【北アルプス】 小池新道、 雲ノ平を目指し新穂高から登る夏山登山

2017年8月4日から8月6日まで、北アルプスへ行ってきました。
鷲羽岳、水晶岳、三俣蓮華岳、双六岳をなんとか登ることができました。
最も標高の高い地点は水晶岳の2,986mとなります。

今回の記事は日本百名山と二百名山、北アルプスに聳える数多くの名峰を眺める裏銀座の一端を歩きます、3回に分けた連載となりますが、お付き合いいただけますと幸いです。
鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平は北アルプスの中心地にあり、最も奥深い黒部源流エリアです。
今回の目的は鷲羽岳、水晶岳と雲ノ平、そう、日本最後の秘境雲ノ平を一目見たいと言うことで歩きましたが残念ながら雲ノ平へは入り口のみで本格的に楽しむことができませんでした。

その代わりと言うわけではありませんが、鷲羽岳、水晶岳は快晴の天気に恵まれ、人生最高の登山経験が大きく更新されるという嬉しい出来事もありました。
鷲羽岳本当にカッコよすぎる、百名山で一番イケメンだなッ!

今回は2泊3日の行程で新穂高から入山し、三俣山荘をベース基地として水晶岳などを歩く小池新道の旅です。
同じようなコースを考える方も多いと思いますが、コースタイムが全日10時間近い非常にタフな登山となるこの登山、実際に登ってみるとどうなるのかをご覧いただければ幸いです。
2017年、奇跡の晴天を掴んだ真夏の登山の始まりです。

目次

鷲羽岳、水晶岳の登山に関して

日本百名山で最も遠い山は水晶岳です、これは登山口から最も歩かなくてはならない山ということなんですけども、どの登山口から歩いても普通の人は一日で到達することができません。
そのため日帰り最難関とも言われています。

北アルプスの最深部にある水晶岳からは北に立山、剱岳、赤牛岳に黒部ダムを、東には槍ヶ岳と常念岳、後立山連峰、西に雲ノ平と薬師岳と黒部五郎岳、南に鷲羽岳と三俣蓮華岳と笠ヶ岳と北アルプスの大体の山が見えてるんじゃないの?!という大展望を得ることができます。
新穂高からの道は歩きやすく、花に満ち溢れた夏の楽園とも言える場所であるため、7月の最終週から8月頭に歩くのが最もおすすめと言える場所になるでしょう。

ベース基地は三俣山荘がおすすめですが、できれば小屋泊にしたいところ。
テント場が斜面にあるのと、トイレは小屋の中のものを使うことになるのでめんどくさいです。
三俣山荘は水晶岳と雲ノ平双方へのアクセスがよく、新穂高から入山する場合はここに宿を取って2つを回るのが良いでしょう。
バスが利用出来るのであれば折立から入山し、雲ノ平山荘、双六小屋と経由し新穂高に降りるコースもおすすめかと思います。

新穂高へのアクセス
夏のシーズンは登山バスを使うことをお勧めします。
・さわやか信州号
・毎日アルペン号
上記の二つを利用して新穂高に向かうのが良いでしょう。
車の場合は新穂高温泉を目指すのみですが、登山者用駐車場は夏は埋まることが多いので鍋平の駐車場に止める可能性が高いということを覚悟しておいてください。

登山全日のコースタイム
一日目
新穂高6:10→わさび平山荘7:15→秩父沢8:30→シシウドケ沢9:50→鏡平山荘10:40-11:10→弓折分岐12:05→双六小屋13:15→三俣山荘16:30
合計登山時間 10時間20分(標準登山時間 11時間20分)

二日目
三俣山荘5:00→鷲羽岳6:35-7:20→ワリモ北分岐8:10→水晶小屋8:50→水晶岳9:40-10:00→水晶小屋10:25-11:05→岩苔乗越11:45→祖父岳12:20→雲ノ平日本庭園12:45-13:10→黒部源流14:15-14:50→三俣小屋15:40
合計登山時間10時間40分(標準登山時間 10時間10分)
2日目は不思議なくらいヘロヘロでした。

