2024年10月1日、岩手県は八幡平から岩手山へと続く裏岩手縦走路にある紅葉の名所「三ツ石山」を歩いてきました。三ツ石山の標高は1,466mで、山頂を中心に八幡平まで続く稜線の各所で紅葉を楽しむことができます。
山頂周辺の燃えるような赤い紅葉越しに見る岩手山の眺め、どこまでも続くような高原地帯を見下ろす眺めが揃う三ツ石山。秋山登山の始まりを告げるにふさわしい絢爛豪華な景色を楽しめる山と言えるでしょう。
三ツ石山は裏岩手縦走路上に位置していることから、様々な歩き方を試すことができる山でもあります。小屋を利用し数日かけて縦走することもできますし、松川温泉を中心に日帰り周回登山を楽しむことも可能です。
今回は夜行バスを利用し盛岡から松川温泉へ向かい、松川温泉を起点として三ツ石山から大深岳を経由し松川温泉へ戻るという日帰り周回コースで紅葉登山を楽しみます。
三ツ石湿原から先に広がっていたのは赤い紅葉の絨毯と岩手山のコラボレーション。そして八幡平まで歩きたいと思わせてくれる色づく長大な稜線の眺めでした。
redsugar岩手山と八幡平を繋ぐ縦走登山、いつか必ずやってやるぞ!
三ツ石山日帰り周回登山の概要
夜行バスで行く三ツ石山紅葉登山


2024年9月30日午後9時50分、東京駅鍛治屋橋。
やってきました三ツ石山紅葉登山!!どうやって行くの!?夜行バスに決まってるでしょ!?
というわけで東京駅から最寄りの夜行バススポット、鍛治屋橋駐車場へやってきました……。登山においてはメジャーだと思っている夜行バス移動ですね。10代や外国人の方々ですし詰め状態の待合室を見渡してみてほしい、登山ザックを背負った30代、40代、50代の人がちらほらいるはずだ。



居るのか……紅葉登山夜行バスアタック組!?と思って訪れてみたら、何人かいた。60代くらいの方が数名いて、自分が60代になったときもあんな感じで元気でありたいものだと思えた。






2024年10月1日午前5時50分、盛岡駅前到着。
おはようございます、Redsugarでございます。
というわけでバスの中では快眠させていただきまして、多分普段の家よりも長い事寝たんじゃないかと思いますが……頭パッチリな状態で盛岡に到着しました。東北に住んでたし、今でも東北によく帰るけど盛岡には初上陸な気がする。
駅前のモニュメントを見ると地方都市に来た感じがするぜ。



感覚的には伯耆大山と三ツ石山は夜行バスの工程が凄い似ていましたね。バスを降りた先のモニュメントの雰囲気も近い。


夜行バスの到着は朝6時前、通勤客や学生が動き出す時間帯が迫ります。僕はと言うと、松川温泉行のバスが6時50分あたりなので割と自由時間が多い状態なんですね。



駅には岩手のゆるキャラが大集合してるんですが、どれも知らない……。これなら山形のじゅっきー君だけで倒せるのではないだろうか?いや、さすがにきてけろくんじゃないとダメか?



うーん……居を構えたさいたまゆるキャラだとふっかちゃんとコバトンがいるが、どちらも格が違いすぎる。岩手のゆるキャラが束になってもコバトンには勝てない気がする。




盛岡駅前は結構ビルはあるんだけど、平日の早朝に空いてる店なんてコンビニくらいしかない……ので補給が出来ないのです。パン屋が近くにあればなぁ。



歯を磨く、朝ごはんを適当に食べる、うろうろする。という事で駅の周辺をうろうろしていた。お店全然なくて、コンビニで朝ご飯を購入するしかなくて悲しい。




午前6時54分、盛岡駅発松川温泉行バス乗車。
岩手県っていうのは東北以外の方にはわからないかもですが、でかいです。日本で二番目に面積がでかいです。
かの水曜どうでしょう対決列島においても東北をゲットできるかどうかは超重要な場面で、安田さんリバースという神イベントもあった場所でした。西日本の県を3つから4つ足さないと岩手県サイズにはなりません、「ちっちぇー西日本」と藤村Dが放った言葉には頷くしかない。
そんなでっかい岩手県ですが北海道と同じく面積に対しての人がね……、というわけで盛岡駅から松川温泉へと向かうバス便は本数が多いわけでもないので絶対に逃すわけにはいかないのです。



