2020年8月15日、長野県と岐阜県の県境に位置する日本百名山「御嶽山」を歩いてきました。標高は3,067mとなり、独立峰としては富士山の次に標高の高い山となっております。
複合成層火山と説明されてる御嶽山なんですが、その特徴は山頂部の広さにあるかと思います。山頂の剣ヶ峰から見下ろす一ノ池から始まって二ノ池、三ノ池と火口湖が山頂には5つもありまして、それと一緒にピークもたくさんある山なんですね。
飛騨頂上、開田頂上、王滝頂上、摩利支天山、継子岳、剣ヶ峰と……山頂多すぎな山。
エリア的には長野県最西部ということで、東京からよりは中京エリアからのほうがアクセスがいい山かなと思います。
歴史的にも信仰の山として栄えていたからか登山道も色々な方向から伸びていて、多彩なコース縦走を楽しめるんじゃないかなと。ただ2014年の噴火事故の影響もあり、しばらく登山客の客足も遠のいてしまっていた山でもあります。
今回は夏場の御嶽山の山頂部をすべて歩きつくす勢いで堪能していきますよ。
中の湯登山口を起点とした山頂周回登山となり、二ノ池ヒュッテに宿泊し剣ヶ峰から継子岳までを歩いて下山します。写真撮影もはかどる真夏の御嶽山、継子岳方面は人も少なくびっくりするくらいいい景色が楽しめました。
歩くならぜひとも五ノ池、継子岳へ!
というわけで御嶽山山頂を練り歩く真夏の登山の始まりです。
御嶽山、中の湯からの周回コースについて
中の湯登山口から石室山荘へ
2020年8月15日午前2時50分、諏訪湖SA。
おはようございます、すっごい眠いですけど諏訪湖で朝ごはんの蕎麦をいただいておりますRedsugarです。
さて今回は御嶽山、マジでアクセスが遠い長野県最西部の山になります……。長野から岐阜に突き出したポイントにある御嶽山は山頂だけで飛彈、開田、王滝と3つあるとか領土争いでもしてんのかよっていうくらい込み入った場所。
車で行くと大変遠くて……、本当に大変でした。
中央アルプスの西側っていうのが関東からだと本当に遠い……、今思うと夜行バスと電車でアクセスするんだった。
午前5時45分、中の湯登山口。
中の湯登山口に到着したのは朝の6時がせまろうという時間。2020年当時は王滝方面から御嶽山に登ることはできなかったこともあり中の湯にしましたが……やっぱり噴火の傷が癒えてないのか駐車場に普通に入れました。
登山届を提出すると噴火した際の身の守り方が書かれたシートを渡されます、怖い……。
標高1,800m地点の中の湯登山口を出発しますが既に標高が高いこともあり森が非常に美しい。御嶽山は古代から信仰の山として栄えていたからか、登山道も良く整備されていました。
登り始めから「シラビソが奇麗ですねぇ~」と言葉が漏れそうな樹林帯なのはこのコースの良い所。標高が高い樹林は森林浴効果が高い気がする、気がするだけだけど。
しばらく歩くと日野小屋跡が現れる、さらにその先には7合目行場山荘が現れる。行場というだけあって周りには山伏が修行を行うような場所が用意されていましたよ。
午前6時35分、行場山荘。
行場山荘はロープウェイからやってくるコースの合流点でもあるのでここから一気に人が増える感じでした。
公共交通機関で登る場合は御岳ロープウェイで下車して一気にここまで来るのが良いってことだね。行場山荘にあるのは覚明社、江戸時代中期の行者のほうの覚明さんが修行した場所、覚明さんは黒沢口を切り開いて御嶽講が組織される契機を作ったんだとさ。
覚明さんは無許可で登拝を決行し、お代官様から処罰されたんだけど、その後、住民の嘆願で開放され黒沢口を整備したとか。覚明に続いて普寛行者が王滝口を切り開いたんだって。歴史があるね。
行場山荘を越えると次に現れるのは女人堂、黒沢口方面は女人堂から先が森林限界になります。森林限界まで出るのがマジで速い。
どこの山もこれくらい整備されていればいいのに。
午前7時25分、女人堂。
目の前に広がる青空、山肌にずらりと並ぶ石碑と石仏、森林限界を越えて広がるは神や仏の世界……これぞ御嶽山!
