2025年8月14日、山形県と宮城県にまたがる蔵王山にある刈田岳を訪れました。標高は1,758mとなり、山頂直下までエコーラインという車道が伸びている観光地的な山になります。
今回は幼い子供と一緒に歩ける絶景スポットという趣旨で山を「散歩」します。
4歳と6歳の子供の手を握りしめ、刈田岳から馬の背を歩く。凸凹とした岩が転がる道から先には火山が作り上げる非日常的な景色が視界一杯に広がります。標高も高い蔵王は夏でも涼しく、暑さを避けながら外遊びを楽しめる。幼い子供と散歩するにはとても良い山でもあるのでした。
下山後は蔵王温泉の源泉を訪ね、硫黄の香りが心地よい温泉を子供たちとともに楽しみます。
夏休み、東北で子供と山を歩くという思い出を作る。幼い子供たちに山に慣れてもらうその最初の一歩として、晴れた空が広がる蔵王刈田岳は最高の場所となるのでした。
redsugar子供と山歩き、を考えたときに東北エリアでは、蔵王はとてもおすすめです。ただ、晴れているとき限定ですけどね。
家族で散歩する蔵王観光の概要
家族で歩く蔵王刈田岳の始まり


2025年8月14日午前7時00分、蔵王刈田岳駐車場。
おはようございます、Redsugarでございます。奥さんの実家がある山形県に帰省しております。
今回は東北……といっても山形県、宮城県の蔵王まで片道1時間ほどの方々向けの記事にはなってしまいますが、子供と一緒に山で散歩をしてみようという試みです。
朝5時半に家族を起こし、寝間着の子供を車に乗せてエコーラインを登って刈田岳駐車場までやってきました。



山頂の駐車場の手前にも大きな駐車場があります。そちらで子供たちの服を着替えさせて、歯磨きさせて。準備を整えたら山頂の駐車場へ向かいます。
夏場だからでしょうか、車中泊をしていた方々の車が何台か見られました。ここは標高1,500mよりも高い場所になるので、夜になれば涼しいんですよね。実際、朝7時の時間帯でも長袖じゃないと寒いくらいでした。


午前7時20分、蔵王山レストハウス前。
車から降りたら走り出す子供たち。子供って朝起きてすぐに元気いっぱいだからすごいよなぁ……と思います。
30代を過ぎ、朝はまず散歩とかでふくらはぎから血液を上に送らないと元気が出ません。
山頂レストハウス周辺には登山者よりも観光客が多いのですが、車で山頂まで来れる刈田岳には不思議な人たちがたくさんいます。徹夜明けの学生さん、ギターをもってどこかへ向かう人、観光客、ウォーキングシューズで散歩する人と、山なんだけど日常の延長線上が存在しているのです。



高尾山とまではいかないけど、登山という感じの人間が少数派なんだよね……。
蔵王には何度も来ていますが、真夏の蔵王は登山対象というよりは観光地の趣が強い。個人的には不忘山にハクサンイチゲが咲くころ、地蔵岳まで歩いてスキー場を下ったあのロングな日帰り登山が懐かしい、あれは蔵王登山だった。






さて、蔵王といえば雲海です。その昔三菱自動車がやっていたWEBサイトで雲海レーダーというものがありましたが、蔵王は「雲海スポット」としてそこにちゃんと掲載されていました。写真の1枚目は南陽から米沢方面、雲海になってますね。写真の2枚目は宮城方面ですが、こちらはモクモクと凹凸が激しい雲が地面を埋め尽くしているようです。



