【東北】会津朝日岳、紅葉美しい只見の山と地酒を探す日帰り登山

会津朝日岳見出し

2024年10月22日、福島県は只見エリアにある深山幽谷の名峰「会津朝日岳」を歩いてきました。中腹の見事なブナ林とダケカンバが紅葉時期には一斉に色づく紅葉の名山。山頂からは周囲の山々の紅葉を見下ろす眺め……そんな登山レポートが多い標高1、624mの山になります。

福島県南会津郡只見町という関東から向かうのは正直しんどいエリアですが、尾瀬北部の駒・朝日山群は開発から逃れた静かな山が連なる楽しい場所です。その北端にある会津朝日岳は、マイナー12名山と呼ばれる「四季を問わず創造的登山をしなくては登頂できない名山」のうちの一座「丸山岳」を経由して会津駒ケ岳まで縦走する奥会津縦走路の起点でもあるのです。
当ブログはハイキング主体でもあるためそういった「登山自体での表現」からは距離を置いていますが、会津朝日岳へ登ってみると、登山自体を自身の表現として山に挑む人々はこんな稜線を歩くのか……と驚かされるような景色が広がっています。

さて、今回紹介するのは紅葉時期の会津朝日岳。標高がそれほど高くない会津朝日岳はタイミングが合えば周囲の山々が全山紅葉した景色を楽しめる山でもあります。それぞれの季節に良さがあるとは言われるけど、最初に目につくのは紅葉。
ということで数年程行けるタイミングを見計らいようやく機会を得た2024年10月後半。
「紅葉の名山である会津朝日岳」を目指すぞハイキングを実行することになりました。紅葉登山の後は只見生まれの米焼酎「ねっか」さんや、花泉酒造さんなどなど、地元の銘酒を求めて車を走らせます。

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登山に行くならご当地の何かを楽しみたい!というわけで、今回も当ブログでは地酒に注力していきます!!

目次

会津朝日岳紅葉日帰り登山の概要

■概要
福島県は只見にある男性的な姿の名峰「会津朝日岳」は紅葉時期になると必ず登山報告を見かける紅葉の名山というイメージです。標高が2,000m以下で樹林帯が多いことや、付近の山を含めて全山紅葉のような景色を楽しめるということで楽しみにしていたのですが、24年の会津朝日岳は不発でした。
しかし、不発でもそれなりに紅葉を楽しめたのは間違いなく、尾瀬の北側ってすごいところだな……と。
標高差は大体1,500mと中々、おかげで標高1,600m台のわりに歩きごたえがある登山を楽しめます。
山頂からの景色は渋く、浅草岳、毛猛連山、越後三山、平ヶ岳、燧ヶ岳、日光連山などを見渡すことができます。しかし、一番魅力的なのは目の前にある丸山岳方面へ続く両線の眺め。昭和53年に道を切り開いたものの数年で廃道になり、以後はマイナー12名山として創造的登山を楽しむ人々の遊び場となっているそうです。

登山道は全体的に新潟のベト山的で、粘土っぽいところが多いし岩場は表面が滑りそうな感じで歩きにくいし、それに合わさって急な箇所が多いし。という感じで初心者にはお勧めできません。西黒尾根くらいは余裕で登れますといったある程度のぼりなれた人向けのコースという感じがしました。

ちなみに会津朝日岳の山名は1803年から1809年に編纂された新編会津風土記に由来を見ることができ、「朝日山 伊北郷ノ諸村ハ深山中ニ住スル故、晏テ後始テ日ヲ見ル、只此山ノミ詰朝ニ日ヲ見ル故名トス」とあります。これを紹介する只見町の観光サイトでは「実際には集落から山頂を望む場所は少なく、なにか釈然としません。」と書かれているというちょっとやんちゃな歴史を背負っています。

■アクセス
車でアクセスするしかないかなぁというのが会津朝日岳です。只見駅からレンタルサイクルでアタックしている記録も見かけますが、確実なのは車です。鉄道は只見線という僻地の路線ですし、バスも本当に少ない場所です。
関東方面から車でアクセスする場合は東北道西那須野塩原ICから国道121号で道の駅たじま。そこから国道352号で西に向かい、桧枝岐方面との分岐で国道401号で只見町を目指すことになります。
登山口に近い目印で、〒968-0441 福島県南会津郡只見町黒谷御蔵前1095−1の朝日郵便局あたりにナビを打つと移動しやすいのではないでしょうか?

