2024年8月10日から12日にかけて、新穂高温泉から南岳と槍ヶ岳に登り上高地まで歩いてきました。
槍ヶ岳といえば富士山に次いで名前が挙がる天下の名山、登山をやっていれば富士山よりも認知度というか登って楽しい山として扱われてない??そんな北アルプスのスーパースターと言えるような山となります。以前、上高地から南岳に登り、そこから槍ヶ岳へ登るという工程で歩いていたのですが、今回は新穂高温泉側から歩いてみることにしました。
槍ヶ岳の標高は3,180mとなり、日本では5番目(3番が二座あるから4番ともいえるが)に高い山となっています。
登頂日が偶然にも8月11日の山の日という事になり、当日の山頂は大混雑……もう二度と夏の槍ヶ岳になんて行かないと思えるような登山渋滞、オーバーツーリズムに巻き込まれたのが今回の大誤算。
Redsugar的には槍ヶ岳自体は1度登れば良い山だけど、槍ヶ岳へ到着する道中の道はいろいろ歩いておきたい、そんな山。特に南岳から槍ヶ岳へ向かう登山道は開放感があり歩きやすいこと、早朝の南岳から見る穂高岳が素晴らしい事があり、ここはもう一度歩きたい道だったのです。
今回の登山のメインの目的は南岳。前回は上高地から南岳を目指した結果、横尾地獄で体力を消費し、槍沢から南岳小屋までの登りで秋なのにバテてしまうという失敗を経験した僕は最短ルートの槍平から南岳新道を登る形で挑むことに。
南岳から見る朝焼けに染まる穂高を眺めに行きましょう。
redsugar新穂高温泉から槍ヶ岳に向かうの滅茶苦茶早かった……、今後は上高地から入山は選ばないかなと思う。
新穂高温泉から目指す南岳登山の概要
二日目の記事はこちら


夜行バスで目指す南岳小屋




2024年8月9日午後10時20分、毎日新聞社にてまいたび登山バス乗車待ち。
こんばんわ、Redsugarでございます。
日もとっぷりと暮れたというのに家の玄関を開ければ湿った空気が身体にまとわりつき、バス停にたどり着く頃には首筋から胸元にかけてじっとりと汗がにじみ出る忌々しい時期。夏のど真ん中ともいえる山の日連休に向けて東京都は竹橋にある毎日新聞社の足元へとやってきました。グリーンシーズンを迎えたアルプスへ向かう夜行バスの最大手はこの毎日アルペン号でしょう。



北アルプスの登山シーズンが始まる7月10日前後から毎日あるぺん号に乗車するための人々が竹橋の毎日新聞本社前に集まりだすというイベントが毎夜毎夜始まります。特にファミリーマートは登山者で大混雑するのが恒例のイベントになりつつある。






2024年8月10日午前6時00分、新穂高温泉到着。
毎日アルペン号の点呼をおえてバスに乗車し、そのまま全力で寝ること約7時間。気が付けば岐阜県新穂高温泉に到着していました。バスで全力で寝るためには各々努力が必要です、ただ乗車前に酒を飲むのは割とお勧めしないかな……。
新穂高温泉の登山口で出発前の準備をしたら、ロープウェイ方面に向かって出発です。



僕は夏時期は早く寝るように努めていて、20時くらいには眠くなるように仕事時間も朝方に調整をします。あとどうしてもヤバい時は不眠症の治療にもらっている軽い導入剤を使って寝るとかもします。ここで寝ておかないと登山中ぼーっとしてヤバすぎるので、何が何でも寝る。






午前6時20分、新穂高温泉出発。
登山ブログ10年目ですが……恥ずかしながら右俣林道を歩いたことがありませんでした。初めて歩く道はやっぱり新鮮でいいですね。早朝という訳ではないのですが、林道には光線が差し込んでいて非常に楽しいスタートを切ることができました。


薄明光線、光芒を見ることができると樹林帯歩きが少し楽しくなります。早朝の登山スタート時、身体を温めていく最中、暗い森の中ではテンションがどうしても上がらない……という方も多いのでは?