三日目
三俣小屋5:00→三俣蓮華岳6:15-6:30→双六岳7:45-7:50→双六小屋8:35-8:55→弓折分岐10:00→鏡平山荘10:40→シシウドケ沢11:15→秩父沢11:50→わさび平山荘12:40-12:50→新穂高温泉13:50
合計登山時間8時間50分(標準登山時間 8時間45分)
3日間の登山時間が全て8時間越えです、大雪山トムラウシ以上の衝撃的コースタイム。
年取って同じことができる自信がありません。

この登山で使用した合計金額
高速行き       5,530円
高速帰り       3,340円
ガソリン       3,900円
三俣小屋宿泊費    12,900円(素泊まり5,500円&夕食のみ7,400円)
バッジ        1,800円(鷲羽、水晶、双六)
登山中に購入した食料 3,700円
温泉         800円
合計費用        31,970円
小屋を2泊とも夕食ありにしても4万円にいかないくらいで落ち着くと思います。

2日目以降の記事はこちら

最初の難関新穂高、鍋平からスタート地点へ向かう

新穂高への渋滞

2017年8月4日、午前4時45分、新穂高通行止めゲート前。
夏です、2017年の夏は最悪でした。
休みという休みに雨が振り、40年ぶりに15日以上ずっと雨が振り続ける記録的な天候不順年……。
中部山岳は台風五号の影響で湿った空気が入り続け、朝は晴れるけどお昼付近からはガスガス、そもそも快晴の空なんてないという危機的な状況が続きました。

8月の第一週……、GPVを見つめ続けた僕は5日の午前中水晶岳付近は快晴になると睨み、かねてから温めていた鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平登山を実行することにしました。
しかし、その登山は予想外のアクシデントも多い波乱の旅だったのです……。
まず、新穂高の駐車場にたどり着けません。

台風の残した爪痕は深く、新穂高温泉へ続く道路に土砂崩れが発生し早朝は通行止め状態になっているのでした。
新穂高へ入山予定の車列が数キロに渡って続き、現場は阿鼻叫喚の自体。
それを乗り越えて辿り着いた新穂高では……

鍋平駐車場

午前5時40分、鍋平駐車場
新穂高へとついた僕でしたが、すでに新穂高の登山者駐車場は満車、鍋平へ行ってくださいという死の宣告を受け鍋平へ。
登山口から徒歩で40分ほど離れた鍋平駐車場に車を止めることとなります。
一日目の標準コースタイムは11時間を越える……、そこに本来計算されていない40分のコースが追加されます。
標準コースタイム約12時間。

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一日の半分を歩き続けなくてはならない過酷な戦いの火蓋が切って落とされたわけです。
もう帰りたい、帰って寝たい。

自宅で3時間の仮眠をとったのみ、そんな体にムチをうち、
12時間の過酷な行軍へと向かうことにしました。

鍋平駐車場から新穂高へ

最初のテンションは最低でした、秩父沢で晴れ間が覗くまで頭の中は文句と撤退の2つが渦巻く状況。
朝の暗い、誰もいない林道をトボトボと歩き続けます。

鍋平駐車場から新穂高へ

林道を歩き続けること10分程で登山道へ突入、この登山道は「新穂高温泉に行くための登山道」であり、今回のメインコース小池新道とは何も関係がありません。

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この登山口の看板に中指を突き立ててファックユーッ!と叫んだのは僕だけではないだろう。

鍋平駐車場から新穂高へ

スタート地点に立つまでに何故こんなに苦労しなくてはならないのか?!
登山道は普通に険しく、帰りにこれを登り返すことを考えると今にも嘔吐しそうな気持ちに見舞われます、この時点で罰ゲーム登山です。
新穂高温泉の登山者駐車場は夏の時期の週末はほぼ駐車できません、出来ることならバスで訪れることをおすすめします。

とは言っても2017年は天気予報が6時間おきにガラリと変わる最悪な年であったため、バスの予約は過去最高難易度を誇っていたことでしょう……。
僕もこの山に来るまですでに2万円ほどのキャンセル料金を払っていたため、引くことができなかったのです。