■コースタイム
登山口駐車場7:20→三吉ミチギ8:15→叶の高手9:35→山頂10:50-11:30→叶の高手12:55→三吉ミチギ13:50→登山口駐車場14:35
合計登山時間 約7時間、決して歩きやすい山ではございません、標高に対して難易度は高いです。

錦秋の会津朝日岳を目指して

深夜のシエンタ車内

2024年10月22日午前5時17分、東北自動車道西那須野塩原インター出口。
おはようございます、Redsugarでございます。
朝の3時くらいに家を出まして、東北自動車道をひた走り西那須野塩原までやってきました。関東に住んでいて、車を持っていて、登山をするあなたならわかりますね??西那須野塩原で高速を降りるということは……福島県奥地に向かうということだ!!!!
いや、実際は100%そういうわけではないんですけど……、でもまぁ登山やっててここで高速を降りる人の多くは尾瀬方面を目指したりするんじゃないかなと思う。

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今日はねぇ、檜枝岐村よりももぉ~~っと遠い、只見方面を目指すんだよぉ~~!!覚悟はいいかい?運転時間のほうが長いぞぉ~?

早朝の南会津町

午前6時00分、南会津町のどこか。
栃木県は西那須野塩原から大佐飛山地の西側、道の駅たじまを越えて走ってきました。南会津町は会津田島駅があるのでこのエリアでは比較的栄えてる町なはず……。ですが、早朝の濃霧に包まれた山間部の街には人の気配がありません、サイレンかサイレントヒルかな。

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さすがに走っている車が少ない……、路肩に車を止めて思わず撮影。南会津町に来たの実は初めてなのでは?このまま大内宿行ってネギでそば食べたい……。

朝の道の駅きらら289

午前6時35分、道の駅きらら289。
南会津の町をひた走りトイレ休憩のためにやってきたのは道の駅きらら289。温泉も併設しており、会津朝日岳登山後にはお勧めの温泉となります。只見方面ってこんなに時間かかるのぉ!?とぐったりしながらトイレを済ませ、エナジードリンクで一発気合を入れなおして残りの道のりを進みます。

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文明ってすごいよね。どこでもモンスターエナジー売ってるもん。そりゃ地域文化も衰退しますわ、都会と同じ文明が即行き渡る時代。

会津朝日岳登山口へ向かう

その後、只見の市街地を抜けて黒谷川沿いに会津朝日岳登山口を目指して国道289号線から県道へ。いまだ霧に包まれる山間の道を、誰一人いない道を車で登っていきます。

黒谷川をさかのぼり白沢と呼ばれる地区までやってくると会津朝日岳登山口入り口と書かれた木柱が姿を現します。何でしょうか、たどり着いたという感動で正直方から力がすぅーっと抜けていく感じがありました。

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ブログでは省略されているんだけどさ、この深夜から明け方にかけての運転っていうのも数時間単位だし、登山よりも大変だったりするのよ。

会津朝日岳登山口駐車場

午前7時20分、登山口駐車場。
道の駅きらら289を出発すること1時間……家を出てから4時間以上かけてやってきました会津朝日岳登山口。自走登山あるある「登山している時間よりも運転しているほうが長い」というやつです。でもまぁあれです、ヒマラヤ行く人たちもアタックの時間よりもアプローチや順応のほうがはるかに長いじゃん、登山っていうのは麓に来るまでが長いものなんだよと思って出発準備を整えます。

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登山口の写真撮影したので、ここで駐車場に止まっている車を見てみましょう。登山を始めて数年……車が欲しい!となる若い方、いらっしゃると思います。Redsugar、登山10年目ほどになりますが登山=SUVとは思っていません。なぜなら登山口で見かける車はSUVじゃない車のほうが圧倒的に多いから。会津朝日岳は結構山奥ですが、直前まで舗装路ということもありアプローチは容易です、停まっている車も手前のXV以外は普通車でした。

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最低地上高が180~220㎜ほしい!という気持ちもわかる。
でも実際ハイカーやってると、ダートを走る必要がある登山口はそこまで多くない。東大雪、八ヶ岳、南ア、田代山と走ってきたけど、今のシエンタの140㎜でも全然いける。ていうかシエンタとカローラツーリングやフィールダーは登山口でめっちゃ見る。
遠出する登山が多い場合は、最低地上高よりも燃費です。リッター20㎞位の車だと安心です、燃費が悪いと深夜高速降りた後にガスがない!って絶望するパターンがあったり……。だからアウトドア=SUVではなく視野を広く持ってみましょう!

