こんにちは、Redsugarです。
当ブログをご覧の皆様の中には知ってる人もいるかと思うのですが、僕は登山をしてブログを書く傍ら一応ぱくたそというフリー写真素材サイトに写真を提供させていただいております。
登山をして写真を撮ってはいるのですが、ブログだけでその用途を終わらせるのはもったいないということで始めさせていただいた写真提供、去年から「ぱくたそ百名山」という企画を始めました。
フリー写真素材を提供させていただいている中で、山の写真をどう使うかという所に疑問を抱くところもあったのですが。
僕がブログを書く中で依頼を受けた案件などを振り返り、企画の紹介や用途の紹介をさせていいただければと思います。
それと……、この企画を始めてからの苦労とかも面白おかしく書いてみたいと思います。
ぱくたそ百名山とは
企画の概要
まずぱくたそ百名山の概要からです、簡単に言うとぱくたそというフリー写真素材サイトの企画となります。
「百名山を自分で登って撮影して、その写真をアップする」というものです。
百名山の素材はぱくたそにアップされますが、百名山のある自治体、登山関係の業種、個人が自由に利用できる状態となります。
撮影に予算を割くことが出来ないけど素材が必要という方のお力になれるといいなぁ、という感じで始めたコンテンツです。
フリー素材だけど仕様的には大判出力も耐えれるフォーマットで撮影をしていますよ!
撮影時の注意事項
百名山をまずすべて登ることを目標としていることは大前提なのですが二つの点で達成基準を設けています。
・登山日はすべて快晴、もしくは晴れとして山頂やその道中から見える眺望、山座同定を可能とする天候状態である。
・登山適期、理想はその山が一般的に最も旬とされている時期を登ること。
後者は定義が少し曖昧ですが、ヤマレコの「月ごとの山行回数」などが示す通り花の名山であるため夏に登られる山、紅葉の名山であるため秋に登られる山、積雪期の景色が良いため冬に登られる山等があるかと思います。
夏と秋は大体の山が良い状態だけど、高山植物が咲くタイプの山は夏を優先しようとか……、九州はミヤマキリシマの時期がいいとか、蔵王は樹氷が欲しいよねとか流行りの時期があります。
ぱくたそ百名山の使用例
これまでブログを運営していて写真を使いたいという方々から多々ご連絡をいただくことがありました。
その中で写真を気軽に利用したい案件や、予算といったものまではないような案件も多く、カジュアルに使ってもらうための何かしらのことが出来ないかということを考えるようになりました。
過去、登山用品店が主催する小さな登山イベントの見出しなどで連絡を受けたことがあるのですが、フライヤーを制作するするための予算といったものを持たない小さなところなどで使っていただくのには良いのかなと考えております。
これまで過去に連絡を受けた案件の一例ですが……。
使用例
・店舗:登山用品店が主催する登山イベントの自作フライヤー、サイトでの使用。
・個人:楽曲動画制作のサムネイル画像
・個人:山小屋予約サイト等の山域紹介画像
・行政:福島県のJR配布冊子での使用
少しばかり写真提供で協力させてもらう案件も多かったのですが、百名山に関しては広く素材を共有することにより界隈の活性化につながればと考えています。それ以外の山はちょっと需要があるかわからないのでもしあれば当ブログにご連絡ください。
山の写真が必要だが撮影を依頼する予算や、それらの山域に行って撮影してくれるような人が身の回りにいない方にとっては、ぱくたそ百名山は役に立つ企画ではないかと考えています。
もちろん、写真家の方に依頼できる予算があるのであればそういった方々に理想的な写真を撮影してきていただければ幸いです。
百名山の良い所
当ブログでは百名山以外の山もいろいろ歩いてはいるのですが、百名山は一つ教科書としての役割があるのかなと考えています。
登山を始めたころは近郊の山を登り、ある程度慣れてくると高山や遠征ということになりますが、その際にわかりやすく象徴的かつ端的に地域の良さが楽しめる山が百名山。
チュートリアルにしては非常に長いコンテンツなのですが、日本全国を回り土地の個性や植生を追ってみたりするにはとてもいいものだと思います。
北海道で寒冷地の植生と動物たちを眺め、東北でブナ林の美しさを楽しむ、上信越では豪雪地帯の作る稜線や湿原が。
アルプスは高山帯の景色を楽しみつつ南北で森林限界の差を知る、九州では火山性の山の形状に驚く、等々……日本の地形を楽しむのにもいいですよね。
何より百名山は有名だからこそインフラが整備されていて快適に登れるというメリットがあります。
上信越エリアや北海道の奥地では荒廃した登山道が放置されているような状況も散見されますが、百名山であればほぼ確実にどの山もしっかりとした道が整備されているため快適な登山が楽しめる、これはとても良い所じゃないかなと。
下山後の温泉や周囲の宿も整備されていることが多いですし、前泊や後泊の予定を立てて充実の登山旅をするにしてもいい条件の山が揃っているのが百名山です。
今後の見通し
ぱくたそ百名山ですが現在85座を越えて残り15座といったところですが、百名山を登った方は理解できると思いますが折り返しは90座からかと思います、なのでまだ現状は折り返し地点前です。
5年後にはすべて登れればいいのですが、残っている山を考えるとタイミングと経済的な事情からなかなか大変そうではあります。
九州四国エリアが今後立ちはだかるから、関東からは中々登りにくくなるね…、ミヤマキリシマや紅葉の四国を狙って行こう!
