2024年10月26日、山形県は蔵王にある瀧山(りゅうざん)に登ってきました。
百名山である蔵王の目の前、「なんでもない山」に見える瀧山に登るために県外から訪れる、という人は珍しいかと思います。山形百名山に選出されているその山中には何があるのかというと、金銀財宝が眠るような紅葉です。
そう、瀧山は樹林帯が美しく紅葉時期には蔵王よりも瀧山ではないかというくらい美しい景色が見れる山なのです。
標高は1,362mとそこまで高くないものの、山中の道はどれも厳しく、濃厚な自然が登山者に襲い掛かかります。
そんな瀧山の歴史は古く、平安時代初期(西暦800年代)を生きた慈覚大師円仁が開山の祖と言われています。
開山前から地元の人たちにとっては大事な山で、山中から湧き出る良水……火山地帯である蔵王にて数少ない「農業に適した水を生む山」として信仰の対象となってきました。
水分・修験の山として信仰の対象として人々に拝まれ、登山口となる三百坊には名前の通り三百の坊が建っていたとされます。しかし、現在では目の前の日本百名山「蔵王」の前に登山の対象としてもその影は薄くなってしまっているようです。
地図を開いてみれば、ブナの原生林の表示が多いことが目につきます。つまり、紅葉時期に歩けば確実に良い景色を見れるはず……というわけで行ってみましょう、瀧山登山です!
redsugar東北で紅葉を見るならお勧めの山、瀧山。マイナーだけど百名山よりも素晴らしい紅葉じゃないか!?という景色を見れますぜ。
瀧山日帰り登山の概要
山全体が染まる紅葉を求めて瀧山へ


2024年10月26日午前6時45分、南陽PA。
おはようございます、Redsugarでございます。
山形県は瀧山を目指して東北中央自動車道を走っています。山形へと向かう高速道路名物、南陽PAの清掃員さんの描く黒板がかわいいというネタがあります。新米の時期ということで猫がお米を食べていました。



南陽下りPAのかわいいおもてなしは新聞の記事になるほどです。使う機会がある人は是非覗いてみてください。




午前7時40分、登山口。
山形上山ICで高速道路を降りた後は国道13号線を北上し、東北芸術工科大学がある西蔵王方面を目指します。県道53号を利用し登山口となる三百坊へ。瀧山の修行者の坊が三百もあったということから三百坊らしい。



ここは西蔵王放牧場の入り口でもあり、広々とした駐車場が用意されています。


雲海が見える……!
駐車場から瀧山前滝コースを目指して舗装路を登っていくと、すぐに景色が開けます。西蔵王高原っていうほど高原じゃないだろと住んでいたころには思っていたんですが、こう見ると確かに……雲の上だから高原か?


瀧山は案内の看板多めです。地元の山岳会の方々がルート整備をしてくれているそうです。
また、特定非営利活動法人YLTクラブの方々が目印を配置してくれている場所もあります。



YLTクラブはロングトレイルの取り組みをしている方々で、蔵王エリアと白鷹エリアにコース案内を作ってくれています。白鷹のコースを今度歩いてみたいな。






瀧山の良さは人が少ないからこその静けさ。森もひっそりと静まり返り、鳥の声と落ち葉を踏む音だけが耳に響きます。


まずは前滝コースと長峰コースの分岐が現れます。右側の道である前滝コースは下山で使用するのは危険な「岩の急騰」です。登りで歩くのが安全なので、この分岐は右を選択しましょう。


午前8時25分、霊山神社。
前滝コースを少し進むと霊山神社への分岐路が現れます。山ブドウや落ち葉が柔らかな道を進むと、杉の巨木に囲まれた護摩堂が姿を現しました。霊山神社(慈覚大師)と書かれた護摩堂を参拝して、登山の無事を祈ります。
実際この後前滝コースで肝を冷やしながら登ることになるので、神仏に祈っておきましょう。