さて、登山口を出発すると、まずは三吉ミチギと呼ばれる水場までは川沿いに緩やかに登っていくことになります。

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あるぇー?めっちゃ緑じゃん。

三吉ミチギへ続く登山道

ついた時点で「あれ、紅葉してない……?」と思っていたのですが、歩みを進めても大して紅葉していないというか、しているんだけど天気が微妙すぎて色づきが極端に悪い……という森が続きます。

会津朝日岳の清流
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川を渡る場所もあるので、雨上がりはちょっと注意したい。

川沿いに続く道

川沿いにどんどん上っていきます。二百名山ではよく聞く名前の会津朝日岳ですが、奥地の山ということで道は結構ワイルドなんです……、しかも秋雨の隙間を狙って歩いていると、すごい滑ります。

会津朝日岳のキノコ

登山口に「地元民以外の山菜やキノコの採取禁止」と書かれていました。実際に山中を歩いていると、いたるところでキノコを見かけます。登山道沿いはツキヨダケみたいなものが多いけど、探せばマイタケやブナシメジ、ボリボリなどがとれるんでしょうね。

三吉ミチギ

午前8時15分、三吉ミチギ。
最後の水場と書かれた三吉ミチギにやってきました。変わった名前ですが、ミチギっていうのは獣の足跡の意味があるそう。クマなど獣が通った道は雪崩などの危険が少ないため、安全を確保できるとして里の人々が利用した歩きやすい道、みたいな感じなんだって。あとは、道迷いを防ぐために気に目印をつけることも「ミチギ」というようです。

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とりあえず、埼玉のおいしい水道水を持っているから生水はいいや。

最後の水場

三吉ミチギの水場は水量はさほど多くはありません、石清水が滴る感じ。

雪で横倒しになった細木の森

三吉ミチギからは本格的な登りが始まります。雪の重みでぐにゃぁと横に倒れた木々の合間に通された登山道をひたすら上ります。紅葉は全然ダメです!

トラロープが下がる道

道中にはトラロープが吊り下げられている個所もあります。足元がね……粘土っぽくてちょっと滑りやすいから、気を付けて歩きたいですね。

光が差し込む登山道

標高を上げていくと日差しが差し込んできました。晴れ予報ではありましたが、SCWを見ていても雲がはけるのは正午近く、上りのほとんどの時間は雲の合間から差し込む光を楽しむ登山になりそうです。

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ここでようやくちょっと黄色が増えてきました。紅葉が美しいときはオレンジ色が素晴らしいという会津朝日岳ですが……、なんだろう僕が歩いたときはえらいハズレだった。

雲海が立ち込める南会津の山々

次なるチェックポイント「叶ノ高手」を前にして景色が一気に開けます。地図を見ていると「福島県と新潟県の間って何があるんだ?」と思うとき……ありませんか。
山しかねぇ、山しかないんです。でもその分「山波」を思う存分楽しめます。

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会津朝日岳から見る山波はちょっと特徴的です。新潟に近いとやっぱり雪で山肌がゴリゴリ削られているというか、山のテクスチャが全体的にギザギザしていて恐ろしい……。

浅草岳方面の眺め

開けた景色からまず飛び込んできたのは画面左上にある「浅草岳」です。こちら側からみると鬼ヶ面山から浅草岳にかけての、片側がガバッとえぐれたような山肌をまるっと拝むことができます。

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俺あの稜線歩いたのか……、すげぇギザギザしてるじゃん。

稜線に乗り上げると、そこまでハズレでもない紅葉が待ってました。黄色く染まった木々の合間を、楽しむように歩くことができる「紅葉満喫登山」の始まりです。よかった、ちゃんと紅葉していた。

叶の高手から紅葉の山頂を目指して

叶の高手

午前9時35分、叶の高手。
意外に長距離を歩く会津朝日岳登山における中間ポイント、叶の高手までやってきました。
紅葉は進んでいるんですが、空模様が良くない……ので紅葉は微妙です。