6時54分発の松川温泉行に乗車。なんと到着は8時台、2時間近くバスに乗りっぱなしになります。


夜行バスで来てまたさらにバスに乗るのか!?しかも帰りもまたバスに乗るんだろ!?合計何時間乗るんだよ!?と大泉洋のように突っ込みたくなる。とにかくバスに乗る三ツ石山登山ですが、とりあえず外の景色を眺めたり、瞼を閉じて気絶すれば何とかなる……と思ってたら全然ならない。
外の景色がドン曇りで不安しかない、あぁ……心臓がバクバクしてきた、会社を休んだうえにこんなに時間をかけてやってきたのにどうなっちゃうの!?と不安に駆られます。


でもまぁ雲の位置低そうだしー、何とかなるっしょと感情がジェットコースターのように揺れ動く状態でバスに揺られ続ける。時折見える山の稜線が晴れているので、なんだよ稜線に泊まってたら雲海見れたかもしれないやつじゃん!と憤ったり、夜行バスの影響で情緒が不安定な朝の時間を過ごします。



こうならないように、登山バスに乗るときはチルアウトでも飲んでからのほうがいい気がする。






午前8時50分、松川温泉。
おしりが4つに割れるかと思ったわい!ガハハ!と言いたくなるくらいバスに乗りました。松川温泉は快晴そのもの、平日なのにすげぇ登山客です、SNS効果なのか三ツ石山の紅葉タイミングは平日でも人が超多いらしい。
下山後はこちらの松川温泉に入浴しますが、今まで東北で入った温泉でも乳頭温泉に匹敵するクオリティの高さを持ちます、超お勧めの温泉です。


松川温泉から登り始めるのですが……登山口はどこだと探します。麓は全然紅葉してないけど、所々赤い葉が垣間見える。




松川温泉から入山するコースを探して駐車場側へしばらく歩くと登山口への案内を発見。地熱発電のパイプのほうへと案内される。


松川温泉の登山口はこの地熱発電のパイプの近くとなります。湯気がもくもくと湧き上がるこの景色、男の子は好きだよね……。僕はスチームパンクとか好きじゃないけど、でもこういうのカッコいいと思う。
これは1960年代に日本重化学工業が4年をかけて建設した地熱発電所へ至るパイプ。現在は東北電力グループが運営しているのですが、機械遺産に登録されるランドマーク的な建物なんですね。



畠山直哉のライムワークスや西澤丞の工場写真的なイメージが想起される。自然の中にカテーテルみたいに突っ込まれたパイプだな……。
この地熱発電所のシンボルでもある円筒形の建屋は山の上から良く見えます、下山時の目印になるので覚えておいて損は無いです。


エコな発電と言葉で聞くと良いイメージが浮かぶけど、現実にあるその光景を見るとどこか手放しで称賛できないところもある。概念と現実の差はちゃんと意識しなさいということを、こういう場所を歩くと突き付けられますね。




というわけで登山口。驚いたのは登山口周辺も地面から煙が沸き上がる……、三ツ石山の前に登った大雪山赤岳緑岳の登山口である高原温泉を思い出させてくれます。ていうか日本って本当に火山が多くて、こうして温泉が湧く場所が多いんだなぁ。



帰ってきてからの温泉を楽しみに、プレイボール!
紅葉に染まる三ツ石山山頂を目指して


温泉周辺はたいして紅葉していないな……と思っていたのですが、登山道を登り始めてからすぐに色づく葉が姿を見せるようになります。日当たりが良い所は色付きがよく、徐々に赤く染まっていく朝の森を歩くのは気持ちが良い。



カメノキかな?


