、花粉がヤバい気がする。
幻想的にも思えるが、夕方の杉林はちょっと怖いし花粉がーっ!花粉がーっ!
杉林を越えると枯れ葉の道に出ます、杉林の中は道が凍結していましたが
もうここまで来たらアイゼンを外しても問題ありません。
つっても泥まみれなんだけど。あと鼻が詰まってるんだけど。
石尾根の雰囲気と川苔山から古里へ向かう道の雰囲気はとても似ている。
なんというかこの、ひたすら水を見ることなく杉林の中を歩いていく感じが。
ここから先は石尾根下山の恐怖スポットが連続します、変に人の生活感があると怖い。
この辺で折れた木が隣の木に寄りかかり、ぎぃーっぎぃーっという音を常に発し続けています。
変な音がするよーッ!!
そして、画面中央の物置のようなもの…、中は暗くて見えませんがとにかく怖い。
視線を感じたため後ろを向くと小さな神社がありました、前回二人で来たときは気がつかなかった(汗
ぎぃーっぎぃーっといっている正体はこの木なんですが、すぐそこに廃屋があり
ドアが定期的に風でバタンッ!バタンッ!て閉じるのでとても怖い。
物の怪の類いの恐怖におびえながら早足で登山道を駆け下りてなんとか登山口に到着です。
何かから逃げるように降りてきてしまった。
東京農大の敷地があるんですね、演習林って何をするところなんだろう?
こういう看板に出会えたおかげで大分気分が落ち着いてきました、しばらく歩いて民家横に出ました。
この辺の民家はたらの木を育てているようです、4月5月になればたらの芽が生えて
おいしい天ぷらを食べるのでしょう、羨ましい限りです。
この民家の横の下山道をさらに通るのですが、そこで最後の恐怖スポットがあるのを思い出します。
羽黒三田神社、ここ超怖いんだった。
曇りの夕暮れとかに来たら腰を抜かしてしまうんじゃないんだろうか。
神社の左にある小さな社、僕は中をのぞいたことはありませんが、
友人の梅が前回中をのぞいたところ、首のない稲荷さんが置いてあり恐怖を感じたとのこと。
何より怖いのは首に顔と思われる模様が掘られているところ。
怖いので遠巻きにお辞儀して写真を撮って終り!
羽黒三田神社を過ぎれば奥多摩の市街に到着です…。
長かった、とにかく石尾根がコースタイム以上の長さを提供してくれた気がする。
ずーっと森の中を歩いていたんじゃないんだろうか。
町の中では梅が咲いていました。
奥多摩町は標高で言うと400mくらいに位置しているはずなのでここで梅が咲けば小田原とかは満開。
午後3時を回っていると言うのに空にはくもひとつないのが素晴らしい。
今日歩いておいてよかったと思う。
帰りは一度奥多摩駅に戻り、泥まみれのアイゼンを洗って収納。
下山中は片手にアイゼンを持っていたので常に片手で写真を撮る状態になっていました。
帰りの電車の時刻を確認したらもえぎの湯へ汗を流しにいきます。
風呂上がりは牛乳ではなくサイダーにしました、甘味最高!
温泉から上がり、奥多摩線に揺られて帰路につきました…。
途中点鼻薬を紛失すると言う災難にあってしまい、慌てて立川でエージーノーズを購入する。
というアクシデントがありましたが、無事御徒町までたどり着くことが出来
本日の締めのラーメンを食べることが出来ました、これにて本日の山行終了です。
大体1ヶ月ぶりくらいの奥多摩登山になるんでしょうか
ここ二週間は丹沢へ赴いていたこともあり新松田を経由しない登山が新鮮でした。
ホリデー快速を使用しない登山となりましたが、
朝8時のバスに乗ることが出来、山頂への到着が早いと言う結果になりとても良かったと思います。
個人的な感想ですが、鷹ノ巣山は「THE 奥多摩」と形容出来る奥多摩らしい山だと思います。
川苔山の様な楽しさはないし、三頭山のような笑える急登もない地味な山です。
ですが、なぜか二回も来てしまうという魅力を携えているということを再確認しました。
奥多摩に数回登ったことのある方はこの奥多摩の中ボスは手応えがあると思いますのでお勧めです。
あ、僕は石尾根怖い派ですが多分実際は何もないんだと思います。
鷹ノ巣山の地図はこちら
- 作者: 山岳写真ASA
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