2025年7月25日、富山県にある北アルプス北部の一大登山スポット「立山」を歩いてきました。
工程は二日間、初日は立山雄山から別山を歩きますが、最高峰は大汝山の3,015mとなります。
二日目は室堂を出発し奥大日岳、大日岳を経由して称名滝からの下山を目指します。二日目の最高峰は奥大日岳の2,611mとなり、見どころは大日岳へと向かう道中の稜線といえるでしょう。海と剱岳を眺めながら歩く天空の登山道は静かで、いつまでも今が続いてほしいと願うような時間が待っています。
現在の立山は登山対象であると同時に観光対象でもある場所。室堂にある雷鳥沢キャンプ場は晴天の日であれば立派なテント村が出来上がります。雷鳥沢ヒュッテには温泉もあり、快適なテント泊が約束されている場所と言えるでしょう。真夏の北アルプス立山テント泊は定番中の定番ですが、定番なのには理由があるなと痛感いたしました。
さて、今回の本命の目的地は奥大日岳から大日岳へと延びる稜線。
二日間を最大限楽しもうということで初日は立山巡り、二日目に奥大日岳の稜線から称名滝へ下山するという工程で歩きたいと思います。
redsugar北アルプス北部にある大人気登山スポット立山から奥大日岳へと向かう二日間。雷鳥沢のキャンプ場は登山なのにこんなに楽な思いをしていいのかと驚くような場所でした。
立山、奥大日岳テント泊登山の概要
毎日あるぺん号で向かう立山室堂






2025年7月25日午前5時24分、毎日あるぺん号車内。
おはようございます、Redsugarでございます。
本日は北アルプスは立山登山なのですが、前日東京は竹橋にて毎日あるぺん号に乗車しやってきました富山県。ルートとしては関越自動車道から上信越自動車道を通り有磯海を経由して富山方面から室堂へと向かうバスになります。
単純に運賃が高く、20代~30代の登山者にはやっぱり懐事情的に利用されないのか、バス使用者の年齢層がちょっと高めに見える毎日あるぺん号。利点としては予約が取りやすいんですよね。



室堂行きの毎日あるぺん号に初めて乗車しましたが、めちゃくちゃ楽じゃん……。これを覚えるとほかの方法で立山に行くの嫌だな。


午前7時20分、室堂。
バスに乗っている間ずーーーっと寝ていられるのが夜行バス移動の利点です。バスで寝れるようになってからというもの、夜の運転したくなくなりました。というわけで午前7時半前に室堂に到着。立山登山では前泊以外の手段で、一番山行開始まで早いのが毎日あるぺん号です。




バス停からはまず室堂駅の中へ。
相変わらず室堂駅の中はデパートと同じだ……。ここが本当に標高2,000m以上もあるような場所なのか疑わしくなる。




ホテルを出るとまずは立山玉殿の湧水という山の天然水がジャバジャバと湧き出る給水所がありますので、そちらで水の準備をしましょう。今回はこの水を飲んで過ごすと決めていたので、埼玉から水を汲んできていません。



夜行バスに乗る前にペットボトルの水を飲んだだけ。飲料水には困らないのが立山のいいところ。


室堂にて周囲を見渡すと今回の登山の目的地である奥大日岳がとてもよく見えます。雲一つない晴天という恵まれたコンディション。ちなみに奥大日岳の先には大日岳があります。山の名前は里から見て手前側が大日岳、里から見て山奥側にあるのが奥大日岳です。



つまり、今回の室堂から奥大日岳を目指す工程は奥大日岳の裏側から表側に向かって歩くというような感じになります。昔であれば里から山へという動きが、交通網の発達により山から里へ、という時代なんだなぁと。


今回の登山ですが、奥大日岳が目的です。
ですが初日は立山を歩くことにしました。なんたって運賃が高いですから……、室堂に到着してそのまま奥大日岳から大日小屋を経由して称名滝へと降りるのはもったいなさすぎる。せっかくだから雷鳥沢でキャンプをしたい。ということで写真に写る浄土山を眺めながら一ノ越を目指します。



以前、剱岳を登る前日に立山三山の浄土山、大汝山、別山を歩きましたが……あれは辛い。浄土山を抜かして大汝山から別山までを歩く……エンジョイ立山だ!という感じで初日を楽しみます。


