【北アルプス】白馬岳、大雪渓より雪倉岳と朝日岳を目指す稜線登山

白馬旭岳からみる三山の山麓

2023年8月10日から12日まで、北アルプスは後立山連峰にある白馬岳、雪倉岳、朝日岳を周回で歩く登山を楽しんできました。それぞれの標高は白馬岳が2,932m、雪倉岳が2,611m、朝日岳が2,418mとなります。
北アルプス北部で随一の人気を誇る白馬岳ですが、その北部にある朝日岳までの道中は白砂の山肌と湿原が織りなす東北的な景色が広がっており、白馬岳周辺の急峻な地形とは全く違う世界を楽しむことが出来ます。

温暖化の影響か近年崩壊が早い夏の白馬大雪渓、8月前半だというのに雪渓の上部は消失し夏道が露出したそれを登り白馬頂上宿舎でのテント泊を目指す初日。白馬岳山頂を出発し花の楽園雪倉岳を堪能し、そこから東北的な湿原地帯を抜けて朝日小屋へ到着する2日目。眼下に五輪高原の草原と木道を見下ろしながら朝日を堪能しながら下山を楽しむ最終日は蓮華温泉で至福の時間を過ごします。
長野県白馬村の猿倉をスタートした登山は蓮華温泉で終わりを迎えますが、バスは登山者を乗せて新潟県の糸魚川駅へ向かい、日本海を眺めながら三日間の旅は終わるという夏の大満足登山となるのが今回の記事。

様々な楽しみ方がある白馬岳。未だ入ったことのない白馬鑓温泉、稜線に佇む天狗山荘方面。山の最深部から歩く清水岳ルート、登りで歩く栂池と白馬大池等々。本当にまだまだ味がする白馬岳なのですが、今回の白馬雪倉朝日周回縦走は長時間にわたる至福の稜線歩きや木道を心行くまで堪能できる素晴らしい道でした。
雪倉岳から見る白馬岳は是非一度は目にしてほしい景色の1つなので、ぜひ夏の登山計画の参考にしてもらえれば幸いです。

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夏真っ盛りの8月初週、白馬岳から行く花と青空の稜線漫歩の旅へと出かけましょう。

目次

白馬雪倉朝日周回縦走の概要

■概要
この周回コースはスタート地点にはいくつかの選択肢があり、経由したい/歩きたいポイントに応じてその場所を選ぶのが良いかと思います。僕は白馬大雪渓コースが好きということもあり、初日は猿倉からの入山としました。栂池からの入山ルートと下山地点となる蓮華温泉からの入山も選択肢ですが、各々初日に歩きたい場所からスタート地点を選んでみてください。

この登山工程はコース上の宿が全部高い!テント場も高い!という難点があります、テント場本当に高くなったよなぁ~と思いますが、まだ安いのは間違いない。昨今の軽量テントを利用すればそもそもの身体的負荷がかなり低いので、Redsugar的なお勧めは2泊ともテント泊です。
白馬頂上宿舎に関してはテント場が予約となるので注意してください。朝日小屋は予約不要となります。朝日小屋は玄人が多いのか、白馬に比べると人も少なくULハイカーが多く珍しいテントやフロアレスシェルターがたくさん見れる面白い場所でした。
朝日小屋名物の冷凍寿司ですが、寿司が好きな人は普通に美味しくいただけると思います。僕は2つしか買わなかったけど、これなら4つは食えたな……と後悔しました。
下山後は蓮華温泉を楽しめますが露天風呂が圧倒的におすすめ。スイカやビールも楽しめるのでバス時間までに余裕が出るような工程で歩けると幸せになれます。

■アクセス
夏季の白馬岳はアクセス手段が豊富な山です。夜行バスも毎日あるぺん号以外にもさわやか信州号などが存在しています。猿倉や栂池に到着するには白馬八方に到着すればよいので、登山口直通便を狙わずとも、八方のバス始発時間に到着できればOK。一番楽なのはちょっと高いけど毎日あるぺん号かなと思います。
蓮華温泉スタートの場合バスを使う場合は早朝に糸魚川にいる必要があるのですが、夜行バス直行便がないので、新幹線入りで前泊が必要なようです。
値段的に安いのはさわやか信州号を駆使する方法、乗り換えがめんどくさくて直行が良い方は毎日あるぺん号がお勧めです。キャンセル料が高いせいか23年と24年はかなり空いてました。