そんな景色が女人堂から先には広がっています。これまでいろいろ登ってきたけどここまで信仰が大地に刻まれた景色は見たことが無い……。
日本三霊山といえば富士山、白山、立山といわれるけど、それらと比較しても御嶽山は圧倒的に信仰の色が濃い。
登山口に向かう車内でも思ったけど、1合目付近からすでにすごい数の石碑が山肌を埋め尽くしてたもんな……。
これまで見たことのないタイプの山の景色に気圧される、道中いたる所にある石柱も何かしらの言葉が刻まれている。
どれも歴史がある石仏や石碑なんだろうけども、その内容をうかがい知るほどの知識はないので景色としてそれらを受け入れながら進みます。山頂部にかかっていた雲が抜けると岩とハイマツで構成された広大な広さの山頂台地が姿を現しました。
御嶽山は台形といって差し支えない形をしているけど、女人堂付近から見ても山頂部が広いな……。
北側を見ると三ノ池付近を雲が抜けていっているようだ。
次々に現れる石仏、ありがたいなぁと呟きながら進みます。登山道としてはすごく緩やかに整備されてるので全く辛くない、石仏と景色を眺めながら穏やかな景色で登れる、菩薩の歩みといっていい。
見上げると石室山荘が見えますね、あれが九合目です。山肌に建築されていて東側を向いているので、朝日がすっごい奇麗に見えそうな小屋ですわ。
流石御嶽山、登山道の整備は隅々まで行き届いている。古来から人気の山というだけはあります、年季の入り具合が違う。歩いていて圧倒的に楽というか、登るのが楽な場所に登山道が設置されているとしか思えない。
長年の経験から登山道が最適化されたのではと思っちゃうくらい登りやすいぞ。
流石3,000m峰、景色も抜群で荒涼とした山肌が周囲を包み込みます。凄い手軽にこういう景色を拝めるのは良いなぁ……。
九合目の石室山荘に近づくにつれて足元は大きな岩が積み重なるようになり、浮石に注意しながら登っていくような感じになっていきます。とはいっても穂高などのような難しい雰囲気が一切ないのが凄い。
午前8時25分、石室山荘。
九合目の石碑は登山道の曲がり角に唐突に現れますが……半分以上埋もれてしまった状況。これも噴火前はもっと顔が出ていたんだろうか?
石室山荘周辺には覚明行者の石像などが祭られた社が立てられていました、この社を越えたら山頂のご神域に入るっていう感じなのかしら。至る所に覚明霊神と言葉が刻まれています。
ここからご神域、ヘルメットを装着して山頂部へと向かいます!
剣ヶ峰に広がる極地の風景
石室山荘を出発するとすぐに剣ヶ峰が見えてきます。画面中央の小高い丘が御嶽山の山頂である剣ヶ峰。
山頂部を歩いていると6年が経過しても噴火の傷跡は全く癒えていないのだということがわかる景色が目につきます。王滝口方面の登山道が見下ろせるんだけど、向こう側は道が無いんだよね。
御嶽山山頂は3,000m越えてるんだけど、なにぶん登山口の標高が高かったということと道が歩きやすかったことから、高山特有の苦労といったものが全く感じられないまま山頂へと上がってきてしまいました。
午前9時15分、剣ヶ峰到着。
火山噴火の後処理を行う機材や、山小屋だったものの瓦礫が野ざらしになった景色の中を潜り抜けて山頂へとたどり着きました。剣ヶ峰の山頂は新しい社が立てられていて、山頂は奇麗に整地された広場となっていました。
一歩踏み出すと目の前には一ノ池を見下ろす鐘がぶら下がっています。
山頂から二ノ池方面を見下ろしてみると……そんなに距離は遠くないんだなと実感する。あと継子岳まで結構距離があるなぁ、これ継子岳まで全部山頂台地なんだから本当に広いよ。
山頂の上に山頂が乗っているような形をしているのが御嶽山。
御嶽山一の池、山頂部の火山湖ですが極地というに相応しい光景ですね……、火山特有の景色ではあるけどこの山は浅間山などと同じく生きていることを積極的に感じることが出来るため、長時間直視するのがなんというか怖い。まるで生き物のような有機的な曲線がやたら目に付く気が。