立山室堂は北アルプスでも有数のリゾート地です。上高地ほどとは言わないけど、標高2,400m地点にホテルや温泉が数件あるのはここだけでしょう。
古来から立山は日本有数の山岳信仰地帯であり、その儀礼の中においては立山曼荼羅というものに特徴があります。
立山の麓から山頂までを地獄から浄土までと見立てているのですが、室堂には開山ゆかりの玉殿窟(たまどののいわや)があります。



弥陀ヶ原から上は浄土だろうと思えるような場所ですが、実際は入り混じったものと表現されています。弥陀ヶ原の池塘は餓鬼の田圃と呼ばれ山中の餓鬼が実らない稲を植えて苦しむという伝承があり。室堂には温泉が湧く=噴気を上げる地獄谷と聖衆来迎の場となる浄土山がある、といった感じで地獄と浄土が入り混じっているのが特徴です。


7月の立山は雪がまだまだ残っていて、一ノ越を目指していても雪渓を数か所超えることになります。それぞれほとんど傾斜がないような場所で、量もごくわずかだったのでチェーンスパイクは要らず。
朝8時付近、軽装の登山者たちが続々と雄山を目指して歩いている景色が眩しい。


7月ということで高山植物もきれいな季節です。ちょうどチングルマが大群生となっていまして、雪渓から流れてくるひんやりとした空気にゆらゆらと揺れ動く花が短い夏を謳歌していました。




明日歩く奥大日岳とは逆方向へ。
屏風のような立山と、その足元にある雷鳥沢キャンプ場を眺めて歩みを勧めます。昨今の装備の軽量化に伴い、テント装備でも10㎏程の荷物ということで行動がとても楽になりました。そのため、今回は先に山を登ってからテント場に降りるという工程で歩きます。


一ノ越の手前に社が現れますが、こちらは祓堂になります。昔は周囲に流れる秡川で身を清めてから山に足を踏み入れていた……ということです。



伝統的な工程では、岩峅寺や芦峅寺を出発し室堂までに一日。室堂では最初に浄土山へ上り、一の越を経て尾山参拝、別山で剱岳遥拝、賽の河原を経て開山の地「玉殿窟」に至り、地獄谷を経て室堂に帰着するという工程だったようです。六根清浄、お山は晴天と唱えながら浄土山・雄山・別山をめぐることを「三山かけ」と言っていたそうです。


三山かけは現在でも立山登山の工程の一つとして残っており、僕が前回歩いた工程もそれに近いものでした。ただ、やってみると思ったよりも大変で……時間も早朝からじゃないと大変だよなと思う。
さて、一ノ越へ向かい標高を上げていきましょう。夏の休日ともなればこの道は大混雑で、渋滞が起きる可能性もあるので早めに抜けたいところです。
真夏の立山雄山を目指して


午前8時10分、一ノ越山荘。
立山雄山に上るルートは様々あるのですが、一ノ越山荘を経由して登っていくのが一般的ではないでしょうか。ちなみにこちら、長野県側から一ノ越へ向かうルートもあるんです。



地図を見ていると黒部平駅から東一ノ越を経由して一ノ越に向かうルートがありますね。約5時間(ヤマタイム基準)の道のりと書かれてますが……どんな道なんだろう。


一ノ越は立山の稜線上に建てられた小屋になります。写真の左奥には笠ヶ岳が見えますが、左側の斜面の先にあるのは黒部湖なんです。一ノ越山荘の背後には浄土山があり、画面上部にある岩のドームは龍王岳というかっこいい名前の山になります。



前回は龍王岳でダッフィーを落としましたね……。


一ノ越から立山雄山山頂までは写真のような斜面を上がっていきます。岩の斜面ですが、道が切られているため歩きやすくなっています。この日もたくさんの登山客が一ノ越から雄山を目指して歩いていました。


室堂からほど近い雄山の登山道中は様々な装備の方々がいらっしゃいます。僕はテント装備をぎゅうぎゅうに詰めたバーサライト40を背負い、汗を流しながら登っていますが。日帰り装備だったりパートナーに装備を持ってもらい空身で登る方など……、装備が軽い人がスイスイっと横を通っていく。