登山道中の立ち枯れした巨木

立ち枯れし、表面の樹皮がはがれ灰色の枯木となった巨木がいくつか現れます。木は面白いなと思うのが幹と樹皮の関係です、木にとって栄養や水を運ぶために重要なのは樹皮層となり、幹は骨のような役割となっています。
なので、樹皮が傷つくと木は死んでしまうんですよね……。

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シカや熊が樹皮を食べると木が死んでしまうというのは、木が生きていくために重要なのは樹皮層だから。逆に幹に穴が開いても樹皮が無事なら長生きしたりします。バオバブの木とか幹の中にバーがあったりするんだって。

黄葉に染まる木々

叶の高手からは黄色く染まった木々があたりを覆いつくすようになり、見ごたえのある黄葉登山道が続くことになります。

黄葉と笹の登山道

笹と黄葉、緑と黄色が目の前の景色を埋め尽くす。そんな道を進むといったん下り坂へ……叶の高手から会津朝日岳までは一回下ってから登り返しなんですね。

枯れ木に生えるキノコ
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枯れ木にめっちゃキノコ生えてる!!

さすが会津の奥地、立ち枯れした木もそうですし倒木にもたくさんのキノコが生えています。キノコっていうのは木を分解するために生まれてきたような種です、私たちが食べるキノコの殆どは白色腐朽菌に含まれます。まぁぼくはキノコ食べれないんだけど。
木っていうのはリグニン(木質素)というものが重量の2割から4割を占めていますが、地球上に「木」が誕生したとき、リグニンを分解できる生命体は存在しませんでした。リグニンを分解できる白色腐朽菌が現れるまでの間およそ1億の間に生まれては倒れて……分解されなかった木質素が姿を変えたものが、我々が利用している石炭になっています。

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具体的には約4億前の古生代シルル紀後半にリグニンを有した植物が誕生します。それまではシダ植物がメインでした。その後、石炭紀末期となる約2億9千年前あたりに白色腐朽菌が登場という感じになります。キノコが登場したことで木は分解されることとなり、石炭となる木は少なくなっていったそうです。
石炭は無限じゃないというのがわかりますね。冬は暖房使わないで厚着して過ごす山小屋スタイルで生きたいと思います。

紅葉した山肌を覗き見る

今年の紅葉は微妙だな、と思っていたんですが……会津朝日岳の紅葉はそれでも素晴らしいと思わされます。
山頂へ向かう道中、会津朝日岳本体の斜面は赤と黄色が入り混じる素晴らしい見た目でした。

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この選手は地力があります。

原生林を進む

会津朝日岳は叶の高手からはいったん下り、登り返しまでは緩やかな上り下りを繰り返す長い道のりです。

秋の実が残る

秋の実りもしぼみきって……鳥が食べる量は残るんだろうか?

山頂に近づくにつれてトラロープが現れるようになります。会津朝日岳で一番きついのは山頂直下の登りではあるのですが、その手前にも何か所か歩くのが大変な場所が。

会津朝日岳稜線を仰ぎ見る

山頂の稜線が近づいてきました。雪で山肌が削られているためか紅葉の中に灰色の地肌が目立ちます。

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雪食地形というもので、雪崩が滑り落ちる際に表面の土や岩石を一緒に削り取っていった結果、岩が剝き出しの山肌が出来上がります。越後の山は急峻な山が多くて危ないと当ブログでは良く書きますが、その原因は雪食地形にあるという事ですね。

ダケカンバの木を見つめる

斜面以外の安定した場所ではダケカンバを筆頭に樹木が茂るため金色に輝くような紅葉を楽しむことができます。
が、その背後には灰色の山肌が……。

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只見の山は緑色凝灰岩(グリーンタフ)という地質が特徴的なんですが、雪に浸食された結果ちょっと緑がかった灰色の岩が露出した、ヤスリみたいな山肌が出来上がっています。グリーンタフ自体は切り出しやすいので石材として使われ、産出地としては新潟は有名だとか……。

さて、山頂への登りですが……晴れててよかったぁ!!と思わされる道が続きます。さっきから「雪で地面が削れてぇ」といってますが、岩がむき出しになった道にはロープとかそんなもんはありません。濡れてたらめっちゃ滑りそう……な岩の斜面を登っていきます。

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足元がドライコンディションで良かった、フリクションがあるから安心して登れる……。