道中の木々の合間から岩手山を垣間見ることが出来ます。24年は火山活動の影響で岩手山を登ることが出来なかったんですよね……。岩手山から八幡平までを繋げる登山をいつかやってみたいもんです。


森の美しさには色々な種類がありますが、僕は北東北の森の雰囲気が好きです。南ほど旺盛ではないが、繊細さがあるように感じる。


足元の蔦から広がる葉も黄色く色づき、徐々に森が染まっていく気配を感じながら歩を進めます。


所々に夏の残り香が。10月1日というと、関東はまだ残暑が厳しい時代になってしまいました……。山は秋の恵みが輝きだす頃合いなんだけども。


午前10時5分、分岐点。
松川温泉と松川大橋、二つのコースが合流する地点に到着しました。三ツ石山荘まではここが中間地点となります。
僕が歩いた時はここから先が、本格的紅葉登山の始まりでした。


飴色に向かって色付く木々が笹の合間から姿を現し始めました。


紅葉の名所だから、というわけではなく。昔から登山が楽しまれていた山故に道はしっかりとしています。分岐点からほどなくして木道が現れ、背の高いネマガリダケが左右を覆う草原からは徐々に木々が姿を消していきました。


高層湿原が見える場所までやってくるとそこは森林限界。三ツ石湿原と呼ばれる一帯では黄色く輝く草紅葉が登山者を迎え入れてくれます。


午前10時40分、三ツ石山荘。
分岐点から30分ほど山を歩けば山荘へ……。何やら人の話し声が沢山聞こえます。松川温泉の駐車場に停まっていた大量の車から想像するに、朝方登山を開始した方々が帰路についているんだろうか?




小屋の周辺は多くの登山客で賑わっていて、外で休憩する感じではなさそう。小屋の中も多くの登山者が昼食で賑わっています。さすがに2階には客がいないようだけども……。三ツ石山の小屋は立派なストーブがあるし、床がとてもきれいで宿泊するにはすごく良さそうな場所でした。



ストーブがある避難小屋で、火を焚きたい。寒い夜にストーブの火を見ながら過ごしてみたいんだよなぁ。


小屋の裏手には大きな池があり、その向こう側には山頂があります。小屋から見上げた山頂は笹のむこうなので紅葉は見えないんだけども。


小屋から山頂までは小高い丘を登るような道が伸びていて、登山というよりは散歩みたいな感じでゆるゆると登ることが出来ます。



この道は滅茶苦茶人が居た。みんなにっこにこな顔をして、歩いている。


北を見れば雲で顔が隠れた岩手山。その隣の丘のような山は犬倉山で、姥倉山、黒倉山と続いて岩手山の鬼ヶ城へと続いていきます。黒倉山の大地獄谷を見てみたいんですよね。






岩手産の眺望がひたすらに良い三ツ石山山頂直下、道行く人々が岩手にある富士の眺めに足を止めるのでした。岩手山は平安時代初期、坂上田村麻呂が国家鎮護のために岩手山に三尊の阿弥陀如来を安置したあたりで歴史に登場します。
信仰の山である岩手山を登る「お山がけ」は富士山や月山、蔵王など全国の山と同じく、江戸時代あたりに隆盛を極めたそうです。



坂上田村麻呂は平安時代の武人です。蝦夷討伐のために東北を訪れていました、平安時代とかは福島の白河の関から北は蝦夷の住む場所で、和人の勢力圏は大体関東くらいまでの時期があったんですね。で、東征の一説を語りますと……奈良の大仏を作っていた時に金が足りないっていう事になりました、当時金は国外から買うもの。ところが陸奥の百済王敬福から国内産出の金が届けられ聖武天皇は大いに喜んだんですね。金が出た宮城県北部、岩手南部、多賀城から北は税を砂金として納めることになったとか。当時国策で仏教を広めたい国としては金はたくさんほしかったんです、という事で黄金山地を蝦夷地開拓と称して大規模な討伐を行うことになったんだとか。
錦の紅葉と岩手山、三ツ石山の山頂へ