室堂を眺める方々は夫婦でしょうか、いい休日の過ごし方ですねぇ……。


一ノ越の斜面にも小さな祠が祭られています。ちなみに、日本三大霊山と呼ばれる富士山・立山・白山はそれぞれ山頂に神社がある山ですね。


室堂から雄山までは森林限界かつ岩の山ということで景色は非常に良いです。特に北アルプス南部がよく見えます。
写真の中には左から野口五郎岳、槍ヶ岳、穂高岳、水晶岳、乗鞍岳、笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳と北アルプスの名峰がずらーっと並ぶ景色を楽しめます。



雲ノ平はここから見てもすげぇ平らな……。


雄山神社の立派な建物が近づいてきました。登る方は左側の道を通ってくださいというペンキが塗られていて、下りの方は右側から降りてくるような感じになっています。


登山者が積んだであろうケルンがいくつか点在しています。古墳時代の墳墓に使われた葺石の写真などを見ていると、こういう積石って似てるよなぁ……と思う。


雄山を見上げる年配の登山者の向こうには浄土山と龍王岳、その奥には鹿島槍ヶ岳が見えます。地平線にうっすらと見えるのは高妻山。


室堂を見下ろすと、明日歩く奥大日岳と大日岳の形がより鮮明にわかるようになりました。奥大日岳に上った後は、V字の谷を登り返して大日岳に到着するという工程がよくわかります。そして、そこから大日平までは一直線に下っていく……膝が壊れないか心配になる斜面が続く。


一ノ越から雄山への道中は様々な方が歩くことを想定してか、登山道としてはこれ以上ないほどのサポートが施されていると感じます。開発の結果観光地になってしまったがゆえに、登山経験がない人でも歩いてこれてしまう状況ができてしまったという面では、富士山に似ているなと思う。


午前9時20分、雄山神社。
一ノ越から約1時間で雄山神社に到着しました。さすがにここで休憩しましょう、立山は北アルプスでもあんまり来ることがないので、じっくりと楽しむことにします。お守りなども欲しいですし。



立山の雄山神社に初めて訪れる場合は、御祈祷してもらうのがいいかなと思います。一度は経験しておいたほうがいいんじゃないかなと。それと、こんな高所にある神社は立山以外だと富士山くらいしかありません、お守りやお札など、ほしいものを買いましょう。


雄山神社から御祈祷が行われる3,003m地点のお堂を見上げる。毎刻御祈祷が行われていますので、立山に登頂した際はお金を払って、あのお堂で御祈祷してもらいましょう。僕は前回経験したので今回はやめておきますけど。




行動食を口に突っ込みながら、売店で購入したポカリスエットを一本飲み干します。ここから先、別山までが遠いのです。日を遮るものが何もない灼熱稜線をこれから歩くわけで、標高が高く涼しい環境ではありますが紫外線によりどんどん消耗していくという環境が続きます。
それと、以前購入を忘れていた登山バッジを購入、お守りも新しいものをゲットしました。



山で買うお守りっていいよなぁ~と思っています。遠征した先の山の上に神社があり、そこで変わったお守りがあった場合はすぐに手を出してしまう……。勝守とか見ると欲しくなるんですわ……。
大汝山より別山へ、立山の稜線を歩く


雄山の次は大汝山へと向かいます。立山は雄山・大汝山・富士ノ折立といったピークの総称となる山なのですが、標高が一番高いのは3,015mの大汝山となります。この辺は甲武信ヶ岳と三宝山の関係性にも似ているところがありますね。
雄山は一ノ越側から見るよりも、大汝山方面から見返したほうが見栄えが良いなと思う。


こんな岩山の上に大きな社をよく建てたものだと感心する景色だ……。


大汝山へと向かう道中、黒部湖を挟んで対面にある針ノ木岳がよく見えます。
針ノ木岳の奥には蓮華岳がうっすらと見えますね。針ノ木岳から先の弓のように緩やかなカーブを描く稜線を歩いてみたいなぁ……。


大汝山を目指して歩いてゆくと、日本百名山の中でもファンが多い山であろう剱岳が見えてきます。
立山信仰において地獄の針の山として描かれ恐れられていた場所でもある剱岳。明治期の陸軍測量部による登頂により古来の修験者の登頂が確認されるという、歴史の垂直性という部分でロマンがあった山でもあります。