■コースタイム一日目
八方バス停5:50→猿倉6:30→大雪渓入口7:40→避難小屋10:30→頂上宿舎11:30-12:40→山頂13:30→白馬山荘14:00→夕日観察18:00-18:50
合計登山時間 約5時間、猿倉からテント場までは片道5時間、それ以降は計算に入れてません。

■コースタイム二日目
起床3:00→白馬山荘にてご来光4:50-5:40→スカイプラザ5:50→白馬岳山頂6:30→雪倉岳避難小屋8:30→雪倉岳山頂9:40→ツバメ岩11:10→水平道分岐12:00→朝日小屋13:20→夕日鑑賞18:00-18:50
合計登山時間 約8時間、白馬岳から朝日岳小屋は確かに遠い。

■コースタイム三日目
起床2:50→山荘出発4:20→朝日岳山頂5:20→吹上のコル6:10→五輪高原水場7:55→白高地沢出合8:55→兵馬の平10:25→蓮華温泉11:10
合計登山時間 約7時間、五輪尾根の最後の登り返しはうんざりするなぁ……。

二日目の記事はこちら!

三日目の記事はこちら

雪解けする白馬大雪渓を駆けろ

2023年8月9日、午後10時10分、竹橋。
こんばんわ、Redsugarです。鼻歌を歌いながらやってきました竹橋ですが、やらかしました、やってしまいました、日々の激務に追われて頭がパーになってた僕はついにやらかしてしまいました。

あれ、予約ないですね?画面見せてもらえます?

redsugar

これなんですけど……、あれ??これ明日だ……。

あーーー、分かりました。宿はもうとってるんですよね?ちょっと待ってね、白馬行きたいんですよね?差額の返却はできないけど八方行は空いてるので乗れますからそちらに行ってください。

redsugar

……あ、ありがとうございます!!

昭和や平成の融通がもう聞く世の中ではないんだ、予約ミスしたやつは載せない、野垂れ死んじゃってください的な無慈悲な回答が返ってくると思っていたのですが、毎日旅行さん融通を利かせてくれて本当にありがとう……。
予約ミスしたの本当に手痛い、この時期毎月70時間くらい残業していたので宿の予約を取った後に日付がごちゃごちゃになってしまったのでしょう、次回からは本当に気を付けようと心に誓うのでした。(たまたま八方行に空席があったからの対応で、本当にイレギュラーなご好意を頂いたと思う)

2023年8月10日、午前6時30分、猿倉駐車場。
無事に夜行バスに揺られ白馬八方へとたどり着いたのは午前5時50分くらい。順調にバスターミナルで猿倉行に乗れたため、スタート地点の猿倉登山口に到着することが出来ました。いやぁ……公共交通機関でアクセスするときってこういう予約ミスで死にそうになるってあるんだなぁと、とても勉強になりました。

猿倉で登山準備をする人々

猿倉登山口は多くの登山客で盛り上がっていまして、山荘の入り口ではパトロールの方々が登山届のチェックを行っています。白馬大雪渓は上部の雪渓がすでに消失しているとの情報……雪渓ないときってどういう道になるんだろう?