慈覚大師円仁は西暦800年代の僧侶で瀧山の開山の祖でもあります。山寺の立石寺や霊山など、東北には円仁を開祖とする寺社が300以上もあるとされています。瀧山は仁寿元年(851年)に円仁によって開山されたということです。神仏習合時代の話なので、神社だけど開祖は坊さんということがあったり。ていうかこの護摩堂も神社だけど円仁なんだよな。




足元に目を向けると新鮮な山葡萄、黄色く色づいた楓の葉が目を引きます。試しに山葡萄を摘まみ上げ鼻の近くへ持ってくると、酸っぱさと甘さが混じった香りが喉へと抜けていきました。



熊がいるエリアだと思うけど、食べられたような形跡はない。




午前8時35分、瀧山川源流。
霊山神社から少し上った先、足元から人の気配がどんどん消えてきたと思った先に瀧山川源流の碑が現れます。蔵王から流れる農耕に適さない須川に対し、農耕に適した水を供給する瀧山は水分の山として信仰されていました。開山の伝承でも瀧山の豊富な水(水神=龍)について触れられており、水と滝は瀧山にとっては大切なお話なようです。



僕にとってはここから始まる前滝コースの熾烈さが大切な話なんだけどね……。本当にとんでもない道が始まるんですよここから。
縄坂46とは、急登の前滝コース


瀧山は森が美しい山です。登山口からそう思っていたけど、前瀧コースの奥へ奥へと進むとより美しくなってきた。


前滝コースは上級コースとされています、その理由は岩場が多いから。修験でも扱われていた道とのことですが、登ってみた感想としては「マジでだいぶ厳しい」という感じです。



西蔵王放牧場方面からは通行不能の大滝コース、上級者向けの前滝コース、一般的な姥神コースの3本のコースがあります。前滝は確かに厳しかった、これは下りは本当に危ないと思う。


少し進むと縄坂46と書かれた警告が現れました。よく目を凝らしてみてみると「4+6位」だから、10回くらい縄場が来るのかな。この警告を作った人は結構おふざけが多く、後半は苦笑いするようなものも……。


前滝コースを進んでいくと写真のような場所を登っていくことになります、道はどれだ。



腐った流木が溜まった沢筋には落ち葉が堆積して道はほぼ見えない。ピンクテープを確認して、踏圧を確かめながら進んでいきます。


山形県の里に近い森の中ということで……たくさん茸が出ています。これは古くなったボリボリ(ナラタケ)じゃないかな?キノコ食べないから見るだけ楽しみます。






谷から尾根に上がると本格的な縄場が次々と現れます。アルパインな道ではないのでロープなしで登っていくことは可能ですが、足元は決して良いと言えません。



アスレチックが得意じゃない自分にはちょっときつかった。


木々の隙間から葉山が見えますね。その手前には紅葉した瀧山の山肌が広がっていますが、自分がいる場所よりも色づきがいい。


縄場を越えながら標高を上げていくと瀧山の山肌と山形市方面を見下ろすテラスのような場所に出ました。写真中央のぼこんぼこんと頭を突き出した山は手前が鷹取山、奥が千歳山です。どうやら山形市内は未だ雲海の下のようですね。



今日は曇りかなって思ってる町の人もいるんじゃない?


山頂に近づくにつれて紅葉の勢いが増していきます。この直前に登った会津朝日岳と比較するとですね……瀧山のほうが圧倒的に紅葉が美しいです。



瀧山は森が美しい山だから、新緑でも紅葉でも楽しめそうですね。


さらに上がると上山方面を見下ろす場所が現れます。見た瞬間「すごい!」と声を上げてしまうような雲海です。
山形市内から南陽方面まで、盆地に蓋をするような形で雲が溜まっています。



