2024年1月27日、青梅市にある里山「赤ぼっこ」と「要害山」でお手軽ハイキングを楽しんできました。
青梅駅を出発して旧二ツ塚峠を歩いて眺望抜群の展望台である赤ぼっこ、天狗岩を楽しんで、吉野梅郷で蝋梅の花を楽しもうという1月の低山散歩になります。
山里の1月は蝋梅がメイン、もう少し季節が下ると白梅の季節になりますが、青梅の梅はプラムポックスウイルスの影響で全伐採という過去もあり24年のタイミングでも再植栽は進んでいるものの梅を見るという状況ではありませんでした。でも蝋梅は残っているので見れるはず、ということで青梅を目指します。
大寒の時期ということで家から出るのも億劫になる季節ですが、気分転換のハイキングを楽しむには青梅は絶好の場所になります。下山後は青梅市内のカフェや定食屋で落ち着いた時間を楽しみましょう。
赤ぼっこ、要害山ハイキングの概要
青梅市内歩きを楽しみ登山道へ



2024年1月27日午前8時10分、青梅駅前。
おはようございます、Redsugarでございます。
本日は青梅市内にある低山ハイキングの名所「赤ぼっこ」を目指してゆるゆるハイキングを楽しみたいと思います。まず降り立ったのは昭和ノスタルジーに支配された青梅駅です。昭和といっても戦前戦後の雰囲気が強いポスターに彩られています、東京に住んでいても中々行く機会がない場所だから、一度は降り立ってもいい場所だと思う。

写真をよく見てみると所々文字がおかしくみえる。塩/ヨネマース、グリコはオウメマラソン、ままごと屋など、実際に青梅エリアのお店の宣伝となる昭和パロディポスターだと思うんだけど……ヨネマース??
※調べたら沖縄県に本社を置く塩メーカーらしい。ままごと屋は実際に青梅に存在する豆腐屋。


登山スタートの前に青梅駅前にある葉っぱベーカリーさんで本日の昼食を購入します。今日は珍しく山の中で休憩をとる予定です、ゆるハイキングだからね。


青梅駅を出発したら天祖神社を目指して国道411号線方面に歩くことになります。道中青梅の公園や染物屋など興味を引く光景が横切っていく……。



窓からドンペンが見える家がありまして、悔しいけど見ちゃう……。


天祖神社方面へ歩みを進めると「雪女縁の地」と掲げられた公園を通り過ぎることになります。
雪女と言えば日本の妖怪ではかなり著名な存在、室町時代にはすでに伝承があったとされています。室町時代末期の連歌氏宗祇法師「宗祇諸国物語」を基にした小泉八雲(明治期の人物、アイルランド系・ギリシャ生まれの日本研究家パトリック・ラフカディオ・ハーンさん)の怪談「雪女」がこの青梅の「雪女縁の地」の由来となります。
簡単な紹介がこの石碑の近くに、小泉八雲のレリーフとともに描かれていますが、読んだ当初は目を丸くしてしまいました……。ラフカディオ・ハーン!?



今の関東は暖かく、雪が積もるようなことは稀と思えるけど。江戸時代の日本は現在よりも気温が低く、青梅地域は大雪が降ることも珍しくなかったといわれています。氷床コアを調べると1,700年代は小氷河期の影響で現在よりも4度ほど気温が低く、今でいう函館と同程度というくらい青梅が寒かったんだとか。




午前9時00分、天祖神社。
雪女の物語を思い返しながら車通りの多い道を歩いて天祖神社へ到着。こちらの境内から登山がスタートします。



こちらの神社は村の鎮守社になります。創建年代は不明ですが1600年代の寛文年間に社殿を造営、以後修復の記録があり400年近い歴史がある社になります。
ハイキングコースを辿り赤ぼっこへ


天祖神社から登山道に入ると尾根道を目指して落ち葉が積もった登山道を登っていきます。
神社から登るとすぐにキノコのような形をした休憩所が出現、子供とかはこういうの盛り上がりそう。