随分と人が増えてきたなと思えば山頂がすぐそこ。三ツ石山の山頂は名前の通り大きな石がいくつかあるのですが、その周囲にも1m~3mくらいの石がゴロゴロと転がっています。


三ツ石山の山荘方面を振り返ると錦の紅葉と言っていいくらい紅葉が……。黄色に赤にオレンジに、派手な絨毯が足元に広がっているようです。山頂手前のこの景色を前に、多くの登山者が足を止めてカメラを構えます。


一面笹の山頂に突如として表れた紅葉の絨毯。岩手山に続く稜線と合わせてみれば……一部分に紅葉する木々が群生している奇跡的な景色。


午前11時20分、山頂到着。
往来激しい三ツ石山山頂部ですが、ピークの周辺は緑の場所を探すほうが難しいような状況です。三ツ石山の紅葉は赤が素晴らしいと聞いていましたが……たしかにオレンジと赤が多く絢爛豪華な景色が広がる。


三ツ石山のむこう側、小畚山方面も笹の斜面に真っ赤な紅葉地帯があるのが見えます。山頂は人がひっきりなしにやってきて……お昼ご飯を食べたり撮影したり、憩う声が離れていても聞こえてきます。



三ツ石山の紅葉の難しいところは天気と紅葉のピークが合うか合わないかですよね。紅葉の色付きのピークは長くて4日くらいかなぁと思いますが、その間に晴れるタイミングがあるかどうか。そしてその晴れる日に仕事や家族関係なく体を東北に向かわせることができるのか!?という登山ではメジャーな悩みです。


三ツ石山は本州で一番早い紅葉と売り文句が付くくらいで、確かにこの稜線の紅葉は10月頭にしては素晴らしい……。そしてこれから歩く源太ヶ岳が見えますが、結構距離がある。



三ツ石山の紅葉は毎年コンスタントに赤く染まり、外れ年っていうのはたまーにしか来ない印象があります。紅葉や花は10年に一度の当たり年って言葉をみんな使うけど、欲張るとあんまりいいことは無いので行けるときが最高くらいに思いたいものです。



わしが行ったときはこんな感じでさぁ~!



出たな、聞いてもないのに自分が歩いた時のほうがよかったと話し始めるマウント神。山小屋に帰れ!!


肝心の三ツ石山からの景色ですが、山頂からは紅葉の山肌のむこうに立つ岩手山が最高にかっこいい……です。三ツ石山の紅葉に箔をつけてくれますね。この景色を眺めながら飯を食う人々が山頂にはたくさんいます。


山頂にはいくつかの岩場があるのですが、写真右側に写っている岩場の位置は絶妙です。数人で来ているならば、一人にあの場所に立ってもらって写真を撮るのがいいと思う。


山頂部は360度まんべんなく紅葉しています。西側の大白森方面は赤よりは黄色が強い様子。


山頂部の紅葉を見るに一番いい場所はどこだ……と彷徨いますが、普通に山頂が一番よさそう。



写真に写ってる岩場に戻ったり、山頂に来たりを繰り返した結果としては「山頂が良い」という感じ。


これから歩く裏岩手縦走路の主要区間ですが……山頂に見惚れてたけどこっちのほうがヤバい景色な気がします。歩くことを考えるとこんなにフラットで、気持ちの良い稜線そんなにありません。



『これを歩いて行ってもいいのか!?』と誰かに聞いてしまいそうだ。


山頂にある岩に登り、憩う人々と岩手山を眺めてみました。座っている方々は特等席です、ツアーの方々もいらっしゃって、紅葉をつまみに山頂カップラーメンを楽しむ人々がたくさん。


三ツ石山の紅葉は確かに素晴らしいものがありました。目の前に岩手山がドーンと見えるのが何よりも良いところです。岩手山山頂を覆っていた雲も晴れ、紅葉の絨毯と名山をばっちり拝んだら出発するとしましょう。



