2025年8月2日、北アルプスは穂高連峰と槍ヶ岳の眺望で有名な蝶ヶ岳を歩いてきました。目の前に標高3,000mの山々が連なる景色が特徴的なこの山の標高は2,677mとなります。
北アルプスの中では比較的起伏がなだらかで、北アルプス入門として名前が挙げられることもある蝶ヶ岳。今回の山行では「北アルプスで一番静か」と紹介される大滝山からの縦走コースを歩きました。そもそも訪れる人が少ない大滝山の静かなテント場を出発し、池塘やお花畑広がる湿原地帯を抜け、蝶ヶ岳にたどり着くと、山のフェス会場かと例えたくなるような色とりどりのテントが。
そして、目の前には穂高岳から槍ヶ岳へと一直線につながる山並みの眺望。確かに……確かに素晴らしい山でした。
しかし、今回の大滝山~蝶ヶ岳縦走では槍穂高の景色以上に、大滝山から蝶ヶ岳へと向かうその道中が楽しいのです。
稜線上で出会う小さな湿原地帯や、早朝の陽光が朝露を輝かせる景色。果てしない樹林帯が続いた中村新道から蝶ヶ岳へ、美しい森と稜線の絶景を楽しむ二日目の始まりです。
redsugar大滝山から蝶ヶ岳までの間、短い距離ではあるけれど、本当に素敵な山歩きを楽しむことができました。
大滝山・蝶ヶ岳周回縦走登山の概要
初日となる大滝山山行の記事はこちら


大滝山山頂で迎える『夜明け』


2025年8月2日午前3時10分、起床。
おはようございます、Redsugarでございます。
大滝山の山頂のテント場です……、風もなく穏やかな朝が始まりました。いつも使っているモンベルのフォームパッド16/150の寝心地がよく、ぐっすりと眠ることができました。標高2,000m超の夜は寒いくらいの気温になることもあり、夏なのに春や秋のような寝心地を味わうことができて好きです。



ちなみに枕は手ぬぐいです。寝袋って顔周りがやっぱり皮脂で汚れたりすると思うから、基本胸までおろして使うんですけど、それならモンベルから出ているハーフレングスの寝袋を使うのがいいのではないかと思い始めています。


テントから這い出すと濃紺の空の果てにオレンジ色。夜明けを楽しみながら朝食のインスタント食品を温め、風の音を聞きながらテントの中でのんびりとした時間を過ごします。



この時間、好きです。飯を食べ終わった後に訪れる「さて、準備……するんだっけか」と思いながらテント内を一瞥し、ちょっとだけぼーっとする瞬間に、普段とは全く違う場所にいるんだという気持ちが沸き上がります。


テントを片付けながら周囲を見渡すと、松本市街地方面はまだ煌々と明かりがついていることがわかります。明るくなってきているとはいえ、街は未だ夜。


初日はその姿を拝むことがほとんど叶わなかった常念岳が、朝からくっきりと見えます。
目の前を横に流れていく滝雲のむこうに連なる三角形。その一番手前が常念岳になります。常念岳のむこう側で、巨大な積乱雲が天頂を横に横にと広げていく。




大滝山は松本盆地に面している山ということで、先ほど見下ろす形となった松本方面は雲海が広がっていました。対して西側は北アルプスの高山地帯が広がっているということになりますが、そちらは湧き上がる雲はなく快晴といっていい空模様。西穂高から北穂高まで、大キレットから槍ヶ岳までと岩の殿堂たる山々の姿を明瞭に楽しむことができました。


午前4時15分、ご来光撮影タイム。
テントを片付けながらご来光がやってくるのを待ちます。この時期の日の出は4時半くらいなのですが、4時くらいから地平線のむこう側にある太陽はいろいろと面白い景色を見せてくれるので、やはり3時半くらいに起きていると良いのかなと。この日は上空の雲に、太陽が作り出す光の帯を長い間楽しむことができました。


今日の目的地は蝶ヶ岳ですが、大滝山から見ると……どこが山頂なのかわかりにくいかもしれない。写真では、槍ヶ岳のとんがりの近くに、青々とした山の一番高い部分(ピーク)が来るのですが、その辺が蝶ヶ岳山頂ということになります。