鍋平駐車場から新穂高へ

午前6時10分、新穂高温泉。
スタート前に結構な山道を歩かされ、ようやく登山口に到着。
バスで来た方や路駐に成功した方々が登山届を書いて出発の準備をしています。

新穂高温泉

コースタイムに大幅な遅れがある僕は周りに気を使っている余裕がありません、新穂高温泉のお湯が流れる川を尻目に登山口へ向かいます。
新穂高温泉に初めてきた人は駐車場の場所がわからず戸惑うことでしょう。

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多くの車がこの橋を渡り、引き返してきていましたがこの橋を渡ってはいけません、この先には停める所なんて無いから。
登山者用の駐車場は温泉の手前のロックシェードの途中にあります、初見では絶対に気がつけないので、事前によく調べてから向かうことをおすすめします。

小池新道、無慈悲な林道の始まり

新穂高から小池新道へ

午前6時20分、小池新道登山口。
橋を渡り少し進むとゲートが現れます、このゲートから先へ進めば入山と言うことです。
北アルプス中心部を目指す旅、プレイボールだッ!!

新穂高から小池新道へ

見ての通り曇天です。
新穂高温泉からゲートを越えて、登山口まで一時間以上林道を歩かなくてはなりません。
まずこの林道歩きに心が折られます、周りに同じ気持ちで歩く登山者がいなければ早々引き返していたことでしょう。

笠新道入り口

午前7時5分、笠新道入り口。
地獄への入り口です、ここを歩くのは歴戦の勇者だけなので僕には関係がありません。
百名山レベル50以上になったら来ます。
あらゆる登山ブロガーたちの足を破壊した悪名高い笠新道、歩くことはあるのだろうか。

ワサビ平

午前7時15分、わさび平山荘。
写真では一瞬でついたように思うでしょう、新穂高のゲートから撮影するほどではないつまらない林道をここ迄一時間かけて歩いてきています。

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も~気分は最悪です、お腹も空いたし気力はゼロだし荷物は重いし。

ワサビ平

わさび平山荘では冷たいドリンクなどが軒先に並び、登山者の財布の紐を緩めてくれます。

ワサビ平

小屋自体は立派なもの、笠ヶ岳に登る際のベースにいいかもしれないですね。
風呂があるかは確認してませんが、前泊で新穂高温泉かこちらの小屋に泊まると大分登山が楽になる気がします。

ワサビ平

わさび平最強かよ、ドリンクじゃなくて野菜と果物に歓喜しました。
登山においてビタミン補給は生命線です、そして何よりも冷えた新鮮な野菜や果物はなかなかありつけるものではありません。
明後日の下山タイミングまでお目にかかることがないのでここでしっかりと補給させていただきます。

ワサビ平のバナナ

バナナうめえ。
バナナを二本ほど購入しました、200円。
出来れば塩トマトも購入して塩分を大量に体に入れておきたかったところです、トマトは一つ200円なのでちょっと高いと感じてしまった。

小池新道を進む

わさび平小屋を出発して程なくして、青空が見え始めました。
しかし、北アの山々は真っ白な雲の中にいることは代わりがありません。

小池新道を進む

徐々に晴れてきました、いいぞ晴れろ晴れろ。

小池新道を進む

午前7時50分、小池新道突入。
コンクリの林道が終われば小池新道突入です、よく整備された山道をこれから何時間もかけて歩き続けます。
晴れていれば気持ちもいいんだろうけど、曇天の中歩き続けるのは精神力が必要です。

小池新道を進む

小池新道の感想は「歩きやすい」の一言につきます、岩が積み上げられた階段は非常に歩きやすく、こういったよく整備された道が結構続いてくれるんです。

小池新道を進む

マーキングもしっかり、ゆっくりと歩けば殆ど疲れることなく歩くことができるでしょう

小池新道を進む

暑いな、と思って後を振り向いたら青空が広がっていました。
焼岳が綺麗に見えるよ!やったね!
ここで僕のテンションはだいぶ持ち直し、帰るという選択肢はとりあえず消えました。

秩父沢

午前8時30分、秩父沢。
最初の休憩地点である秩父沢に到着しました、遅れていたコースタイムも大分巻き返してきており、このまま歩き続ければなんとか予定通りの17時前に小屋につけそうです。

Z40

今回はコースタイムも長く、テントとか背負えないのでZ40に着替えと食料だけ入れて来ました。
持ち物もう少し減らせたかなというのが僕の感想。
世間ではULが流行っているけども、個人的には小屋、飯も補給も全部小屋というブルジョア登山が一番荷物軽いし楽だと思う次第。

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登山は金だよ兄貴!

