2025年8月8日から9日にかけて、中央アルプスの空木岳から南駒ヶ岳を縦走してきました。日本百名山の一座である空木岳(2,864m)と、二百名山の南駒ヶ岳(2,841m)を巡るルートです。
見晴らしの良い快走路のイメージが強い中央アルプスですが、それは木曽駒ヶ岳周辺の話。極楽平より南側に延びる稜線は、激しいアップダウンが続く急峻な山岳エリアです。
今回は千畳敷を出発し、極楽平から檜尾岳、熊沢岳、東川岳と中央アルプスの背骨を南下して南駒ヶ岳を目指します。
極楽平から先に続く果てしない稜線では、照り付ける日差しが容赦なく体力を奪います。檜尾岳を超えてから先も、どこまでも続くかに見える山々を歩き続け、花崗岩の岩肌に作られたか細い道を息を切らして登ってゆく。空木岳への道のりは、どこから歩いても遠いのです。
空木岳から南駒ヶ岳にかけて、今まさに崩れていく最中にある摺鉢窪避難小屋を上から眺めるパノラマを楽しんだ後は、長い長い池山尾根の下り坂へ。
一瞬たりとも気が抜けない、中央アルプス空木岳~南駒ヶ岳登山の始まりです。
redsugar空木岳はやっぱりキツイ……、どこから登っても大変なんですこの山。
千畳敷カール発、空木岳~南駒ヶ岳縦走の概要
駒ヶ岳ロープウェイより中央アルプス縦走へ






午前4時50分、駒ヶ岳ロープウェイ駐車場。
おはようございます、Redsugarでございます。
夏真っ盛りですね。天気予報を毎日確認しつつ、晴れている山を目指して日々のスケジュールを調整する毎日です。
さて、本日は中央アルプスは空木岳から南駒ヶ岳を目指して歩きたいと思います。
登山口へのアクセスはバスにするか迷ったのですが、
下山で空木岳の池山尾根を使うとなると自走のほうが色々都合がよさそうなので
深夜に車を走らせてやってきました。



夏シーズンの早朝、菅の台にある駐車場は大混雑です。
ロープウェイへと向かうバスに乗車するために、長い行列が発生するんですね。なので、出来れば朝5時前には到着しているようにしたいところ。




空木岳はどこから登っても遠い、というか体力が必要になる場所です。どのコースが一番楽かというと、千畳敷からの縦走かなと思います。以前、池山尾根を登って千畳敷へ向かうという行程で歩いた際に得た知識です。
ロープウェイを使えば標高2,600mにある千畳敷まで汗を流すことなく訪れることができます。途中の売店は早朝から営業中……、出発前にソフトクリームを食べることもできそう。



池山尾根を登るのは本当につらい。しかも暑い時期ならなおさら


午前7時15分、千畳敷駅。
というわけでバスとロープウェイを乗り継ぎ千畳敷までやってきました。
登山客のほとんどは千畳敷カールへと向かって行きます。ロープウェイに乗っていた人の半分以上は、木曽駒ヶ岳を目指しているほどです。



木曽駒ヶ岳は文句なしに中央アルプスの一番人気です。


千畳敷駅を出てすぐそこにある駒ヶ岳神社で登山の安全を祈願して出発します。
これより極楽平から空木岳へ、足がガタガタになるくらいアップダウンが続く道を歩きます。さらに、最後の空木岳の登りは花崗岩の岩々の間を縫うように登る難所、入山のお祈りは一段と丁寧に済ませました。



奥歯ガタガタっていう近畿圏の人はピンとくる言葉があるじゃないですか。(北海道や東北ではほとんど使わないんですけど)歴史がある言葉なのかと思って調べてみたら、60年代のテレビ番組と吉本新喜劇が由来だそうです。
ちなみにこれから歩く稜線を歩いて駒峰に到着するころには、正確には足がガタガタというかブルブル震えるような感じになる……人もいます。






午前7時45分、極楽平。
千畳敷駅から白い石の登り坂を詰め、極楽平へ。
ここはまさに文字通りの「極楽」です。見晴らしがよく、平坦な白砂の稜線が視界の限り広がっています。
しかし、ここから北へ向かえば岩場が待ち受ける宝剣岳、西へ向かえば激しい下りとハイマツの藪漕ぎが待つ三ノ沢岳、そして南へ向かえば足が震えるロング縦走路……。どこから辿り着いても、この場所が「極楽」に思える理由がよく分かります。


