2024年8月2日、ブナ立尾根から登る裏銀座縦走二日目は烏帽子小屋から三俣山荘を目指し北アルプスの稜線を心行くまで歩きます。このコースを歩くうえで最も開放感ある絶景を思う存分楽しめるのが白亜の稜線地帯が続く三ツ岳から野口五郎岳までの区間です。
標高2,924mの野口五郎岳は白い花崗岩の岩塊と風化砂礫で構成されており、快晴の空のもとでは雪原を歩くような眩しい光が登山者を包み込みます。ここは北アルプスでも特に歩いていて楽しく、気持ちがいい道です。
野口五郎岳を越えれば百名山の中でも特に山深い1座である水晶岳へ続く険しい稜線歩き、水晶小屋の東側にある崩落斜面の迫力に度肝を抜かれることでしょう。
水晶岳へたどり着いたらあとは鷲羽岳を越えて三俣山荘へ下山するだけとなるのですが、烏帽子小屋から普通に歩くと夕方になってしまうような、とにかくたくさん歩くことを楽しめる二日目となっております。
北アルプスのど真ん中、高山帯の稜線を心行くまで歩き続ける稜線漫歩の二日目をお楽しみください。
redsugar裏銀座縦走は烏帽子岳から水晶岳の間が楽しい。目が眩むくらい輝く稜線を歩きます。
ブナ立尾根から行く裏銀座縦走二日目の概要
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朝焼けの烏帽子岳を見よう!


2024年8月2日午前4時45分、烏帽子小屋テント場。
おはようございますRedsugarでございます。烏帽子岳のテント場で朝を迎えました……、もう日の出の時刻なのですがまだ空は薄暗いです。本日は三俣山荘へ向かうという事でかなりの長時間を歩く予定です、もう出発したい。
だけども烏帽子岳の朝焼けってどういうものかを拝まずに出発するのもなぁ、という訳で前烏帽子に行ってみることにしました。



テントはとりあえずそのままにしておくか……。朝露でぬれちゃってるし。


小屋のすぐそばにある展望台から地平線を眺めていると、ゆっくりと太陽が上がってくるのがわかります。
本日は雲海、雲の上はいつも晴れだからと言わんばかりの快晴です。


朝日が差し込む北アルプスの稜線。三ツ岳が朝日に照らされて複雑な凹凸が山肌に浮かび上がります。


小屋からしばらく歩いて前烏帽子にやってきました。数人の登山者が烏帽子岳山頂に向かうとのことで鞍部へと下っていきました。僕はここから見る烏帽子岳でいいかなぁ……。


周囲を見回すと雲の上に頭だけを出した北信五岳、浅間山、八ヶ岳といろんな山々を見ることができました。ご来光の瞬間、山の上は神秘的な時間が流れるから楽しいよね。最近はこの時間に写真を撮るというよりも、雰囲気を純粋に楽しんだほうが結果的に良いなと思っています。



画をハントするんじゃなくて、その場を最大限味わう、感謝して感じることに全力を尽くしたほうがいいと思うんだ。


烏帽子岳が朝日を浴びて輝き始めました。


烏帽子岳、南沢岳、その奥の立山の山々の朝の姿をばっちり見れましたので。テント場に戻って縦走の準備を整えましょう。






午前5時30分、登山開始。
SLソロは撤収もしやすいテントなのですが、強風が吹く場所での設営/撤収は破損の危険性があります。ていうか軽量テント全般風が強いところは避けたほうがいいんだけども。烏帽子小屋のテント場は木々に囲まれた静かな場所で本当に良かったなぁ。
荷物を整えたら池塘の脇を抜けて三ツ岳への登り坂を登っていきます。
北アルプスを見渡す白亜の稜線


三ツ岳と野口五郎岳は一言で言うと「白くて最高」な山です。花崗岩が風化した砂が地面を構成しており、白い砂浜のような美しい稜線がどこまでも続きます。周囲には槍ヶ岳から後立山連峰、立山連峰、水晶岳とあらゆる山を見渡すことができるのもいいところです。



ジャリジャリと音を立てて歩くのが楽しすぎる。


烏帽子岳は標高があまり高くない山なので、特徴的な山頂が見える時間は限られています。
三ツ岳の稜線上から見ると南沢岳と合わせて稜線に埋もれた感じになってしまうなぁ……。