秩父沢

秩父沢周辺は水が多く、歩いていて楽しい場所です。

秩父沢から鏡平へ

小池新道は基本的にこのような岩を積み重ねた道が多く、非常に歩きやすいです。
ゆっくりと疲れないように歩いていけるコースなので、ゆっくりと歩くことをおすすめします。

秩父沢から鏡平へ

晴れ間が見えれば森の気温は一気に上昇し蒸し暑い空気があたり一面に立ち込めます。
汗の量はおびただしく、着ている服が全て湿ってしまうほど汗を流していました。

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沢とガレ場と樹林を交互に歩く、長い……。
小池新道は地図でみるのに対してかなり長く感じる場所です。

秩父沢から鏡平へ

朝に比べれば晴れ間が指してきたためなんとか頑張れるといった状態。

シシウドヶ原

午前9時50分、シシウドヶ原。
鏡平まであともう少しのところまでやってきました、シシウドヶ原にはベンチなどがあり、休憩を挟むことが可能です。
ここでおにぎりをかじって塩飴を舐めてひと休憩はさみます。

シシウドヶ原

今年は雪が多いからでしょうか、ベンチが全然顔を出してませんでした、例年はちゃんとベンチが見えるのかしら?

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青空も流石に陰りを見せてきた、午後になれば雲が沸き立ってしまうのでしょうね。

シシウドヶ原から鏡平へ

シシウドヶ原を出発して再び樹林の中を進み、鏡平を目指します。

シシウドヶ原から鏡平へ

シシウドヶ原からもなかなか厳しい登り……、やがて木道が出現するようになります。
木道が出現したら鏡平まではもう少し。

シシウドヶ原から鏡平へ

親切にこんな表示が出現します。

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フルマラソンでゴール直前であと2kmと叫ぶおじさんがよくいるんですがだいたい適当に2kmとかのたまうので、そのあとの表示で3kmと書いてあって殺意が沸くことがよくあるんですね、でもこの5分は割と信用できる表示でした。

鏡平から双六岳へ、無慈悲なガスとアップダウン

鏡平

午前10時40分、鏡平到着。
目の前に西鎌尾根がずーんと見え、それが湖面に反射し絶景となるはずの鏡平ですが、ご覧のように目の前は真っ白です。

鏡平
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湖畔の木々が水鏡に反射するだけの景色が広がる、許せん。

時折青空が姿を表しますが、山が見えることはありませんでした。
鏡平山荘に行く前にザックをおろしてしまったので、ここで一旦おにぎりをかじります。
ちなみにこの日は一時間おきの休憩で必ずおにぎり、塩飴、水を補給しました。
一日目は最も標高差を稼がなくてはならないので、定期的に補給しなくてはすぐにシャリバテや熱中症になってしまうからです。

鏡平

午前10時55分、鏡平山荘到着。
鏡平から100mほど歩いたところに山荘が出現します。
笠ヶ岳に登るときや双六岳を目指す場合に使われることが多い小屋ではないでしょうか?

鏡平のネクター

今回は山の中で積極的に山荘を利用すると決めていました、ジュースも積極的に飲んでいくことにします。
冷えたネクターでビタミン補給、ジュースはそれぞれ300円、400円と言ったお値段です。

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そして、鏡平山荘は水が有料なので注意。
出来れば秩父沢で水を補給したら双六小屋までは持たせたいところです。

鏡平からの道

鏡平山荘は一日目の中間地点の少し前、まだ半分も来ていないのです、恐ろしい……。
これから向かう弓折、双六岳方面は相変わらずのガス模様、鏡平山荘までは青空が差し込む天気でしたが、ここから先はガスの中を進む事になるので、軽く覚悟が必要でした。