ここからは鬼ガ城もよく見えます。あの鬼ガ城っていうのも坂上田村麻呂に関係していて、蝦夷の将大武丸(大多鬼丸とも)との戦いの歴史を今に残す場所となっています。鬼ガ城で敗戦した大武丸は盗森から鬼越地区を過ぎ、諸葛川で討ち取られたそうです。盛岡のちょっと北のあたりですね。という事で坂上田村麻呂の鬼退治に関係するのが岩手山でした。
まぁ……鬼退治というか、和人がエミシの将軍を倒すまでの過程の話なんだろうけどこれは。





……結構長居してる間に紅葉の色味が変わってきたから、最後に山頂を一枚取りに戻るか。という訳で山頂と周辺の岩を合計で3往復位しました。


午後12時15分、山頂出発。
紅葉の三ツ石山と岩手山、この登山をするにおいて絶対に見逃すことができないと思っていた景色を無事に体験することができました。景色と共にカップヌードルとおにぎりの香りが蘇るが……、まあいいや。
三ツ石山登山はこの後も素晴らしい道が待ち受けている……紅葉の裏岩手縦走路の主要区間を歩こうではありませんか。



小畚山方面にかけても紅葉全然よさそうじゃん、2泊3日で八幡平から岩手山コース……いつか絶対歩かないとな。
小畚山へと続く極上の稜線


次なる目的地である小畚山までしばらくは大規模紅葉はお預けの様です。小畚山の名前は土を運ぶ畚をさかさまにした様からきているようです。北にある畚山に対して小さいから小畚山っていう。ちなみに写真に写っているのは小畚山じゃなくて、その手前の1447mピークだと思われる。



山の名前には笠ヶ岳、笊ヶ岳、小畚山、烏帽子岳と形になぞらえた名前って結構多いんだよね。ちなみに穏やかな山容の場合は女体に例えられ、雄々しい場合は男体に例えられます。


三ツ石山を見返すと山頂部分に紅葉が密集している特異な場所だったというのがお分かりいただけますでしょうか?
山頂から中腹に降りるにつれて笹が中心となり、ナナカマドやミネカエデといった木々が下るにつれて姿を消してしまいます。



笹の草原地帯を歩くという事で、もしも早朝歩くのであればゲイターとゴアのズボンは必須でしょう。公共交通機関でアクセスした場合は登山開始が遅いため、稜線を歩く時間帯はドライになっている状態だけど……早朝は朝露で大変な状態だろうなこれ。


小畚山の手前には三ツ沼と呼ばれる湿原地帯があります。



これがまた結構大きな池塘です、朝だったら水鏡が綺麗でしょうね。


三ツ沼から小畚山への登り返し。三ツ石山方面は何度も見返したくなる景色。三ツ石山を登るなら大深岳まで歩いて周回をお勧めしたいところです、山頂の景色だけというのはもったいない。



この歩きやすくて景色がいい道を歩かないなんて損です、歩くことがこんなに楽しくなる道はそんなにないぜ。


展望の良い緩やかな稜線、笹と草原が交互に続き、ささやかな紅葉が稜線を彩ります……。



裏岩手縦走路最高か。


小畚山の手前にある1447mのピークに到着しました。名前がないピークなんですけど標柱が建っていて、休憩するにはちょうどいい場所になっています。三ツ石山山頂の喧騒を逃れて休憩するならここは一つアリな場所。


1447mピークからは小畚山と大深岳、源太ヶ岳を眺めることが出来ます。三ツ石山周回コースにて、三ツ石山山頂の次に紅葉が美しい場所が小畚山手前の斜面です。





うっひょぉ~~!!!
思わず叫んでしまいそうな、紅葉の間をすり抜けていく稜線の道が小畚山山頂まで続きます。紅葉の絨毯の中を突っ切って行ける贅沢な登山道を味わいましょう。この区間はハイマツと広葉樹のモザイクになっているのが特徴的。


紅葉の中を泳いで行け!みたいな感じの道が続きます。歩く人も少なく静かな登山を楽しめるのがありがたい。三ツ石山山頂はあんなに人が居たんだけど……、大深山方面に足を延ばすと歩く人がグッと少なくなるんだよね。