烏帽子小屋から三ツ岳までは1時間30分、さらに三ツ岳から野口五郎岳までは1時間40分くらいという事で、まず野口五郎岳まで思う存分白砂の稜線地帯の登りを楽しみましょう。



この稜線は長野県と富山県の県境になるから、稜線のいたるところに山って刻まれた県境標石がありますね。


三ツ岳を登る道中、見上げた先に積み重なる岩が宙に浮いているようなスポットを発見。ああいうのっていつかは崩れてしまうから、見れるだけラッキー。


烏帽子小屋に宿泊していた方々は裏銀座縦走で数日間山を満喫する気満々のハイカーたち。装備がガチガチなのに皆さん凄い速度で山を歩いて行きます。


午前7時40分、三ツ岳。
三角点が置かれた三ツ岳の中岳にやってきました、標高2,844m地点です。名前の通り三ツ岳には3つのピークがありまして、北峰、中峰、西峰の中で中峰に三角点が置かれています。山頂は風化した花崗岩がむき出しになった荒涼とした景色が特徴的です。



花崗岩と言えば中央アルプスの空木岳周辺のイメージがありますが、北アルプスのほうが白くボソボソと風化している印象がありますね。


三ツ岳からは野口五郎だけを目指して稜線アップダウンが始まります。道中は常に槍ヶ岳や大天井岳の景色が良く、裏銀座って素敵!というルンルン気分で歩けてしまいます。



烏帽子小屋を出発してすぐだから、体力的にかなり余裕があるからルンルンで歩ける。


三ツ岳を振り返るとピークには巻き道も築かれています……が、山頂を踏まないのがもったいないくらいいい道だから是非中峰の山頂に立ってみてほしいかな。


三ツ岳からの稜線は白砂が支配する荒涼とした稜線地帯を歩くことになります。僕は北の荒涼とした景色で育ったこともあり、この手の開放感があるけど生物的な多様性がそこまで高くない景色が大好物、涼しい風が吹くこの稜線を見たときには感動のあまり暫く景色を眺めていました。



非日常感が強い稜線なんですよここ。トムラウシのロックガーデンや南岳~槍ヶ岳間みたいな心地よさがあります。


白い地面、地面に縋りつくようなハイマツ。歩くだけで幸せがこみあげてきますね。
ちなみにこの稜線ですが、晴れているとめちゃくちゃ眩しいです。雪山かよっていうくらい光がまぶしく感じます、目つぶし稜線と言ってもいいくらい目の健康にはよろしくないのではないか。
僕は夏山を山を歩いている時サングラスは使ってないんですけども、さすがにこの稜線はサングラスが欲しくなりました。



いや、この稜線雪目になりそうなくらい光が強い!!


野口五郎岳に近づけば近づくほど眩しさはヒートアップします。写真ではそんなに明るく見えないようにしているけど、実際に歩くと白い岩塊が眩い光を発しているのではないかと思う程度には光が強いのです。



今まで見た山の中でも美白ランキングでいうとトップクラス。白馬杓子や白馬鑓、間ノ岳、立山別山といった山々よりも野口五郎岳のほうが白くてまぶしい。


白砂の稜線を歩き続けて1時間30分ほどで小屋に到着。景色が良すぎて足を止めながら歩いたこともありコースタイムを巻くことはできず。




午前9時10分、野口五郎小屋。
青い屋根が特徴的な野口五郎小屋はひっそりとしていました。登山客はあらかた宿を後にして、小屋番さんが山の空気を楽しみながら訪れる登山客と談笑を楽しむのんびりとした時間。



500mlのポカリスエットを購入し、小屋の前で飲みながら僕も小屋の親父さんと談笑。昔はカールの底に水場があったのだが、今はなくなってしまった等々のお話を聞いていました。




野口五郎小屋からは遠く八ヶ岳やら燕岳やら浅間山やら、東の山々がよく見えます。


今日は野口五郎小屋から先が長いという事で補給を済ませたらすぐに出発したかったのですが、のんびりしちゃいました。コースタイムを確認すると9時にここにいると三俣山荘に到着するのが夕方になっちゃうなぁ……、という事で頑張って歩きましょう、景色を楽しみながら。



そんなに野口五郎小屋から先が長いのか、と思うじゃん?水晶岳へ登ってから三俣山荘に行くとここから7時間かかるんですよ。今9時だから休憩も入れると16時くらいに到着しちゃう。


テント泊で裏銀座縦走すると烏帽子小屋の次が三俣山荘なの大変なんですよね、積乱雲の発達リスクがない快晴の日付じゃないと歩けない工程だなと改めて思います。
野口五郎小屋を出発すると白い岩塊が積み重なったカールを登っていくことになりますが、ハイマツが少ないこともありそれまでよりもさらに明るく眩しい道が続きます。



サングラス!!サングラスが欲しい!!天津飯の太陽拳くらい明るい!


