2018年6月17日、山形県寒河江市にある【葉山】へ登ってきました。
標高1,462mの葉山はかつて山岳信仰があった山で、江戸時代初期までは出羽三山は月山、葉山(端山)、羽黒山と数えられていたこともあるらしい。
その後も、農耕の神をまつるこの葉山は修験の地として多くの人でにぎわうのですが……。
そんな、山形らしい修験の山としての歴史を持つ葉山。今回は6月の梅雨空の中、雨に濡れた葉山を登ります。
あいにくの天気であったため、眺望に恵まれることはありませんでした。
しかし、山の中の静かなブナ林の音やドウタンをはじめとする様々な小さな植物たちが登山者を出迎えてくれることとなりました。
久々の曇天登山、山の植物の姿に目と耳を傾ける登山の始まりです。
村山葉山日帰り登山に関して
葉山、月山と対の山
2018年6月17日5時30分、寒河江市葉山近郊のサクランボ畑。
おはようございます。真っ赤な身をブランブランとたわわに実らせたサクランボ畑のど真ん中からおはようございます。
心に話しかける登山ブログ、Redsugarです。
さて、本日は山形県の大体ど真ん中、寒河江市にある葉山に登ります。
葉山の登山口に行く途中ですが、わかりますでしょうか?このサクランボ畑、山の中腹だというのに延々とサクランボ畑が続いていきます。
「あーたしさくらんぼー♪」とか聞こえてきそう。
午前5時55分、葉山市民荘。
サクランボ畑の山なりな道は大変スリリングでした。「途中対向車きたらこれはどうしょうもないかもしれないね」という場所を越えて今、葉山市民荘へ付きました。
これが本日のスタート地点となります。
さて、今回は山と高原地図の朝日連峰を持っている人はご覧いただきたいのですが、葉山市民荘を起点に、100万ドルのドウタンのある岩野コースと、どうたん通り側双方を歩く周回コースで歩きます。
登りが岩野コースで、帰りがどうたん通りとなります。
葉山市民荘はこの時期から営業中みたいですね、登りが立っていますがこの時間帯はもちろん営業していません。
目の前にはジャージャーと水が流れています、葉山の美味しいお水ということですが
「本当に、大変誠に美味しいお水でした」
タニウツギが咲いています、6月は登山口に大体タニウツギが咲いているんですよね。
山に登ればシャクナゲ、ドウタン、ハクサンイチゲと見れて、降りてくればタニウツギといった感じです。
「ガスが色濃くなってきた、サイレントヒルみたいだ」
この日そんなに天気は良くない予報で、雨は振らないにしろが雲はあるだろうなという天気。
目の前には、霧に覆われた道が広がります。ラジオ、つけたほうがいいかな……?
午前6時25分、岩野コース入り口。
岩野コースの入り口に到着しました、葉山の入り口ですね。
この奥には社寺の跡地などがあり、かつての流行りの一端を垣間見れるとか。今目の前にあるのは鬱蒼とした森に続く新緑の道のみです。
葉山山頂への指導標があります。
ヤマツツジが申し訳程度に咲いています。
しっとりと濡れた樹林の中、蜘蛛の巣も魅力的に輝く。
遺構に関しては看板が何枚かあっただけで、それらしい建造物が何かあったかと言われれば「ないです」という状態でした。
湿った土を踏みしめて山頂方面へと登山開始です。
まずこの八丁坂という登りをさくっと登りましょう、思いの外楽に登れた道ですが……
午前6時50分、うば様。
八丁坂から登る途中、うば様と呼ばれるお地蔵さんが現れました。
うばと聞くと姥捨て山的なことが頭によぎる、日本昔ばなしで育っているのでどうしても……。
しかし、東北の山ってそういうお話多いんですよね、やはり寒いからなんだろうか?
ただ目の前にあるこのお地蔵さんはすごく優しそうで、登山者はかなり助かる見た目をしていました。
ドウタンと樹林が広がる静かな登山道
うば様から先はブナ木が生い茂る新緑の登山道。東北特有の美しい広葉樹の森が広がります。
葉山の登山道は地面が柔らかいところが多く、ウッドチップの上を歩いているような歩きやすさが特徴的です。
足元にふと目をやると不気味なギンリョウソウが咲いていました。山を登るようになるとやたらと目にするようになる植物ではないでしょうか?
少し標高を上げると現れるのがサラサドウタンツツジ。鈴のような形をした可憐な花がたわわに実ります。
葉山はドウタンツツジの木が本当に多く、今回登ったコースのいろいろな場所でこのドウタンツツジを見ることができます。
午前7時30分、100万ドルのドウタン。
地図上に描かれていた夜景みたいな名前のドウタン。
確かに立派な、盆栽みたいにきれいに枝がわかれたドウタンが現れます。本当にここだけ盆栽みたいに整備されているのが不思議。
100万ドルというのはこの盆栽的な整った枝につけられた価格ではないだろうか?