鏡平からの道

鏡平山荘を出発して双六小屋を目指しましょう。

鏡平からの道

ふと上を向いたとき、それは現れました。北アルプス南部を象徴する山、槍ヶ岳です。
今日は絶対見ることができないと思っていた山だったので驚きです。
鏡平山荘は槍ヶ岳の西側にあり、槍ヶ岳を西側から眺めることができる好立地だったのです。

鏡平から見る槍ヶ岳

雲の中に現れた槍ヶ岳を眺めていたこの時間は幸せでした。

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槍ヶ岳を眺めながら弓折分岐まで登っていきます、鏡平からの登りは晴れていれば本当に楽しい事だろう……。

鏡平から弓折岳へ

僕が登るのはこちら側、左上の稜線は完全にガスの中だ……。

鏡平から弓折岳へ

弓折分岐手前はなかなかの登りです、疲れもだいぶ溜まっているのでこの弓折分岐の登りはとても辛かったです。

鏡平から弓折岳へ

整備はされているがなかなか足が進みません。

鏡平から弓折岳へ

午後12時10分、弓折分岐到着。
この日の中間地点、弓折分岐に到着です。
ここから今日の宿がある三俣小屋まではまだ5時間もあります、正直双六小屋に宿を取りたいです。

弓折岳から双六岳へ

弓折分岐で休憩を済ませた後、双六小屋へ向かって出発します。

弓折岳から双六岳へ

弓折分岐ですが、ここは笠ヶ岳方面と双六岳への分岐点となっています。
ここから先は稜線、アップダウンを繰り返し横に移動していくこととなります。
1,000m以上登ってきたあとにアップダウンの激しい横移動をするわけですから、体へかかる負担は半端ないです。

弓折岳から双六岳へ

稜線はアップダウンあり、雪渓ありの様相、既に疲れてる僕の足にはなかなか応えるものがあります。
雪渓を歩いているとどこからともなく「くるぽーくるぽー」と言った感じの鳴き声が……。

弓折岳から双六岳へ

本来はこの辺全部きれいなお花畑と言うことらしいのですが、あいにくガスで全然見えない。

弓折岳から双六岳へ

ハクサンイチゲやチングルマがこれでもかと言うくらい咲いているのは確認できるのですが……。

ライチョウ
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「あ、雷鳥……」

本日の第一雷鳥にして最後の雷鳥でした、先程の鳴き声の主はこの子だったようです。
あたりをキョロキョロ見回しながら佇んでる、すると辺りからガサガサ言う音が……。

ライチョウ

とりあえず接近して撮影、日本の雷鳥は人を怖がらないと言いますが、本当に近くによっても逃げないのね。

redsugar

しばらくこの可愛い雷鳥を観察します。

ライチョウ

周りから雛が出てきて親鳥と歩き出す、親鳥は羽を広げるのですが、この羽がまだ白いんですよね。

弓折岳から双六岳へ

さて、雷鳥観察もほどほどに先を急ぎます。
双六小屋まではアップダウンと平行移動でなかなかタイムが縮まりません。
小池新道の登りのあとなんで順調に疲れが溜まっていきます。

弓折岳から双六岳へ

所々に休憩用のベンチが用意されています。

黒百合ベンチ

クロユリベンチ、お花畑ということですがガスの中じゃ全然わからん。

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花、きれいだな……(限界寸前)

双六岳方面

稜線を進み続けると周りに小さな山がいくつも出てきます、結構奥まで来ました。

双六岳方面

木道が現れ始めたら双六小屋が近づいてきた合図です。

双六岳方面

視界の先に双六小屋が見えました、まだまだ遠いじゃねーか!!
目の前に見える立派な山小屋ですが、まだまだ遠くて時間がかかりそう……。

見えてからが遠いというやつですね、木道も終わり、中腹トラバース気味な道を進みます。

双六岳方面

急ぎ足で歩き続けて近づいてくる双六小屋。
しかし、双六小屋についてからさらに3時間近くコースタイムが残っていることを忘れてはならない。
2泊3日で水晶岳に行くということはこういうことなのだ。

