2016年9月3日、長野県中央部に位置する百名山「美ヶ原」に行ってきました。
最高峰は2,034m、ほとんど頂上まで車で向かうことができる観光地的な場所です。
山頂は広大な台地となっており、多くの家畜が放牧された雲上の牧場となっています。
どこまでも広がるような青い空と大草原に穏やかな時間を感じながら
動物達を眺めているだけでも楽しめてしまう百名山屈指の癒しスポット。
骨折した足で歩くことになってしまいましたが、
牧場の中をのんびりと歩くのはこれまでの登山とはまた違った楽しみがありました。
それでは雲上の牧場を歩く美ヶ原の旅の始まりです。
天と地を分ける緑の地平線、地平の奥から白い雲が湯気のように湧きあがっている。
標高1900mを超える高原の上に広がる大地。
遠景を雲に覆い隠されたそこは雲海の上に浮かぶ小島のようだ。
そしてその小島の上には人よりも幾分多くの牛たちが暮らしている。
黄金に染まりゆく牧草地で穏やかな時間を過ごす家畜達の営みは眺めているだけで
気持ちの底に沈殿した下界での疲れを優しく掬い上げてくれる。
青々とした空の下でピリッとした一陣の風が吹く。
夏の終わりを告げる香りがするそれを胸いっぱいに吸い込み、美ヶ原の大地に体を沈めるのだった。
はい、今回は美ヶ原です。
長野県の中央に位置するという美ヶ原、中央に位置するがゆえに情報伝達施設の要衝となり
山頂までがっつりと開拓された百名山の一つです、山頂手前までマイカーでアクセス可能。
麓から登ればかなり森が美しそうな場所なのですが、現代となってはほとんどの人が
車で山頂手前までアクセスをするのではないでしょうか?
現代の美ヶ原を楽しむということでいけば、時期は夏か冬。
青々とした牧場に牛達が放牧され、穏やかで開放的な時間が流れる空間を歩く。
雪に閉ざされた平原をスノーシューでザクザクと歩く。
これらが美ヶ原を思い出深いものにしてくれるのでは?
ということで今回は夏の牧場、牛達と戯れる牧場観光ハイキングです。
アクセス
公共交通機関(松本からのバスが1本なので宿泊が前提な予感がする…)
【電車】新宿→松本 普通運賃3,710 特急利用6,900
【バス】松本→美ヶ原高原美術館 片道1,550 往復2,800
【バス】美ヶ原高原美術館→松本 片道1,550 往復2,800
【電車】松本→新宿 普通運賃3,710 特急利用6,900
バスの時刻ですが、松本から美ヶ原高原美術館に到着が午後12時13分。
帰りのバスの出発が午後2時15分、なので事実上泊まり客向けのバスですねこれ。
合計運賃 10,220円〜16,600円 旅行しに行くと考えれば普通。
車
【高速】浦和→佐久南IC 3,990円
往復につき高速料金が2倍、ガス代は4000円くらい。
合計運賃 7,990円
ここは車で来る場所かなという気がします。
コースタイム
美ヶ原駐車場8:25→美しの塔8:45→王ヶ頭10:00-11:00→美ヶ原駐車場12:00
合計登山時間 3時間35分 えーと、ここは登山というよりも観光地です。
佐久平からおはようございます。
本日は関越自動車道と上信越自動車道を使い八ヶ岳の北東側より
美ヶ原に向かうというルートをとることにしました。
東京西部の方や神奈川の方であれば中央道を利用することになるとは思いますが
北側の人は関越を使うと渋滞もなく気持ちよく進めるので僕はオススメです。
午前8時20分、美ヶ原レストハウス到着。
本日は登山というよりは観光ですかね、お盆に足の指を骨折したので激しい登山ができません。
2000m越えの駐車場なんでとても空気が冷たい。
展望もバッチリなのですが、少し雲が多いかな?