そう思うくらい、ドウタンツツジの花よりもその出で立ちに納得できる木でした。
100万ドルのドウタンツツジをすぎるとシャムコースとの分岐に差し掛かります。ここは山頂へ向けてスルー。
稜線部分は低木と湿地で構成されており、湿地付近は木道が整備されています。
この木道と沼の景色が見えたら、奥の院までは残り半分といった所でしょう。
午前7時55分、お田沼。
稜線にある池塘とお花の楽園、お田沼にやってきました。
おでんって言われると……おでん……。(正確にはおだぬま)周囲は風もなくひんやりとした空気に包まれています、さて、山頂を目指そうか。
お田沼、稜線は池塘と花の道
お田沼周辺は小さな池塘がチラホラ。木道から出ることはできないので遠目に花を眺めます。
たまに木道脇にこうしてお花が咲いているのがありがたい。
イワイチョウの花です。
小さいのでスルーしがちですが、透明に透き通った雌しべの琥珀のような輝きは見ていて飽きない。
マクロで近づくとわかる雌しべの美しさ。マクロをつけて歩くっていうのは写真の練習にもなるので、是非おすすめしたい。
池の中にはなにかの卵が沈んでいました、これ多分サンショウウオの卵だと思います……。
サンショウウオの卵があるっていうのは自然が豊かな証……だよね?
イワハゼ(アカモノ)が登山道を彩ります、ハゼって言うと魚みたいですね。コケモモみたいな花ですが、どうやら違うようですね。お田沼から先はどこでもこの花を見ることができる、というくらい山を埋め尽くしていました。
山頂方面は相変わらず雲の中。ガスに覆われた稜線ですが不思議と自分がいるところだけはガスがない。
人間高気圧としての能力を発揮してしまったか……!
ここからは小僧森、大僧森という2つのピークを越えて奥の院へ向かいます。
山頂は奥の院の少し手前にあるのですが、展望はあんまりだし特に何もないです、奥の院を目指しましょう。
小僧森まではやや道が悪い、少し荒れた道を登って行きましょう。
午前8時25分、小僧森。
小僧森からは展望が良くなり、稜線ウォークといったような道になるのですが、いかんせんガスで何も見えません、ガックシ。
尾根沿いは花もないんですよね、岩と緑の登山道を慎重に進みます、途中道が崩落している場所もあってびっくりしました。
午前8時40分、大僧森。
小僧森から大僧森へ、このピークを越えてしまえば後は大つぼ岩と山頂のみ。
しかし、森というほど森じゃないんだけどな、この名前って何なんだ……?
午前8時55分、大つぼ石。
山頂手前、葉山の展望スポット大つぼ岩に到着しました。
大きな岩が崖に向かってせり出していて、そこの上から葉山の山頂方面を眺めることが可能です。
ちょうどガスが弱まり、葉山奥の院などが見えました。6月の葉山は雪渓もまだまだ残っていますね。
大つぼ岩からは一本道で山頂へ向かいます。
午前9時05分、葉山山頂。
葉山山頂へ到着しました、本当に何もありません、ナッシング!!
笹薮の平地を少し切り開きましたって感じだねこれ。
朝の時間帯が終わりを告げ、空に光が差し込む事も、徐々に天気は回復してきているようです。
山麓はもう晴れているようですが、山頂はガスが取れない。登山ではよくあること。
山頂と言いつつ山頂ではない葉山山頂をあとにして、奥の院へ向かいます。
奥の院周辺も池塘がある湿地帯。道もしっかりとしていて、各方面からのコースが合流するからか整備具合が違いました。
奥の院、雲に隠れた月山を眺めて
奥の院の手前には鳥居が、ここを抜ければ真の山頂です。
午前9時25分、奥の院。
本日の目的地奥の院に来ました。葉山の展望は奥の院のほうが優れているとのことでしたが。ご覧の通り月山が見えるどころの話ではない。
こちらは逆側の山の内コース方面。
奥の院で出会った登山者の方々に聞くと葉山のおすすめコースはこっちだそうです。
理由は稜線地帯が長く、池塘のある湿原を歩く時間帯が長いから、なるほどね、畜生……!