会津朝日岳から見返す叶の高手方面

山頂へ向かうための登り坂は雪食地形の影響で森林限界的な景色、つまり見晴らしがよい。振り返ってみると画面右上の叶の高手からここまで紅葉が美しい場所が続いてたんだ……と。

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山頂付近から登山道を振り返るこの景色が一番紅葉がいい感じでした。

山頂直下は1枚岩みたいな緑色凝灰岩の斜面を登ります。トラロープが一本垂れ下がっていまして、それを使ってもいいけど……三点支持で登るのがお勧めかな。会津朝日岳のコースで一番大変な場所はここ。

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登りはいいんですけど、下りが結構大変なので注意しましょうね。

深山幽谷を眺める会津朝日岳山頂へ

午前10時50分、山頂到着。
グリーンタフの斜面を登りきると会津朝日岳山頂に到着します。山頂には周囲の山が何なのかを伝える方位盤、その足元には木製の山頂看板と小さなお地蔵様が置いてありました。
山頂に到着した辺りで空模様もよくなりました、曇天の中で登り続けてきた苦労が報われる。

会津朝日岳三角点

会津朝日岳には三等三角点「朝日岳」が設置されていて、標高は1,624mとなっています。

会津朝日岳から丸山岳を見る

それでは日本二百名山会津朝日岳からの眺めを見ていきましょう。山頂に立つとまず目に入るのは、雪に削られあらわになった緑色凝灰岩(グリーンタフ)にしがみ付く草木が紅葉した崖。その奥に険峻な稜線が続き、大きな円弧を描く山までつながっています。画面中央奥の山がマイナー12名山にも含まれる「丸山岳(標高1,820m)」です。

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素晴らしい稜線ですが、夏道は存在しません。というかメジャーな登山道があるのはこのエリアだけでは会津朝日岳だけ、自然が強く残る深山幽谷の地なんだと思わされます。

会津朝日岳に刻まれた谷間

山肌を直視すると本当に険しい。雪でがっぱりと抉られた後の山肌は崖なんですが、草が皮膚のように覆いかぶさっているのです、それが逆に怖い。

会津朝日岳から越後三山方面を見る

こちらは画面左上に写る日本百名山「越後駒ヶ岳」方面です。会津朝日岳からは稜線沿いに画面右側の高倉山、そして白戸川の谷を挟んで奥にある村杉岳。さらに左奥にある山が末丈ヶ岳、最後に左上の越後駒ヶ岳という順番です。
山肌から見える白い岩盤と紅葉、雪食地形ですね。

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新潟と福島の間の山って大体こういう見た目してません?

会津朝日岳からみる越後三山

そのまま越後駒ヶ岳方面に視線を移動させていくと、画面真ん中にある越後駒ヶ岳と中ノ岳が見えてきます。こうしてみると長くアップダウンが続く鞍部です、歩いてみたいけど尻込みする。
その左側にピョコンッと槍の穂先のような場所が荒沢岳です。

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会津朝日岳は越後と会津の展望台のような山だな。

浅草岳方面の眺め

浅草岳方面は田子倉湖のむこう側というわかりやすい場所にありますので、見つけやすいんじゃないかなと。画面中央奥が浅草岳で、その左側は田子倉湖に突き出す形の山脈であることから「村杉半島」とも呼ばれる村杉岳⇒大川猿倉山⇒横山と1,500m級の山が連なる稜線です、あれもギザギザしてますね……。

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浅草岳方面を向くと、目の前に大きく抉れて岩肌がむき出しになった崖が見えます。これは結構迫力がある景色です。長い時間をかけて雪が土を洗い流して、岩も削っていったんだと思うと、時間がここには表れてますね。

山頂の紅葉

会津朝日岳山頂から楽しめるの景色でいうと、越後駒ヶ岳方面、守門岳方面、浅草岳方面かなぁ。登山口がある北側は波打つような低山の山並みを楽しむことができますが、全山紅葉といった感じではなく今回は不発でした。
写真は山頂付近の草黄葉ですが、山頂付近の色付きはいいです。

高倉山方面の景色

今回歩いた紅葉登山では高倉山方面が一番景色がよかったかなぁ……。

毛猛山の眺め

あとは毛猛山、画面中央の一番奥にある山です。登山道が無く雪がある時期にしか登れない山ですが見た目がかっこいいです。ていうか画面中央の大川猿倉山から横山にかけての鳥が翼を広げたような稜線も美しいですね。

会津朝日岳山頂一帯

山頂には全く人がおらず……、みんな今年の会津朝日岳は微妙だと思ったんだろうか?