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双六小屋でテントを設営する方々が羨ましい……、俺もできればその辺で寝転びたい。

双六小屋

午後1時15分、双六小屋到着。
晴れ間があるいい時間に双六小屋に到着することができました。
小屋の前ではたくさんの人が休憩していました、そしてご飯を皆さん楽しんでいる様子。
双六小屋は以降の小屋に比べても軽食のバリエーションが豊かなので、補給をするなら双六小屋がおすすめです。

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特にカルビ丼、大正義です。

鷲羽岳の大絶景とえげつない山道、双六小屋から三俣小屋へ

双六小屋から鷲羽岳へ

双六小屋の目の前には晴れた鷲羽岳が、北アルプス岐阜側は晴れると予測していたのだけども本当に晴れている、目の前に広がる景色のスケール感に圧倒させられる。

双六小屋から鷲羽岳へ

鷲が翼を広げたようにはまだ見えないが、ブッチギリでかっこいい山だよねというのはよく分かる。
今まで見てきた山でも一番のイケメンっぷりを発揮している山と言って差し支えない。

双六小屋から鷲羽岳へ

双六岳も素晴らしい見た目と景色をしており、名山であることは間違いがない。
双六小屋から登りに入ろうとしたその時だった。

「いよぅ!レッドシュガー!」

聞き覚えのある明るい声、今日三俣小屋で合流するはずだったさくさんの声が聞こえる……。

双六小屋から鷲羽岳へ

なんと双六小屋でさくさんと合流しました。
上高地を出発し日本海親不知を目指して北アルプスを縦走していたさくさん。
今回三俣小屋で合流して水晶までは一緒に歩こうと話をしていたのだ。

さくさんは今日西鎌尾根を双六まで歩いてきたというのだが、20キロ以上の荷物を背負い続けてヘロヘロになっている様子。
合流し共に三俣小屋へ向かう、荷物が本当に重そう……。
渋谷で待ち合わせをするような感覚で、双六小屋で待ち合わせをしたがこれがなかなか楽しい出来事でした。

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二人でガスガスの登山道を進み続ける事に、一人で登っているよりも二人のほうが会話が弾みます。
その為気が紛れて辛さが少し軽減されている気がする

双六小屋から鷲羽岳へ

午後1時50分、中道巻道分岐
双六岳と三俣蓮華岳のコースは3つ、稜線ルートと中道ルートと巻道ルートの3つです。
今回はガスの中を歩くので巻道を選択。
帰りに稜線を歩きましたが、比較すると稜線の方が体力的には絶対に楽です……。
巻道は意外にアップダウンがあり、道もグズグズになっているので、当ブログ的には稜線をおすすめいたします。

