【丹沢】塔ノ岳、名峰から見る富士山に感動を覚える旅

富士山は登る山ではない、見る山だ。誰かがこんなことを言いました、その通りだと思います。
僕が富士山を登ったのは上京して間もない頃、登山なんて近所の山菜を採りにいくのと感覚的には変わらない。
そんな軽い気持ちで3000m峰のボスに挑んだことを覚えています。
結果は高山病になるわ、山頂で低体温症ぎりぎりで死にかけるわで惨敗と言う言葉が似合うものでした。

もう登山なんてこりごりだ、あのときはそう思いましたが、今はちゃんとした準備と装備でもう一度挑戦をしたいと思っている僕がいます。登っても楽しい山にするには自分の努力次第なんだ、今はそう思う。

さて、今回は神奈川県丹沢を代表する名峰【塔ノ岳】へ登ってきました。
富士山と南アルプスを一度に楽しめる山と言うことで、期待を大にして冬の丹沢に初挑戦です!

早朝の西日暮里

関東の冬は乾燥しているため酷く底冷えします。窓も一枚しか無いため部屋の中は痛く冷えきっている中、歯を食いしばって起床です。まだ日も登らぬ時間に準備をし、今日と言う長い一日を楽しむ為に家を飛び出しました。

目次

丹沢表尾根、ヤビツから歩く大展望コース

本日のコース
JR秦野駅8:00→ヤビツ峠行きバス8:15分→ヤビツ峠8:50分→三の塔10:30→行者岳11:30→新大日12:00→塔ノ岳12:40→山頂出発13:30→大倉駐車場16:00→新宿18:20
普通であれば7:35分のバスに乗るところですが、起きれなかったので普通に8時のバスに乗りました。
今思うと山頂の富士山を楽しむ為にも速く出るべきだったと思います。
というか山荘に泊まって朝焼けの富士を楽しみたい。

小田急線で丹沢へ

早朝の小田急線、普段は京急民なので東京の西側の電車はハイソに見えます。
電車には秦野行きと思われる中年ハイカーの方が何人か乗っていました、目と目が合っただけで感じる【同じ行き先】感。

丹沢行バス

電車の中はほぼ寝ていることが多いです、ぐっすりしてしまった間に日が昇っていました。
目をこすりながらまずはトイレを探します、これから行くヤビツ峠にはトイレは有りますが、洗面台の水が出なかったりするので、出来るだけ駅でトイレを済ませましょう!
というかこれは登山の基本です、【用は朝足す、前日食べ過ぎない】

丹沢行バス

8:15発のカナチュウバスに乗ります、ピカチュウみたい。
秦野は海と山に囲まれた町で適度な栄え方が心地よいです、駅から降りるとすぐに丹沢山塊が見えます。
海と程よい山に囲まれた最高にいい町だなと思います、きっとお魚と山菜を同時に楽しめるような場所なんでしょう。

ヤビツ峠へ

バスで高度を上げていく中、丹沢山塊がその重厚な姿を見せつけてくれます。

ヤビツ峠

ヤビツ峠に着いたらまずは用を足しましょう、あと登山届けは忘れずに!
僕は山のトイレを使う時、手を洗えないのが嫌なので飲料水で手をすすいでしまいます、おかげで水が余計に減ってしまう…。

ヤビツ峠

バス停には売店も有り、ここで水分を補給することも出来ます。
今回は真冬と言うことも有り水は1L、お湯を750mlという軽装で塔ノ岳に挑みます。

ヤビツ峠

バス停を出て、車道をしばらく歩くと登山道入り口に到着します。
既に至る所が凍結している。

凍結した登山道

登山道に入ると霜柱が登山者を迎えてくれます、ずいぶんと立派に成長していた霜柱。

凍結した登山道

マクロで見ると奇麗だけど、毛ガニの実に似てるなぁーとか思ってしまう。

三ノ塔へ

登山口からはまず三の塔へ向けて一気に高度を稼ぎます、そのため急な登りが登山客を待ち構えているのです。

三ノ塔へ

表尾根ルートだと最初のこの登りが一番キツい登りかもしれません。

ヤビツから見る富士山

既に遠方には富士が姿を表している状態です、富士山と南アルプスが並んだ姿をいち早く目に焼き付ける為にも先を急ぎます。

小田原の海

後ろには相模湾の展望が開けます、右奥に見えるのは伊豆大島?