縦走路から三ツ石山を見返すと紅葉の稜線が三ツ石山まで続いているように見える……なんて贅沢な稜線だ。
本州で一番早いといわれる三ツ石山の紅葉ですが、八幡平と岩手山を結ぶ稜線の標高の高さと、ナナカマドやミネカエデといった色付きが早い植生の合わせ技によるものらしい。



秋田と岩手を隔てる山と言うことで、日本海側から太平洋へと抜ける風の通り道であることも気温の低さに影響しているんだろうなぁ。ちなみに日本海側の山形は冬はドン曇りですが、宮城や福島はやっぱり晴れが多いんだよね。


岩手山からどんどん遠ざかっていくわけですが、距離を置けば置くほど端正な姿が際立ってきます。僕が登った時は焼け走りのピストンだったけど、岩手山を真に楽しむためには七滝コースや松川コースといった、御苗代湖側を堪能する道を歩く必要があるのだろうと思う。



裏岩手縦走路を歩くなら七滝コースから岩手山に登りたい。黒倉山から見上げる岩手山を見てみたいんだよなぁ……。そこから八幡平に行くっていうのはどうだろう。八合目避難小屋と大深山荘の2泊で八幡平の茶臼口か大沼温泉に降りたいなぁ。



坂上田村麻呂ついでに、鬼越という地名はアイヌ語のオニンコシュ(すべる)を意味するんだとか。雨降りや雪中傾斜している赤壁土の場所の名前にしていたそうです。アイヌっていうと北海道のイメージだけど、1200年前ほどは東北地方にはのちのアイヌに通ずる擦文文化の影響が濃い人々が住んでいました、彼らは俘囚として和人文化に組み込まれ出羽清原氏、奥州藤原氏のルーツになっていったりします。(俘囚というのは和人の国大和と蝦夷の戦いの中で、大和に帰服した蝦夷のことを言います)
日本人っていうと一つの単一の種を思い浮かべますが、歴史をさかのぼるとこの列島には北と南からいろんな文化、種が訪れていたんですねぇ。北海道とかは北のオホーツク文化と擦文文化の衝突地点だったり。東北は和人と蝦夷の衝突地点で、それが源頼朝の奥州藤原氏討伐に繋がったり。さらには明治の戊辰戦争すら想起させて面白いですね。


午後12時55分、小畚岳。
本日の周回コースの折り返し地点となる小畚山に到着しました。ここまでの紅葉は素晴らしく、道のりも緩やかで歩くことが本当に楽しいコースだったと思います。ここからなんですが……、鞍部を越えて大深岳への登り返しとなり、ここは結構本格的な縦走っぽい感じになります。


小畚山の対面にある大深岳ですが、グワッと抉れた鞍部の向こう側です。小畚山からの下りはこれまでの道のりからするとびっくりするくらい急な坂……、気を引き締めるポイントはここですね。



人もめちゃくちゃ少ない地点なので、ここでケガとか絶対だめだよ。


急坂を降って鞍部にたどり着くとダケカンバが生い茂る樹林帯へ。鞍部から大深山までは道は比較的穏やかです。


ダケカンバの樹林帯を抜けるとミネカエデとナナカマドの紅葉が美しい道が再び始まります。山肌を見上げるとジグザグに刻まれた登山道が良く見えて、「これからあれを登るのか……」というため息が出てきます。






三ツ石山の登りに比べると歩く人が圧倒的に少ないため、自然の勢いが強い登山道をジグザグと登る。三ツ石山も遠くなり霞の向こう側でシルエットと化してしまいました。岩手山方面を見ても紅葉の面影はなく、針葉樹の森の緑が山肌を覆うような景色が続きます。


ジグザグの道を登りきると大深山ですが、最高に地味な山頂です。1447mピークや小畚山と比べるとあまりに貫録がない……あんまりピークっていう感じがしない場所だからしょうがないんだけど。
ここからは関東森、八瀬森を抜けて大白森、乳頭温泉郷へと繋がる道に向かうこともできます。