美ヶ原の平な台地が広がっています。
因みに車で上がってくる途中の景色がとてもよかったんですよね、
美ヶ原は多分下から登ると森がきれいな山なんじゃないかな。
開店前のレストハウスの脇を歩いて王ヶ頭を目指します。
地図が結構劣化していました、日当たりいいから焼けてる……。
少し歩くととても景色のよい農道に出ました、農道というのか登山道というのか……
まっすぐと延びる道の雰囲気はまるで北海道。
8月も終わり次にやって来るのは紅葉シーズン、しかしまだまだ花は咲く頃。
山頂の牧場は花と牧草で気持ちよい景色が広がっています。
タカネマツムシソウですね、ちらほら咲いています。
夏の時期に来ると牧場には牛が放たれ、非常に牧歌的な雰囲気が漂っています。
美ヶ原にいつ行けばいいのと言われたら牛がいる時期か雪が積もったあとなんでしょうかね。
僕は牛がいるときをお勧め。
牛以外にも馬がいます、馬の方がちょっとかわいかったり!
ポニーですかね?たっぷりとしたお腹が愛らしい。
青空と草原とポニーって西洋的な雰囲気がするよ。
数匹の馬が餌を食べながらくつろいでいるのを眺めるだけで大分楽しめました。
さて、まだ全然進めてないので王ヶ頭に早くいかなくては。
2016年8月9月は気を抜くと直ぐに山に雲がかかる状態だったので、この日も急ぎで行動。
午前8時45分、
王ヶ頭までの中間地点、休憩スペース等がありここでお弁当を食べたりするのはいいかも…。
奥さんとのんびりしていたら牛達が群れをなして移動していきました。
結構凄い速度で走っていってビックリしました。
アザミは何時撮ってもいい花で助かります、夏っぽい場所に咲いててくれました。
気を取り直して進みます、王ヶ頭までなら車道を歩いていけばつくのですが
一応登山客向けのコースも用意されているので今日はそちらに行こうかと思います。
王ヶ頭ホテルと牛達、なんてのんびりとした景色なんだ、泊まりたい。
立派なホルスタインでした、尻尾以外微動だにしません。
逆を見ればこちらにガンをつけてくる方、後ろから雲がもくもく沸き上がってきています、まずい。
出来ればあと一時間くらい牛を眺めていたいところですが、
雲が順調に出てきてしまったので牛ウォッチを終了とします。
残念がる奥さんを励まして登山道へ、車道を歩く途中で分岐が現れます。
空は相変わらずのいい天気ですが、長持ちはしなさそうです。
登山道へ向かう入り口には山小屋めいた小屋があります、これトイレだったかな?
寄らなかったので中身がわかりません……。
アルプス展望コースは整備された平坦な山道を歩くハイキングコースです。
登りおりはあまりないので観光で来ることが可能です。
ケルンがあり登山っぽい景色も見ることができます。
画面右の細い道をずーっとあるいていくコースです。
滑落危険箇所は一ヶ所だけありましたが、それ以外は特に危なっかしいところはない。
奥さんと一緒に王ヶ頭へ向かいます。
烏帽子岩という地点ですかね、王ヶ頭の見晴らしのいいスポットです。
美ヶ原高原では数少ない岩場っぽい場所と言える。
岩の上からは山頂の展望がよいのですが、足元がストンと無いのでちょっと怖い。
上から見るとこんな景色が広がっています、こう見ると立派な山ですね。
岩を降りたら再び登山道を歩くのですが、花の数が不思議と増えていました。
アザミに必死に食らいつくハチ、スズメバチではない蜜蜂系のハチはかわいいものです。
ナデシコの花ですね、三つくらい咲いていました、今回はこれが一番珍しい花だった。
マツムシソウ、これが一番きれいでした。
美ヶ原で綺麗な花だなーと思ったのはこいつ、百花繚乱というわけではないのですが、
目を楽しませてくれる程度には咲いています。
ツリガネニンジンかな、鳥海山で見たものよりは大分パワーダウンしている印象。
時期が終わりかけなので見れただけでもハッピーです。
ヤマハハコらしきものもちらほら…。
王ヶ頭への分岐点へ到着しました、ホテルの真下付近にあります。
分岐点から登っていくとようやく王ヶ頭が見えてきました、
それと同時に雲がかかってしまいました、青空が見えなくなってしまったな。
これは困ったというところですが、しょうがない。
今まで歩いてきた道を振り返る。
美ヶ原は切り立った崖の上にある台地であるというのがよくわかる。
午前10時00分、王ヶ頭到着。
美ヶ原最高峰王ヶ頭に到着しました、駐車場からは正反対の場所にあるんですね。
麓から歩いてきたら大分遠そうな気がしました。
残念ながらアルプスの展望は見えなくなってしまいましたが、真上だけは青空が残っている。
電波塔が青空と雲を背景にキリッと建っている。
王ヶ頭ホテルで休憩をとることにしました、アイスでも売ってないかな?