朝から光芒差し込む森を歩くことができれば、顔に笑顔を浮かべたまま楽しく歩けるかな僕は。




午前7時45分、穂高平小屋。
新穂高温泉を出発し1時間ほどで穂高平小屋に到着しました。小屋がある登山の時は自分の中でルールを定めていて、小屋では必ず500mlのドリンクを購入して飲み切るというものです。水はハイドレーションで2リットル背負っているのですが、小屋ごとに500ml補給することでバックパックに入っている水を温存したまま最後まで歩けることが多いので……。



はちみつレモン美味い!!ハイドレーションの水は貴重です。これまでいろんなロングコースを歩いてゴール直前で水がなくなるという経験をしてきました、なので補給ポイントでは必ず補給をするようにしています。


穂高平山荘ではちみつレモンを補給したら次は槍ヶ岳と南岳へつながる登山基地「槍平小屋」です。ここから先が本格的な登山道の始まりという事ですが、看板に記載されているコースはどれも僕のような登山初級レベルの人間からすると別世界のようなものばかり……。



白出沢コースとか滝谷とか不穏な文字の羅列にしか思えないもんな……。
南岳新道の始まり、槍平小屋へ


登山道に入るといくつもの沢を渡る形で槍平へと向かうことになります。槍平小屋までは渡渉地点が多く、河川の状況に関しては槍平小屋さんがライブカメラなどを利用しSNSで状況を発信してくれています。
雨が激しい時期は小屋へ続く登山道上の河川が氾濫し通行できなくなることもあるので、要チェックです。


登山道そのものは快適。上高地方面と違って人も少ないし……、登山道らしい道が続くので歩いていて安心します。






ただそれでも入山者が多い、さすが人気スポット北アルプス南部です。苔むした休憩用の切り株にはグループ登山の方々が作ったであろうかわいらしい顔が残されていました。ミッフィーみたいなの作った人凄いな……。


苔むした倒木や切り株が次々と姿を現す細い登山道を先へ先へと進んでいきます。上高地側でいうと徳澤くらいの位置まで来たかな?


いくつもの沢筋を越えて槍平を目指します。登山道上の沢筋のいくつかは枯れ沢みたいなもんで、積みあがった石の上を歩いて行くのですが、浮石も多いのでストックなしではゴロンステーンッボキーッ!っていう笑えない状況になりそうで怖い。


人間の感覚とはすごいもので、よく踏まれた岩や石は判別ができます。なんというか足の裏を通じて踏圧が違ったりすると違和感感じるの凄いよなぁ……。という訳で丸印を目指して足元をサッと確認して岩を越えていく。




チビ谷、標高は約1,650m付近です。平時は涸れ沢ですが大雨時には増水に注意が必要な場所になっています。ここを通過すると次にやってくるのが数々のクライマーが歴史を刻んだ滝谷です。


滝谷にやってきました。飛騨沢ルートでは常時水が流れている場所でもあり、増水時は橋がなくなってしまって通れなくなることもあります。槍平小屋さんがライブカメラを設置しているのもこの地点です。
登山道を歩いていると気が付かないのですが、この撮影地点の画面右側の真上に滝谷避難小屋があります。



滝谷避難小屋とか登山怪談でしか聞いたことがなかったが、ついに来た……。が、すでに入れなくなってました。


午前9時20分、滝谷避難小屋。
心霊の類は信じてないが写真作品は信仰や山の神を題材としているRedsugarです……、心霊スポットとして有名な滝谷避難小屋にやってきました。登山を始める前に何度か怪談話でここの話を聞いたり、登山始めてからもヤマレコでこの場所の怪談を見てきました。恐る恐る小屋に近づいてみると……、崩落により利用禁止でした。



どうやら滝谷避難小屋が刻んできた歴史に触れることすら許されなかったようだ……。


滝谷避難小屋を後にし、槍平小屋のスタッフさんが架けてくれた木製の小橋を渡って先を急ぎます。



登山を始めるとさー、登山系の怪談噺の殆どが地図みりゃなんかおかしいっていうのばっかりでさぁー、なんか全然怖がることができなくなっちゃったんだよなぁー。というRedsugarです。


渡渉地点から稜線を仰ぎ見ると特徴的なピークが目に飛び込んできます、滝谷ドームと呼ばれるやつですね……。
クライミングやアルパインの歴史には疎いのですが、北アルプス穂高稜線のアルパインでは必ず名前を聞く場所で、その姿をリアルで視認できたことは幸せでした。


滝谷の入り口には登山家藤木久三(1887-1970)のレリーフが岩にはめ込まれています。
藤木九三(ふじき くぞう)は京都府福知山に生まれ早大を経て毎日/朝日新聞に勤務、大正時代にロッククライミングを目的とした山岳会を設立し、北穂高岳滝谷の初登攀に成功します。マッターホルンや北朝鮮と中国国境にある白頭山を登ったり、東久邇宮や秩父宮の登山に随行するなど、明治から昭和初期に活躍した登山家の方となります。