こちらは富士山方面。雲海のむこう側に三角形の山がポコンと突き出ていますが、あれが富士山ということになります。




北アルプスはすっかりと晴れ渡り、常念岳の遥か北にあると思われる積乱雲はデイダラボッチのように膨れ上がり、両手を広げて今にも飛翔していきそうな巨躯を青空に晒しています。ぐるりと見渡し、富士山以外に見える山を探せば、八ヶ岳の山々も雲から頭を出していました。



今日は、午前中に限っては山は快晴になりそうですね。






そして待望のご来光。大滝山山頂に集まった人々が、雲の彼方から昇る輝く太陽を背に、北アルプスの山々を眺めていました。山頂だけに光が届いている焼岳はかわいい。ほぼ横からの光を浴びた穂高の山々は、名だたる名峰が並ぶと言うに相応しい眺め。



なんか、ここから見る穂高って数人グループの歌手とか、アイドルみたいな……比喩的に思い描ける見た目をしている。5人組っぽい形してますよね。
お花畑が広がる極楽の稜線歩き


太陽が昇り、盆地を中心に広がりを見せていた雲は徐々に散らばっていきます。大滝山から裾野へと伸びてゆく尾根を越えるように現れた雲、まるで橋のようです。


午前5時15分、出発。
ご来光を楽しみ、出発準備も整ったということで蝶ヶ岳に向かいます。起きたのは3時だけど、出発が5時とずいぶん長く山頂にとどまりました。蝶ヶ岳から上高地までの道のりを考えると、これくらいの出発で大丈夫です。
大滝山山頂からは常念山脈を広く見渡すことができます。


目指す蝶ヶ岳のむこうにははっきりとした槍ヶ岳の姿が確認できます。今朝、向こうにいた人たちもいい景色を見れたのでしょう。






大滝山から蝶ヶ岳までは登り返す行程になります。ハイマツに覆われた稜線地帯を下ってゆくと、バイケイソウやシダに覆われたゾーンへ、まばらに生えているダケカンバの木々が登山者を迎えてくれます。


登山道の位置的に、日差しがまだ差し込んできません。上空の明るい空がもたらすふんわりとした光に照らされた、薄暗い登山道を進んでいきます。聞こえるのは鳥のさえずりと、砂利を踏む己の足音のみ。




森を抜けると突如として現れるのがこちらの橋で、地面から染み出した水が作る大きな池塘を渡っていきます。橋を越えてからは天国のようなお花畑が始まり、大滝山から蝶ヶ岳に向かう稜線で最も美しい場所が現れます。


日差しが差し込み、朝露をまとった花や草が一斉に輝きだす小路。周囲の池は波一つなく、あたりの景色を映し出す鏡が地面に落ちているようでした。






お花畑は短いものですが、そこに咲いている花は多種多様。事前に調べてはいたのですが、やはり実際に訪れてみると感動する景色がここには広がっていました。チングルマの穂はいつ見ても美しいなぁ。



中村新道を歩くことが目的だったけど、そのご褒美としてこんないい場所を歩けるとは……。本当に楽しい場所でした、朝露滴る早朝というシチュエーションも、すばらしさに貢献してくれたと思います。


短い区間ですが、本当に素敵なお花畑でした。北アルプスの稜線部には時折ああいった楽園のような景色を拝めることがあります。樹林帯のイメージが強い大滝山ですが、ちゃんと「いい場所」があるんだなと。
さて、蝶ヶ岳ヒュッテまであと1㎞からは亜高山帯の樹林を登っていくこととなります。前日と同じく、深い樹林帯を汗を流しながら一歩一歩登っていくことに。
穂高連峰を眺める最高の展望台、蝶ヶ岳


午前6時35分、蝶ヶ岳。
樹林帯を登りきると蝶ヶ岳の山頂に到着します。登山道はテント場の裏につながっており、6時30分という時間にもかかわらず、そこにはいくつかのテントが並んでいました。縦走の場合、この時間にテントはあまり見かけないのですが、皆さんテントを張ったまま蝶槍などに行ったのでしょう。