関東森、八瀬森、大沢森方面は記録を見る限り「超藪ルート」なので一般登山とはいいがたいような。地図では実線だけど破線でもいいような記録しか見当たらない。クマの糞も多く見受けられ、難易度は高いように見える。ただ乳頭温泉郷側の大白森の高層湿原は素晴らしいとのことで、歩いてみたい。




週一で掃除されていてすごくきれいな山荘だよと噂の大深山荘を見たいところではありますが、下山バスの時刻が心配になってきました。松川温泉を堪能したいなぁと思うと小屋に寄っている暇がない……源太ヶ岳へ向かうことにしました。



地図を見ていると〇〇森という山が多いのですが、東北と四国で多く見られます。昔は神霊が降りる山はこんもりとした形で木々が生い茂った場所とされ、祖霊はそこに住まうと考えられてきました。つまり森の山みたいなやつ。ただ……四国の二ノ森とか瓶ヶ森とか裏岩手縦走路の山々に比べるとめちゃくちゃ急峻でどこがこんもりしてるだよと突っ込みたくなるよなぁ。


源太ヶ岳方面へ向かう道中からは三ツ石山から小畚山までの稜線地帯がよく見えます。霞の向こう側の山になってしまい、紅葉の気配がみじんも感じられない景色になってしまいました。
岩手の秘湯「松川温泉」を目指して下山


午後1時55分、源太ヶ岳。
本日の周回登山の最終ピーク「源太ヶ岳」へやってきました。ハイマツに覆われたピークなんですが、大深山荘側にかけての緩やかな山肌はお花畑が特徴的……とされています。紅葉時期に歩いちゃうとハイマツトンネルを歩く眺望の山っていう感じが強いかな、花の時期に訪れたい場所ですね。


源太ヶ岳からは真正面に松川の発電所と岩手山を眺めることができます。人と文明の共生の風景としてこれはいい眺めだなぁ……と思える。現代の岩手山という事を考えると、源太ヶ岳からの見た目がとても好きです。






源太ヶ岳からは山頂直下がちょっとザレていて、写真撮る余裕がありませんでした。樹林帯に入るくらいから余裕が出たのですが、三ツ石山と同じく道はきれいに整備されているので何も心配なく歩けます。山頂直下がちょっと歩きにくいね。道中には水場もあるのですが……そこまで冷えてないし、あんまり美味しい水とは思わなかったかな。



心配なくとは書いたが、熊の心配はしておいてもいいかもしれない。スプレーは持っておこうね。





三ツ石山の登り道と同じように紅葉はゆっくり。ほとんどの木はまだ緑色でした。


紅葉するのが速い樹種以外は青々とした森を歩きます。北東北の美しい森は空気が澄んでいるものの、野生の気配も強いため長居はできないなという肌感がある。


中腹には丸森川にかけられた橋もあり、登山道というよりは遊歩道といった趣がある。


川を渡るとどこからともなくホースが現れ登山道のど真ん中を這う蛇のようにどこまでも続いていきます。熊は蛇が嫌いだけど、こういうホースも嫌いなんだろうか?


傾き始めた日の光に焦りを覚えながらも、ブナが美しい森の中をひたすら降ります。
少しでも下山が遅れれば松川温泉の入浴ができなくなってしまいます、高い金を払って岩手まで来て温泉に入れないなんて言うことは許されません、走ってでも温泉に入るぞという勢いで下る。



もう写真撮ってる場合じゃない、景色を見るよりも風呂だ!!