三ノ塔へ

1月の登山道はもっと凍っているかなと思っていたのですが、日が当たるところは雪が溶けて泥まみれになっていました。
皆さんゲイター装備でしたが、僕はゲイター派ではなく長めのパンツを履く派です。洗い物を減らしたいので。

三ノ塔へ

日陰は完全に凍結していますが、アイゼンが無くても登ることは出来ます。

丹沢から見える富士山

午前中の青い空に富士山は映える。

三ノ塔へ

丹沢は夏に必ず訪れるのですが、登山道が非常に整備されているイメージが有ります。
表尾根は人気があると聞いていましたが、本当に奇麗に整備されていて驚きました。

三ノ塔

登り始めて1時間半ほどで三の塔に到着です、この日は団体客が記念撮影をしていました。装備を見るに山荘で泊まって帰っている途中と言う感じでした。

表尾根の気持ちいい稜線歩き

丹沢表尾根

三の塔から見える塔ノ岳は遠い…、この時点で下手したら3時間かかるかもしれないという気持ちになる。

丹沢表尾根から見る富士山

しかし富士山が奇麗、朝の青い空に浮かび上がる富士はすばらしいの一言です。

丹沢表尾根

三の塔の休憩所を出ると整備された登山道を行者岳に向かって進みます。
足下の状況が悪かったので下を見て歩くことが多かったのですが、おかげで今回は木の枝に数回頭をぶつけました。
危うく目に枝が刺さりそうになることもあったりで油断しまくりです。

丹沢表尾根

手前左の地点を目指しますが、このくらいの距離感なら実質20分もあればついてしまいます、道が凍ってなければなお速い。

丹沢表尾根

北側の登山道はこんな感じなので、大人しくアイゼンを装備しましょう。北国出身だからと行って途中までアイゼン無しで降りていったら転んでしまいました。今度からは大人しく最初にアイゼンを装備します。

丹沢表尾根

とらやスポーツで購入した6本爪アイゼンを装備します、これで下りに怖いものは無い…。
前爪ないから登りは怖いんだけど。

丹沢表尾根

凍結した下りを越えると行者岳に到着です、お地蔵さんや石碑のある修験者の頂のようでした。
北側斜面を越えて行者岳に至るあたりで凍結部分は終わるのでアイゼンを外します。

丹沢表尾根

こういう景色大好きです、冒険心をくすぐられますね。そして登ってみると解る意外に道が整備されている感。

パラグライダー

後ろを振り返るとパラグライダーやグライダーを楽しむ人たちがいました。高所恐怖症の僕には出来ないスポーツ、でも気持ち良さそうです。しかしあれどこに降りるんだろう…。

丹沢表尾根

夏や春なら緑のトンネルが出来ているであろう道は枯れ枝と霜柱で覆われていました。歩き易くて良いのですが、滑り易い道をぐんぐんと登っていきます。

丹沢表尾根

奥多摩に比べると非常に整備された丹沢、景色もいいしハマってしまいそう!

丹沢表尾根

檜洞丸や畦が丸はいつか登ってみたい、畦ヶ丸は毎年麓でキャンプをしているのでなおのこと登ってみたいです。

丹沢表尾根

何の番号でしょう?遭難時に使うのかな?

丹沢表尾根

途中には鎖場が登場しますが、落ち着いて下れば大して大変ではありません。足場もしっかりしているので鎖に頼らず三点確保の練習くらいの気分で下るのが良いかと思います。

新大日

景観や植物を楽しんでいる間に新大日に到着です。茶屋は長い間閉鎖しているらしく、少し老朽化が進んでいました。

丹沢表尾根

もうお昼も近いと言うのにまだ1.4キロ、なかなか長いです。この時点で昼ご飯13時は嫌だという気持ちが頭を駆け巡ります、12時半くらいにはご飯食べたいよね。

丹沢表尾根

新大日に着いてしまえば山頂はすぐそこです、30分もかからずに行けると思います。

丹沢表尾根

登山をしていると目標が遠くに見えてげんなりすることが多いのですが、実際歩いてみると大した距離じゃないことが多いです。山頂も30分かかるかなと思っていたけどすんなり登れてしまいました。

塔ノ岳山頂

12時半を回ったところで塔ノ岳山頂に到着です!やったね!絶景に心を奪われそうになりますが、何よりも先にご飯を食べることが優先されます。

塔ノ岳山頂での食事

本日のご飯はカップヌードルカレーをコッヘルに2つぶち込むと言う大盛りメニューです。前回の筑波の経験を生かし、今回はサーモスに熱湯を入れてきたので沸くのも早い!ただ、食べる前に圧倒的なミスを僕はおかします、お箸を忘れました。
しかしそこは人気の山、山小屋へ駆け込めば50円で割り箸を売ってくれるおっちゃんがそこにはいました。おかげで昼飯完食出来ました、感謝。

塔ノ岳山頂

お箸が無いくらいなら山荘で購入出来るのは心強いです。宿泊も行ける尊仏山荘、ダイアモンド富士の時期に来ると楽しいのかも。この日は快晴で、山頂からの富士は絶景の一言でした!富士山の右側に鎮座する南アルプスまで一望出来るこの景色、最高。

富士山を眺めながらバカ尾根を降りる

山頂標識の隣には仏様達が鎮座しています。

塔ノ岳山頂

南アルプスを見ただけではまだどれがどれだかは解らないが、おそらく画面右側に北岳がある気がする…。左側は南アルプス奥地では?