ホテルの回りには登山服を着た方よりも、観光客が多かったです。
王ヶ頭ホテルの中はお洒落なランプで彩られたレストランがあったり。
山の上とは思えない綺麗なロビーがありました、一度泊まってみたいと思わせてくれる立地です。
温泉とかどうなってるんだろう?
ソフトクリームが売っていたので購入しましたが、
購入時の期待値が高すぎたため普通に感じてしまった、いや普通に美味しいのよこれ。
求めていたのが那須高原的なきめの細かい牛乳ソフトでしたが、
出てきたのはスタンダードなソフトクリームでした、美味しかった。
ソフトクリームを食べてリフレッシュした僕らは下山することに、
最後に王ヶ頭に挨拶をして美ヶ原をあとにします。
常に真上だけは快晴だった、気遣いありがとう……。
下山開始、途端にガスる登山道、涼しい!
さっきまで牧草をむしゃむしゃ食べていた牛達が軒並みグラビアポーズで寝そべっています。
愛らしく撮ってくれといわんばかりですよ!
ポニーすらもお昼寝状態でうつらうつらしていました。
百名山に来たと思ったら動物と触れ合っていた、という素敵な経験が出きる場所。
お昼前の牧場をてくてくと帰ります、車道歩いたら結構早く駐車場までたどり着けます。
レストハウスには長野名物膨れ上がったお菓子が売っていました、高原あるある。
そして僕らはご飯を食べに美ヶ原を後にするのでした…、向かった先は……。
午後1時00分、霧ヶ峰車山駐車場。
美ヶ原から大して距離がなかったんで来ちゃいました、霧ヶ峰。
見晴らしのいいところでご飯にしたかったので、霧ヶ峰はうってつけだね!
霧ヶ峰も雲がかかってるんですけど、
過ごしやすい気温でベンチもあるので気持ちよく昼食をとることができました。
この日の昼食は家から持ってきたお握り、とても美味しいです。
車山山頂はご覧の通り、ガスな上に霧ヶ峰の適期はとうにすぎております。
それでもせっかく来たので……車山だけは歩いてみようかということにしました。
流石に9月頭では花は終わっています。
車山ダッフィー。
車山の登山道はハイキングコースといった方がいいかもしれない、超平坦。
登っている気がしない、春に登った幕山を思い出す。
まだ残暑なんですけど、既に秋の訪れを感じさせる草が。
少し歩くと霧ヶ峰の平坦な高原を一望できるようになります、バイクの人気持ちよさそうです。
いつの間にか晴れてきました、今日は晴れたり曇ったりです。
一応行動中は晴れてくれるのが嬉しいところ。
いぬの散歩をしている方もいらっしゃいました、登山靴さえあれば素人でも歩けますね。
思ったよりも花が無かったです、ニッコウキスゲも終わり秋に向かっているんだな。
午後3時00分、車山山頂到着。
車山山頂はとにかく広い、晴れていれば八ヶ岳がきれいに見えます。
気象レーダーがぽつんと建っているのが特徴です。
湿原回って帰ろうということで気象レーダー裏手のロープウェイから
霧ヶ峰湿原に降りて帰ることにします。
この判断ですが今思うと結構しびれます、なぜならロープウェイ側は雲の中だから。
視界ゼロの超ガスの中を歩くわけです、しかも平坦な湿原を、怖いよね。
目指すは車山駐車場です。
シュガーinガス、ガスガスです。
ガスの中で突如現れるトリカブト、危ないからさわっちゃダメだめな奴です。