このテント場は、景色がいいからなぁ……。写真中央の人が立っているところまで行くと、穂高と槍ヶ岳の壮大な景色を楽しむことができるので。




蝶ヶ岳山頂に登ってみると、目の前に穂高の山々から槍ヶ岳までを、ふもとから山頂までをまるっと見渡すことができます。この眺めは確かに素晴らしい、人気が出るのも納得できます。




蝶ヶ岳山頂は穏やかな起伏の上にある広場になっています。真下には蝶ヶ岳ヒュッテやテント場。


蝶ヶ岳山頂の目の前には真っ黒な大滝山があるのですが、蝶ヶ岳に来る登山客の多くは「大滝山」なんて知らないかも。傾いた日差しの影響で、どら焼きのようなシルエットを描く濃緑の山の真ん中くらいが、数時間前まで自分がいた場所になります。



自分は大滝山から来たから感慨深いものがあるのですが、蝶ヶ岳に来た人にとっては名無しのピーク的な、何かを感じ入ることがない景色なんだろうなぁ……。






蝶ヶ岳から蝶槍にかけて、なだらかに続く登山道。表銀座コースの中でも特に気持ちがよさそうな場所が続きます。


赤い屋根の蝶ヶ岳ヒュッテ。景色に関しては抜群に良いところに建てられています。
こういう場所で働いている人たちが見ている日常的な景色の感覚は、僕らとは違うのかもなぁ……。




小屋でコーラを購入して、行動食タイム。朝7時くらいの山頂というのは意外に人がいません。結構いろいろな山で、朝のこの時間帯は人がいなくて静かだなっていう経験をしたことがあります。



縦走の人は早く出るし。麓を出発した人はまだ山頂についてないし。この時間に山頂にいる人って限られるのよね。


北アルプス深部の稜線は雲に隠れていてわからない状況。蝶ヶ岳にも雲が流れてきます。蝶槍から戻ってくる人々を眺めながら、下山の準備を進めていると、目の前をトコトコと横切る動物が……。



なんかカエルみたいな声が聞こえる……




周囲を見渡すとライチョウの親子が辺りを行ったり来たりしていました。お母さんの後をついてトコトコと移動する雛鳥がかわいい……。しゃがみこんでジッとしながら、右往左往するライチョウの親子を15分くらい眺めていました。



ライチョウは富山・長野・岐阜の県鳥に指定されています。高山地帯を代表する鳥で、登山者のアイドルともいえる存在です。日本では古くから知られているものの、山岳信仰等の影響で乱獲されることはなかったようです。明治期に西洋文化の流入に伴い一時的に狩猟対象となったタイミングはあったのですが、その後に保護鳥に指定され現在に至ります。
蝶ヶ岳より徳沢へ、妖精ノ池は神秘の鏡


蝶槍まで行きたいところですが、それはまた常念岳~蝶ヶ岳周回縦走の際に……ということで、本日は下山します。少し雲がかかった穂高を眺めながら、まずは蝶ヶ岳から少し下った場所にある妖精ノ池を目指す。


蝶ヶ岳を出発すると、昔は水たまりがあったであろう窪地が早速訪れます。今となっては背の低いぺんぺん草と石ばかりですが……シカに食べつくされたりしたのだろうか?


午前7時55分、妖精ノ池。
下山に選択した長塀尾根の上部には妖精の池という大き目の池塘があります。地図上はお花畑と描かれているのですが、花は……見当たりません。この辺、大滝山から歩いてくる道中のお花畑を見た直後なので、どうしても比較してしまう。



比較すると、大滝山から来る途中に見たお花畑のほうが圧倒的かな……。


妖精の池はサイズが大きく、水面に反射した景色を楽しむにはよさそうです。風が少し出てきてしまったので、そこまできれいな像にはならなかったけど、早朝であれば神秘的な眺めを楽しめるのかもしれない。


登山道に復帰して池を別の角度から見てみると……、植物から染み出した油とか松脂みたいな成分でしょうか?
それらが、水面に複雑な模様を描いています。



この水はちょっと……濾過しても飲みたくないな。


蝶ヶ岳から徳沢へはひたすら坂道が続きます。これ……登りで歩くのはかなり体力が必要では?
自分は中村新道という斜度は緩やかだが長いという道を選択しましたが、長塀尾根の選択も相応に体力が必要だろうと思える道でした。