極楽平から島田娘へと続く稜線が空木岳まで続けばいいのに。本当に素敵な稜線地帯を進んでいきます。
地面は花崗岩が風化してできた白砂で、歩くたびにジャリジャリという音と感触が、足と耳に快い刺激を与えてくれます。



ガスが流れていく極楽平はひんやりとしていて、歩いていて全く暑くない。下界はすでに30度を超えているというのに。






白砂の稜線を歩いて島田娘に到着しました。極楽平から島田娘までは甘美な稜線歩きが続きました。
で、ここから先が大変です。まずは濁沢大峰と檜尾岳へ、大きなアップダウンが待ち受けています。



ここからが中央アルプス空木岳縦走の始まりです。深田久弥も空木岳へと向かう稜線は静かだと描いていますが。それは今でも変わりありません。今回も、極楽平に到着した時点で登山客が少なかったんですよね……。
雲と青空が入り混じる檜尾岳までの道のり


中央アルプスの稜線には、白く大きな岩がゴロゴロと転がっています。
近づいて観察してみると、それらが立派な花崗岩(かこうがん)であることが分かります。ハイマツの鮮やかな緑と、白亜の花崗岩が織りなすコントラストこそ、中央アルプスを象徴する景色です。



この花崗岩が風化してできた白砂の絨毯を踏みしめて歩きます。ちなみに花崗岩といえば墓石にも使われます。その場合は、関西の銘石「御影石(みかげいし)」という名前で扱われることがあります。神戸市の御影という地名に由来していますが、花崗岩と御影石は同じ石を示しています。


三ノ沢岳を振り返ってみると山頂だけに雲がまとわりついている。夏山において悔しい天気の一つだと思いますね……。



朝9時くらいまでの、雲が上がる前にある程度登りたいというのには理由があるのです。


目の前に広がる稜線ですが、檜尾岳から先はいまだ雲に包まれています。稜線には西から風が吹きつけており、次第に晴れてゆくだろうという予感がありました。空木岳はあの雲の向こう側です、まだまだ先は遠い……。
写真左の檜尾岳(避難小屋がある山)から熊沢岳、東川岳と何度もアップダウンを繰り返して進みます。


「グワグワ」と、お世辞にも可愛いとは言えない不器用な鳥の声。周囲を見渡すと、中央アルプスで復活を遂げたライチョウがトコトコと歩いていました。雛を連れて登山道を行ったり来たりしています。



ライチョウは天敵である猛禽類から身を隠すため、ガスが出ている時や雨天時に姿を見せやすいと言われています。なので、ライチョウが出たから天気が崩れるというわけではないようです。


島田娘から鞍部へ下ると、目の前には濁沢大峰への厳しい登り返しが立ちはだかります。雲の先には東川岳があり、そこから大きく下って木曽殿山荘。そして……熾烈な登り返しを経て空木岳山頂へ辿り着く長い道のり。



先を考えるとつらくなります。マラソンと同じで「いま、ここ」以外を考えないことが重要です。というか登山って全般的に先のことなんて考えないほうがいいと思っています。禅の瞑想のように、一歩一歩踏み出す足、そして身体に意識を向けて、通り過ぎる景色をただただ受け入れることに集中するのがよいと思っています。


花崗岩のモニュメントといいますか、ニョキっとした巨岩が現れたりするのが良いですね。仙境的な風景が楽しい。


道幅は広く歩きやすいものの、山々のピークはそれぞれ切り立っているのが中央アルプスです。コースは長く、アップダウンの回数も多いため体力が求められます。




午前9時00分、濁沢大峰。
極楽平、島田娘を経て最初のピークである濁沢大峰へとやってきました。ガスの量は多いのですが、晴れていると胸を張って言える程度には眺望が良い状況です。そして、ここから道は厳しくなっていきます。



楽な道は終わりです。ここからは道の厳しさが一段上がるので、水分や行動食で一度休憩するのがおすすめ。


駒ヶ根方面から湧き上がる雲が稜線に吹く風とせめぎ合っています。細かいアップダウンを経由する区間となりますが、ここからは道が細いので注意。刈り払われたハイマツの枝がぶつかりやすい区間でもあります。