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水の補給には困らない大雪渓ルート。今回はスタート地点で1リットルほど給水してから登ります。

猿倉を出発したらまずは白馬大雪渓の入り口を目指します。快晴の青空がまぶしい……、栂池から白馬岳へと続く稜線を今歩いていたら最高だろう。働いていて、奥さんと子供がいるとここぞというチャンスで動けねぇんだよなぁ、自由に動ける身なら今頃あの稜線を堪能していたのだろうか?そんなことを考えながら雪渓の入り口を目指します。

白馬大雪渓スタート

午前7時40分、大雪渓入り口。
1時間ほど歩いて大雪渓の入口へ到着。前回白馬岳に来た時も大雪渓コースを歩きましたが、23年は猛暑の影響で大雪渓を歩けるのはほんのわずかな時間だけでした。24年に至っては通行禁止と地球さんが暑くなってしまった影響がこんなところにも。

雪渓尻から白馬大雪渓へ突入しますが、これ「大」雪渓じゃないだろ……というくらい悲しく痩せた雪の斜面が姿を現しました。雪の上を歩く時間よりも石ころが詰みあがったザレ場を歩く時間のほうが長い。

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後で聞くのだが、針ノ木と同じく地震やそれに伴う川の流れの変更が影響としては大きかったんじゃないかと。

白馬大雪渓を登る人々

前回歩いた時よりも雪が少なく遥かに歩きやすい。チェーンスパイクすらいらない雪の上り坂となってしまった白馬大雪渓。小雪渓は消失してございませんので夏道を登ってくださいと言われたけど……針ノ木パターンだと夏道すっごい足元脆そう。

白馬大雪渓を登る人々

大雪渓下部はまだ雪が多く、白馬大雪渓歩きました!的な景色を楽しむことが出来ました。

8月の白馬大雪渓

確かに前回歩いたときに比べると全然雪の量が少ない。こんなに地面が見えていなかったもんなぁと写真を比較してみて思う。

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目指す白馬岳方面は大変な青空、早くあの稜線へ行きたい。

落石の音が聞こえる大雪渓

稜線へとつきあがる雪渓。たまーに左右からガラガラと音が聞こえて岩が転がるのが見える。

小雪渓手前の地点へ

大雪渓を登ってゆくと小雪渓との間の息継ぎポイント的な出島へとたどり着く。雪の中から顔を出した岩の出島だが、無慈悲なことに雪渓はここで終わり、あとは夏道を歩いてお花畑へ向かう道になってしまっているらしい。

ガスに包まれる雪渓の登山者

麓から湧きあがるガスに飲み込まれた大雪渓。大雪渓の記録ではよく見る定番の景色、このガスよりも早く登りたかったけど、無理でした。

小雪渓付近は崩落が激しい上に雪が全然残ってませんでした。砂利が堆積した急斜面が広がるばかりで、こりゃ危なくて歩けないわ……というのが正直なところ。右岸に取り付けられた夏道を歩いて登っていくのですが、いろいろなところでザァザァ小川が流れていて、水には困りませんでした。

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湧き水じゃないっぽいから生で飲むのは危険かもしれないが、キンキンに冷えていて美味しいのは間違いない。思わずコップで飲んじまった……。

大雪渓避難小屋

午前10時30分、白馬大雪渓避難小屋。
夏道が出ていたこともあって3時間ほどで避難小屋へ到着。雪の上を歩き続けたほうが間違いなく早いし楽ですね。
小屋で登山道整備に従事する方に聞いてみたら、川の流れが変わってから雪渓は解けるの早くなったなぁと……、温暖化だけじゃなくて地震とかいろんな理由があるんだな。

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登りやすい道であることは間違いない。時間はかかったけども体力的にはすごく楽に歩くことが出来ました。ここから先は「お花畑エリア」で、お楽しみ時間の始まりです。

花盛りの白馬岳稜線の昼間

大雪渓上部から小屋へ向かう

避難小屋から上は昭文社の地図ではお花畑と書かれているエリアになります。記載の通りここから先は夏に訪れれば大満足間違いなし、色とりどりの花が登山者を迎えてくれますよ。

白馬岳のお花畑

黄色、紫、オレンジ、白とカラフルな花が咲く大雪渓上部。クルマユリが一番目立ってますね。

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クルマユリの地下茎って食べれるんだとか。アイヌの料理って記述が出てくるんだけど、北海道にいたころにそんなご飯は聞いたことがない。ゆり根すら「なんか口に入れると青臭い香りがする……」ということで食べれなかった僕にはどう料理してもユリ科は無理そうだ。