王滝頂上方面を見下ろすとヘリ用の資材がぽつんと置かれたその先に小屋が見える。登山道は消失しているようで、噴火時に降り積もった火山灰の層に雪や雨水が作った筋が描かれていました。
三角点と、登頂時のルールであるダッフィーの撮影をしてそそくさと下山に移ります。なんというかあんまり居心地がいい山頂ではない。というのもそれは山頂部の景色に理由がありました。
振り返ってみるといまだに山頂部の周辺はこのような瓦礫が並ぶような状態で、6年前の噴火の痕跡がつい最近のように残っていたのです。痛ましい事故があった山だなとは理解していても、実際登ってその跡をこうして眺めて、さらにそれを撮影してしまうというのはとても悪いことをしているんじゃないかというような気になりました……。
これが「他者の苦痛への眼差し」で描かれてた、災害を美しく撮影しようとしたり、スペクタクルとして写すことへの警鐘の感覚だったのかなと、自分で撮影して体感してしまった。
午前10時10分、剣ヶ峰出発。
気持ちを切り替えて御嶽山山頂を後にして、二ノ池ヒュッテを目指します。今回は御嶽山の継子岳に行く、四ノ池から御嶽山の全容を見るんだいと意識を集中させて前向きになろう。
二ノ池分岐に降りてきても仏像や彫像が沢山……、仏像の年代はわからないんだけど本当に凄い山だなと思う。山頂部分に人工物がここまで置かれている百名山は見たことない。
二ノ池は噴火によって池の水量や色が変わってしまったという。僕は今回が初めてなので以前のことはわからないが、歩いてみると池というよりも二の砂漠と言ったほうがいいような地面が広がっている。灰で出来た砂地なんでしょうかね、サラサラとした砂があたり一面に広がった先には火星のような赤い大地の壁が反り立つ光景が広がっていました。
二ノ池周辺は火山特有の極地感が強かった……。
二ノ池小屋の目の前はこんな景色が広がっている、火山が作った砂浜というか……そんな景色。
二ノ池小屋に途中立ち寄って登山バッチを購入。御嶽山は小屋が多いのでいろんな小屋でバッチを買うことが出来ますけど。一番スタンダードなタイプのバッチはこちらの小屋で購入がお勧め。聞いてみると二ノ池小屋は県が運営しているんだって。
二ノ池ヒュッテとは運営母体が違うんだね。
午前11時00分、二ノ池ヒュッテ着。
二ノ池小屋から少しだけ離れたところにあるのがこの二ノ池ヒュッテです。本日の宿泊客はそんなに多いわけではなかったらしく、小屋に入ると本日の宿泊1号ということで温かく迎えていただけました。
小屋の方には本当に良くしていただいて、とてもうれしかった。またここには立ち寄りたいです。宿泊部屋は奇麗だし、食事を食べるところも雰囲気良いんですよ。
雑魚寝を覚悟していたんだけど、通されたのはなんと個室でこれにはさすがにびっくり。登山をしていてこんなに部屋を広々と使えた経験が無かったもので思わず「え、本当に個室!?いいんですか!?」と聞き返すくらい。
部屋に宿泊用の荷物をデポしたら、昼食にタンタンメンを注文……これが山で食べるにしてはかなり本格的なタンタンメンで美味しかったのよ。
疲れた体が塩分を欲していたというのもあるけど、とにかくタンタンメン美味しかった。タンタンメンを喰らえ~~!!
五ノ池小屋と御嶽山から見る日没
二ノ池ヒュッテで昼食を食べおわった後は御岳山の山頂部を散歩です。翌日継子岳まで行く予定ではあるんですが、夕方の景色とかを見るなら今日しかないので、広大な山頂部を歩き回ってみたいと思います。
賽の河原へと降りてみると……大きめの石が積み上げられた上にお地蔵さんや仏像さんが奉納されています。
ケルンと仏像が一体化したような、山の信仰の権化みたいなものが辺り一面に積み上げられている。
賽の河原付近は道が幾つも走る草原地帯になっています。登山道の外にも石が積まれているが、ああいうのは行者さんが積むのかな……?特徴的な鞍部で、見上げると山頂部にさらに一つ山が覆いかぶさったような景色が広がっている。