白頭山は一度は見てみたい名山。マグナムフォトグラファーの久保田博二氏が撮影を行っていて、写真集があるのですが標高は2,700m級ですがめちゃくちゃスケールが大きい山……という知識だけ持ってる。






午前10時10分、槍平小屋。
滝谷を通過すると道はだんだん整備され、木道を通過すると槍ヶ岳と南岳の登山基地となる槍平へ到着です。ここから始まる南岳新道のうわさに聞く凄まじい急登……、しっかりと準備を整えるために昼食と水分補給を行うことにしましょう。あとついでに槍平周辺の状況も軽く確認してみましょうね。
恐ろしい南岳新道から稜線を目指す


水分補給は安定のポカリスエット、そしてこの先足場が安定していない場所も多いことでしょう。塩飴とアミノバイタルを少し多めに補給し、流れ出る汗と共に進行する疲労対策を行っておきました。






午前10時50分、槍平小屋出発。
行動食となるナッツバーを食べながら槍平のテント場をうろうろ。ちょうどお花を摘みたいおなかの調子になったのでトイレを済ませるなど、十分な休憩を取得して南岳小屋へ出発です。



槍平小屋のテント場にテントを張ってから槍ヶ岳に行く人もいるそうです、ここからならその日のうちに帰ってこれるからなんだとか。確かに槍ヶ岳のテント場は争奪戦だし、風が強い日とかにはとても良さそうですね。


南岳と書かれた看板が示す方向、まずは枯れ沢を登り詰めていく形で標高を上げていきます。道はピンクテープやマーキングがあったとしても一定のわかりにくさがあります。晴天でコンディションがいいからスイスイ歩いて行けるけど、ちょっと天気が悪かったらこれは怖そうだな。


南岳新道は下りでの使用が推奨されておりません、道が悪いので登りで使ってねという事らしいのですが、その意味は稜線地帯に上がってから理解できることでしょう。写真に写るピンクテープをとにかく目指して先に進む。


ピンクテープとペイントを追いつつも、紙の地図で今自分がどの辺にいるのかをチェックしていきます。



この岩からあともう少しでつづら折りの登山道が始まる、等高線が狭いからヤバそうな登りだな……。


沢の上部を見上げると反り立つ壁というか、空が落ちてくるんじゃないかと思えるような巨大な岩壁が威圧感を放っています。枯れ沢を歩き続けてきたこともあり、景色は開けているんだけど……斜度はかなりのもの。緊張感でアドレナリンが出ているのか疲労感は全くありませんが、これから歩く道に少しブルっています。



息苦しい、圧倒的なプレッシャーを感じる。これからさき南岳新道の奥地に入るにつれてこの「イヤな感じ」が強くなりそうだ。






枯れ沢を抜けるとブナ立尾根よりもきついんじゃない……?と思わされるような急登が続く登山道に案内されます。道幅は狭くなるし、括りつけられた人工物の安定感も心許なく、気を張って登っていきます。






樹林帯と言えるのかわかりませんが、南岳新道のつづら折り個所を歩き始めて20分もする頃には心拍数が上がり汗が噴き出してくるのがわかります。呼吸を整えるのが精いっぱい、ブナ立尾根なんかよりも斜度がキツ感じる、登山道全体に張り詰める緊張感みたいなものもあるのだろうか?



いやー、すごい緊張するぞこの道。


南岳新道の登りはきついと聞いていましたが、斜度がきついというのはもちろんその理由の一つなんでしょう。
登り始めてしばらくすると、さっきポカリスエットを楽しんでいた槍平小屋がはるか下界に見えるようになりました。


南岳新道ですがただ辛いだけではありません。夏場であればその道中にはキイチゴの実を見ることができたり、きつい道に対して大変メルヘンな足元の世界を楽しむことができます。ん……?なんか似たような登山道を思い出してきた……、そうかここは飯豊山の梶川尾根の登りに似ているのか!!