お花畑に横たわる巨岩

お花畑エリアですが、草地の中に横たわる巨岩をよく見てみるとすっごい不思議な感覚に襲われます。長大な時間をかけて岩ばかりの山がこうした草花溢れる場所へと変わっていったんだろうけど、そういう時間間隔が圧縮されたような景色が迫力をもって目の前に現れる。

雲が登るお花畑を歩く登山者

湧きあがる夏の雲と草花に覆われた岩場、白馬といえばこういった景色です。中々アルプスの他のエリアだとあまり見れない景色だと思う。烏帽子岳付近や三俣蓮華付近ともまた違う独特な雰囲気を持っている。

白馬杓子と白馬鑓方面

ガスに覆われたり晴れたり、ガスが消えると白馬杓子の均整取れた山肌が見えます。白馬三山の中で一番特徴的な形をしている山で、見れば見るほど一番好きになる。

午前11時30分、頂上宿舎。
お花畑を存分に楽しんで本日のテント場がある頂上宿舎に到着しました。受付を済ませるために店内をうろうろしていると……手作りプリンが本当においしそうだ。スカイラウンジでデザートを食べるか迷う、迷うぞ!!ビールからワインまでおいてあるし、仲間と一本開けながら語らいたい人にはたまらないだろう。

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俺はソロなので地元のラジオを聴きながらビール片手に景色を見ているだけでいいかな。

さんざん悩んだけど普通にコーラで水分と栄養を補給。500mlで200kcalくらいは摂取できるので疲れた体にはよく効きますね。コーラを飲み干した後はテント泊の方々で賑わうテント場へ赴き設営……。ステラリッジやエアライズ、タニ、ホーネットといった名作テントが並ぶ中で私のULドームシェルターは浮いてます。
クロスオーバードームはよく見かけるけどULドームシェルターはマジで見かけないでしょ??

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写真二枚目の右側に張られている黄緑色というかほぼ黄色の小さい奴が僕のULドームシェルター。770gのシングルウォール、雨が降らないならかなり良いテントです。

白馬岳山頂へ

午後12時40分、頂上宿舎出発。
テントも張って本日の登山はもう終わりということで、あとは稜線を散策する自由時間です。
まだ雲が上がり切ってないので山頂を目指してみます。白馬杓子と白馬鑓がきれいに見える夏の空。

頂上宿舎から山頂って結構遠い、片道30分くらいかかるし結構疲れる。頂上宿舎のテント場がだんだん埋まっていくのが上から見ていてもわかります。

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白馬山荘直下の道あたりから見る頂上宿舎と白馬鑓方面の眺めは開放感があってとても気持ちがいいよ。

白馬旭岳

こちらは白馬旭岳になります。一応正規の登山ルートは存在しない山ですが、バリエーション扱いな道が存在していて、山頂には看板が置いてあるようです。ウルップソウが山頂にはたくさん咲いているけど、人が来ないからこそっていう感じらしい。写真左の斜面を巻く形で清水岳方面まで稜線歩きを楽しめます。

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祖母谷温泉から登ってくるコースも魅力的だ……。祖母谷温泉を起点に白馬三山~唐松岳の周回。祖母谷温泉スタートで朝日岳回って蓮華温泉へ抜ける等々、いろんなコースが考えられるがどれも歩いてみたい。

白馬の稜線から見下ろすと黒部市方面

白馬岳の山頂付近から日本海側を見ると黒部市を流れる黒部川がよーく見えます。写真の左側を見ると能登半島の付け根の部分が見えているのかな?