明るすぎる稜線地帯ですが、足元を見れば小さく可憐な花が目を癒してくれます。ちなみにこの稜線地帯、晴れていると明るすぎてデジカメのライブビューがまともに見れたもんじゃありません。ニコンのZ7IIのファインダーが本当に見やすくてありがたいぜ……という気持ちになりました。



登山やってて思うけどファインダーが無いカメラは僕はちょっと辛い……。


ここまで歩いてきた稜線を振り返ると野口五郎岳の素晴らしく気持ちの良い白亜の稜線が波打つように続く。


V地谷のむこうには立山、今日も快晴で雄山山頂は登山客でにぎわっていることでしょう。
裏銀座縦走の烏帽子岳~水晶岳区間は真夏の登山日和だというのに小屋の収容人数の関係もありそんなに登山客が多くありません。そのため静かな山歩きを楽しむことができます。


野口五郎小屋を見下ろす場所までやってきました。絶妙な位置に小屋が建てられてますね。


午前9時50分、野口五郎岳。
小屋でのんびりとして、さらに山頂までの道のりでも写真撮ったり景色を眺めすぎた結果山頂へ到着したのが10時前になってしまいました。景色が良すぎるから仕方がない、そして天気が良いせいで遠くまで見えすぎるのも。
野口五郎岳の山頂ですが、南は乗鞍笠ヶ岳、北は立山白馬ととにかく遠くまで見渡せて笑いが止まらない山頂です。



水晶岳と野口五郎岳がこのコースの双璧をなす景色の良さだわ、うははは!




真っ白な山頂ですが、目印に乏しいこともありガスったら怖いだろうなぁ……。という事もあり水晶方面、烏帽子方面、と指導票が細かく設置されている愛嬌がある山頂でした。
ここまで本当にいい景色が続いたんですが、野口五郎岳から先はさらに景色が良くなります。



景色のインフレが、インフレがとまらない~ッ!!
水晶岳へ続く稜線は美しくも厳しい


野口五郎岳の山頂周辺は白い大地と槍ヶ岳の眺望がとにかく素晴らしいのが特徴的。流れる時間がここだけゆっくりしていて、南沢岳のようにここで数時間過ごしていても苦ではないだろうと思わせるような雰囲気が流れています。
実際に山頂では山々を眺めながら絵を描く方などがいまして、本当に贅沢な山の時間が流れていました。


野口五郎岳の山頂からは対面に水晶岳を見ることが出来ます。画面左のカールの底にあるのは五郎池、秋になれば紅葉の名所になるんだとか。


烏帽子小屋から歩いてきた方が水晶岳に向かって白砂の地面を降っていきます。
山頂から登山道を眺めていると、稜線好きにはたまらない道なんじゃないかな……と。


景色をよく見てみると東沢乗越の手前くらいで白砂の台地が終わり、緑が濃くなっているようです。そこまでは白砂の登山道を心行くまで楽しめるみたい。


野口五郎岳から竹村新道の分岐点がある真砂岳、東沢乗越までは北アルプス全域を見渡す超展望が続きます。何よりも僕がお伝えしたいこの地点の良い所は「街が見えない」ことでしょう。日本の山はどこを歩いていても、どんなに奥深くても大体街が見えてしまいます、夜になれば都市の光が見える。
街や光が見えなくなった時、急に心細くなるといいますか「本当に人里から離れた場所に来た」という実感がわくのですが、野口五郎岳から西側にはその雰囲気がありました。





水晶岳と五郎池を眺めながら歩くこの区間が一番幸せかもしれない、穏やかな至福の時間が流れる。


画面中央に見えるのは鷲羽岳の東側になります。水晶小屋方面から歩いてきた登山者の方にこの先の話を聞くと、水晶小屋の手前がやはりきついらしい。


雪渓が残る斜面のむこうには硫黄尾根と槍ヶ岳がスポッと収まったような景色。




東沢乗越が近づき白砂で穏やかな道が終わりを告げました。少し大きめの石が積み重なる足場が安定しない登山道を進むことになりますが、この辺は転ぶとただでは済まない感じです。