このコースを歩くために使い古した頑丈な服でやってきています。(50回以上は着ているミレーのモルフォジップシャツです。)






濁沢大峰からは細い梯子やら鎖場やらが現れます。左右が切れ落ちたところを何か所も通過します。
よく整備されているんですが、道自体が結構きついんですよね……。



空木岳を目指す場合、この付近だとまだ体力的にも余裕があるかと思います。逆に空木岳から木曽駒を目指す場合は、この辺が一番きつかったりします。


檜尾岳へと続く登り坂をふと見上げると、団体客が列をなして歩いているのが見えました。巨大な山体と、その背を静かに蠢く人々の列。足元を通り過ぎるアリの行進を眺めているような、どこか浮世離れした感覚に陥ります。スケール感が狂うようなこの視覚体験も、登山の醍醐味の一つです。


ゆっくりと登っていく団体客を凝視してみます、何かのツアーに間違いはない。
歩く速度からすると、木曽殿山荘を目指しているようですね。雨に降られないことを祈りたい……。




午前10時05分、檜尾岳。
山頂直下で団体客とすれ違い、無事に山頂へ到着。
東側を見下ろすと、リニューアルされた檜尾小屋(旧避難小屋)がくっきりと見えます。
テント場が新設され、有人営業を開始したことで注目のスポットですが……今回の工程では少々寄り道になるため見送ることに。



避難小屋時代に泊まった時は超満員で、寿司詰め状態。寝返りも打てないほど苦労した思い出があるだけに、立派なテント場ができたのは本当に嬉しいニュースです。
東川岳、縦走路一番の踏ん張りどころ


檜尾岳を越えると木曽殿山荘まで補給地点はありません。ここから先が縦走路で一番の踏ん張りどころになります。
コースタイムでは檜尾岳~木曽殿山荘まで3時間40分ほど、高低差が激しい稜線地帯を歩くことになります。


尾根を見渡すと熊沢岳から先はいまだ見えず。山頂部に小さな突起が見える山が熊沢岳です。標高は2,778mで、前後に岩場が多い地点となります。


これから歩く稜線部を見てみると、ピークが複雑に入り組んだ形状をしていることがわかります。登山道は稜線部の東側(写真では左側)に築かれていて、檜尾岳からはひたすら登り坂が続く状況です。


東の伊那、西の木曽。南北に延びる中央アルプスの東西は急峻な地形で、地面を目指すような深い谷が刻まれています。中腹には槍の切っ先みたいな花崗岩が本当に多い。


白砂の地面にコケやチングルマといった高山植物が這うように自生する箇所で小休憩。檜尾岳を振り返ると、山頂と小屋が思いのほか離れていることに気が付きます。






午前10時30分、大滝山。
熊沢岳までの中間地点にあるのが大滝山(中央アルプス)です。北アルプス南部の大滝山を歩いてきたばかりなのに、また大滝山に来てしまった……ということに笑みが浮かぶ。目指す熊沢岳は徐々に近づいてきていますが、道がどんどん険しくなってきていることがわかりますね。






大滝山から熊沢岳への道中では鉄棒が打ち付けられた鎖場が現れます。太陽の熱でじんわりと温かくなった岩のクラックに指を押し込んで安定性を確かめてから、ゆっくりと登っていきましょう。


岩場を登りきると熊沢岳まではもう少し。熊沢岳はね~、縦走路における中ボスくらいの立ち位置です。
ドラゴンクエストっていうゲームがありまして、それの6作目に出てくる「ムドー」みたいな、序盤から中盤にかけての宿敵みたいなものですね。空木岳は最後に戦う「デスタムーア」みたいなものかなぁ……。



昭和平成生まれのゲーム世代にしか通用しないたとえ話で申し訳ない。


これまで歩いてきた道を振り返ってみましょう。写真左側に宝剣岳や極楽平が見えますね、そこから下って濁沢大峰、檜尾岳と大きなアップダウンを繰り返したんだなぁというのがわかります。



すでにかなりの距離を歩いている……。


雲の合間からは駒ヶ根の市街地が見えます。対面にあるはずの南アルプスは雲に阻まれて姿が見えず。


中央アルプス、三ノ沢岳と宝剣岳方面を南側から見た状態です。以前三ノ沢岳単体を歩きましたが、中央アルプス本線とは少し離れた場所にあるということがよくわかりますね。賑わいを見せる千畳敷カールとは全く別の、静かな山歩きが楽しめる山です。ハイマツの中に点在する岩々と、花畑が歩く人の目を癒してくれます。
山頂からは南北に延びる中央アルプスの山々を一望する眺めが楽しめるというのが、一番の特徴でしょう。