西蔵王高原って本当に高原地帯なんだなぁ……と。写真中央くらいに芸工大が見えるはずなんだけど、山の中腹だから雲の中ってことか。


最後の縄場を登れば山頂へ続く稜線です。このコース登りは何とかなるけど、降りは遠慮したいですね……。この写真の地点で1名上から降りてきた方がいて、前滝コースを降りるって本当にすごいなと感心しました。



足元がずるってなったら一発アウトな場所が結構あります。木の根に足を置かないといけない場所もあるので、降りる際に使うのは本当に大変だと思う。
山形の名山を見渡す山頂へ


黄金色に染まった木々が山を埋め尽くすような景色が広がります。瀧山に来てよかったぁ~、前回の会津朝日岳よりも紅葉の色づきが素晴らしい。紅葉時期の東北の低山は本当におすすめなのですよ。


何度も麓を見下ろす。全然雲海が消えませんね……。



過去三菱自動車がリリースしていたサービスに「雲海NAVI」というものがあります。全国から30か所の車で行ける雲海ウォッチの名所について、週末の雲海出現率を教えてくれるというものでした。ウェザーニュースがデータを提供しており、一時期蔵王で雲海を見るのに使わせていただいてました。あの頃はエクリプスクロスに乗りたくってなぁ……!!


登山道から近しい場所も紅葉が美しくなってきました。前滝コースを上っている最中、周囲の木々は素っ裸だったんだけど、ここでようやくかという感じです。


午前9時50分、前滝コース終了地点。
前滝コースを登って稜線に到着です。下山は自己責任という名のNGな前滝コース、稜線側には進入禁止のトラロープと注意カードが掲げられています。さっき降りてくる人いたけど。






周囲を見渡すと、木枯らしの影響か茶色く枯れた葉っぱを纏った木と素っ裸の木が目立ちます。稜線から山頂にかけては木の背丈は低く、紅葉には期待できないような景色。
そして、足元はあまり踏み固められた感じもなく。ちょっと荒れ気味な道を歩いて山頂へ向かいました。




山頂にたどり着くとまず目に入ってきたのは不思議な形の木柱でした。斎藤茂吉の歌碑となっており、その内容は「山の峰たかみに低くなりゆきて笹谷峠は其處にあるはや」という歌になっています。
斎藤茂吉は正岡子規、森鴎外らに影響を受けて育った後、歌人としてアララギという雑誌を作るに至る大正から昭和初期の文化人です。



笹谷峠かぁ……、山形神室山の登山口がある場所ですね。大学時代には心霊スポットとして、運転中に声が聞こえるささやき峠だから笹谷峠なんだよとか、いろいろな話を聞きました。山形最強の心霊スポット滝不動とか、そういうの話を思い出しますねぇ。




午前10時5分、山頂。
山頂には山形百名山の立派な山頂標識が刺さっていました。かなり整備を推し進めているようです。
瀧山神社の奥社で柏手を叩いてから、周囲の景色を楽しんでみましょう。


山頂からの景色でまず最初に目を引くのは山形市方面のパノラマです。真正面に独立峰的な姿でたたずむ月山、そして写真右側には葉山と屏風のように山が連なります。山形市を覆っていた雲海は徐々に薄れているようで、千歳山の姿がくっきりと見えるようになりました。



目を凝らせば霞城セントラルと山形の七日町周辺(一番の繁華街)が見えるぞ!


木々の合間からは大朝日岳がかろうじて見えます。毎年登りたいなぁと思うのですが、機会がない……。あそこは人生最高の山なので、何度も登りたい山なんですけど本当に遠いんだよな。家族を置いて数日間山に入るって普通に無理なんですよ、仕事にでもしてないと無理。


かすんだ景色の向こう側に頭だけ見えている西吾妻山や一切経山。
手前に横たわる高原地帯の蔵王山麓には、ところどころに草原地帯が見えます、牧場かな?
蔵王もインバウンドで観光客がたくさん入ってくるようになり、昔のような静かで美しい保養地としての姿が変わりつつあります。星野リゾートもできるという話があるので、百名山の蔵王はさらなる観光客で賑わうのでしょうね。