山頂から見下ろす山肌の紅葉

紅葉に関しては24年は黄色が強く、山頂から見渡す山々の斜面はダケカンバの黄色が目立ちます。

ダケカンバの白い木々を見下ろす

会津朝日岳山頂部の木々は落葉し、真っ白な木肌が複雑なエッジを描いて浮かび上がっています。

緑色凝灰岩の山肌

眼下にはやや青みがかった岩肌が露出した崖、そこに産毛のように草が生い茂っています。この崖……どこまで下っていくのかがわからないほど下へ下へと伸びていきます。冬になれば雪崩の巣となり、春の雪解けの頃には氷が岩肌を道連れにして転がり落ちていくんでしょうね。

後続の登山者たち

午前11時30分、山頂出発。
40分ほど山頂に滞在し景色を満喫しました。天気も良くなってきたので下山したいと思います。このタイミングになって後続の登山者の方々がやってきて、思いのほか長かった道中の苦労話に花を咲かせることに。

紅葉きらめく会津朝日岳の下山路

泥の足元

山頂直下が一番怖いよ、という話でしたが下山が大変でした。足元はこんな感じでねちゃねちゃとした泥っぽい土、中途半端に濡れた岩場には濡れた枯れ草がまとわりつきスリップを誘発させに来ます。

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乾いた足場を探して降りる。

一枚岩を下る

一枚岩を降る地点は細かい砂利が岩の上に散りばめられていることもあり、ドライなコンディションであったとしてもなかなか歩きづらい。登山靴のフリクションが最大になりつつ、岩と靴の裏が一体化するような確かな足場を選びながら降ります。

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地球の核〈コア〉の力を足に受け止めて降りる、刃牙の地球パンチならぬ地球下山を意識して……何言ってるんだ俺は。

会津朝日岳一帯の紅葉を見下ろす

下山中に前を向くと、叶の高手方面の紅葉が非常にいい感じです。今回はここの景色が一番紅葉が良かった。

会津朝日岳を降りながら辺りを見回すと、山肌に刻まれた複雑な模様を目で追ってしまいます。雪と水が刻み込んだ模様がしっかり見える。

白い空と紅葉

下山後の話ですが、24年の会津朝日岳は黄葉が素晴らしいという形で終わってしまったようです。僕が訪れてから数日で気温はさらに低下し木枯らしが吹き荒れ、山は冬へ……。翌年の25年の秋は紅葉が良かったらしいので、また機会があれば美しい赤を探しにやってきたいものです。

笹に覆われたか細い登山道

叶の高手と戻るためには登り返しがあるのを忘れてないでしょうか?会津朝日岳は地図で見るとそこまで大変そうには見えませんが、実際に歩いてみると距離は約12kmで普通だけど、標高差は1,500m以上となるため体力が必要な山です。

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距離にもよるんだけど、標高差1,500mは結構きつい。北岳とか槍ヶ岳ってスタート地点からの標高差は1,700mくらいです、1,500mっていうのは普通に疲れるっていうか大変です。

紅葉が輝く上り坂

歩いていた当時としてはそこまで厳しい山だとは意識していたなかったことから「なんか思ってたんと違う……厳しいぞこの山」と走るゾンビのように山を歩いていました。

錦秋の山肌

往路に比べると復路のほうが紅葉はきれいになっていたんじゃないかなと。

立ち枯れが目立つ叶の高手周辺

白骨化した木々が現れたら叶の高手が近づいてきたという事になります。

お化けみたいな顔つきの枯木や、スタフィーみたいな形の倒木が現れたら叶の高手です。往路では気が付かなかったのですが、娚杉が名所として整備されており、ベンチになった倒木からは会津朝日岳がきれいに見えるのだとか。

午後12時55分、叶の高手。
正午付近になり日差しも強くなってくると、朝はそれほどきれいじゃないなぁと思って見ていた山肌が思いのほか黄色く染まりきっていることに気が付きました。これがもーーーっと黄色くなる年があるわけで、そういう時に登れた人は幸せ者。

浅草岳方面の山肌の紅葉を眺めて

叶の高手を過ぎれば駐車場まで下りるだけなのですが、この道のりが地味に長く……野生動物の気配もある山の中を一目散に駆け下りていくことになります。最後に見た稜線からの紅葉は黄色かった。

午後1時50分、三吉ミチギ。
登りと下りでは見える景色が違うものですが、くだりだから発見できるキノコのなんていうのもありました。全部ツキヨタケだったけども。それらをストックでつついて遊びながら下山してようやく三吉ミチギです。

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駐車場はあと少しだ!!