五郎池と立山のコラボレーションを眺めながら、石が積み重なる安定しない足場を進んでいきます。


野口五郎岳方面は本当に白いよなぁ……、北アルプスを歩いている際にその白さから「あそこが大体野口五郎岳」とわかるくらい白い。


北アルプスの中心を歩くような野口五郎岳から水晶岳への区間ですが、東西に横断していることから景色が大胆に変わっていきます。特に注目すべきは槍ヶ岳でしょう、東沢乗越の手前くらいで見る硫黄尾根越しの槍ヶ岳は本当に素晴らしい。


槍ヶ岳いいなと言い続けていますが、それは水晶小屋手前のアップダウンを前にした現実逃避でもあります。



画面左側の鞍部、あそこまで下った後に滅茶苦茶登るじゃないのよ……ここが今日の正念場ってところかな。


アップダウンはありつつも穏やかだった道に別れを告げ、鞍部へと降り立った後は苦悶の表情で登り返しへ挑みます



白亜の野口五郎岳、ありがとうよ……お前を快晴の空のもとで歩けて、この登山の目的は達成したってもんよ。


これまでと比較しても急に道の状態が悪くなるのが水晶小屋の手前になります。地図上の赤岳と書かれた地点の東斜面はガッツリと崩落しておりまして、赤茶けた山肌と荒々しい岩の道が登山者を威嚇するようです。





写真を拡大してもらうとびっくりするかもしれない。崩落ギリギリの崖っぷちの部分に登山道がありまして……、登っていく人を眺めながら「本当にあそこを歩くのか……」という言葉が口からもれ出てしまいました。


崩落の際に作られた登山道を登り続けます。身体を左にもっていかれたら一発アウトです。道は意外に広いからそうそう滑落はしないと思うけど、足元はザラザラで滑りやすいから気を付けてほしい。



裏銀座縦走では一番恐ろしいのがこのポイントだと思う。




ザラザラと滑る足元に若干の恐怖を覚えながら登っていくと階段が現れます。ここまでくれば水晶小屋はあともう少し。緊張感のある足場は終わりホッと一息つきながら小屋を目指します。




午後12時20分、水晶小屋。
野口五郎岳から2時間半での水晶小屋到着となりました。本日の折り返し地点となりますがさすがに疲れちゃった……、水晶小屋に行く前にジンジャエールを飲み干し行動食を口に突っ込んで補給を済ませます。



水晶岳の往復はどんなに早くても自分の足では1時間くらい。そこから三俣山荘まで2時間半と考えるとゆっくりしてられません。お昼ご飯を小屋で食べる時間は無いので行動食を齧り続けることに。
水晶岳と鷲羽岳から三俣山荘へ駆け込む


水晶小屋は水晶岳に行く方々が荷物をデポする場所でもあります。いろいろ悩んだけど、そもそも自分はテント装備が軽いので背負ったままでもいいか、ということで水晶岳へ出発です。



空には環水平アークと思わしき虹が見える、天気はこの先も安定しているようだから、下り坂のサインではないと思われる。


水晶小屋から水晶岳へは片道40分くらいでしょうか、登りは結構辛い道のり。ちなみに出発地点の水晶小屋は三俣山荘、湯俣山荘と同じ方が経営していらっしゃいます。伊藤新道を開拓した黒部の山賊、伊藤さんのご一族が今でもこのエリアを保全してくれているといった感じ。




烏帽子小屋のテント場を出発して半日が経過していること、日差しが照り付ける快晴が続く一日であることからさすがに疲れてきました……。水晶岳から降りてきた登山者は日傘をさしてるし、紫外線ケアしないと疲れるもんな。


眼下には雲ノ平が見えます。過去日本庭園で痔が爆発し雲ノ平到着を断念した覚えがあるんですよ私。それ以来登山とは痔との戦いであるという事を悟り、おしりケアには気を使って登山を続けています。



みんなも登山中の痔爆発には気を付けてほしい、シャレにならない。そうならないためにも普段から血行を良くする、長時間歩いても大丈夫なようにトレーニングを積む、装備を軽量化するなど取り組んでほしい。


水晶岳本体に取り付いたら是非ともやってほしいことがあります、それは足元を見ること。水晶岳というのはその名前の通り水晶を産出していたという歴史に紐づきます。登山道中で大きな結晶を見ることはもうないのでしょうが、足元を見てみると石に豊富に含まれた石英がキラキラと光を放っているのです。



登ることに疲れたら、足元を観察して息を整えるといい。


水晶岳からの景色は相変わらず壮観です。東の野口五郎、西の水晶とでもいいますか、雲ノ平、黒部五郎、薬師岳、笠ヶ岳と山々が目を楽しませてくれます。


しかし、一番見ていて楽しいのは鷲羽岳へと続くこの稜線でしょう。雪が残る圏谷のむこうには水晶小屋、ワリモ岳、鷲羽岳と続き、それらの稜線のむこうには槍ヶ岳が座っています、景色の情報量が本当に多いね!