塔ノ岳山頂からの富士山

リアル富士山を僕が見たのは23歳の頃だったか…、29歳の今富士山のすばらしさを噛み締めています。山沿いの町に行くたびに思いますが3000m峰でこれなら8000mとかどうなっちゃうんだろう。

塔ノ岳山頂からの富士山

富士山、南アルプス、西丹沢方面を一望する景色に心を奪われます。蛭ヶ岳や丹沢山にはいつか登ってみたいな、暑くなる前に。

バカ尾根の下山

今回はバカ尾根と呼ばれる大倉尾根を下りますが、見ての通り尾根道は泥道に成り果てていました。

バカ尾根の下山

ここからはひたすら降り道が続きます、大倉尾根を登りに使うと確かにとても辛そう…。

バカ尾根の下山

整備はされてるけど変化が少ない道だなと思います。

バカ尾根の下山

山頂の山小屋でも思ったのですが、【山小屋でご飯食べれるならご飯持参しなくてもいいのでは?】という思いが途中の山小屋を見るたびに加速されていきます。

バカ尾根の下山

この日はトレッキングポールを使うこと無く下山を強行しましたが、途中から膝が痛くなり始めました。
景色はいいけど泥道でそれどころではありません。

堀山の家

【堀山の家】山頂から1時間ほど下ると到着します。

堀山の家

キティちゃんが沢山おいてある…。堀山の家を後にすると再び坂を転げ落ちるように下っていきます。

見晴らし茶屋

塔ノ岳ですがトイレは整備されている山だと思います、表尾根から登っても何カ所かにはトイレが有りましたし、大倉尾根側には結構細かく山小屋が建っていました。

バカ尾根の下山

【なぜその動物を選んだか解らない動物看板シリーズ】

大倉高原山の家

途中大倉高原山の家という山小屋に行くルートとまっすぐ降りるルートの分岐が有りましたが、ここは山小屋を選択しました。

メニュー表

炊きたてコーヒーに興味津々、でも店主の人が登山客とビールを飲んで楽しんでいたので我慢します。

丹沢の美味しい水

ここは岩清水が沸いているらしく、蛇口から常時水がだばだば流れていました。利用料金がかかるけど訪れる価値はあると思います。

観音茶屋

下山中最後の山小屋では特性絞り立て牛乳プリンが売っていました、買うしか無いと即座にゴーストがささやいたので購入です。

寒天プリン

フルーツが凝縮された杏仁豆腐のようなプリンでした、下りでつかれた体には染み渡るメニューです。母ちゃんの作ったプリンの味がするという表現が僕の中で浮かびました、懐かしい味。

バカ尾根の下山

最後の山小屋を出るとすぐに舗装道に出てしまいます、舗装道に出てしまうと登山が終わった気になる…。

丹沢クリステル

画像サイズ的に見えませんが、ストラップから下げている部分には『丹沢クリステル』とかかれていました、いくら何でも無茶だろ!

蝋梅

帰宅中の畑には蝋梅の花が咲いていました。近寄っただけでとてもいい香りがするので驚きです。

蝋梅

7部咲きって言うところでしょうか?甘い匂いが立ちこめます。

秦野戸川公園

しばらく歩くと秦野戸川公園に出ます、いわゆるバスターミナルです。ここにて本日の山行は終わりを告げます。
後はお家に帰るだけだ…。

秦野戸川公園

公園中央には立派な橋が架かっており、散歩にはちょうどいい感じです。なにやらお花も植えられているので新緑の時期には楽しいことになりそうです。その後、バスに乗って電車を乗り継ぎ新宿に着く頃には時計は18時を回っていました。
全てが予定通りに行った素晴らしい旅行で大満足のまま家へと帰りました。

山頂の案内板

表尾根から登った塔ノ岳ですが、晴天と言うことも有り大成功の登山になったかと思います。冬の澄んだ空気の中では富士山がこんなにも美しく見えるのかと感動を覚えました。このまま冬山にハマってしまいそうです。
塔ノ岳は距離も程よく、開けた展望と気持ちのいい尾根道が続くためとても気に入りました。
開けた尾根を歩くのは本当に楽しいですね、次回は丹沢山などから下ってきてみたいと思います。

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