町中の低山だけど登山道は普通に奥多摩や奥武蔵的な雰囲気があり、整備が良いという訳ではないです。足首まであるスニーカーは履いて歩きたい。


1月後半ですが暖かい東京都、青梅の低山ということで雪とは無縁。雪女の舞台だった江戸時代と違い日中15度以上に気温が上がることもあり、道中は乾燥しきった落ち葉の絨毯が続き、新緑のような常緑樹が続きます。


旧二ツ塚峠の分岐点まではコースタイムで約2時間の尾根道歩き。景色は基本的に杉林と落葉樹の森の中を進む感じ……。



スペクタクルはなく派手さもない、落ち葉を踏む音だけが耳に伝わる静かで心地の良い道です。静かに歩いて日々の思うことを洗い流しましょう。


全体的には旧二ツ塚峠に向かって登っていきます、コース的にはトレイルランナー等が喜びそうな道が続く。
一部区間はトレイルランナーと合わせてマウンテンバイク勢の通過で洗堀がさらに進んでいる場所があります、歩く分には問題はないけど。




スペクタクルはない森の中ですが、普段目にすることがなくなってしまった自然が存分に広がります。手の届く場所にある自然造形物に手で触れたり、目を楽しませるように細部を追って、スマホで汚れた心と目を洗ってみるのもいいんじゃないでしょうか。





静かな森が続きます……。街中にありながら静寂を楽しむことができる道です、車が通りすぎる音も聞こえてこないのはありがたい。


旧二ツ塚峠を超えると二ツ塚処分場の敷地脇を通るルートへやってくることになります。二ツ塚処分場は多摩地区25市1町の最終処分場として平成10年に開設されたゴミの埋め立て/セメント化施設です。
不燃ごみの埋め立て地、ということだけど数万年後こういった埋立地が貝塚のような遺跡として発掘される……ことがあるかもしれない。


周辺の杉林には○塩というマークが書かれています、伐採のマークなのかな?
スギ花粉症患者としては杉の林は無いに越したことはないので、植え替えをしてほしい……。


処分場を過ぎると一気に標高を上げることになりますが、この先が赤ぼっことなります。


午前10時30分、赤ぼっこ。
赤ぼっこに到着してみると逆側から歩いてきた登山者でしょうか?結構人が多いことに驚きます。
関東大震災によって赤土が露出したことが名前の由来とされていますが、現在では草が生い茂り赤土の地面という印象は薄い赤ぼっこ。シンボルツリーがある以外はきれいに伐採され、展望台として整備が行われています。


赤ぼっこからは青梅や奥多摩線沿線の山間の町を見下ろすことができます。これから下山する日向和田方面は多摩川に沿って赤い橋が架かっているのが印象的。



東京にもこういった山間の町が存在するんだ、ということを登山をするまで体験として知ることがなかった。実際に歩いてみると山、海、都市と幅広い環境を持つ首都なんだなと思える。




赤ぼっこで休憩をとることにしました、今日はゆるハイキングだから。
青梅ということで持ってきたのはベビースターラー面丸梅味と駅前のパン屋さんで購入したかわいいカメロンパン。
二つ合わせると400kcalくらいなりますので、今日のゆるハイキングの消費カロリーと比較すると食べすぎな気もする。



登山で痩せるっていう人がいるけど、それはもともとすごく太っているんじゃないだろうか。経験的に登山は痩せない、僕が毎週登っている時期でも体重は維持の状態で、むしろ筋肉がついて太っていった。子供ができて登山のペースが月2に落ちた後は、日々のランニングなしでは太る状況に。毎週雲取山や鷹ノ巣山に登るようなアクティビティをしても、体重は落ちないんじゃないかなぁ……と思う。林業や、森林調査、電波塔整備とかの仕事なら痩せるのかもしれないが。
下山後は風譚でコーヒーを嗜み和食の名店へ