山を登山対象として見る眼差しが一般的な現代、確かにその姿が怖ろしいものである以上に、意欲を掻き立てられるような、美しいものとして受け止めるという気持ちが自分の中にもある。




剱岳に向かって伸びていくような稜線の中心部に大汝山はあります。雄山に比べるととても簡素なその山頂は、漫然と歩いていたら気が付かないかもしれない場所でもあります。



直下に大汝山休憩所がありますよ。




午前9時55分、大汝山休憩所。
現在は休憩所として利用されている大汝山休憩所。2014年公開の映画「春を背負って」では主人公が運営する小屋としてこちらの場所で撮影が行われました。原作は奥秩父の山小屋なんだけど、映画版は立山が舞台になっています。映画では菫小屋という名前なんですが……撮影で使ったであろう看板が写真一枚目にちらっと写ってますね。



現在は休憩所して雷鳥荘さんが運営をしています。緊急時以外の宿泊はできません。入り口には残雪でよく冷えたドリンクが売っていますし、販売されている軽食で休憩することも可能です。


山岳文学はいろいろあれど、好きなのはバリ山行かなぁ……。仏教における自灯明の話ともとれるし、妻鹿さんの死に漸近することで生が浮かび上がるという理屈はバタイユっぽいとか、いろいろ自分の中から感想が引き出される本だなと思います。短い本なので、山を登る方であればお勧めしたい。



大汝山休憩所の近くでは気持ちがいい山の景色を背景に、憩いの時間を過ごす人々が。その背後には富士ノ折立に上る登山者の姿も見えます。


大汝山を後にして別山を目指します。ガラガラと音が鳴る足場を渡り歩き標高をいったん下げることに。


室堂を眺める景色でいうと、大汝山から別山の間の区間が一番見栄えが良いのではと思いますね。
こう見ると写真の左右で環境が全然違うんだなぁ……。地獄と極楽が共存するというのも理解できる眺めです。


大きな岩と細かい石ころが組み上がってできたような斜面は、大汝山を過ぎてしばらくすると終わります。


目の前に広がる別山まで続くだだっ広い稜線。ここまで急峻な見た目の岩場を歩いてきましたが、ここから先はゆったりとした白砂の道を歩くことになります。



行程的な問題もあるんですけど、僕はこの後半の別山の登りつらいなぁ……って思う。だらーっとした登りが長い。


鞍部にて大汝山方面を眺めるご家族、元気のよいお子さんが山の頂上を指さしていてほほえましい。何歳くらいの子供であれば、この山々を歩くことができるのだろうか。


別山との鞍部にはロックバランシング気味に積み重ねられた立派なケルンが積みあがっていました。
これって一番上の部分、風雨で崩れ去ったりしないのかな……。


別山へ向かう尾根に入り、周囲を見渡すと世界は一変します。
それまで岩山を歩いていたと思うのですが、別山は本当になだらかで、双六岳の天空の滑走路を想起させるような景色が広がっているのです。



だだっ広い……、日を遮るものが何もない中でこの道を延々と歩くのは地味に削られるなぁ。
白砂の稜線の別山、頂上より剱岳を眺める






午前11時20分、別山。
別山山頂までは写真一枚目と二枚目をご覧ください。登り返しだぁ……という呟きが唇から青い空へ吸い込まれていくような、ガランと開けた道を一歩一歩進んでいきます。日頃無心になって歩く、歩行禅を身に着けようと思っているのですが、この道は歩行禅には最高。



歩き続けてスッと山頂に到着。大汝休憩所からは大体1時間30分くらいです。


別山から浄土山や室堂方面を眺め返す。ここから見ると浄土山は遠いなぁ……、そして龍王岳がとてもよく目立っています。以前の立山三山縦走、よくぞ浄土山から劒沢まで降りて行ったなと感心します。



立山三山縦走から剱岳登山、翌日帰宅は今考えると若いころだからこそ出来たなと……、帰りの高速道路の運転とか今は絶対やりたくない。


別山から立山本体を見てみましょう。雄山・大汝山・富士ノ折立が山頂部に三つのピークを形成しているのがよくわかります。別山へ続く吊尾根状のは圏谷になっていて、残った雪がべったりと張り付いていますね。