蔵王瀧山に登った時も上山と山形市内には低い雲がかかり、朝まで雲海を楽しむことができました。蔵王は雲海を眺めるにはとてもいいスポットなのです。


刈田岳に家族を案内していると……ギターの音がする。朝の散歩を楽しむおばちゃんたちの奥で、動画を撮影している方の姿。朝の蔵王って色々な人がいるんだなぁ。



ライブ配信なのかなあれ。車で来られる山だからこその風景だよなこういうの。


子供たちにお釜を見せてあげたいという親の身勝手な気持ちで刈田岳に来ましたが、子供たちはすごーいと言いながらもその辺を駆け回るのに夢中です。そうだよなぁ、走っているほうが楽しいよなぁと思いながらお釜を眺めます。
お釜で駆け回った時の景色が無意識的に残っていて、成長した後に「ああいう景色を見たことがある」とちゃんと残り、それを思い返したときに一種のノスタルジーを感じてくれたりすれば、僕はそれで満足です。



どういう景色が記憶に残るのかはわからないものですよね。






刈田岳からお釜を眺めた後は、馬の背まで足を延ばしてみることにします。熊野岳山頂まで行けると素晴らしいけど……、4歳の娘がどれくらい歩けるかわからないんですよね。三毳山は2歳のころに登りまして、意外に体力があるんだと感心しましたが、標高1,500m以上だし、不整地だからそれなりに歩きにくかったようです。



お釜側へ降りていくと石が多くて子供も大人も歩きにくいです。手を握って転ばないようにしてあげましょう。


エメラルドグリーンのお釜の池ですが、その水は濁川となって宮城方面へ流れていきます。爆裂火口のピークである五色岳以上に、濁川が流れる渓谷が荒々しく、見ていて飽きない眺めが広がっています。



蔵王も火山活動が未だに続いているので、歩けるときに歩いておきたい山ですね。似た山として草津白根山があると思うのですが、もう長い間山頂に立ち入ることができない状況が続いています。
あちらもお釜と同じような火山性の湖を見ることができるのですが、そのすぐ隣の山で噴火が起こって以降、入山規制が続いているんです。
馬の背、非日常のお散歩を楽しむ


午前8時00分、馬の背。
刈田岳からは熊野岳方面に向かって馬の背を歩きます。山の地名では、幅が広い稜線は馬や牛の背中に例えられる事があります。逆に急なところでは牛首なんていう名前も。大地の形状を動物やその部位に例えるということは先史時代の壁画芸術にも見られますが、地名にもあるよね。



ヨーロッパにあるラスコーやアルタミラの洞窟壁画には、壁の凹凸が描く陰影の輪郭線を利用した動物が描かれたりしています。見立てだと思うんですが、面白いよなぁと思う。




馬の背を熊野岳方面に歩いていくと傾斜はきつくなっていきます。結構な距離と時間を歩いたので娘はかなり満足してきたようで、歩くことよりも道端の石を積み上げて遊び始めたり。双眼鏡で遠くを見て遊び始めました。



山頂を目指さずに、子供に自由にさせても大丈夫な程度に広いというのが馬の背のいいところかなと思います。


ちょうどお釜の真正面にやってきました。湖畔に道が見える……。以前瀧山の記事でも書きましたが、蔵王から流れてくる水は稲作には適していなかったといいます。その理由が垣間見られる話として、お釜の湖水はpH約1.2~3.5程度の強い酸性で、魚などの生物は存在していないということがあります。



バックカントリーの方々の記録を見ると、厳冬期になるとこの斜面を滑り降りるんだとか。ツアーもあるようですね。いや、巨大なものに降りていくっていうだけで俺怖いわ……。お釜も近寄るとすっごい怖いもん。


お釜は名勝地ですが、近寄れば近寄るほどちょっと怖い。
火山という文字通り爆発的な力が作り上げた地形を前に、死の感覚がよぎるからでしょうか。崇高という感覚は、圧倒的な壮大さ、あるいは抵抗できない力の感覚によって精神を圧倒すること、幸福ではなく驚愕・不安・戦慄・恐怖といった感情の側に属するといいます。そんなわけで、蔵王の景色って凝視すると、結構怖いです。