午前11時30分、熊沢岳。
鎖場と、ハイマツの隙間に通された道を抜けて熊沢岳にようやく到着しました。広い山頂部は休憩にはお勧め、以前歩いた際はこの辺で緊急避難的にテントを使っている人たちもいたっけ……。
山頂には細い木の柱が一本立っているだけと、少し物寂しい景色が広がります。




熊沢岳を過ぎるといよいよ東川岳と空木岳です。ここでようやく空木岳の姿をとらえることができるようになりました。写真一枚目、中央に写っているのが空木岳です。



ハイマツの根が血管か触手のように地面に手を伸ばしています。その脇を通る登山道を下って東川岳を目指します。


巨岩の合間を潜り抜けて東川岳へ向かいます。熊沢岳から先は、でかい岩の合間を抜けていくことが増えるんですよね……。東川岳までは小さなピークをいくつか踏んでいくので、ちょっとした上下の揺さぶりがあります。


青々と茂るハイマツの向こう側に空木岳と南駒ヶ岳が見えます。残り、名のあるピークは東川岳だけですが、空木岳まではまだいくつかのピークがあるような景色……、足は耐えられるのだろうか。






東川岳の標高は2,671m、熊沢岳から小さなピークを経由した後、ググっと標高を下げることになります。徐々に近づいてくる空木岳は宝剣岳的な、岩の城ともいえる見た目をしているのがわかります……、最後にあれを登らなくてはいけません。






午後12時45分、東川岳。
千畳敷を出発して約5時間30分で東川岳に到着しました。5時間半ってさらっと書きましたが、ここまでの道のりは長く険しいものでした。空模様も順調に悪化してきていて、積乱雲の発達に伴い雷雨に見舞われかねない状況です。
ここから一気に木曽殿山荘に降りて、空木岳へと登り返すことになります。



ここまででかなりのエネルギーを消費しているはずです。発汗によってミネラルや塩分が失われているので、梅タブレットや行動食を利用して補給してから先に進みましょう。木曽殿山荘までは急な下りで、踏ん張りが必要になります。注意して歩きましょう。
岩を纏う名峰「空木岳」へ登る


ハイマツの下に何か明るい色のものがあるとのぞき込んでみると立派なキノコの株が。稜線地帯でもキノコが生えるものなのか……。そういえば、映画「剱岳 点の記」では案内人の長次郎が剣沢付近で巨大なジコボウを取ってきている描写がありました。昔の山人にとってはキノコはごちそうだったのでしょうかね。



登山の最中にキノコを採取する余裕はないので、見るだけでおしまい。


東川岳を見上げると、ピークはガスの向こう側。白い花崗岩が垂直に連なる山肌は大変美しい……。


午後に入り積乱雲が発達してきたこともあり、空は白い雲に包まれていきます。
これまで見えていた青空、そして日差しは失われて、いつ雨が降るかわからないドキドキ登山タイムが幕を開けます。



絶対雨が降る、絶対に。雨が降るのが速いか、俺が小屋に着くのが速いか、ここが正念場です。




午後1時10分、木曽殿山荘。
東川岳から木曽殿山荘までの下り坂は急です。つづら折りの登山道が整備されていますが、長い道のりを巡り巡ってきた足には堪えるものがあります。檜尾岳で休憩していた団体客の方……大丈夫かしら?


木曽殿山荘に到着するといつも義仲の力水を飲みたくなるのですが、今日もその余裕はありません。一刻も早く空木岳に登らなくては、大雨が来るという予感が先を急がせます。



義仲の力水は治承4年(1180年)に木曽義仲が伊那攻めに向かった際、兵士とともにこの場所に湧き出る水を飲んで力をつけたという伝説が由来となっています。源頼朝に対して木曽義仲は知名度では譲りますが、京都から平家を最初に追い出した源氏の武将です。埼玉県は嵐山町近くにて生まれた後、木曽谷で育つこととなりました。
治承4年(1180年)、以仁王の令旨に従い挙兵。緒戦の一つに大田切城攻めというものがあり、木曽義仲は駒ヶ岳の厳しい岩を切り抜けてこれを落とした。という伝説があります。