別山からの眺めといえば剱岳です。映画「点の記」でも剣御前・別山から見た剱岳が登場しますが、地獄の針の山という形容には頷ける所がありますね。こうやって写真で見る剱岳ですが、尾根・谷・峰それぞれに名前が刻まれています。



人間は世界に言葉を与えることで、そのモノに対しての認識を所有することができます。名前があるということは、その場所が登れる場所であったり、人にとっての何らかの由来がある場所で、それを知ることで景色を見たときに想起されるものの種類や量が変わってきますね。
要は、景色を見ているときにそこから引き出せる情報は鑑賞者の知識に依存する、景色は鏡っていうことっす。


別山山頂には立派な社がありましたが、それは南方で標高は2,874m地点。別山の最高峰は北峰で2,880mとなっています、その差たったの6m。写真の左側にあるこんもりとした山が北峰なんですが……行くとなるとめんどくさいなぁと思う場所。



みんなザックおいて空身で北峰行くんだけど、片道5分~10分かかる。往復すると喉カラカラになっちゃうこともあるので、どんな時でも水は持っていきましょうね。




別山北峰(2,880m地点)にやってくると立派なケルンが建てられていました、尖塔がかっこいいな……!!
手作りの看板が刺さっている山頂も景色はよいのですが、剱岳を見るなら別山からでいいかなぁ。あとは剣御前から見るのもいいと思う。



別山から先は剱岳が常に見えるので、各々「私の剱岳スポット」を探してみてください。


立山方面を見てみれば内蔵助山荘がよく見えるなぁ……。それと、立山山頂には雲がかかってきたようです。


北峰付近から見る剱岳ですが、針の山のような山肌が特にきれいに見えます。山肌に刻まれた深い谷間を眼差しでなぞりたい方にはこちらの場所はお勧め。




別山からは剱御前小舎を目指して稜線を進んでいきます。剱岳を眺めながら歩くのですが、富山県側から雲がもくもく湧き上がってきている様子。



夕方は一雨降りそう。


さらに進んでいくと、眼下には室堂から雷鳥坂を上る登山者の方々。
この直後、雷鳥坂を下って理解しますが……この道は急だし景色が楽しくない。
新室堂乗越側の道を使うんだった……と後悔。






午後12時5分、剱御前小舎。
別山から約45分ほどで剱御前小舎に到着です。北峰を往復したり、剱岳を撮影したりしていると意外に時間がかかります、コースタイム25分って書いてあるけど、そうはうまくいかんのです。
さて、小屋の前は人でごった返しておりまして……夏の剱岳の人気の高さがうかがえます。翌日も天気が良いということで、明日の剱岳は登山渋滞しそうだなぁと思いながら、僕は雷鳥沢へ降ります。



温泉入って寝るなら雷鳥沢。というか今回の目的は奥大日岳だから、剱岳じゃないから!!


雷鳥坂はその名の通り雷鳥が生息していて、ハイマツの中からポエーッポエーッと独特の低い声が聞こえてくることがあります。白い冬毛がまだ残っている雷鳥が周囲を歩き回っていました。




雷鳥沢まで下りてくるとテント場が大賑わい。馬鹿みたいに広いテント場なので、テントが張れなくなるということはないと思う。夏にとりあえず山でテントしたいとなれば、雷鳥沢は確かな選択肢の一つに思える。
ていうか、山の上のテント場で肉を焼くにおいがするの……久々だな。



最近はテント予約合戦で心が消耗することがあるんですよね……。
温泉に入れる山岳キャンプ場、雷鳥沢


午後1時15分、雷鳥沢キャンプ場。
まずはキャンプ場の受付でテント泊の手続きを済ませます。広大な敷地面積を誇る雷鳥沢キャンプ場、よほどのことがなければテントを張ることができるはず。多少混んでいても水場が近いほうがいいなぁと思い、給水場からほど近い場所に陣を敷くことにしました。


最近使っているテントはアライテントのSLソロです。軽量なテントですが、生地が薄いため扱いには注意が必要。
アライテントさん自身も書いてますが、軽量だから初心者にもお勧めできるわけではないかなぁと。軽量ゆえに発生するアクシデントに対応出来たり、適応する場所や天候を選べるなら心強い味方です。