火山を登るときって、巨大な熱の上を歩いているっていう浮ついた感覚があるんですよね。非火山と火山は、歩く感覚が違うと思う。


娘が石を積んで遊んでいました、顔らしい。賽の河原で子供たちが石を積み、鬼がそれを崩しに来るという話がありますね。子供って自分で遊びを発見していくもので、ほっといても石や木の枝で勝手にルールを作って遊びます。
その着眼点を自分の中にもう一度飼いたいなぁ。






午前9時00分、散歩終了。
息子はまだ歩けるけど、4歳の娘は歩き疲れたようです。以前息子が4歳の時に小浅間山を歩きましたが、2時間くらいが子供と歩くちょうどいい時間なのかなと。体力や習慣によって上下はあるんでしょうけど、我が家は蔵王の馬の背をだらだら歩くくらいがちょうどよい感じでした。



もう登りは疲れたというけれど、下り坂はすごい勢いで走って降りていく。のびのびと移動できる山は希少です、月山だとここまで自由に歩いたり走ったりは難しい。
源泉を見学しながら楽しむ蔵王温泉


駐車場に戻ってくると、続々と車がエコーラインを上ってきます。天気がいい日は正午前には大混雑となるため、歩くなら午前中の早い時間帯がおすすめかなぁと思います。子供が中学生くらいなら、日の出を見に来てもいいのではないかと思うほどです。



日の出を見て、朝の7時くらいに蔵王温泉に朝風呂に行くとか、そういう楽しみ方っていいじゃないですか。一日がめちゃくちゃ長く感じられて。






午前10時30分、蔵王温泉上の湯。
蔵王温泉に下ってくると、こちらもまだ観光客が溢れる前という状況です。午前中にお風呂に入る人はそんなに多くありません。温泉街を歩いて上の湯まで歩いてみましょう、酢川温泉神社まで登ってみてもいいと思う。
子供が温泉に入りたいということであれば、下の湯・上の湯・川原湯と三つある共同浴場のどれかを選ぶことになりますが、僕は川原湯が好きかなぁ。



どれも蔵王温泉の源泉を引き入れた温泉になります。今回は上の湯に入りましたが、おすすめは川原湯です。木造の浴槽の底がすのこ状になっていますが、お湯がすのこの下を通って浴槽に流れ込んでくる仕組みになっているんです。温泉は地上に湧き出た瞬間から酸化するらしいのですが、川原湯のお湯は空気に触れることなく湯船になるということで、最も新鮮なんだとか。その話を聞いてから「生搾りっぽいから川原湯がいい」となりました。


上の湯の裏手には水車が設置されていて、源泉に関しての歴史を垣間見ることができます。子供たちはもちろん大興奮です。現在の蔵王温泉は湧出温度が高く、ポカポカに温まった身体で外に出ると……めっちゃ涼しい。
蔵王温泉は標高も高く、市内に比べるとだいぶ涼しいということも併せて大変爽快な気持ちになります。


温泉に入った後、息子と散歩していると足湯を発見。さっきお風呂に入ったばかりだというのに、靴を脱いでお湯に入っていきます。山形といえば足湯文化ですが、公共の足湯がたくさんあるのが本当にありがたいです。
なんと言っても温泉県、35市町村すべてに温泉が湧き出る日本有数の温泉王国なんです山形は。登山をしていても思うけど、山形で風呂に困るということはありません。



大学に通っていたころ、夜の23時とかにサークルの人々で足湯に行くとかあったなぁ……。青春の1ページに足湯が刻まれている。カップルで足湯に行くとかあるんですよ、山形は。
という感じで、お盆休みに歩く蔵王山でした。
家族で稜線の青空を思う存分楽しみ、お風呂に入って帰る。1年経っても子供たちがちゃんと覚えてくれているので、印象的な散歩をすることができたようです。山形、宮城を夏場に訪れるときは、ぜひ観光地の一つとして蔵王をご検討いただければ幸いです。










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