樹林帯そのものは中村新道に似ているところもありますが、森の密度感がちょっと浅いと感じる。登山道もよく歩かれていて広いので、中村新道で感じた息苦しさみたいなものがありません。



全体的に歩いていてさわやか、歩きやすい道でした。さすが人気の山。


樹林帯の隙間から時折明神岳の山頂方面が見えます。眺望という面に関しても槍見台や明神見晴らしといった場所があった中村新道に分があるなと思う。長塀尾根は樹林帯を最短で上り詰めるような、そういう道に思えました。


どんな道であっても美しい木や、恐ろしい木というのはあるものですが、長塀尾根にも苔むした巨木がこうやって存在しています。数としては中村新道のほうが圧倒的に多いのですが、こちらの道もそういったものが皆無なわけではない。


森の中には時折平坦な広場が現れ、そういったところは水がたまるのか泥があることも。下山中であったこれは……どうやら泥浴びをした野生動物がいるようです。



イノシシみたいな痕跡だけど、こんなところにイノシシが……いるのか?
観光客であふれる上高地で温泉を目指して






午前10時30分、徳沢道草食堂。
木々の奥に屋根らしきものが見えてきました、幻覚じゃないよな??
疲れていると、木々の奥にある色、図形のかけているところを脳が勝手に補完して、幻覚的に小屋を認識してしまうことがあるので最後まで気が抜けません。今回はちゃんと小屋でした。
徳沢に到着すると仮設のテントでなんかいろいろ商品を配っている様子。様々な商品の告知キャンペーンを登山者向けにということで、イベントが行われていました。



アミノバイタルとボディシートをいただきました、こんなありがたいイベントをやっているとは……。




徳沢は観光客の数はぐっと減っているのですが、登山客で大賑わいといった感じ。ザックを置いて沢で手を洗ったら、ソフトクリームをいただきます。真夏の登山後はソフトクリームやアイスがおいしいタイミングです。
凍る寸前まで冷やしたコーラとかも、喉を走る刺激が爽快。



ソフトクリームを食べているときが一番夏を感じる。




徳沢からは上高地バスターミナルに向けて再び林道を歩きます。初日の早朝歩いた道を戻っていく。
徳本峠の分岐点を眺めると、中村新道を歩いたのだという実感がわいてきます。中村新道を歩くっていうのは結構レアな経験じゃないでしょうか。




明神館の手前くらいでサルの大群に遭遇。登山客や観光客の往来が激しい中で、サルがそこらじゅうを行ったり来たり……、木に登れない子ザルがちょっとかわいい。



しかし、ここまでサルの距離が近いと、人間が餌付けしてしまうのではないかと心配になるなぁ……。






午前11時15分、明神館。
順調に林道を歩き続けて明神へ。ここで遊歩道ルートに入ると時間を大幅にロスしてしまいます。上高地バスターミナルへ最短で向かうために、砂利道をひたすら歩き続けましょう。



上高地のキャンプ地はどれも楽しそうだけど、風呂も近い小梨平に一度泊まってみたいなぁ。


槍ヶ岳から流れてきた梓川が立派な清流となり、森の中を流れてゆく。明神から河童橋までは観光客の姿も多く、沢沿いで涼む方々の姿をちらほらと見ることができました。






午前11時50分、河童橋。
観光客でにぎわう上高地に到着しました。上高地に来ると登山客の割合がすごく少なくなり、アウェイ感がすごい強くなるんですよね……、不思議です。到着したら終わりではなく、日帰り入浴ができる上高地温泉ホテルを目指してまだまだ歩かなくてはなりません。河童橋を渡り、ウェストン碑を越えて温泉を目指します。