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アルプスから意識して石川県を見ようとしたことが無かったから気が付かなかったぜ……。

午後1時30分、山頂。
山頂にたどり着いてみると猛烈なガァースゥーによって虚無の世界が広がっていました、が!!
白馬岳の稜線で晴れと曇りが分かれている状況なので待っていれば晴れるでしょう、ということで数分待機していると青空が姿を現してくれました。

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白馬岳はやっぱり人気の山、山頂は登山客で大盛況です。

白馬岳のらいちょう
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山頂には登山客のアイドル雷鳥も出現。高山植物を啄みながら草原地帯を子供とちょろちょろ動き回っていました。

初日の白馬岳登山は青空と雲が織りなす夏空の山を堪能できました。明日の朝もこの山頂を通るのだけど、初日のうちに晴れた景色を見れたのはうれしいです。

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夏は正午を過ぎるとガスが多くなるため、アクセス初日の晴れ間は期待していなかったのでこれはうれしかったですね。

白馬岳山頂から見下ろす白馬山荘方面

山頂を楽しんだ後は眼下に見える白馬山荘のスカイラウンジさんで優雅な昼食を楽しみたいと思います。
ガスのおかげで白馬山荘の上にあるケルンがやたら目立って見える正午の白馬岳山頂でした。

白馬山荘の優雅な昼食と稜線の夕焼け

午後2時00分、白馬山荘。
白馬山荘はアルプスでも燕山荘と一位二位を争うくらい人気の山小屋なんじゃないかと思いますが、山小屋とは思えない美しい建物とサービスが特徴的です。まず出てくるご飯のレベルが山小屋特有のレトルトっぽさや使えるものは何でも使うぜ感が無い、麓でもこういうご飯出すお店が普通にありそう。
アイスコーヒーを頼んだら食器が専用でびっくりです、山の上のカフェだね。

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お値段はちょっとお高いけど、軽食のラインナップとクオリティは流石だ……。本当に標高2,900mレベルの立地なのか錯覚する。

ガスが舞う稜線

スカイラウンジで午後の優雅なひと時を過ごした後は……夕日の時間までやることがありません。
寝ていてもいいんだけどガスがかかったり晴れたりと忙しい白馬稜線、太陽が出たら出たで洒落にならない暑さです。

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テント泊の場合は太陽が照っている時はテントの中がとんでもなく暑い……、洗濯物を乾かすための乾燥室みたいになってしまう。日陰に設営するか、夕日の時間までぶらぶらしているしかない。

稜線も見飽きるほどの花畑が広がります。ハクサンイチゲやウサギギクの群生が広がる中をザクザクと音を立てて降ればテント場が見えてきました。予約満員だったけどこう見るとテント場すべてが埋まるような状況ではないんだな。

色とりどりのテント

夏のハイシーズン、午後2時を過ぎた時点でのテント場はご覧のような混雑具合。ステラリッジが大人気です、黄色緑青のステラリッジはやっぱり多い。買うなら人と被りにくい白かなぁ……?
奥の方に目をやるとクロスオーバードームが見えます。

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翌日の朝日岳小屋ではテントの種類がガラッと変わってシングルウォールのULテントやフロアレスシェルターをよく見るようになります。奥地のテント場ってそういう雰囲気あるわ。

テント場に戻ったけど暑い……。それに西側の立山方面は未だ快晴のようなので、白馬旭岳方面まで散歩しに行くことにしました。清水岳へ向かう稜線は大雪渓や栂池と比較するとほぼ人がいないマイナールート、静かな散歩が楽しめます。

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こちら側に来ると白馬鑓の西側の姿を見れるけど素晴らしい。草原と巨岩が織りなす牧歌的な山肌の向こうに白肌の絶壁がいきなり現れる。

輝くチングルマの穂

8月はチングルマの穂の季節、白馬旭岳方面に広がるお花畑もすでに穂がキラキラ光る時期でした。

朝日岳分岐

清水岳が見える場所まで歩いていくと旭岳と書かれた岩が転がっています。白馬旭岳に向かうのはここを右に曲がってバリエーション的な踏み痕を辿ります。数人の登山者が上り下りしていました、俺も登ってみたいんだけど??