山頂に樽前山が生えてると形容した知り合いがいたけど、まさにそんな感じの景色だ……。
摩利支天山の分岐点にやってくると眼下に三ノ池を見下ろせます。結構降りないと向こうには行けないんだ……。
午後12時55分、摩利支天分岐。
正午近くなり雲が沸き上がる御嶽山です、御嶽山山頂を見るにはちょうどいい摩利支天山へ向かい景色を確かめたいと思います。先に結論から言うと、御嶽山で撮影を楽しみたいなら継子岳がおすすめです。
ちなみに摩利支天山分岐から五の池山荘と継子岳を見下ろすとご覧のような景色が広がっています。御嶽山本体よりもこっちのほうが牧歌的で素敵だなと思ってしまった。次登りに来るなら継子岳側を見に行くかな。
午後1時30分、摩利支天山。
摩利支天山までの道のりはちょっと険しい、岩場を歩いていくのですがガリガリの岩壁に沿って歩きます。歩いている途中でガスが上がってきて何も見えなくなってくるし……、寒いし。
山頂についたけど肝心の展望がない、こうなると待機するしかない、寒い。
摩利支天山でしばらく待機しつつ景色を待ってみましたが、分岐からの景色とあんまり差異がありませんでした。この辺りから見る御嶽山剣ヶ峰方面はこんな眺めです。皆さんは継子岳とどちらが好きですかね?僕は継子岳方面の優しい感じが好きです。
午後2時15分、五ノ池小屋。
まだまだ時間があるので五ノ池小屋に降りてきてみました。摩利支天山分岐から降りるときは小石が積み重なるガレ場を降りるので足元に注意です。五ノ池小屋に降りてきてビビったのはレジャースポットのようなベンチ、ベッド、そしておしゃれな店内でした……。御嶽山で最も現代的なお洒落山荘はどこかといわれれば間違いない、五ノ池だ……。
楽しまざるを得ない、このお洒落山荘を……!!ケーキ、紅茶、コーヒー、アルコールと揃った雲上の喫茶店ともいうべき五ノ池山荘。気が付けばテラス席でガトーショコラを食べていた、ホイップクリームが五臓六腑に染み渡る。木曽の山奥に居るのに気持ちは代々木上原のようだ。
食後は思わず畳のテラスに横たわり、ガスに包まれながらも時折差し込む日差しで日光浴……。
ランドネ等で見るようなお洒落で汗臭さが全く感じられない登山の片鱗を今噛みしめている。俺にもランプの宿とかで夜はホットワインを口にしつつ窓の外を眺めるような登山の時代が……ッ!!
そんな妄想が繰り広げられますが、そんな時代は来ません。この翌々年に最軽量装備によるテント泊に舵を切ったこともあり、ランプの宿がさらに遠ざかりました。
ガスにより気温が急激に低下してきちゃいました。夕焼けを摩利支天分岐で楽しもうかなーと思っていたのですが、今外に出て待機するのは健康に悪そうなので小屋の中でコーヒーを頂きながら待機することに。
決して五ノ池山荘のコーヒーを頂きながら優雅な午後を過ごしていたわけではないっ!
午後4時40分、五ノ池小屋出発。
目論見通り雲が抜けてきたのが午後5時近く。日が差して気温も上がってきたので五ノ池山荘を後にして摩利支天山方面に戻ることにしました。西日が丁度いい感じに差し込んできていて、辺りの景色がとっても奇麗でした。
五ノ池山荘から摩利支天山に登り返すとこの登り、結構きついんだよな……。
五ノ池山荘からは剣ヶ峰ってちょこっとしか見えません。同じ山の山頂なのに向こうは荒々しい火山の趣が強いですね。
摩利支天分岐に到着したらあとは夕日を待ちます。賽の河原避難小屋方面がガスと日差しのコントラストでドラマティックな景色になっていく。山で宿泊する際の過ごし方、小屋でのんびりするのもやりたいんだけど……景色を楽しみたいなっていう気持ちから外に出ちゃうんですよね。
できれば夕方は外じゃなくて室内で過ごしてぇ……。
五ノ池小屋方面も流れるガスで中々いい景色が続いていましたよ。
本格的に日が傾いてきたけどガスの影響であたり一面黄金色になってしまった。
ドラマティーーーック!!!