蔵王刈田岳とかはにぎわうんだろうけど、瀧山はあまり変わらないでいてほしいなぁ。


目の前にある蔵王の山腹は紅葉がもたらす黄色から赤へと移り変わるグラデーションで化粧をしていました。改めて山肌を見ると、巨大なスキー場が建築されているのだなと目を見張ります。
山形のおばあちゃんに話を聞くと、スキー場もないころに講の人に連れられて蔵王を下から登った時は大変だったと……、今だからこそ下からちゃんと登ってみたいと思います。



不忘山~蔵王温泉縦走で歩いた際に、蔵王の古道を歩きたいと思いました。観光客であふれる蔵王、メジャールートから離れ古き道へ踏み入れば、山と一つになろうとした修験者の見た景色がまだ残っているかもしれません。今回の瀧山もそんな「古い道を歩きたい」という思いからやってきた山でした。


蔵王山から北へ目を移すと、瀧山と正対するように雁戸山が鎮座しています。まだ上ったことがないのですが、蔵王近郊の山では道が険しくアスレチックが楽しい山と聞いています。先ほど話題になった茂吉の笹谷峠から登るのが一般的ですが、道中には有耶無耶関所跡という面白い地名があったりします。笹谷古道コースで登ってみたいものです。



標高約900mの笹谷峠の歴史は古く平安末期から奥州街道と羽州街道を結ぶ脇街道として栄えたそうです。有耶無耶(うやむや)関所という地名が本当に面白い。現代では車道の峠道が通り、さらには高速道路が建造されていますが、その下には史跡がちゃんと残っているみたい。
金色の紅葉に染まる至高の道、長峰林道


車を西蔵王放牧場に残して前滝コースで登ってきたので、帰りは姥神様コースか長峰コースをたどる必要があります。今回は森が美しいとされる長峰コースを歩きたいので、山頂からはいったん蔵王温泉側に降りることになります。



この長峰コース、事前に道の状態を調べたくて色々調べたんですが。ネットにある情報だけだとどうもコースの状態がわからない。宝沢地区と蔵王地区を結んでいた古い道であるということですが、どうなっているんでしょうか?


午前10時50分、宝沢分岐。
蔵王温泉に向けて少し標高を下げたところに、朽ち果てた看板が転がっていました。一応、それぞれの道に向けて板が置かれていて、宝沢に向かって明瞭な道を降りていくことに。



前滝コースで十分満足していましたが、後半戦の長峰コースでもう一度スペクタクルが来ます。今回の周回コースは前編後編と2部構成みたいな状況で、それぞれに見どころがありました。


宝沢へとむけて瀧山の北側斜面を降りていきます。視界を埋め尽くすようなブナが特徴的な森が姿を現しました。
黄金色の光が降り注ぐ、見上げれば一面が紅葉。といった景色を求めていたのですが、まさに此処。






道は所々不安になる場所もあります。あまり人が歩いていないコースであるため、足元がふかふかとしていて人の道なのか、獣の道なのか不安になることも。苔むした倒木や石の上に色づいた落ち葉が降り積もった道を降りていくと、不思議な高揚感が胸に湧き上がってきました。



この道は自然が強い……。鈴はつけている、スプレーもある。
森の身体の中に入っていくような、不思議な緊張感。


あたり一面黄金色に染まりきったブナの森が目の前に広がります。空を隠すような山の稜線と森の木々によって、密度の高い景色を目に押し付けてくる。


ウッドチップを敷き詰めたかのような心地よい感触が足の裏に伝わる道が始まりました。地図にも森が美しいと書かれていましたが、瀧山の東から北に広がる森は確かに素晴らしい。