辛い尾根でキイチゴを見るとだいたい飯豊山を思い出す、それくらい飯豊山の梶川尾根は辛かったんだよ。








斜度がきついという事はそれだけ登るのが速いという事だ!ということで耐え忍んで黙々と登山道を登り続けるわけですが、稜線地帯に出るまでの樹林帯歩きが本当にきつかったことは言うまでもない。ちょうどガスの中に入ってしまったこともあり眺望もなく、ただひたすらキツい登り坂を登り続ける。



幸いなことに樹林帯の上部は切れ落ちているわけではなく、周囲を見渡しても安心して歩けるような場所が続いた。


標高を上げるとひょっこりと顔を表したのはニッコウキスゲ。24年は花の山を目指すことが少なくなり、アルプスや八ヶ岳といった関東から近い高峰ばかり歩いていたからキスゲを見つけたときは新鮮な気持ちになりました。


午後12時40分、救急箱。
槍平小屋から約2時間、南岳新道のランドマークである救急箱に到着しました。この救急箱は槍平山荘の方が登山道整備の一環として整備しているものになります。ちょうど稜線と樹林帯の境目あたりに置いてあり、この救急箱から上が岩稜帯という感じになっています。



よーやっと中間地点についた……、ここまでマジでしんどかった……。ブナ立尾根歩いておいて本当に良かったと思えるキツさでした。でも標高上がるの本当に早いので、南岳に行くなら今後もこの道を使いたいかな。
天空の岩の道から南岳小屋へ


救急箱から先は森林限界という事でハイマツと岩が主となる世界になります。富士山を登る富士講などでは森林限界を浄土として扱いますが、南岳新道のうんざりするような急登を乗り越え、風通しのいい森林限界に出ると確かにホッとする。



コンディションがいいので今日は浄土感がありますね。あたりが真っ白で虚無な感じはあるけれども……、風は穏やかで歩きやすくて良かった。風が強い日はこれが逆になって、稜線は地獄だけど樹林帯は天国になるから面白い。


槍平小屋を出発して2時間経過しているので、補給時の栄養なんてもうとっくの昔に使い切った気がする……。ポカリもアミノバイタルもチョコバーもすべて汗と涙と一緒に流れて行ってしまったんじゃないか?
山の日直前の真夏の「な」くらい夏真っ盛りな北アルプス、標高が高くても暑いものは暑い、そんな中で急登を2時間歩いてきたので当然塩が抜けてしまった。



というわけでここで登場するのが柿の種梅しそ味です。登山には柿の種、グレートトラバースで日本を縦断した田中陽希さんもペットボトルに入れてボリボリ食べていた行動食。いろんな味がありますが、登山にお勧めなのは梅しそ味です。なぜかって塩分がノーマルよりも多くて手に入りやすいから!






雲の中を歩いているおかげで高度感が全くない景色が続きます。救急箱から先は木道も整備されている親切な登山道ですが、濡れていたらちょっとどころではなく怖いだろうな……。


切り立った岩場の稜線は数えるほど。次第に南岳西側の大きな斜面にとりついたのだとわかるようになります。





ここまでくればもう一安心といったところでしょうか。上からの落石は怖いけど、足場はかなり安定してきました。


ガスの切れ目からは槍ヶ岳への道中である中岳が見えます。南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳とあれば中岳が一番好きかもしれない。


ガスを抜けたことで頭の上は青空という状況。低層雲が風に乗って稜線へ向かって登っていく時間帯ですね。


南岳小屋方面から数人の登山客の方々が槍平小屋を目指して下山していきました。南岳新道は下山での使用は控えるようにと言われる程度に道がキツいので、ここを降るという事はいろいろと自信がある人なんだろうな……。



お気をつけて、とあいさつを交わし僕は南岳を目指します。


辺り一面見渡す限り岩しかない斜面を歩き続けますが、南岳小屋の手前でちょっとした橋がある場所を歩きます。



ここは高度感もある注意ポイント、晴れていれば大丈夫だと思うけど歩く際は足元に気を付けてね。






「さっき青空ありましたよね?なんでまた虚無になってるのですか?」
同行者がいたら無邪気にそう聞きたくなるような景色が目の前に広がっています……、夏だから……仕方がないんだッ!!夏は10時を越えたら雲がもくもく稜線に向かって上がり始めるのでしょうがないんです。






午後2時5分、南岳小屋。
前回と比較するとすげぇ速い速度で南岳小屋についちゃったのでは??と思ってその場で自分のブログを確認してしまいました。前回は小屋泊装備で16時に到着しているのですが、今回はテント泊装備で2時間も早く到着。改めて新穂高から南岳新道を利用するメリットを実感することができました。早速小屋でGokuriを購入しテント泊の手続きを進めます。
そして装備の軽量化の恩恵を改めて感じます。モンベルのバーサライトパックの素晴らしさをもっとみんなに伝えたい、40リットルなのに500g以下で背負いやすいんですよこのザック。