もくもくと下山を続け、ついに車道へ。松川温泉を調べていただくとわかるのですが、白濁した濁り湯が特徴で、美しく広々とした露天風呂がある名湯なんです、三ツ石山登山は松川温泉に入ることも目的の一つというくらい、この温泉に入ることを楽しみにして夜行バスに乗ってきたのです。



あまりに温泉に入りたくて下山してきたのですが、歩道に出た瞬間「ど、どっちだ!?温泉はどこだぁッ!?」となってしまいました。






午後3時25分、松川温泉。
源太ヶ岳から降る事1時間半、松川温泉に到着した僕は勢いよく温泉の門を叩き……極上の露天風呂を味わいました。温泉ってシャワーで体を洗う「洗い場」があるじゃないですか、松川温泉はカランの代わりに木でできた通水路に温泉水がそのまま流れているんです。そこに桶を突っ込んでお湯を汲んで体を洗う、普通とちょっと違うこの体験だけで松川温泉は記憶に残ります、サイコー。
そして、露天風呂の広さ……これも素晴らしい。草津温泉の西の河原露店風呂ほどとは言わないけど、大きな露天風呂とは良いものです。



風呂上がりのビール最高やったで。紅葉、松川温泉、ビール、あとは冷麺が合わさればこの作品は完成するんやッ!みたいな変なテンションになった。


ビールを飲んで気分上々な状態で帰りのバスに乗車します。点描ラッピングされたバスの車体はちょっと集合体恐怖症な感じがする。帰りのバスも滅茶苦茶長いんだよね……、2時間くらい乗車することになります。



尻が4つに割れるっつーの


午後6時30分、盛岡駅。
バスに揺られて揺られて、バターになるか尻が4つに割れるかというあたりで盛岡駅に到着しました。カッチリ2時間ほどバスに揺られてたんですけど、夜行バスでしっかり寝ていたこともありお目目バキバキな状態、辛かった……。
さて、先ほど「紅葉、松川温泉、ビール、あとは冷麺でこの作品は完成する」と宣っていましたが、焼き肉屋を探します。



帰りの新幹線出発までに焼肉と冷麺を食うッ!!






結果として駅前で盛岡冷麺の店を検索するのですが、ちょっと歩くと新幹線が……というわけで仕方なくフェザンの中にある明明家さんで焼き肉と共に冷麺を食べることに。美味しいけどちょっと割高なんだよな駅ビルのご飯って……。
情報を食っている感が否めないが、焼き肉と冷麺を食べたときのやり切った感が味わえたので良し。






駅構内のお土産屋さんで地酒といぶりがっこ、土川蕎麦を調達し東北新幹線へ駆け込みます。松川温泉でスーパードライ、明明屋で生ビール、新幹線でチューハイと3度の飲酒を重ねるも目がバキバキなため酔うことなく、寝ることなく大宮に到着するのでした。ていうか東北新幹線本当に早いな……。



さてここでお土産の日本酒コーナーです!!「三ツ石山 ドラゴンアイ」
三ツ石山となると岩手山と八幡平どっちなんだい!と悩ましい所ですが、八幡平方面に向かって歩いて行ったので今日は八幡平由来の酒にするか……という事でドラゴンアイ、八幡平の名物ですね。竜の目を冠した酒を購入しました。かの有名な「わしの尾」の辛口純米酒ですけど見るからに観光客向けのパッケージです、そんな見た目で大丈夫か?
開けてみると確かに辛口、硬めの口どけの日本酒、黒子に徹してくれるタイプの静かな日本酒かと思いきや、口に含んだ最初の硬さが毎回続くので結構主張が強く感じる。大丈夫だ、問題ない。
北海道で買った柳月のラー油せんべいみたいな乾物、おせんべいと合わせると美味しい。あといぶりがっこチーズももちろん合う、喧嘩しない。里芋といかの煮付けなんかも合う、あっさり系が合うんだなぁ……。脂っこいのはちょっと合わない、コロッケとかはちょっと酒がもったいなく感じました。黒子系やシュワシュワするクセ系と違った奥ゆかしさがある、スタンダードにおいしいお酒でした。



あと、土川蕎麦。ドラゴンアイよりもこちらの方が衝撃的でした。美味い!うまいよこの蕎麦!!!これは買って損ないです!ツルツルのど越し!つゆとの絡みも良くそばの味もしっかり際立っています。噛んだ時の歯切れもサクッとしていて口の中爽やか、僕はこのタイプの蕎麦が大好きなので大ヒットでした。











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