ブナの木々に差し込む木漏れ日を見ていると、遠近感が奪われたような不思議な気持ちになります。


順光の方向か、逆光の方向か、ブナの木肌が白と黒に目まぐるしく変わる。黄色い地に線が引かれたような景色の中を、登山者はさまようことになるのです。


山肌を覆うブナの森、自分よりもはるかに巨大な広さを持つ自然の中にいる。もう少し長いこと歩いていきなよと山に引き留められるような感覚がある場所でした。





瀧山の長峰コースの森は不思議な場所でした。前滝コースは朽ちた木々と縄場が多く大変でしたが、宝沢方面は優しい景色が広がるものの、畏怖を感じる。


この森を見に来るためだけに瀧山を上る価値はあると思えました。自分が歩いた東北の山でも、とりわけブナの森が美しい山だったと思う。



街から近いのもいいところです。山形市内から1時間もせずにやってこれる。蔵王が素晴らしいのは街と近いことよねぇ……。


ガサッと音が聞こえて身体を震わせるも、小さなカエルが飛び跳ねた音。ビビりです。
森の中では人間はシカと同じく狩られる側だなぁといつも思います。だから、小さな音でも飛び跳ねるように驚いたり警戒してしまう。


ブナの森が終わりました。草地に通された平坦な道を進み長峰コースとの分岐点へ向かいます。この写真の近くに熊対策の鐘が用意されていました。


登山道から視線を逸らせば、鬱蒼とした森が山肌を駆け上るように続いています。僕は自然が強い場所が好きなのですが、そういう場所は何かに見られているような圧迫感を感じることもあるんですよね……。



仏壇の上に飾られた先祖の遺影と目が合う、家の中にいる限りその視線から逃れることはできないという。あの感じに似た、在か不在かわからない空気が肌を通して伝わってくる。
失われつつある長峰コースを歩く




午前11時50分、長峰分岐。
道中の標識はしっかりとしていますし、山形の蔵王と白鷹にトレイルを作るという活動をしている前述の団体がつけてくれた目印が登山者を導いてくれます。



ロングトレイルのコースが指し示すのは宝沢登山口方面。僕が向かうのは長峰コースなので、目印とはここでおさらばになります。


長峰コースは瀧山を東から西にぐるりと回りこむように作られた道で、アップダウンこそ少ないものの、往来の少なさからその難易度は前滝コースに匹敵すると感じています。まず長峰コースを登っていく最初の登り坂、道自体が傾き斜面と一体化しようとしています。落ち葉の下に眠る道は人なれしておらず、やわらかい感触を足の裏へと返してくるのです。





これはもしかしたら途中で引き返すかもしれない。道があるかわからないな……。
登り坂の先には広場のような場所があり、青々とした草と落ち葉に覆われた足元に残る道の痕跡を辿りながら森の奥深くへと進むことに。踏み跡が薄く、実線コースかと言われると疑問符が浮かぶ。
この直後にやってくる谷筋トラバースがきつかった、やわらかい泥のような地面に覆われた斜面はどこを歩いても崩れてしまうので、高巻きするしか無かったり。


山をぐるりと回りこむ関係上、谷筋と尾根筋が交互に現れます。水の気配が少ない尾根筋に近い道は道が生きていると感じる。


こういう道幅が広く足元も安定している道に出ると本当に安心します。この道はすぐに終わってしまうんですけど……。


広い道が急に終わったと思えば、幅20センチもないようなか細い道が始まります。斜面に同化していく真っ最中というような道は人が歩いた痕跡がありません。本当にこの道で正解なのかと何度も疑いますが……正解らしい。


足を設置しても平らじゃなくて必ず斜面の崖側に傾くような道を踏みしめ、顔の近くに張り出す木々や蜘蛛の巣を払いのけて再び広い登山道に降り立ちました。あんまり人が歩いている気配を感じられない写真ですが、瀧山の長峰コースではこれは超一級の道です。