登山道が整備された現在であっても考えられないような伝説です。どれほどの荷物を背負った人々や馬が、この山を越えていったというのか……。宮田村の新田地区には「駒潰れ」と呼ばれる岩が今も残っているという話があります。あまりの険しさに疲れ果てた馬が立ったまま死んでしまった。その蹄の跡が岩に刻まれているのだとか。






空木岳の登りは……これまでの登りとは比較にならないほど辛く険しい道が続きます。遠くから見るときれいな三角形をしていましたね。一直線に登っていくと思ったら大間違いで、小さなピークをいくつか経由して山頂へと迫っていきます。



山頂か!?と思ったら中間のピークだった、みたいな感じで偽ピークに心が削られる。






岩場も急な場所が多く、打ち付けられた鉄の足場や鎖を頼りに恐る恐る先へと進む。
苦労して登った先に見えるピークが山頂なのだろうかと思っても、周囲はガスに包まれ判別するための情報が乏しく、できることは目の前の頂をただ越えるのみ。






山頂直下は土の道ではなく岩の道です。斜度もきつく、登ったら一呼吸おいて……ストップアンドゴーを何度も繰り返す。千畳敷から長い道のりを歩いてきました、体力が削られ切ったこのタイミングで現れる無情な登りは本当に厳しい。



岩に取り付けられた鉄製の足場を頼りに、足場の悪い花崗岩の岩々を登っていきます。






午後2時25分、空木岳。
「あぁああーーーーッ!!!辛いッ!!!」と思わず天を仰いで叫んだ直後、チリンチリンという音が聞こえ、下ってくる登山者とスライド。「すいません大声出してびっくりしましたよね……」と謝るも会釈をされただけで終わる。
苦しいからって山の中で大きな声を出してはいけません、ということを身に染みて経験することができました。
さて、ついに空木岳山頂に到着することができましたが、予想通り雨が降り始め……雨脚は強くなる一方です。
雷雨になる前に小屋に到着しなくては!と先を急ぎますが、空木岳山頂から小屋まで地味に距離がある。



この距離なら走って下りたいけど道がボロボロで歩くにも一苦労です。雨がひどくなる前に小屋に……小屋に入れて!


午後2時30分、駒峰ヒュッテ。
間一髪で小屋に到着しました。荷物を置いて受付を済ませていると外からザァアアーーーと、雨水が屋根や地面をたたく音が聞こえます。雷雨を浴びることなく小屋にたどり着けたのは本当に幸運でした。



この後到着した人々から聞けば、雨でぬれた木曽殿山荘~空木岳区間は冷や汗が出るほど怖かったとか。そらそうだよね……岩の道だもんね。






この日の駒峰ヒュッテは満員らしく、一人銀マット1シート分の広さが提供されることとなりました。続々と到着する団体客の方々、みんな一様にひどい雨だったと話しながらもどこか楽しそう。
1階で湯を沸かして、遅めの昼食を調理していると、着替え終わった人々が酒盛りをしにぞろぞろと2階から降りてきます。駒峰ヒュッテが賑わうひと時。



山の上まで運んだ酒の味は美味いだろうね……。




雨が上がり、ひんやりとした空気に包まれた空木岳。小屋から外に出て家族に電話をかけながらあたりをぶらぶらと歩きまわります。ジャリジャリと音を立てる地面の砂に目を凝らすと、風化した花崗岩が小さな飴玉の集まりのようになっています。



これがさらに小さく砕かれて、砂になって、水に流されて麓の土になるんでしょうね。






分厚い雲の下、街は晴れているようです。流れていく雲の隙間から宮田村、駒ヶ根市と麓が良く見えます。宮田村は宝島社「住みたい田舎ベストランキング2026」において村の部で1位を獲得したそうです。半径2㎞以内に生活機能が揃うコンパクトさと、手厚い子育て支援、自然豊かな環境が獲得要因だそうです。
ちなみに、空木岳を覆う雲はその後も晴れることはありませんでした。
中央アルプス縦走の1日目は十二分に満足できる歩行を楽しめたけど、2日目も朝は晴れるといいな……。



山中に見える小さな小屋は空木岳避難小屋です。あちらに宿泊する人もいるようですけど、山頂までの距離を考えると駒峰がお勧めかな。










コメント