午後2時35分、登山口駐車場。
思っていたよりもだいぶ体力を使う山、それが会津朝日岳の感想でした。事前に様々な登山記録を見ていたんだけど、どれもそこまで苦労しているような文言は少なく……でも標高差1,500mくらいあるからなぁ、実際どうなんだろうなぁと思って歩いてみたら、きつかったです。

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下山後に酒屋の人とかと話してても「思ったよりもきついでしょ?」って言われる山なんだなぁと思ったよ。

只見市内の元パチンコ店

下山後は只見の町中を抜けて風呂と酒屋へ急ぐのですが、その道中めちゃくちゃ写真を撮りたい建物に出くわしました。調べたら界隈では結構有名な秘境のパチ屋だったらしい、秘境パチなんてジャンルあるのかと、世の中何でもあるな。
ショアや北島敬三、ハンス・クリスティアン・シンクと空が白い写真が大好きな僕にとっては見逃すわけにはいかない感じがあり、道路わきに車を止めさせていただきちょっと撮影。

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こういう建物をとる場合、どこからとるのかでも流儀があるよなぁと思う。まずは斜めからチャレンジ。シュトゥルートのUnconscious Placesには斜めが結構あって、畠山直哉の陸前高田で全く同じ構図が出てきたりしてにやりとすることがあります。
ただまぁ、僕がいい角度ないかなーと探してみた時はダメダメでした、カスみたいな写真が出来上がりました、泣きたい。

只見市内の元パチンコ店を正面から

真正面から撮影してみましょう。……正中に立つって本当にいいよね、エヴァンスすごいわ。写真でよく構図構図っていうけど写真はそもそも四隅のフレームが絶対不動の垂直水平で、画面内のラインをちゃんとそこに合わせていこうぜとか、そういう話があったりします。ネットのHow toではそういう説明見たことないんだけど、映えじゃなくてデッドパンでちゃんと撮ろうとすると自分は正面でラインを合わせるのが好きだなと思う。
アイレベルの持ち方もウエストに構えて水平線を真ん中にとるかとか、4:6で上下に少しずらすかとかいろいろ作家によって違いもあって面白い。

余談だけど普段の僕はいわゆる山岳写真/絶景ではなくて、写真史をみて練習をしています。上記の3枚は登山の記事から脱線するけど家の周りの風景をどうやって抽象化できるかなという実験を日々行っていたもの。24年から25年はマーク・パワー、ドノヴァン・ワイリー、ハンス・クリスティアン・シンク、畠山直哉、北島敬三とかを研究してた。「写真として」という言説は大体、具体しか映らない写真において普遍性を語るためにいかに抽象を行うかという話で、僕はそこに参加したいから練習をしていました、展示でもそういう写真を目指したいよね……そういう山の作家さんは少ないから。

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会津朝日岳の時点では、2年位前から取り組んでた「正中に立つ訓練」もまだまだで、全然ラインが整えられませんでした。この記事を読んで写真に興味がある人は、絶景写真やアンセル・アダムス以降のニュートポグラフィや、アクセル・ヒュッテ、ドノヴァン・ワイリーの山を映している写真を見てみることをお勧めします。
ロマン主義ではない光の扱い方で崇高を出す方法みたいなのが感じれるかも。

只見のコメ焼酎ねっかさんへ

さて、話を戻して会津朝日岳登山後の酒屋ですが……「ねっか」にいきましょう。只見のお酒といえばまずはねっかの米焼酎です、尾瀬を歩いたことがあれば御池の売店で売られているNEKKAというお酒を見たことがあるかもしれません。NEKKAはマジでうまいから、酒飲みなら一度は寄ってみましょう。

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ねっかさんは100%只見産のコメを使った焼酎メーカーです。只見の山村にポツンと現れる日本一小さな蒸留所で作られるお酒は中々お目にかかることができません。山登りをしている人だからこそ巡り合えるタイプの酒じゃないかなと。