赤ぼっこを過ぎた後は展望ゼロの最高点要害山を経由して下山します。赤ぼっこ以後は見どころといったものはなく、北向の斜面を降る単調な道が続きます。




登山道が終わり舗装路へ出ると、山奥に数件建つ住居……というか廃墟がお出迎えしてくれます。
ガレージには80年代あたりを彷彿とさせるクラシックカーが停められています。ナンバープレート部分を見てみると、これはどうやら売りモノらしい。


山を下りて梅郷へと向かう道中、鎌倉街道と書かれた木柱が現れます。梅郷へ続く街道ですが名前の通り古都鎌倉へ通じる街道。東国の御家人たちが鎌倉へ向かうために作られた道で、上ノ道、中ノ道、下ノ道の3つに分かれ、そのほかにも枝道が作られたといいます。現在でもこうやって残っていて、この地点は秩父から青梅へ向かう上ノ道の裏街道としての役割を担いました。



ちなみに本日歩いた赤ぼっこですが、旧二ツ塚峠の次に現れる馬引沢峠という地点は畠山重忠が馬を降りて徒歩で峠を越えたという事柄が名前の由来とされています。




午後12時20分、梅の公園。
下山から間もなくして梅郷にある梅の公園へやってきました、梅も蝋梅も無い……と思って探していたら公園のど真ん中に蝋梅が植えられていました。蝋梅が咲いている地点まで歩くのが結構大変で、この公園流石に広いですね。


冬の低山ハイキングと言えば蝋梅です。青空と黄色く咲く花から香る上品な香りに囲まれてのんびりと休憩する時間は至福のひと時です。


梅の公園は山の斜面を切り開いて作られたような場所で、斜面に沿って蝋梅や梅の木が植えられています。赤ぼっこから降りてくると少し登り返す必要があるので面倒な部分もあります。


午後12時55分、風譚。
梅の公園に咲く蝋梅を楽しんだ後は、公園のすぐそばにある茶房ギャラリー風譚さんを訪れました。
暖かいコーヒーを飲みたいなと思い、こういう田舎ならきっと隠れ家的なお店があるはずだ……と思って検索したら本当にすぐそばにあったというお店です。これがすごくいいお店だったんですよ。




おばあさんが一人で切り盛りしている茶房。アンティークな家具に囲まれた古民家に入ると時間を旅しているような錯覚に陥ります。僕の知らない日本にやってきてしまった、北海道ではまず体験することが出来ない古き良き故郷を感じさせてくれる店内。新聞を読んでいる常連のお客さんの隣に座り、コーヒーを頂きます。


風譚さんは茶器にこだわりがあるお店で、壁にはいくつものお洒落なコーヒーカップが並んでいます。来店したらまずここでカップを選んで、そちらにお茶を入れていただくという形式です。おばあさんと隣の常連さんと談笑していると、お隣さんは澤乃井で働いているということで大盛り上がり、旅先での出会いというのは面白い。






風譚さんを出発したら時刻はまだお昼時。家に帰る前にご飯を食べたいと思い店を探してみると……、直ぐ近くに和食の名店「みらい屋」さんがあるということで入店。ジョッキに注がれたビールを楽しみながらぶりを使った煮物の定食を頂きましたが……美味しすぎて今日一日はこの店に空腹の状態で来るためにあったのだと思えるほど。



蝋梅の時期に赤ぼっこを訪れたら、風譚さんとみらい屋さんを訪れると楽しい。遠い土地の知らない人と会話をして、遠い場所のご飯を食べる、こういうのが楽しいと思う人にはお勧めです。






ご飯を楽しんだ後は日向和田駅まで歩くのですが、奥多摩線って本数が少ない!
一駅分なら歩けるのでは?と思い気が付いたら宮ノ平駅にやってきていました……、というか青梅駅までも歩いて帰れてしまいますね。



というわけで休日の赤ぼっこ蝋梅ハイキングはこれにて終了です。花粉が飛散する前の時期にお勧めしたい、冬の休日青梅駅ハイキングでした。


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