ガスが抜けていく五ノ池小屋方面、目の前で「夏山的な雰囲気が流れていく」というイベントが開催されている。山って雲一つない快晴よりも雲があるほうが「それっぽい」景色が見れるんだよなぁ……。
こちらは剣ヶ峰方面、こうしてみると「山の上に山がもう一つ乗っている」という表現はまさにその通りっていう感じがしますね。賽の河原の草原地帯からグワッと盛り上がっていく山頂の光景は素晴らしいねぇ。
いやぁー、ここはちょっと極地っぽい景色で好きだなぁ
その後も摩利支天分岐付近に滞在し続けますが……、風が強い、寒い。まだ夏場っていうかお盆真っ最中だっていうのに3,000m峰の稜線はなんていう気温だ。目の前の五ノ池小屋方面は夕刻の最後の西日に照らされ真っ赤に、一日の終わりの景色は劇的である。
ありがたい黄金色の光が御嶽山周辺を照らします、心を洗われるようだ……。
そして燃えるような赤い日差しに染まる五ノ池小屋方面、ありがたやありがたやと呟きながらカメラを向けていました。
光が金色に見えるっていうのはこのことか、という光が差し込む摩利支天周辺ですがガスと日差しのハーモニーを思う存分味わえました、寒いからもう帰りたい。
ガスの向こうに時折見えるピークを眺めながら「あ~いいっすねぇ~」と言葉が漏れてくる、映画の中の住人になった気分だわ。
午後7時40分、二ノ池ヒュッテにて就寝。
夕方を眺め終わったら賽の河原を通過して二ノ池ヒュッテへと帰ります……、やっぱりこれがめんどくさい。星空奇麗な御嶽山を歩いていましたが、どこにいたのか同じような人がヘッデンつけて数名歩いてた。
小屋について布団を敷いてみたらめっちゃ気持ちのいい布団で驚いた……できれば朝まで寝ていたかった。
夜明けの御嶽山と継子岳
眠いぃいいいいいい!!!!
2020年8月16日午前4時35分、摩利支天分岐。
おはようございます、午前3時に起きて小屋の中でゴソゴソと出発準備を整えて再びやってきました摩利支天分岐。継子岳で朝を迎えたかったのですが、二ノ池ヒュッテからは2時間を見ておかないと厳しい場所なので昨日と同じポジションにやってきました。
剣ヶ峰も継子岳方面見れるこの位置は便利。今日は天気も良く北には乗鞍岳も見えていますが……、乗鞍山頂はガスがかかっているようだ。
山麓の山々には鉄塔が立てられてるんですけど、山頂から見下ろすとエモい……。朝霞で乳白色になっている景色の雰囲気がいい。
雲が多いのでご来光の瞬間は抑えられなかったけど、日が登ってしまうと高原感が溢れでる景色が目の前に広がります。日が寝ている時間帯は結構影の部分が大きいんだなぁ……、やっぱり継子岳から見たいかも。
午前6時15分、五ノ池小屋。
ご来光を迎えたらすぐに五ノ池小屋方面へと下りました。小屋からはポッポッポッと煙が出ていて可愛い。
継子岳まではここから30分ということですが、この先の道のりが滅茶苦茶雰囲気良くて全然30分じゃ到着しなかった……。
五ノ池小屋から継子岳に進むと摩利支天山の景色が良く見えます、こうなってたのね。山頂から一直線に傷跡のような線が走っているのが特徴的。
継子岳方面を見ると突如として数百の岩が垂直に立ち上がった光景が現れます、賽の河原以上に異常な景色で若干怖い。一つ一つが仏像の役割なんだろうなと……。山上の異世界と形容するにふさわしい景色でした。
こちらは山上の高原っていう感じ。この状態で後ろを振り向いたら一気に信仰の山感がMAXなんですけども。
この景色良いよなぁ、四ノ池まで行くと摩利支天山と剣ヶ峰が同時に見えるんですけど最高なんすよ。ここは朝歩きたい!
乗鞍岳もガスがなくなり奇麗に晴れ渡っている様子。
午前6時40分、継子岳。
乗鞍岳の眺望がいい御嶽山の最北端継子岳に到着しました。標高2,850mということで剣ヶ峰から150mくらい低い。眺望の良さはどちらが好きかといわれると僕は継子岳ですね。この後、四ノ池に行きますがそこからの景色が最高なのです。
乗鞍岳と御嶽山の間も山深い。乗鞍岳ってデカいわ……、あと岐阜側に向けてなだらかに稜線が続く形をしていたんですね。
継子岳山頂部は他の火山系の高峰と同じで高山植物と砂礫の世界、そしてなだらかな稜線歩き……素晴らしい!この穏やかさがあるから継子岳方面がいいのよ。
四ノ池から見る絶景で終幕へ
継子岳から四ノ池降下地点側にやってきましたが、風景写真ポイントがこの辺にあるなぁ~っていう感じ。
四ノ池は君の名に出てくるクレーターっぽい