いやー、本当に早いなこのコース。南岳新道下部はマジでゲロ吐くかと思ったけどのど元過ぎればなんとやら……。




南岳のテント場は南側に開けた景色が気持ちのいい開放的なテント場です。お隣にネイチャーハイクとMSRのテントと珍しいものに囲まれた中、アライテントのSLソロを張らせていただきます。本当に軽くていいテントです……僕のはちょっと生地に補修シールがついちゃってるけど、長く使いたいと思います。



テントを張った後は食事タイム。お湯を沸かしてジップロックに入れたカレーメシで遅めの昼食です。ちなみにジップロックは正規品だと100℃まで耐えれますが、非正規のやつ……例えばイケアとかニトリのは70℃でNGだったりするものがあるのでご注意ください。
南岳小屋で至福の一時を




テント設営完了、栄養補給完了となれば後は自由時間です。稜線地帯はあいにくのガスで眺望は無いけれど、3,000mの稜線地帯という環境を楽しむために歩きまわってみると面白いです。



テントで30分ほど横になって休息していたのですが、太陽が出るとすんげぇ暑い……。蒸し焼きにされる。


日没に向かい太陽が傾くと同時に気温も徐々に下がっていきます。山の斜面の下から常に雲が上がってくるのは変わりないけれど、雲の形を眺めているだけで時間が過ぎていく……。



こういうのを眺めながら珈琲やお茶を沸かすのが見栄えする山の人なんだろうね。


南岳の山頂にやってきましたが、山頂のハイマツ帯にはクポーックポーッと声が……。あたりを見渡すと丸々と太った雷鳥の親子がトトトトッと歩きまわり高山植物をつついていました。雉もそうだけど、歩くタイプの鳥はかわいい。


徐々に雲が降りてきて、太陽が姿を現します。明日はいい天気が期待できそうですね。



この時使っているレンズがNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sというもので、それなりにお高いものですが、絞った際の光芒がもうちょっと綺麗であればと思うことがしばしば……。


太陽が出てきたタイミングで穂高岳にかかっていた雲から北穂高岳が現れました。南岳小屋に泊まるという事は穂高を見るという事だと思っているRedsugarなので、ここでようやく目的が達成されました。
実際北穂高岳と大キレットを挟んで正対している南岳、大地から岩が天に向かって伸びるような穂高を見ることが出来ます。



ウォーーーっ!!南岳から見る穂高岳かっけぇーーッ!





再び雲が稜線に覆いかぶさり太陽が!太陽が見えなくなるぅッ!!いやそれでも雲が降りて夕方から夜にかけての時間に槍ヶ岳と穂高が見えると信じてこの南岳の山頂でとにかくボーっと、カメラを構えて時間が過ぎることを延々と待つことを僕は選ぶ!!
という感じで、とにかくのんびり南岳山頂で体育座りをしながら太陽を眺めました。


日没の南岳山頂ですが、夏場はフリース一枚あれば夕方は大丈夫です。日没を見ていて驚いたのが、この時間なのに小屋を目指して歩いていく往来が結構ある事でした。槍ヶ岳方面から歩いてきた登山者だと思うのですが、いったいどういうコースを歩いてくるとこの時間に南岳に……?


動画撮影をしながら登山をしているペアの方々が南岳山頂と穂高を眺めながら中継というか撮影を行う、邪魔にならないように移動して景色を眺めるRedsugar。インターネットの時代だなぁ……と考えながら、ブログを書く自分はどうなんだろうと自問します。
今この記事を書いているときの答えは一つあって、ブログに記載しなくても山は登るし、カメラを忘れてきたからといって山を登らないという事は無いという事です。昔は登山と、その後の記事作成は僕の中では一つで、ブログという表現のフィルターを通して山を見ていたんだと思う。



今は山を歩く身体性のほうが重要と思うから、カメラ無くても登るかな……。


北穂高の小屋をジーっと見つめてみると、南岳というか槍ヶ岳が見えないかなぁと思っているであろう登山者の方々の姿を確認できます。北穂高と南岳、大キレットを挟んで見つめ合ってるって思うと面白いよね。



南岳は穂高を見ているけど、北穂高の人々は槍ヶ岳を見ていて微妙にすれ違ってると思われるのもいい。


槍ヶ岳は見えるのだろうか?と思い北側に目を向けると最後の最後、ガスのむこうにその姿を垣間見ることが出来ました。明日は槍ヶ岳山頂ですが、Redsugarはこの時点では明日が山の日の祝日だという事に気が付いていません。
山の日に槍ヶ岳に登る記念登山者が居るという事を知るのは登山渋滞に並んでからになるのでした。



夏ってこんなに渋滞するの……?あ、今日山の日だから!?山の日だからみんな槍ヶ岳に来たってこと!?










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