悪いところばかりじゃなくていいところもあります。周囲を見渡してみると黄葉のブナ林が宝沢以上に素晴らしいのです。ここにやってくる登山者は年間どれくらい居るのかわからないが、この景色を見ることができるのはそう多くない事でしょう。


立派に育ったホウキタケが登山道のど真ん中に生えていました。普通キノコが登山道のど真ん中に生えてるなんてことありません、道って踏み固められるから。だけどこの道は真ん中にも、道の端にも、いろんなキノコが生えてました。


山腹をトラバースして逆側に回り込むというコースは何回か経験してますが、毎回不安になります。
登っている場合って景色の変化が激的で、進んでいる感覚が強く様々なものが麻痺しているんだろうと思う。だけど、横に移動するこういう道はそれが無いから、ちゃんと進んでいるのか不安になる。



リングワンダリングになってるんじゃないかとびくびくしちゃうんだよなぁ。道を歩いているから大丈夫だとは思ってますけど。


前滝コースを登っている時に見えていた一面黄色の斜面の中から空を見上げればこんな景色だったんでしょうか。とにかく黄色が美しい道を進みます。


整った直線に出た瞬間確信しました、これはもう少しで終わる……!!


黄色い紅葉に交じって未だ強い緑が混在する、標高は下がってきています。






最後に少しだけ荒れた道が出てきますが、すぐに終わります。所以がある積岩が現れますが、内容をメモするのを忘れてしまいました……。複数の記録で長峰コースの分岐からしばらくしての場所にある岩だというのを見ていたので、もうすぐ終わるんだなという安心感が胸の底から湧いてきました。






午前1時35分、垢離かけ場。
前滝コースとの分岐路に戻り、西蔵王放牧場へ戻ります。往路ではスルーしましたが、水垢離をする場所だったと伝わる垢離かけ場があります。水量は少なく、飲料には適さないと思いますが、手を洗うには程よい水が染み出ていました。






午前1時50分、登山口。
舗装路に出た瞬間に肩から力が抜けました。前回の会津朝日岳と同じく標高や山の雰囲気に対して凄い大変な……緊張感がある登山だったと思います。景色に関しては素晴らしいものがあったと思う反面、その登山の内容は決してやさしいものではありませんでした。



前滝コースは厳しかったけど、長峰コースの足元のおぼつかなさのほうが不安になった。大変な山でした瀧山は。




下山後は蔵王温泉……ではなく、山形市内を走る国道13号線脇の温泉「八百坊」にやってきました。ここは芸術工科大学の下にあって、学生時代に訪れたこともある思い出の温泉です。蔵王温泉は泉質が強く肌が負ける人が居ると思いますが、八百坊はそういう泉質ではないのでご安心を。


八百坊温泉自体の由来は湯殿山神社にあります。源泉かけ流し100%の天然温泉はアルカリ性でお肌がつるつるになります。山形は温泉県だから、瀧山下山後にいろんな選択肢があると思うけど、八百坊は近くてとてもお勧めです。




下山後は妻の実家に行く用事もあったので天童方面へ。登山後はラーメンか焼肉だよなぁ……と思っている当時30代の僕は真っ先に焼肉屋さんへ。しっかりと焼肉、冷麺、ご飯を食べて登山で失ったエネルギーを回復しました。



山形はゲソ天蕎麦とか、ラーメンとか、蔵王のジンギスカンとか、グルメは強い。僕は天童に数か月に一度は来ることもあり、チェーン店にしたけど、なかなか来る機会が無い人は是非個人店とかに行ってみてください。


焼肉屋でエネルギー補給をしたのですが、甘いものも欲しくなりマックスバリュに来ていたキッチンカーでクレープを購入。このクレープが滅茶苦茶美味しかった。登山温泉甘味と久々のパーフェクト登山を達成しました。



山形を中心にクレープを販売するザ・リリーズパーティーさん。本当に美味しいお店だけどキッチンカーなので、出会えるかは時の運……。











コメント