僕は「風がない・本格的な雨が降らない・土で整地されてる・できれば樹林帯」だとSLソロかドームシェルターを使います。それ以外だとステラリッジを背負っていることが多いです。


雷鳥沢から室堂へと向かう道には団体客の方々によって山岳ツーリズム的な景色が作られています。
写真に写る雷鳥沢ヒュッテには温泉があり、テント泊の方でも入浴することが可能です。




テントを設営し、遅めの昼食を食べていると雲が沸き上がってきました。
高く湧き上がる雲は夕立を降らせる存在でもあります。
山の上のごはんは質素というか、わたくしRedsugarが作る見た目の悪いカレーメシを処理したらお風呂へと向かいましょう。






午後2時50分、雷鳥沢ヒュッテ。
木彫りの何ともかわいい熊さんがお出迎えしてくれる雷鳥沢ヒュッテ。
売店はひんやりとしておりストーブが焚かれています、室堂の夜は夏でも寒いのです。温泉は内風呂と外風呂がありますが、まずは内風呂で汗を流しましょう。テント泊ということでこれ以降の時間は余りあるもの、汗を軽くぬぐい服を着て外風呂へ。夕立を眺めながら源泉かけ流しの風呂に浸かり、時折外気浴で体を冷やす……縦走登山の中日なのにこんな気持ちが良い思いをして良いのか?
山の下で起こっていることをすべて忘れられる……、幸せな時を過ごすことができました。



野性的な温泉が好きなRedsugarとしては本当に好きな温泉の一つでした、いやー……立山に風呂入りに行きたいな。


風呂に長居した結果、大量に汗を流せました……ただでさえ登山で汗を流しているのに、水が飲みたい。
自販機で水を買おうとしたら、売店のお兄ちゃんが「お水汲みましょうか?立山のお水のほうがおいしいですよ?」と一言。お言葉に甘え冴えていただき、立山のおいしいお水をジョッキ2杯ほど頂きました。お肌が潤う。
人間の体はよくできているもので、失われたものを得るときの報酬系の作用なのでしょうか、2025年に飲んだお水No.1は立山の水と言えるほどおいしい水だったことを覚えています。



雨が上がるまで室内で寛いでいると、対面の方々のビールジョッキが並々ならぬ輝きを放っていました。3つ置かれた水滴を纏うジョッキから、大人たちのひと夏が滲んでいるように感じたのです。
青春が眩しい!


夕立が降りやみ、ひんやりとした冷気に包まれた室堂。地獄谷から立ち昇る噴気が夕立を降らせた雲と合わさり、空の青を白く染め上げていきます。




雄山・大汝山・富士ノ折立からなる立山を見返せば、雲は消え山頂がくっきりと見えていました。風呂上がりの登山者たちが談笑しながらテント場へと降りていきます。夏山のテント場の16時、間延びしたような時間の感覚がとても貴重に思える。


7月の室堂ですが、スノーブリッジの残骸が歩道の左右を多い、ちょっと楽しい景色が広がっています。雪と土の境目とか、意識して観ないと見る機会がないものをよーーく見ることができますよ。


太陽が完全に沈むその直前、真横から光が差すような時間が訪れます。順光側の景色がフラットになり、景色が鮮明なディテールを持ってそこに在るという瞬間が非常に印象的でした。




午後5時45分、行動終了。
立山雄山から別山まで、テント装備を背負って歩き回った一日が終わります。風呂上がりで肌はスベスベ、下着も新しい……登山なのにこんなに気持ちいい思いができるなんてなんて素晴らしいところでしょう。雷鳥沢には不快なところがありませんでした。
さて、翌日は奥大日岳から称名滝までを歩く今回の登山の本番戦が待ち受けています。地図を見ながら下山時刻を確認した後はFMラジオを少しだけ聞いて寝袋へ入るのでした。



晴れた夏の日、雷鳥沢キャンプ場。登山客以外のキャンプ客もたくさん見かけましたが、確かにいいところでした。虫も少ないし、涼しいし、風呂入れるし……僕が訪れたときは何一つ不満がない状況で良かったです。











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