湿原と思いきや結構アップダウンが激しい、そして湿原らしい湿原ではない……。
俺が想像してる湿原ってデコ平湿原みたいな水の中を歩くようなやつなんですけど、
それとは全く違う景色が広がっている。
この時期だからか特に特徴はありません。
世間話をしながらひたすら歩き続ける。
霧ヶ峰湿原の木道ですが、そんなに長くないんですよね。
ここよりも下にある湿原の方が本番といった感じです。
曇りは曇りで雰囲気があります、晴れをご所望しているとなかなか曇りや露の写真とれないので
これはこれでありかなーと思う、曇りだからといって全て台無しと考えるのは勿体無い。
所々日の光が降り、天使の梯子が見える、霧ヶ峰に幻想的な雲の時間が訪れている。
今日初めて見る花です、調べたらヤマラッキョらしい。
名前からして根っこが食べれそうだけどどうなんだろう?らっきょうなのかな?
芋虫が面白いポーズをしていました、思わず一枚撮影。
霧ヶ峰湿原ですが、道が二本しかないのに迷いました。
というか車山直行ではない蝶々深山側は木道が途中で終わるしその先獣道みたいなので
途中で引き返してきた感じです、分岐まで戻り車山駐車場へ登るルートをとります。
所々紅葉が始まっていました、ちょっと赤くなった木々ですが瑞々しい。
駐車場は晴れている模様、光に向かって歩き続ける!
雲がとれてこんもりとした丘陵地帯が露になります、こんなんだったのね霧ヶ峰。
午後4時40分、霧ヶ峰レストハウス到着。
流石に疲れました、散歩のつもりが結構歩いた一日です。
喉が乾いていたので牛乳とブドウサイダーを購入。
このブドウサイダーが気絶するほど美味しい、あまりに美味しかったので二本購入しました。
ありがとうチャプリン、霧ヶ峰が適期の時にまた来るよ。
帰りの温泉は佐久方面の権現の湯へ、少し車で走る感じです。
普通は中央道に抜けるので使うことはないと思いますが
僕のように関越側から帰る人だと選択肢にはいるのではないでしょうか。
百名山【美ヶ原】
広大な広さを持つ雲上台地、広々とした空は北海道のような解放感を感じさせてくれます。
今となっては車で山頂まで来ることができますが、
途中の樹林の美しさを見るに登山道を歩いた方が楽しい山なのではと思います。
とは言いつつも、山頂の牧場で豊かな時間を過ごすのも一興です。
牛やポニー達が伸び伸び暮らす姿に癒されに行くのもいい旅と言えるのではないでしょうか?
夏の美ヶ原は観光にとてもお勧めです。
人生最高の山は続く。
美ケ原の地図はこちら

- 作者: 昭文社地図編集部
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コメント
コメント一覧 (2件)
登山道具の記事を読んでいて後ろ姿が随分と若々しく見えたので学生さんかと思いましたが、使用カメラや奥さんの存在を知って全然学生ちゃうやんけ!と一人で突っ込み入れてしまいました。
私も数日後に八甲田縦走と白神岳に行ってきます。紅葉終わってたら辛い・・・
それに曇りと雨らしいし。
ほぼろ様
ご覧になっていただきありがとうございます、書いている私は実は30代に突入していたりします。
青森県の山々は楽しそうですね、東北はブナが綺麗な印象があります、僕はどちらにもいったことがないのでとても羨ましいです。是非是非楽しんできてください。