その後も厳冬期の写真しかない雲取山や適期の写真が無い八幡平、岩木山といった山々を再訪する必要もあり、僕が想定する無雪期の晴れた山の状態をそろえるという形での完成はまだ先になりそうです。
撮影には苦労がつきもの
さて、最後になりましたがぱくたそ百名山の苦労話です。
短い夏山は魔の季節。
「時期の絶対性」がある夏山、梅雨から始まる夏山時期はアルプスと北海道を中心に高山植物や新緑が作り出す「景色の旬」が訪れます。残雪が残り緑が美しく花がある、そのうえ登山道が整備され入山が可能になるというという二つの条件が満たされる時期はそんなに長くありません。
大体7月3週目からお盆前半までを「盛夏」と呼ばれる時期として登山スケジュールを組んでいます。特に梅雨明け10日と呼ばれる晴天が続く期間は絶対に逃すことが出来ません。
そうなると山に行けるチャンスは基本的に4回の週末、つまり1か月しかありません。この4回の週末がすべて晴れるかといわれると……晴れないんだなこれが。
ということで、平日に晴れた場合も極力登山を行うためにこの時期にいろいろな調整をすることとなります。
それでも夏山は朝だけ晴れて午前10時以降はガスが登ってくることが多く、標高2,000m付近の山を登っている場合はお昼にはガスに包まれることが多かったです、夏の晴天はとても貴重。
全ての予定は天気で決まる
雨の日に登るということは遭難リスクを上げることにもなるので、計画を優先して天気が多少悪くてもアタックするということは基本やってません。
じゃあどうするかっていうと天候に合わせて目的地、コース、宿泊日程を常に変動させる必要があります。
シーズン初めに予定となる登山候補1つに対して3パターンほどの攻略法を計画しますが、21年で言えばその予定が通用したのは笠ヶ岳だけでした。
「山頂からの展望」「要所からの展望」「旬なアイテムと山の雰囲気がわかる写真」を撮りたい。
するとそれを回収するためのコース取りを「晴れたタイミングで歩けるか」ということを考え工程表と天気予報見続ける日々が続きます、天気予報がお友達。
撮影に主眼を置いてちょっとつらい歩き方をしたのは21年の飯豊山。
普通であれば飯豊山は川入から入山し飯豊山荘に抜ける2泊3日で歩くことが推奨されると思いますが
・飯豊山の核心部である烏帽子岳~大日岳エリアが晴れそれを撮影すること
・晴天の大日岳に登頂し撮影を行う
・飯豊本山からの展望の回収、そのためには晴天および夕焼け、朝焼けのタイミングがあればよい
・北股岳から北部の展望の回収
上記4つの回収は必要と考えた結果、縦走を行うと飯豊本山の撮影と大日岳の撮影はおそらく可能だが核心部エリアは「歩く時間が正午付近になることを避けられないためほぼ確実にガスになる」と判断、その他の事情もあり縦走の選択は推奨できないと考えました。
飯豊山の核心部である飯豊本山から烏帽子岳までは何としても晴れていてほしい……、大日岳を登ることを想定しつつ天狗庭から先を午前10時くらいの時間で歩きたいけど……どういう工程を踏もうかな??
じゃあどう歩くのよって話ですが、飯豊山荘から飯豊本山をピストンするという方法をとりました、これなら2回歩ける!
そんな感じで工夫してみたんですけど、それでも飯豊山は核心部分である烏帽子岳~大日岳区間はガスッてしまいました。
本当に難しい山です飯豊山。
とまぁこんな感じでぱくたそ百名山に出てくる快晴の山は撮影されています。辛いことも多いけど私は元気です。
今年も秋季が残ってますし、来年も梅雨から夏季と秋季は頑張らなくてはいけません。
この先は西日本の山岳が残っているのですが、これまでとは別の苦労が待ち構えていることでしょう。
九州の山でミヤマキリシマの満開の時期を抑えられるのか、石鎚山を紅葉で撮影できるのか、いろいろ考えることは山積みですが、「確実に晴れるその瞬間」にその場所に立つためにどれだけ頑張れるか、残りの山も晴れた青空をゲットしたいと思います。
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