午後1時15分、水晶岳。
周辺に広がる山々の眺め、きらめく足元を楽しみながら歩いた水晶岳の山頂へ到着しました。木柱があるのは南峰で、三角点があるのが北峰になっています。



今回は、南峰だけで帰ります!!


水晶岳から一番よく見える山は?と聞かれれば黒部五郎岳でしょう。手前に雲ノ平が横たわり、その奥にきれいな三角形の形をした黒部五郎岳を拝むことができるのです。



黒部五郎岳はいろんな場所から見ることができるけど、水晶岳から見るのが一番整った顔立ちだと思う。


山頂付近をうろうろしていたら大きな石英の塊が落ちていました。山頂も風化が進んでいるので、そのうち大きな結晶が見つかるのかもしれませんね。




午後1時45分、水晶小屋。
やっぱり水晶小屋に荷物をデポしておけばよかった……つ、疲れる!!という感じで水晶小屋に戻りました。水晶岳側から戻ってくると小屋がある場所はちゃんと三角形のピークになっているんですね。



そして、この直後急激な腹痛に襲われたRedsugarは水晶小屋のトイレで死闘を繰り広げることとなるのだった。


15分くらいでしょうか……、水晶小屋で停滞しまして辛い戦いを繰り広げておりました。歩く準備を整え出発してみれば槍ヶ岳の景色が僕を出迎えてくれます。三俣山荘まであと2時間半くらい……、お尻に気を使いながら歩く時が来てしまいました。



山で大きなお花を摘んだ後は赤ちゃんのおしりふきを使って綺麗にしましょう。そのあとはメンソレータムやワセリンを塗っておしりを保護するのがお勧めです。




水晶岳周辺はなだらかな丘陵地帯になっていて北アルプスでも僕が特に好きなエリアです。草原地帯には花が咲き乱れ、緩やかな道のりをのんびりと歩くことができます。


水晶岳の西側には薬師岳です。あちら側はあまり歩いてないのでもっと経験を増やしたいところ。


穏やかな道が終われば鷲羽岳への容赦ない登り坂が始まります。ワリモ岳の近くはガレていてちょっと危ないからご注意を。


ワリモ岳への道中からは本日歩いてきた野口五郎岳の姿がばっちりと見えます。ここから見るとその青白さがよくわかる事でしょう。


ワリモ岳は鷲羽岳の北にあり、積み重なった岩の中に雑な感じで木柱が置かれています。割物岳が語源らしく、割れた岩が聳え立っていることからついた名前らしいです。


ワリモ岳からは少し下った後鷲羽岳へと登り返します。写真に写っている方は水晶小屋に泊まるとのことでしたが、かなりきつそうな感じ……水晶岳はとにかく体力勝負な山だから、軽い気持ちで来ると後悔します。


下から見上げるワリモ岳、山頂付近はバキバキの岩山。


烏帽子小屋を出発してから8時間以上が経過しています、あんまり疲れてないけど最後の登り坂は流石にしんどいものがありました。心を無にして鷲羽岳を登ります。



雨が降ってもしょうがないと思っていたんだけど、この日は最後まで快晴が続いてくれた。それだけは本当にありがたかった。






午後3時35分、鷲羽岳。
水晶小屋で突然の腹痛というか便意に苦しむという一幕がありましたが、無事鷲羽岳へ到着いたしました。午後の三時半という時間もありまして登山客はほとんどおりません。山頂からは槍ヶ岳の硫黄尾根と北鎌尾根がとてもよく見えます。湧き上がる雲に包まれた槍ヶ岳ですが、それでも見栄えが良いのはさすがです。
北アルプスのジャンクション三俣山荘へ