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巻道を進む、鷲羽岳方面以外は雲でどんより。

双六小屋から鷲羽岳へ

花を撮影する気力が生まれた。
ということで花を愛でたりできるようになったさくさんと立ち止まって撮影をしながら進む。

双六小屋から鷲羽岳へ

巻道のいい所はお花畑です、あたり一面にお花畑、高山植物の天国があたり一面を覆い尽くします。

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今日一番のお花畑はここだったといえる。

双六小屋から鷲羽岳へ

短い夏の間しか見れない高山植物。
6月の東北から始まり8月のアルプスまで追いかけ続けました、もうすぐ高山植物も終わりです。

双六小屋から鷲羽岳へ

はっきりと見える鷲羽岳を眺めながら歩く、唯一の心の救いです。

双六小屋から鷲羽岳へ

徐々にはっきりと姿を表す鷲羽岳、写真だと伝わりにくいがそのスケール感は一流。
南アルプスの山のように巨大かつ、柄がかっこいい。

redsugar

雲の中に隠れている槍ヶ岳、今日槍が見えたのは鏡平周辺を歩いているときのみでしたね……。

双六小屋から鷲羽岳へ

巻道の容赦ないアップダウンが襲い来る、本当に巻いてるのか疑問符が浮かぶコース。

redsugar

道の状態もお世辞にも良いとは言えない……。

双六小屋から鷲羽岳へ

なかなか近づいてこない鷲羽岳、長い……。
双六から三俣小屋まではコースタイム巻道で2時間30分ほど、なかなかつかないのは仕方がないか。

双六小屋から鷲羽岳へ

途中の沢で喉を潤すさくさん、三俣蓮華岳の雪渓や地面から湧き出す冷たい水で喉を潤します。

redsugar

重装備だけどもいつもと大差で変わらぬ速度で歩くさくさん、タフな人である。

双六小屋から鷲羽岳へ

ザックを降りしたときの背中の汗はすごいことになっていた。
二人共体力の限界に近い行動時間であるため休憩をしながらゆっくりと歩きます。

双六小屋から鷲羽岳へ
redsugar

ぐえー、長いッ!!

双六小屋から鷲羽岳へ

三俣蓮華岳がようやく見えてきました、三俣蓮華岳は巨大な雪渓を山頂直下に抱く巨大な山です。
山頂は案の定ガスに包まれている、でも今日は登る気がないので別にいいです。

双六小屋から鷲羽岳へ
redsugar

まじで近づかねぇ……、キッツーーっ!

双六小屋から鷲羽岳へ

午後3時10分、水場で休憩。
三俣蓮華岳の山頂下にある水場で休憩です。

双六小屋から鷲羽岳へ

山頂まであと少しのところにある水場はオアシス感がすごいです、渓流っぽさは全くなく清涼感のある小川がサラサラと流れています、水草が生えていたりしてとってもきれい。

redsugar

これだけ見りゃ凄い良いところなんだけども、新穂高から随分と歩いてきたので感動が薄い。

双六小屋から鷲羽岳へ

すごい透明感でした、北アルプスの天然水です。

双六小屋から鷲羽岳へ

清流の奥にはお花畑ですね、ハクサンイチゲかチングルマがすげーたくさん咲いているのがわかる……。
残念ながら近づくことはできません。

双六小屋から鷲羽岳へ

休んでいたら三俣蓮華岳の山頂の向こうが晴れ間に、青空の向こうに巨人のような入道雲がこんにちわしていました

双六小屋から鷲羽岳へ

午後3時50分、三俣峠到着。
三俣小屋まであと40分くらいです、さくさんと共にバテバテの状態ですが頑張って歩きます……。

双六小屋から鷲羽岳へ

「オーっ!鷲が翼広げてるわ!」
鷲羽岳を正面にした時、ようやく鷲が翼を広げたようなかっこいい姿を見ることができました。
鷲羽岳のこの姿は本当に素晴らしかった、一気にテンションが上がるが足は動きません。

双六小屋から鷲羽岳へ

ビクトリーロードだと思っていた、ここから先は。

双六小屋から鷲羽岳へ

藪の中を進む下りはなかなかハード、最後になんでこんな歩きづらい道を進まなくてはならないんだと半べそをかきながら小屋へ向かいました。

redsugar

この最後の下りは本当に勘弁して欲しかった。

双六小屋から鷲羽岳へ

小屋が見えてきました、ようやく……三俣小屋が……。
鷲羽岳のかっこいい姿よりも三俣小屋までの距離と時間を考えてしまう。

三俣蓮華小屋

雪渓を越えてテン場に突入します、今日一日を振り返ると、朝の秩父沢とか昨日のことのように思えます
記事の長さ的にももう秩父沢とか覚えてる人いないんじゃないのか。

三俣蓮華小屋

天気はなんだかんだで最後まで持ちましたね……、雲は多いけれども青空が必ずどこかに見え続ける1日でした。

奥黒部のオアシス三俣小屋、明日への英気を養う

三俣蓮華小屋

午後4時30分、三俣小屋到着。
ようやく今日の宿、三俣小屋に到着しました……。
さくさんはテントを設営するためにテン場へ、僕は小屋泊なので小屋へと向かいます。

三俣蓮華小屋

ちゃんと小屋に泊まるのって鳥海山以来、約1年ぶりですね。
アルプスの小屋に泊まるのは初めてです、綺麗な小屋でとても感心しました。
この日は素泊まりだったため5500円の宿泊費を支払います。
小屋の中には乾燥室、トイレ、靴置き場、休憩スペースがあります。
三俣小屋はあんまり広い小屋ではないので、期待しすぎると痛い目見るかも。
この日は夏の中でも5本の指に入る混雑日で、布団一枚に2人で寝てくださいということでした。

