2025年6月18日水曜日から26日木曜日にかけて、銀座にあるCO-CO PHOTO SALONさんで写真展を開催することになりました。
2015年から本格的に山の記事を書いてきた当ブログREDSUGARの10年目の節目でこんな機会がやってくるとは……と自分でも驚いています。
自分なりの山との付き合い方を考えて、クライミングやアルパインといった方向を目指すのではなく、旅や風土に目を向けようと思って撮影を開始したのがちょうどコロナがあった2020年ほど。写真からもう一度美術を勉強しようと思い、美術史や写真史を勉強しつつ、自分が好きな事柄を探しながら山と向き合ってきました。
そして、好きだなと思える山や自然にまつわる信仰や歴史から自分なりに表現したいことを形にしたものが、今回の展示の名前にもなっている「山のむこう」となります。
これは今後自分が山を歩き写真を撮るための大切なテーマで、長い時間をかけてよりよい形にしていきたいと思っています。つまり、これが僕の新しい物語の始まりとなるのです。
今回の展示について

山のむこう
太古の人々が見た景色を、現代の我々も見ることは出来るのか。
時間を越える景色を求めた写真家たちは、海の水平線という原始的な直線や、人の営みとは関係なく循環する原始の森、そのような景色を撮影するに至った。
古代から神仏の感得を求めて山を歩いた人々は山中に何を見たのだろう?
山は恵みの地であると同時に神霊の住処であり魑魅魍魎が彷徨う他界であった。
中世に成立した修験道では山を曼荼羅そのものとし、行法の成就には大自然と自己が二つで一つになる感覚を得ることが重要とされた。
山のものでありながら山のむこうを幻視させるもの。
ありふれた、何気ない景色の中に大きな力や崇高さを伴う顕れを見出すこと。
登山を続ける中で私は、遥か昔の人々が神仏を感得するに至った景色とはそういうものではないかと考えるようになった。
山のむこう、景色に潜む崇高さとの邂逅を繰り返すことが、大自然と自己が二つで一つとなるための道であり、山中において神仏の感得を求めた人々と同じものを見る事にも繋がってゆくのではないか?
そう考えて私は山を登り続けている。
今回の展示では上記のようなテーマをもとに写真を展示しています。
自分が作ってきた作品をまとめ上げていく中で、協力してくれた方々のおかげで自分の軸が一つしっかりとしたと感じているところ。現実の山を見ながらその先を幻視している、その気づきを与えてくれた方々には足を向けて寝られない……。
当サイトのイメージは絶景多めというか、山の良い眺めが多い印象があると思いますが。
今回の展示では自分がリファレンスとして眺め続けてきた写真家の方々のような、静謐な写真を目指した展示となっています。
普通の写真展ではあんまり見ない、東京都写真美術館にあるような大きなサイズのプリントなどを作っていますので、こういう山の作品もあるんだと思っていただけるような展示になっているはず。
というわけで、関東にいらっしゃる方は6月後半是非銀座へ!

展示期間中は全日在廊予定です。
美術館においてあるような巨大な作品と共に皆さんをお待ちしています!!
作品を編み続けたい


2025年でREDSUGARは10年目を越えます、制作者の僕も気が付けば40歳目前という状況です。
それなりに忙しい仕事をしていると思う、子供も二人いる、そんな状況でも山に登ってブログを書き続けてきた、人生でこれ以上忙しい時期は無い気がするから、50歳までもブログは書き続けられるだろう。24年の夏シーズンが終わったとき、そんなことを考えていました。
普通にできるだろうなと自分で思えてしまったとき、もっと大きな変化が欲しいと思うのは人の常。
写真で稼ぐなんてことはできないけど、自分なりに作品を編んで写真作家として発表する機会を持ちながらブログを書きたい。そんなことしてる登山ブロガーはたぶん自分だけになると思うから、それは面白いんじゃないか?
凄くお金がかかるし、大変なのは承知だけどやってみたい。
いつか自分の作品を作りたいという美大の頃からなんとなく心に持っていた気持ちがようやく形になり、これらのやりたいことが明確になったのかなと思います。
25年から先、山に登りながら作品を編み続けたい。
そして、山のむこうだけではなく日常の景色を通してでも、崇高さを纏った何か別のものを感じれるように目を養い、知識をつけていきたいと考えています。
まずは、6月18日からの個展。関東にいる方は是非とも見に来てもらえると幸いです。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。
写真展の開催おめでとうございます!
実はタイミングよく、日帰りですが東京出張があります。
時間があれば立ち寄りたいと思います!
ろっぴ様
コメントありがとうございます。
色々な縁があり展示の機会を頂けました、ブログとはちょっと毛色が違う展示にはなるのですが、山岳写真とはまた違った面白さのある写真をお見せできると思います。
銀座にお立ち寄りの際は是非ご覧になっていただけますと幸いです。