水晶岳と鷲羽岳は百名山に選ばれるだけあって満足度が高い景色、そして「俺はここまで歩いてきたんだ」と思わせてくれる達成感がある二座になります。鷲羽岳は周囲の山々の景色はもちろん、鷲羽池(鷲羽岳の火口湖)があったりと見どころに事欠きません。



北アルプスの火山といえば焼岳、乗鞍岳、立山と浮かびます。それ以外にも鷲羽岳や雲ノ平なども火山性地形の痕跡が残るようです。鷲羽池は直径300メートルの火山湖で、氷河の浸食を受けていないことから最終氷期より後に作られたといわれています。


今回裏銀座縦走という事で、西日になるような時間にこんなところを歩いているわけですが……鷲羽岳から見下ろす三俣山荘方面が壮大な景色すぎて足が止まってしまう。



なんていい景色だよ……。


槍ヶ岳方面は相変わらずの絶景。西日を受けて谷筋や硫黄尾根が克明に浮かび上がる様が印象的です。


雲が多くて笠ヶ岳は見えないけど、三俣蓮華岳や双六岳への稜線はしっかりと目にすることが出来ます。
鞍部に位置する三俣山荘は双六岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、雲ノ平、伊藤新道へのジャンクション地点にもなっています。



乗り入れ本数が多い駅みたいな感じですね、北アルプスの大宮。


鷲羽岳から三俣山荘にかけては景色があまりにもよく、ここに掲載したような三俣山荘の写真を十数枚量産することになりました……。そのたびに足を止めてしまったので日が刻々と傾いていく。


三俣山荘までやってくると背の高いハイマツのむこうに西日を受けて順光状態になった槍ヶ岳。ここまでバッチリと見えている西からの槍ヶ岳は初めてかもしれない。




午後4時30分、三俣蓮華山荘。
山荘への到着がかなり遅れてしまった1日となってしまいました。天候が安定していたから何とかなったけど、到着が16時過ぎはあんまり良くないなーと思う。テントを設営するころには17時近く、小屋近くの水場で汗を拭いご飯を食べるころには日没でしょう。



夏場でも水がキンキンに冷えている北アルプス。午後4時を越えると急速に気温が下がっていくため身体を拭うととにかく寒い……。


水浴びを追えてテント場に戻ってくると何時の間にか空にあった雲は消え、快晴の鷲羽岳がゴキゲンな景色を作り出していました。三俣山荘テント場はこの景色が良いよね。




日没前にご飯食べちゃおう……という事でカレーメシとビーフジャーキーを取り出しネクターで晩御飯。相席した方が超プログラマーっぽいしゃべり方で思わず「職場か?」と思うような一幕もありました。



山の上であまりビールは飲まないんですよね、気分悪くなっちゃうから……と話したら。「低酸素状態になる高山ではアルコールの影響は多いですし睡眠も浅くなりますからね、理解できます」と帰ってきてニヤリとしてしまった。面白い方だったな……。


ササッとご飯を済ませた後はお楽しみの日没タイムです。三俣山荘からぞろぞろと人が出てきたと思えばみんなで槍ヶ岳を眺めるという不思議な時間。そこにいる全員が同じものを見るっていうのは面白い時間です。



富士山山頂でご来光を見る瞬間とかもそうだけど、原始的な遥拝や祭祀につながるような不思議なひと時だよね。






なぜかこの時間だけは知らない人とも弾むように話すことが出来る不思議な時間でもあります。みんな知り合いなのか……?と思うくらい会話が飛び交うのですが、槍ヶ岳に当る光が失われると同時に一人また一人と散り散りになっていくのです。


ピンク色に染まる空と槍ヶ岳を見送りテントへと戻ります。真夏の一夜となりますが、もうこの時点で寒い……フリース着てないと寒くて震えちゃう、そんな環境がこの北アルプスです。



さいたま市の家にいるときは夕方の6時なんて30℃越えててクーラーがないとぶっ倒れそうなのに。




この日の夕焼けは中々なもので、日没後にオレンジ色に染まる雲がとても印象的でした。撮影をする方々はこの後も忙しそうに外を駆けまわっていたのですが……僕はもう日没の撮影などはしていないし、夜景や星景も撮影しないため就寝です。
というわけで明日は裏銀座縦走の最終日、双六岳からの下山となります。これまで双六岳を歩く機会はありつつも天空の滑走路を見ることがありませんでした、今回は見れるのか!?



8月の三俣山荘ならモンベルのダウンハガー#7でもスヤスヤ寝れるんだよなぁ……。









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