身体を拭う

体がべとべとする……、おしりウォシュレットしたい……。
肌の弱い僕は悲痛な声をあげながらテン場近くの水場へ、少し奥まったところにある沢の水を利用し全身を綺麗に拭き取ることにしました。

これをやるかやらないかで夜の寝心地がめちゃくちゃ変わります。
水場が近くにある小屋で寝るときは必ず体を吹いてから寝たいと心の底から思いました。
体を拭くときに手ぬぐいは非常に心強い味方になってくれるので、一本は持っていたいですね。

夕食

晩餐、この日素泊まりで食料は自炊を選択していた僕はさくさんと夕食へ。
二人でアルファ米をなんとか調理して栄養を補給する、景色と晴れた空には貪欲だが自炊に関しては無欲なんですね僕ら。
野菜ジュースとネクターで乾杯というヘルシーな夕食を終え、まったりとした時間が流れる。

北鎌尾根方面

夕方になり、日も陰ってきた頃の北鎌尾根。
槍ヶ岳はあいにく雲の中だが、そこに繋がるゴジラの背中のような稜線。
ノコギリの刃とも言える形をしており、記憶にくっきりと残るくらい見えておりました。

夜の槍ヶ岳

2017年8月4日、午後11時35分。
7時に就寝したのですが、周辺のいびき地獄に耳栓バリアが破られ起床。
すごい気温高いし蒸し暑いので外に涼みに行くついでに撮影をしてみました。
外の空気はひんやりとはしていますが、半袖で歩けるくらいに暖かい……。
目の前には月明かりに照らされた槍ヶ岳がうっすらと見えていました。

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星空は残念ながら撮影できず、ほぼ満月のこの日。
燦々と照りつける満月の前に星空に天の川が現れることはありませんでした。

鷲羽岳

闇夜に浮かぶ鷲羽岳、明日はこいつに登ります。

鷲羽岳と光文字

眠いけどとりあえず記念に書いておくか……、というこでライトを取り出すもWASHIではなくWASIと書いてしまう痛恨のミス。
ちゃんと眠くなり、3時までぐっすり寝れそうだということでこのあと小屋に戻り翌日の朝を待つのでした。

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次回へ続く

鏡平から見る槍ヶ岳

北アルプス小池新道
新穂高から始まるその道は登山者を北アルプスの奥地へと誘う道の一つ。
折立、裏銀座、読売新道、水晶岳へ向かうそれぞれの道の中でもっとも優しいとされています。
その道中は北アルプス南部の山々を眺め、西鎌尾根の絶景を超えそして双六岳という北アルプス中心部への入り口を経て鷲羽岳へと繋がってゆくのです。
優しいとはいうものの、1日で三俣小屋まで行くととんでもないことになるので1日目の目的地は双六岳か鏡平にするのが良いでしょう。

鷲羽岳の景色は圧巻の一言、初めて訪れた北アルプスのど真ん中。
そこに鎮座する鷲羽岳はもっとも格好よく、美しい気品のある山でした。
多くの山々があたりを囲む日本一の山岳エリア、黒部源流の地を彩る山々はそのどれもが素晴らしい個性と、巨大な身体を持っており、ここが登山の聖地であるということがよくわかる素晴らしい景色を歩くものに見せつけてくれます。

1日で三俣山荘まで行くのは大変ですが、いつかまたこの道を歩いてみたい。
そう強く思わせてくれる素晴らしい登山道でした。
次回はついに鷲羽岳、水晶岳へ登ります。
人生最高の山は続く。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは。
    いずれこのコースは歩く予定ですので、参考になります。
    にしても、鷲羽岳かっこよすぎです。

  • ろっぴ様
    先日の立山ではありがとうございました!まさかあんなところで出会うとは思いもしませんでした。
    こちらのコースですがとてもタフでした、僕の体力では結構ギリギリでしたが、展望だけは最高のコースでした。
    鷲羽から先はかなり感動ができます。

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