御嶽山剣ヶ峰と摩利支天山を眺めるRedsugarの図です。この四ノ池から見る御嶽山は「御嶽山要素全部盛り」といった景色です。斜面の状況的に朝日の時間帯もいい感じの景色が見えそうですよ。
御嶽山の一ノ池よりもこの四ノ池のほうが後ろにある景色の関係上魅力的に思えちゃうなぁ。
ここからは高原ハイキングの容量で気持ちよく歩けます。四ノ池の最低部まで降りるんだけど……あそこ河流れてるんだぜ。
すれ違っていくカップルが「あぁ~最高~!」って僕の気持ちを代弁してくれていた。
五ノ池小屋→継子岳→四ノ池が御嶽山の最高ハッピーロードでした、早朝歩いてください気持ちいいので。
午前8時10分、四ノ池。
四ノ池鞍部まで降りてきました、ちょっとした湿原が広がってましたよここ。降りてきてびっくり、結構な水量の川が流れていて驚きました。御嶽山源流水ということで触れてみたけど……あんまり冷たくはない。
まぁ山頂部を流れる水だからこれはしょうがない……、飲むにしても煮沸か浄水器が必要だろうなぁ。
鞍部から見る四ノ池は巨大なクレーターそのもの、中からこの景色を見れる山はレアじゃないかな。
四ノ池から五ノ池小屋に向かって坂道を登っていくと三ノ池が出現します。こちらは日光白根山の五色沼等のような入浴剤をぶちまけたような色をしています。
午前9時00分、三ノ池。
二ノ池ヒュッテに戻るので三ノ池に降りてきたのですが……なんだこの不気味なほど真っ青な池は。というくらい色鮮やかな景色が目の前に広がっているではありませんか。写真の色味抜きにして肉眼で見てもここは青かった。
三ノ池には竜神が祭られています、女性の像と離れてとぐろを巻いた竜神様の立像があったり。三ノ池の湖畔もいろんな像で賑やかでしたよ。
湖面に近づいてみると……透明度は素晴らしい、だが対岸は真っ青な水平線が刻まれている。
青い、青すぎるぞッ!!!
午前10時40分、二ノ池ヒュッテ。
朝の4時から歩き回って約7時間……、二ノ池ヒュッテに帰ってくるころにはすでに1日分歩きまわった満足感がありました。
小屋に置かせてもらっていた宿泊用の装備をザックに詰め込みながら小屋番さんと談笑し、帰りの食事のおすすめスポットなどを聞いたりするんだけども……。
下山するタイミングだと蕎麦が売り切れててお勧めスポットはどれもダメでした、悲しい。
最後に再度山頂を眺めてから帰ります、二ノ池ヒュッテから山頂まで近いので。
午前11時35分、剣ヶ峰。
改めて剣ヶ峰から一ノ池を眺めてみると、外輪山にうっすらとレースが付いていることに気が付く。地図を確認したら噴火前はこの外輪周回できたというし……。
山頂はやっぱりまだ痛ましかった。
御嶽山に手を合わせ、下山へ。
午後1時00分、女人堂。
御嶽山からの下山はびっくりするくらい早かった。途中で二ノ池ヒュッテの小屋番さんがダッシュで駆け下りていったのですが、女人堂の手前くらいで力餅を食べた小屋番さんが登ってきたり。山小屋の仕事してると昇り降りの速度早くなるんだなぁって思いましたわ。
力餅を食べるためだけに数百メートル降って、数百メートル登るってすごくない?
午後2時30分、中の湯登山口。
登山口に到着したのはすでに午後3時も近しい時間帯、蕎麦屋はもうどこもやってないだろうなぁ……と。仕方がないのでご飯は置いておいて、風呂だけは良い所を堪能したいと思います。
その風呂も急がなくては店じまいしてしまう、時の流れは速い!!
下山後の風呂は釜沼温泉「大喜泉」へ。ここの温泉はマジでいいお風呂です、検索していただければ浴槽出てくると思うんですけども、泉質が良く身体の芯まで温まって疲れが癒されました……。飲泉も味が濃くて数杯飲んでしまった。
薬膳料理でも有名な日本秘湯を守る会に登録された温泉。御嶽山に車で向かう場合は通り道にあるのでここはとってもお勧め。
大喜泉を後にしたら道の駅日義木曽駒高原へ立ち寄りソフトクリームを補給。帰り道に何を食べようか……と考えるんですけども、御嶽木曽駒周辺って蕎麦以外はアレしかないんだよなぁ……。
というわけで立ち寄ったのはソースカツ丼の名店「青い塔」さんです。こちらのソースカツ丼ですが肉厚なロースに薄くてサクサクした衣が非常にマッチしたあっさり系のソースカツ丼。柔らかい赤身を口いっぱいに頬張るような幸せな時間を提供してくれます。
登山で失われた栄養をこのソースカツ丼で補っている感じがする、おなか一杯に食べれて大満足。ただソースカツ丼以外も開拓したいなぁ……。
コメント