清水岳方面

降りてきた方の話によれば旭岳の山頂はウルップソウがたくさん咲いているとか、いいなぁ。僕はそのまま清水岳方面へ少し進んでみたのですが、見渡す限り快晴で雲一つない稜線が奥へと続きます。
なだらかな稜線歩きの先には草地が広がっていて、お花の時期もいいけど紅葉の時期も良さそうな山です。

白馬からみる立山方面

立山や剱岳方面に目を向けても良く晴れています。白馬岳方面は長野県側から湧きあがる雲のおかげで稜線の景色はもうだめだぁっていう状況なので少しうらやましい。

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うーん、時間をつぶしたつもりだけどまだ日没まで2時間近くある……。さすがに歩き疲れたので寝たいぞ。

清水岳方面までやってきたけどさすがに日没までここで待機する気にはなれません。今日の天候的にも、夕日を見るならこのポイントかな?というのはわかったので、一度仮眠を取りにテントまで戻ります。

テントに戻ったらすっかりおなかが空いていました、14時に食べたカレーはきれいすっきり体に吸収されてしまったようだ。夕食のベーコントマトなリゾッタを食べた後はULドームシェルターで昼寝して過ごします。太陽をさえぎるガスのおかげでテント内が快適な環境になりました。
ULドームシェルターを使っているレポートを見ることがほとんどないのですが、使ってみると非常に快適です。大雨には対応できないけど、ちょっとした夕立程度なら問題ない立派なシングルウォールテントです。

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広さ的にも身長175センチ体重67キロの僕は快適に過ごせる広さです、天井は高め。唯一の問題点はシングルウォール特有の寒さ、#7くらいの寝袋だと夜寒い。モンベルなら#5くらいが欲しい。

夕焼けの白馬鑓

午後6時00分、夕日観察開始。
テントで横になり1時間半ほど仮眠をとり元気いっぱいになりました。だいぶ日も傾いてきたようなので夕日を眺めに再び稜線へ出てみるも、稜線は写真のようにガスの中……。しょうがないので白馬旭岳まで歩いてみたら快晴、予想が当たりました。

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白馬鑓と杓子岳にべったりと張り付く雲が夕日に照らされる様を眺める優雅な時間。

自分以外は誰もいない静かな稜線。電波もなく、ただただ湧きあがる雲の形を眺めるだけ……、できれば砂糖がたっぷりと入ったコーヒーか、ココアが欲しい。

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はぁ……癒される。

白馬岳の夕暮れ

午後6時50分、撤収&就寝。
最後まで白馬岳稜線のガスはとれることは無く、白馬岳山頂はもちろん白馬鑓、白馬杓子の山肌を見ることもないまま日没を迎える……ちょっと残念。
陽が沈むと同時に冷たい風が周囲を包み込み、人の時間は終わりと言うような暗闇が広がっていきます。ヘッドライトの光を頼りに、空気が変わってしまった山肌を歩いてテント場へ辿り着く頃にはガスの中も濃紺の暗がりに包まれているのでした。
というわけで初日はあっさりと白馬岳を満喫して終わってしまいましたが、翌日からはついにこの登山の目的地、雪倉岳と朝日岳を目指します!

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先日歩いた大天井岳よりずいぶんと寒い、テント場の位置はこちらの方が寒いけど北にあるからだろうか。ペラペラのダウンハガー#7じゃ少しだけ寒かったぜ……。

雪倉岳から白馬岳を眺める

白馬岳を出発した翌日は雪倉岳から快晴の北アルプス北部を楽しみます。
白馬岳雪倉岳朝日岳縦走初日は白馬岳を大雪渓から普通に登ってみるところで終了となります。翌日からは進路を北にとり花盛りの雪倉岳を越えて東北的な湿原風景とアルプス的な高所風景が融合した朝日岳を目指します。白馬岳はハイカー定番の山で多くの登山者で賑わいますが、一歩雪倉岳へ踏み出せば人も少なく静かな道がひたすら続くことになります。
白馬大雪渓は年々通行できる期間が短くなっている傾向があるので、雪がたっぷりと残っている7月の期間に満喫するのがいいのかもしれません。宿は少し高いのですが、白馬岳の稜線は本当に美しく一見の価値がある場所なので、ぜひ晴れ間を抑えて登ってみてください。
ちょっと足を延ばして白馬旭岳方面まで行くと白馬のまた別の顔が見れてとても楽しいですよ。
人生最高の山は続く。

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