ウォルター・ウェストンは日本近代登山の父として紹介されることが多い人物です。明治期に上高地に訪れ、現地の案内人・上條嘉門次と共に北アルプスの山々に挑みました。著書「日本アルプスの登山と探検」を通じて近代的な山登りを伝えた功労者として日本山岳会はその栄誉をたたえるためにこの地にレリーフを掲げました。
歴史を紐解くと、日本の山を登った西洋人としてはウェストンは第2期に属していて、それ以前にはラザフォード、サトウ、ガウランドといった西洋人が日本の山々を歩き、英文献を残しています。ちなみに日本アルプスを命名したのはウェストンじゃなくて、ガウランドで、槍ヶ岳に最初に上った西洋人も、ガウランドです。



ウェストンが槍ヶ岳に登頂したのは明治25年(1892年)。ガウランドは明治11年(1878年)に登頂したといわれています。こういう西洋人の登頂の記録を紐解いていくのも面白いですね。


ウェストン碑付近からは梓川がとんでもない水量になって上高地を流れていく状態に……ドボンしたら死んじゃうだろっていうくらい深い。川のぎりぎりまで降りていけるんだなと観光客を眺めながら、温泉を目指します。



ウェストン碑で歴史に思いを巡らせたのは30秒くらい……。温泉に入りたくて仕方がない。




午後12時10分、上高地温泉ホテル。
上高地方面に下山した場合に訪れるのはこちらの上高地温泉ホテル。登山者にとっては癒しの場所になります。
汗を流してさっぱりした後はよく冷えたスーパードライです……、登山後の酒は別格ですね。
ソフトクリームと同じく登山における体験の一つとして温泉後のビールがあるんじゃないかなぁ。



ビールが飲めない人は炭酸でとかでやってみると、喉にガツーンとくる感覚を味わえるかと。




温泉ホテルを出発したはいいのですが、最後の一歩きが結構大変。バスターミナルは梓川の対岸にあり、徒歩20分くらいは見ておく必要があります。そのため、バス時刻ぎりぎりに温泉を出てもいけません。



なんていうか、公共交通機関で来る登山は毎回、この乗り物の定刻との戦いをしている気がする。だからこそ、そういうものから解放された、「テント場に到着したら今日はもうおしまい」という、締切の恐怖がとても緩い時間が幸せだったんだろうなぁ~~。さて、急ぎましょう。
上高地から松本へ、ソフトクリームとジンギスカン






午後1時15分、上高地バスターミナル。
お風呂を上がったら上高地バスターミナルへととにかく急ぎます。そんなに急がなくても帰れるのでは??と思って読んでいるそこのあなた、夏の上高地を脱出するっていうのは大変な事なんです。観光客が非常に多い関係上、15時台などはバスに乗れない……なんてことも。
歩きながらバスの座席確保の予約を入れ、上高地から新島々へ向かうことができました。



新島々に到着したら電車に乗り換えになります。ここでお勧めしたいのが、新島々駅のすぐ隣にあるソフトクリーム「森の隠れ家」さんです。下山後にうれしいソフトクリーム……旨味が舌先から全身に行き渡ります。






午後3時20分、松本駅。
ソフトクリームを食べた後は松本行電車に乗車。松本駅に到着すると……今日は松本ぼんぼんでした。以前もこの時期に訪れており、北アルプス南部の帰りに松本ぼんぼんを楽しんで帰るっていうこともいつかやってみたい。



松本に宿をとってさ、下山してきたら荷物置いてお祭りに行くのよ。一人でいいから飲んで食べて、孤独のグルメを楽しんで、風呂に入って寝るの。やってみたいなぁ……蕩尽し尽くしたい。




下山後は焼き肉がいい、猛烈に焼き肉が食べたい……と思い営業している焼き肉屋を探した結果、駅からほど近い場所にあるジンギスカン「小波」さんへ。タレに漬かったジンギスカン、道東で食べるあのジンギスカンによく似た美味しい肉と、茶碗大盛のご飯を食べて登山で失ったカロリー分、暴れるようにご飯を楽しみました。






食後は特急電車で東京へ。車内ではポテトチップスを開封、酒を飲みながら松本の街を眺め、登山の締めはこういう感じだよなと。奔放する一日の終わり、むせ返るような湿気を帯びた空気の武蔵野線ホーム。美しい登山の終わりを一歩一歩味わいながら、家へと向かうのでした。



夕刻、人々の波にもまれて一人登山装備で帰るのもまた、記憶になるというものよ……。










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