曇天の空に鐘の音が鳴り響く。
でもまぁ、あんまり後悔はしていないし楽しかったと思うよ今日の登山は。
ガスと言いつつも山の稜線や景色は見えていたので、月山が見えなかったことくらいしか不満点がない登山でした。
下山時にこうしてみると、確かに山の内コースに比べると湿原が少なくヤブに覆われた道が続きますね。
山頂に戻ってくると、月山の裾野が少しだけ見えました。残雪が複雑な柄を作り出しているのだけわかった。
麓はみるみる晴れていく、結構立派な川が流れてんだなこの山とのんびり眺めながら下山。
登りでは気が付かなかったのですが、シラネアオイがたくさん咲いていました。
谷川主脈縦走でさんざん見たので感動が薄かったのが残念だけども花はこちらのほうが鮮やかな色合いでした。
午前10時45分、小僧森。
下山はスムーズです、どうたん通りに合流するまではアップダウンが多いのですが、基本下っているのでパワーの消費は少ないかな。
再び樹林に突入することには木漏れ日が差し込むほどに天気が回復しています。
しかし、ここまで来たらもう帰る、また登り返すのなんて面倒です。
どうたん通り、ブナ林を一直線に下る下山路へ
午前11時10分、どうたん通り分岐。
さて、ピストンで帰るのはなんかもったいないなと感じる本日は周回ルートで下山します。
帰りはどうたん通りを使って降りれば車がおいてある葉山市民荘の裏手に出ることが可能です。
どうたん通りはその名の通りどうたんしか生えてないんじゃないの?
っていうくらいどうたんに満ち溢れた場所です。
「これが全部食べれる実なら最高なんだけどなぁ……」
色づく前の若いどうたんで空はびっしりと埋め尽くされておりました。
どうたん以外は基本的にはブナ木の樹林。落葉がウッドチップのように積み重なりフワッフワになっている道をかけるように下ります。
この道は最初のどうたん以外は本当に見どころが……なかったです。
気がついたらかなーり下っていました、下りで使うとあるきやすさも追加されてコースタイムをみるみると巻いて行くことが可能なのです。
「あ、日本で最も山に登って写真を撮られているであろうクリスマスダッフィーの写真を忘れた」
ということでここで木漏れ日ダッフィーです。本日ガスの山頂故にここのほうが絵になった。
こういう場所で取るとダッフィーが木霊とかそういうものに見えますね。
午前11時45分、車道合流。
一旦キャンプ場の方か林業の方が作ったであろう道路に出ます。しかし、登山道は道路を挟んだ向こう側です。
登山道をひたすら下り続けるとキャンプ場の裏手に出ます。
キャンプ場の裏手から車道を下り続けると、こういった民家の裏に出ます、市民荘の裏手にあった家です。
こんな山奥に、とも思いましたがこの辺さくらんぼ農家の方がめっちゃいらっしゃるんですよね。
葉山市民荘が見えてきました。
午後12時10分、葉山市民荘。
下山完了です、戻ってきてみれば中の雰囲気がだいぶ気になる感じに。暖色のライトがついてて、どんな場所なのかめっちゃ気になるぞ!!
というわけで、中にお邪魔してみることに。特に入場料とかはいりません。靴を脱いでするするーっとお邪魔します。
中はこんな感じの公民館的な場所、職員さんがガイドも兼任しているらしく、葉山のおすすめのシーズン等を聞くことができました。
職員さんが言うには葉山のおすすめは「秋」だそうです。
山頂の池塘周辺が真っ赤になり、木道から紅葉と青空のコントラストがリフレクションするのがきれいなんだそうな。
ふーん、……ちくしょう…。
帰ろうと思ったら何やら水を組んでいる方々が……。
そういえば僕が市民荘に入ったくらいに来た人たち、ずーっと何やってんだ?と思ったら大量のペットボトルに水を組んでいました。
ミニバンにすごい数のペットボトルが積まれててびっくり。お風呂とかもここの水で沸かす……のかな?というくらいの水の汲みっぷりでした。
僕もなんだか水が飲みたくなって、最後にお水を頂いて帰ることに。
東北の山のお水は大体どこでも美味しいけれども、ここは本当に美味しい
奥さんのご実家に帰る前に、アイスを食べてお風呂に入って帰ることにします。
やってきたのは山形の定番アイス道の駅寒河江のチェリーランド、ソフトクリームじゃなくてジェラートが有名な道の駅です。
ここのジェラートでおすすめしたいのは「米味」山形産のつや姫が使われたジェラートは本当に美味しい!!
奥ゆかしいバニラ味が好きな人はぜひ食べてみてほしいです!
アイスを食べたら毎回来る「ゆぴあ」へ。
山形は大分に劣らずな温泉県で、全市町村に温泉が湧いているのが特徴です。
このゆぴあは当ブログに一番たくさん出てきている温泉な気がします。山形に来るとだいたいここに入っちゃうんだよね、300円だし。
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