南会津の酒蔵花泉

ねっかさんのお次に出現するのは花泉さんです。ロ万という日本酒で当ブログでは何回か登場しています。会津エリアというか尾瀬御池や平ヶ岳に行った帰りに檜枝岐村やその周辺の酒屋で高確率で手に入るお酒なはず……。
ちなみに酒蔵に行ってみたところ、直売を行っていないタイミングだったため、少し離れたところにある酒屋で四合瓶をゲットすることに成功しました。

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南会津にある花泉さんは大正9年創業の酒蔵です。ねっかさんと同じように使用されるコメはすべて会津・南会津産。福島県といえば酒造好適米「夢の香」や「福乃香」ですが、そういったコメを利用して地酒を作り出しています。米、水、蔵人、酵母すべてが地元っていうのがいいよね。

お酒をゲットした後は温泉ですが、Redsugar的にお勧めというかお手軽なのは道の駅「山口温泉きらら289」まで戻って温泉に入ることです。関東から車でアクセスする場合絶対に通る道の駅なのですが、こちらの温泉は抜群にお勧めできます。

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でかい浴場が二つあって、僕が入ったのはリンドウの湯でした。日付が違えばドライサウナがある山桜の湯にはいれるそうです。サウナ入りたかったぁ~!!

入浴後は福島県なので酪王カフェオレです、これはめちゃくちゃおいしいです。酪王カフェオレアイスがあればよかったんだけど、なかったので下山ソフトクリームをキメました。これで関東までの長い道のりを頑張れそうです……。福島県の酪王カフェオレだけは本当に、全国区になってほしい。

さてさて、お酒を飲んでみたのコーナーですがまずは花泉さんの「ろまん」から行きましょう。

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花泉酒造「しもふりロ万」
にごり酒、生酒!ということですが飲み口スッキリだけど芳醇、確かにしもふり感ある、軽くないけど透きとおった飲み口は美味いの一言。
気泡があったのでガス系か?!と思ったがガス感は全くない、最初甘酒みたいな風味が鼻を駆け抜けたが、残る臭みみたいなものはなくスッと嫌味なく抜ける香りが心地よい。個性がしっかりしてておいしいです、揚げ物食べたいなぁ〜っていう気持ちになりました。
この手のお酒は長持ちしません、買ったら即開封、二日くらいで飲み切りたい。

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お次はねっかさんのコメ焼酎「ねっか」ですが、米焼酎ってこんなに美味しいのか?!というのを教えてくれたお酒になりました。それまで芋焼酎お湯割りと九州の甘い醤油で刺身を食べる生活でしたが、これのおかげで焼酎の世界が広がったといえる……衝撃。お店の人に聞いたら温燗で飲むのが一番うまい!ということなのですが本当にそのとおりで、お湯割りとかソーダを試したけど一番美味しいのはストレートに注いで湯煎で温める、これで程よく温まったところで飲みましょう。大吟醸を濃縮還元した水みたいな焼酎は、つまみがなくてもどんどん酒が進みます。
会津朝日岳エリアに行ったら必ず買ってみて欲しい、そんなお酒です。
マジでねっかはおいしいです、四合瓶はほしい。

というわけで、今回は米焼酎の世界がぐぐーーんと広がった登山となりました。焼酎は芋ばっかりだけど、麦とか黒糖とか米とかいろいろあるもんなぁ……とにかく、ねっかさんの米焼酎は本当においしかったな。

会津朝日岳山頂からの眺め

紅葉の会津朝日岳に行くならば、只見も一緒に楽しみたい。
紅葉が美しい福島の奥地の山ということで歩いてきましたが、思いのほか体力が必要で驚きました。地図で見ると短いコースに見えますが、標高差がたっぷりとあることも考慮してなめてかからないようにしましょう。山頂に立つと只見の深い山々が作り出す山波を思う存分に楽しむことができます。
周囲の山々を眺めながら、登山道がないマイナー名山のことを考えるだけで満腹感が得られるかも?
紅葉に関しては不発だとしてもさすがの景色を楽しめます、だから紅葉がいい時期まで待つ、なんてことはなく秋になったらいつでもおすすめしたい。

下山後は只見のお酒や、帰り道のお風呂と南会津のいいところに立ち寄っていくのがおすすめです。特にねっかさんは、本当におすすめですよ!人生最高の山は続く。

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